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はじめに
「犬にイボができたかもしれない。犬にイボができる原因や、どうすればいいのか対処法が知りたい」という人がいるのではないでしょうか。
人間同様、犬にもイボができます。
しかし愛犬にイボができたらすぐに病院に行くべきか、飼い主で対処できるのかわかりませんよね。
そこで今回の記事では、以下について詳しく解説していきます。
- 犬にイボができる原因とは
- 犬のイボの種類や特徴
- 犬にイボができたときの対処法
これらを知ることで、愛犬にイボができた時に適切に対処できるはずです。
また、普段の生活で犬にイボができないようにする予防策についても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
犬のイボの原因とは
犬のイボの多くは「パピローマウイルス」が原因と言われています。
この「パピローマウイルス」は、自然界にいるごく一般的なウィルスですが、子犬や老犬など、免疫力の弱い犬が感染するとイボが出来ることがあります。
良性・悪性のイボの特徴
犬のイボは多くの場合が良性ですが、中には、イボだと思ったら悪性の腫瘍だったということもあります。
ここではそれぞれの特徴について簡単に説明します。
ただし、良性か悪性かの判断は検査をして初めて診断がつくので、イボが見つかった場合は早めに動物病院に相談しましょう。
良性のイボ
犬のイボはそのほとんどが良性ですが、その中でも3分の1程度を占める、よく見られるイボが皮脂腺腫です。
皮脂腺腫は一般的に頭部、首、背中、胸部、腹部など、犬の体のさまざまな部位にできます。
とくに中高齢の犬に多く見られ、痛みや痒みは伴いません。
皮脂腺腫の見た目は通常、直径が数ミリから数センチ程度で、皮膚の表面にできます。
色は肌の色や淡いピンク色をしており、周囲の皮膚と区別がつきにくいことがあるため、すぐに発見できないこともあるでしょう。
良性の場合は、腫瘍が急速に大きくなることはほとんどないため基本的に経過観察ですが、短期間で大きくなったり形がいびつだったりする場合は注意が必要です。
その際は、すぐに獣医師に診察してもらいましょう。
悪性のイボ(腫瘍)
犬のイボは、まれに悪性腫瘍だったり、将来的に悪性になるケースがあります。
犬のイボが悪性腫瘍に進行する兆候として、以下のような変化が見られることがあるため、よく観察しましょう。
- イボの急速な成長
- イボの形状や色の変化
- イボ周辺の炎症やかゆみ
- 出血や潰瘍の発生
- 周囲のリンパ節の腫れ
悪性腫瘍の場合の進行度は、個体差があったり犬の年齢に依存したりします。
飼い主の判断では適切な対処ができないため、怪しいできものができている場合はすぐに獣医師に見せてください。
犬のイボの診断では、生検や細胞診、画像検査(X線、超音波、CTスキャンなど)を行います。
悪性腫瘍が確定された場合、手術や放射線療法、化学療法などの治療を行う必要があるため、早期の受診が肝心です。
犬のイボの対処法
犬にイボができた場合の対処法について、以下のとおり解説していきます。
- 動物病院での診断と治療
- イボの除去手術
- 自宅でのケアと予防
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
動物病院での診断と治療
犬にイボができたら動物病院を受診し、獣医師の診断を受けたうえで治療を行うことをおすすめします。
診察時にイボの場所や大きさ、形状、色、触感などから、状態を診断してもらいましょう。
良性か悪性かを正確に把握するために、イボから少量の組織を採取し検査することがあります。
良性と判断すれば、必ずしも除去するわけではありません。
良性のイボは通常、治療を必要としませんが、犬がイボを引っかいたりかじったりする場合は、除去したほうがいいかもしれません。
悪性腫瘍の場合は治療が必要になりますが、犬の年齢によっては麻酔に耐えられる体力がないことも考えられます。
犬によってケースバイケースの治療になるため、獣医師と相談しながら治療方針を進めるようにしてください。
イボの除去手術
犬のイボの除去手術は、犬の健康と快適さを確保するために行われる一般的な外科的処置です。
多くの場合、犬のイボは良性であるため、とくに健康上の問題を引き起こさなければ手術を行う必要はありません。
ただし、犬がイボを触ったり気にしたりするようであれば除去することを考えましょう。
手術が必要になるのは、イボが悪性腫瘍または将来的に悪性になる可能性があるケースです。
イボの除去手術では犬に麻酔を投与したあと、イボの周囲の皮膚を切開し摘出します。
その後、切開した皮膚を縫合し、傷口を閉じます。
手術後、取り除いたイボが悪性である場合、放射線療法や化学療法などの追加の治療が必要です。
そのため、イボの除去後は獣医師の指示に従いながら経過観察をしましょう。
自宅でのケアと予防
犬のイボの発生リスクを最小限に抑えるために、いくつかのケア方法を試してみることをおすすめします。
まずは犬の健康と適切な体重を保つために、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
そして定期的に獣医師の診察を受け、皮膚トラブルの早期発見に努めてください。
自宅では犬の皮膚を清潔に保ち、定期的にブラッシングやシャンプーを行い、トリミングも欠かさないようにしましょう。
このように、日常的にケアを行うことで、犬の皮膚の健康を促進し、イボの発生リスクを減らせるでしょう。
イボの除去後の注意点
愛犬のイボを除去したら、以下の注意点について把握しておきましょう。
- 術後の経過観察
- 傷口の清潔保持
- 再発予防のためのケア
急な体調変化や傷口感染などを防ぐために、術後のケアをしっかり行うようにしてください。
術後の経過観察
犬のイボの除去手術をしたら、その後は適切な経過観察が重要です。
手術後は、犬が麻酔から回復するまでに時間が必要なため、安静にさせるようにしてください。
多頭飼いをしている家庭では、手術した日に同居する犬との接触をできるだけ避け、暴れさせないようにしましょう。
激しい運動や飛び跳ねる行動は、傷口が開いてしまう危険性があるため、注意が必要です。
また、手術後に犬が痛みを感じることがあります。
獣医師が処方した痛み止めを適切に与え、犬の快適さを確保しつつ経過観察をしてください。
異常があれば、すぐに動物病院を受診できる準備をしておきましょう。
なお、手術直後は犬の食欲が低下することがありますが、数日で回復するはずなので様子を見てみてください。
傷口の清潔保持
犬のイボを除去したあとの傷口の清潔保持は、非常に重要です。
清潔な環境で傷口が適切に癒合することで犬の回復を促進し、合併症を防ぎます。
傷口の消毒については、動物病院の指示に従いましょう。
もし自分で行うのが不安な人は、動物病院で処置してもらうことをおすすめします。
大切なことは、獣医師の指示に従って適切なケアを行うことなので、不明な点があればすぐに動物病院を受診しましょう。
再発予防のためのケア
犬のイボの再発を完全に予防することはむずかしいですが、できにくくするためのケア方法はあります。
以下に、留意すべき点を取り上げます。
- 定期的な健康チェック
- 適切な食事と栄養
- 皮膚のケア
- ストレス管理
- 早期の処置
日常生活において、これらを意識しながら犬の健康管理を行いましょう。
このように、再発予防のための日常的なケアをしつつ、イボや皮膚の異常を発見したらすぐに獣医師に相談しましょう。
犬の皮膚イボに関する予防策
ここまでは犬にイボができたときの対処法をご紹介しましたが、ここでは予防策について触れていきます。
- 正しい食事と栄養摂取
- 定期的な皮膚ケアの実施
これらを実施することでイボができにくくなったり、できたとしても早期発見で対処できたりするため、ぜひ参考にしてみてください。
正しい食事と栄養摂取
まず、犬にはバランスの取れた食事が重要です。総合栄養のフードを基本に、必要に応じて栄養補助食品の使用を検討してみてもいいでしょう。
そうすることで犬の健康を維持し、免疫力アップにつながります。
摂取カロリーを調整して犬の体重を適切に管理することも重要です。
定期的な皮膚ケアの実施
犬にイボができないようにするために、定期的な皮膚のケアを行うことを推奨します。
定期的なケアは、皮膚の健康を維持するだけでなく、早期に異常を発見しやすくなるという点でも有効です。
新しいイボや異常を早期に発見することで、軽い処置で済むほか合併症のリスクも軽減できます。
普段のケアとしては、定期的にブラッシングやシャンプー、トリミングや爪切りをすることで清潔を保てます。
また、定期的な皮膚のケアは、飼い主と犬とのスキンシップの時間にもなるんですね。
この時間は犬にとってリラックスタイムとなり、ストレスを軽減して幸福感を上げる効果もあります。
それが犬の免疫力の向上にもつながり、イボの予防にもつながります。
このように普段から犬の皮膚のケアを行い、イボの発生を防いだり皮膚の異常の早期発見につなげていきましょう。
まとめ
今回は、『犬のイボ』について詳しく解説してきました。
犬のイボはそのほとんどが良性ですが、検査をしないと正確な診断ができないため、イボを発見した場合は動物病院を受診するようにしてください。
犬にイボができたときの対処法は、以下のとおりです。
- 動物病院での診断と治療
- イボの除去手術
- 自宅でのケアと予防
もしイボを除去した場合、術後の注意点として以下を取り上げました。
- 術後の経過観察
- 傷口の清潔保持
- 再発予防のためのケア
愛犬になるべくイボができないようにするために、日常生活では次に挙げる点に配慮するようにしてください。
- 正しい食事と栄養摂取
- 定期的な皮膚ケアの実施
犬のイボは、加齢に伴うものや犬種によってできやすく、完全に防ぐことはできません。
ですが今回の記事を参考に、飼い主としてできる予防をしたり、イボができたときの適切な対処法を実施したりして愛犬をケアしていきましょう。