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犬のアレルギーって何?症状や原因を徹底解説

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はじめに

「飼い犬の様子がいつもと違う」、「もしかして犬にもアレルギーってある?」と不安を感じていませんか?

人間と同じように、犬にもアレルギーはあります。ホコリや花粉、食べ物などが原因でアレルギーを発症します。

犬のアレルギー症状は皮膚にあらわれるケースが多いです。目の周りや口周りに赤みが出たことがきっかけで、飼い主が気づくこともあるでしょう。

この記事では、犬のアレルギー疾患の種類や症状、対処方法などを詳しく紹介します。大切な愛犬と安心して暮らすために、ぜひ参考にしてください。

犬のアレルギー疾患の種類

犬のアレルギー疾患の原因は、「食物・環境・ノミ」の3つに分けられます。

人間にも花粉症や食物アレルギーがあるように、犬のアレルギーもさまざまです。

どれか1つのアレルギーが発症する場合もあれば、食べ物アレルギーと環境アレルギーなどが複数同時に発症する場合もあります。

食物アレルギー

食物アレルギーは、毎日のごはんやおやつなど、食物中の特定の成分に過剰な免疫反応を起こします。原因となるアレルゲンは、主にタンパク質です。

犬が食物アレルギーになると、皮膚に赤みやかゆみが出ることがあります。皮膚の症状だけでなく、便秘や軟便・嘔吐などの消化器系に異常が出る場合もあるため、飼い主は犬の異変に気づきやすいです。

食物アレルギーになりやすい犬種は、ミニチュア・シュナウザー、アメリカン・コッカー・スパニエル、パグ、ボクサーなどですが、どの犬種でも発症することがあります。

1歳以下で発症するケースもありますが、10歳を超えてから突然アレルギーを発症する犬もいます。何歳になってもアレルギーが発症する可能性があると覚えておくと、症状が出た際にすぐに対処できるでしょう。

環境アレルギー

空気中のホコリや花粉・カビ・ダニなど、環境の中にある特定の物質がアレルゲンとなり症状が出ることを、犬の環境アレルギーと呼びます。

環境アレルゲンによるアレルギー性皮膚炎はアトピー性皮膚炎とも呼ばれており、アレルゲンが体内に入ると目の周りや耳などに強いかゆみが出るのが特徴です。

いつもと変わったものを食べさせていないのに、以下のような症状を確認できる場合は、環境アレルギーを疑いましょう。

  • 突然皮膚を搔きむしっている
  • 皮膚が赤くなっている

環境アレルギーは、遺伝が大きく関係しています。生後3歳までに発症するケースが多く、適切に対処しないとかゆみがどんどん悪化してしまうでしょう。

環境アレルギーになりやすい犬種は、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、シーズー、柴犬、ゴールデンレトリバーなどです。なりやすい犬種以外も、発症する可能性はあります。

ノミアレルギー

ノミアレルギーは、犬の皮膚に付着したノミが皮膚を噛んで、唾液や排せつ物が体内に入ると発症します。ノミは、主に犬や猫に寄生して吸血する外部寄生虫です。人を吸血することもあり、皮膚に排泄したり卵を産み付けたりすることもあります。

ノミアレルギーを発症すると、皮膚のかゆみや蕁麻疹などの症状が出ます。暖かい気温や湿度の高い場所を好むノミは、梅雨〜秋のじめじめした季節に繁殖しやすい傾向です。寒い季節でも、暖房の効いた部屋にはノミが潜んでいるかもしれません。

家の中を清潔に保っていても、散歩中に草や土の上を歩いた際にノミが付着するケースもあります。またドッグランなどの多くの犬が集まる場所で、ノミが犬の毛や皮膚に付着することもあるでしょう。

犬のアレルギー症状

犬のアレルギー症状は、皮膚の炎症に関する症状が多くあります。

ここでは、犬のアレルギー症状にどのようなものがあるのか、紹介します。

かゆみ

1つ目は、皮膚のかゆみです。

食物アレルギーや環境アレルギーを発症すると皮膚がかゆくなるため、犬はいつも以上に体を掻いたりかゆそうな素振りを見せたりします。

飼い犬がアレルギーを発症した場合、まずあらわれる症状として考えられるのがかゆみです。犬がいつも以上に体を掻いていないか、チェックしてください。

特に環境アレルギー(アトピー性皮膚炎)によるかゆみはひどいといわれており、掻きすぎが原因で毛が抜けることも少なくありません。

皮膚の赤みや腫れ

2つ目の症状は、皮膚の赤みや腫れです。

目や口の周りなどの分かりやすい箇所が、うっすら赤くなっていたり腫れていると感じたりする場合は、症状が出ているのかもしれません。

また耳やわき・肉球の間の皮膚に、赤みや腫れが出る場合もあります。犬が皮膚のかゆみを気にしている様子なら、一度皮膚に赤みや腫れがないかチェックしてみることをおすすめします。

赤みや腫れを放置して慢性化すると、皮膚の色が変わる・皮膚が固くなるケースもありますよ。

体臭の変化

アレルギーによる皮膚の炎症が原因で、犬の体臭が変化することもあります。

犬は、皮膚がかゆくなると我慢できずに掻いたり噛んだりしてしまいます。炎症を起こしている皮膚をさらに傷付けることで悪化し、細菌が繁殖するケースも多いです。皮膚が荒れて膿んでしまい、臭いがきつくなります。

また、カビの一種であるマラセチアにアレルギーを持っていると「マラセチア皮膚炎」になります。マラセチアは脂を好むため、皮膚の脂が多い犬種はマラセチア皮膚炎になりやすい傾向です。

マラセチア皮膚炎は、皮膚の赤みやベタベタした症状の他に、普段よりも脂の臭いがきつくなる特徴もあります。

犬のアレルギーの原因

大切な愛犬の健康を願う飼い主さんは、以下のように感じるのではないでしょうか。

  • 「犬もアレルギーになることは分かったけれど、原因はあるのだろうか」
  • 「原因を知って症状が出ないようにしたい」

犬のアレルギーの原因はいくつか考えられますが、遺伝や体質が原因で発症するケースが多い傾向です。

ここでは、犬のアレルギーの原因を3つ紹介します。

特定の食品

食物アレルギーの原因は、特定の食品を食べたり飲んだりすることです。

食材を単体であげていなくてもドッグフードにアレルゲンが入っている場合もあるため、注意が必要です。

一度症状が出ると、その後は直接口に入れなくても触れたり成分を吸い込んだりするだけで反応が出る可能性が高いです。

例えば、以下のような食物が原因で食物アレルギーが発症します。

  • 牛乳
  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 乳製品
  • 大豆
  • 小麦
  • りんご

アレルゲンとなる食べ物は主にタンパク質ですが、人間と同じように桃やりんごなどの果物が原因で症状の出る犬もいます。

ホコリや花粉

ホコリや花粉・ダニなどが原因になるケースも多いです。

空気中に飛散している目に見えない小さなものがアレルゲンの場合、避けるのは難しいです。

アレルゲンとなる花粉の一部を、以下にまとめました。

  • シラカバ
  • ヨモギ
  • ヒノキ
  • スギ(春)
  • イネ科の植物(夏)
  • ブタクサ(秋)

春や夏にだけ症状が出る場合は、特定の植物の花粉に反応している可能性が高いでしょう。

薬品や洗剤

薬品や洗剤が原因でアレルギーを発症する犬もいます。

例えば、洗濯洗剤などです。犬が着用する服や普段使っている毛布などを洗濯する際、すすぎ残しが原因で皮膚炎になる場合があります。

また柔軟剤に含まれる香料に、アレルギー物質が入っている可能性もあります。

アレルギー症状の対処方法

大切な飼い犬にアレルギー症状が出たとき、どうすれば良くなるのか、治るのかと不安になるのではないでしょうか。

症状が出た際は、以下の対処方法を試してみましょう。

  • 獣医師の診断と治療
  • 食事の管理と特定の食品の排除
  • 環境の改善と清潔な環境の維持

はじめから独断で対処するのではなく、獣医師に相談するのがおすすめです。

獣医師の診断と治療

まず、犬のアレルギー症状が疑われるときは、迷わず獣医師の診断を受けて治療してもらいましょう。

飼い主が自分の力だけで症状を抑えたり防いだりするのは、難しいからです。

アレルギー反応だと思っていた症状が、まったく別の病気が原因の可能性もあります。

動物病院でアレルゲンを特定してもらえば、今後何に注意しながら生活すればよいのか分かるため、飼い主も安心できます。

アレルギー反応が出たタイミングですぐに受診するのが望ましいですが、難しい場合は犬の食べたものや症状・症状が出た時間帯などを細かく記録しておき、受診時に獣医師に伝えてください。

動物病院に連れて行った際にアレルギー反応が出ていない場合、記録をもとにどのような状態だったのかを詳しく説明できます。

食事の管理と特定の食品の排除

食物アレルギーが疑われる場合は、食事の管理やアレルゲンだと考えられる食品の排除を行います。

動物病院を受診して血液検査をしてもらえば、アレルゲンの可能性が高い物質が分かる場合もあります。しかし、アレルゲンの食材を特定することはできません。

まず、アレルギーの疑いがある物質を含まない食事を与え、アレルギー症状が落ち着くのを待ちます。その後、アレルギーの可能性がある食べ物を1種類ずつ与えましょう。アレルギー反応が出るかどうか1つずつ試せば、アレルゲンを特定できます。(必ず獣医師の指示に従って実施してください。)

特定できれば、アレルゲンである食材を普段の食事から排除すれば発症を防げるはずです。

アレルギーが分かっている場合は調べる必要がないため、犬が口にしないよう徹底的に食事管理をしてください。

環境の改善と清潔な環境の維持

ホコリやダニ・ノミが犬の皮膚に付かないよう、清潔な環境を維持することも大切です。

ノミアレルギーの場合、以下のような方法でノミから犬を守れる場合があります。

  • 外出から帰ったら丁寧にブラッシングする
  • 定期的にシャンプーする
  • こまめに部屋を掃除する

散歩の後は、すぐに体を拭いたりブラッシングしたりしましょう。ノミやノミの糞を取り除くことができれば、ノミの唾液や排泄物が犬の体内に入るのを防げます。

また定期的にシャンプーをして体を清潔に保つことも大切です。既に皮膚の炎症が起きている場合は、刺激が少ないタイプのシャンプーを選んでください。シャンプーの種類が分からなければ、担当の獣医師に聞いてみましょう。

飼い主が犬のアレルゲンを把握して環境を改善するだけで、アレルギーから犬を守れます。

アレルギー予防のための注意点

できることなら、もうアレルギー症状で犬に辛い思いをさせたくないですよね。

最後に、アレルギー予防のための注意点を紹介します。

予防接種の定期的な受け取り

ノミやダニに噛まれてアレルギーや貧血を起こさないために、予防をすることが大切です。

ノミやダニの予防の場合、注射ではなく飲み薬や直接皮膚に薬を垂らすタイプなどがあります。梅雨〜秋にかけてノミの発生しやすい時期は、毎月の投薬がおすすめです。

予防接種はノミやダニから犬を守るためのもので、アレルギーを起こさないようにするものではありません。アレルギーの原因であるノミやダニを、愛犬に近づけないためのものです。

愛犬をノミから守るためにも、定期的に病院を受診して予防に努めましょう。

家の中での掃除と換気

家の中は、常に掃除や換気して清潔にしておきましょう。

掃除や換気をしない部屋で過ごしていると、ノミやダニが繁殖したりホコリが舞ったりします。

犬が安心して過ごすため、犬をアレルゲンから守るためにも、アレルギーの原因になり得るものは排除すべきです。

冷房や暖房を使う時期でも1日に数回は窓を開けて換気をし、外の空気を取り入れてください。

またクッションや毛布・布団などにも、ノミやダニがいる可能性があります。

部屋の掃除だけでなく、普段から犬が使用しているもの・犬の体に触れているものはこまめに洗濯しておきましょう。

散歩時の環境の注意

散歩時は、手入れされていない草むらや土の上を歩かせたり近づかせたりしないよう、注意してください。

家の中を清潔に保っていても、散歩コースでノミが犬の皮膚に付着する可能性があるからです。

飼い主が気をつけていても、犬の行動を制限できないこともあります。散歩時の環境に注意するほか、ノミ除けの首輪のような専用グッズの利用も検討してみてください。

まとめ

犬のアレルギーは、人間と同じようにアレルゲンが体内に入ると免疫が過剰に反応することで起こります。

特定の食べ物や花粉・ホコリ・ダニなどが原因でアレルギーが発症しますが、おもな症状は皮膚炎です。 

飼い犬に以下のような症状が確認できたら、アレルギーを疑いましょう。

  1. 愛犬がいつもより体を掻いている
  2. 目や口周りが赤い
  3. 皮膚がぶつぶつしている

独断で対処するのではなく、まずは動物病院で獣医師に相談するのがおすすめです。

特定の食品の排除や予防対策、清潔な環境づくりなどでアレルゲンから犬を守れるため、できることから始めてください。

愛犬の健康と安心できる暮らしを守れるのは、飼い主さんだけです。愛犬の様子を普段からしっかり観察することでアレルギー症状に素早く気づけます。

毎日のコミュニケーションを大切にして、小さな異変にすぐに気づけるよう準備しておくと安心です。

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