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はじめに
朝食やおやつタイムにパンを食べていたら、ふと愛犬の視線を感じることがありませんか?
かわいくおねだりされて、ついあげてしまいそうに……。
ちょっと待ってください、犬にパンを与えるときは注意する必要があります。
今回は犬にパンを与えるときに気をつけたい点、パンの健康効果、適切な与え方をまとめて解説しました。
ぜひ参考にしてみてください。
パンを犬に与える際の注意点とは?
犬にパンを与えても大丈夫?
犬は人間の食べるパンを好む傾向があり、与えれば喜んで食べてしまいます。
パンの種類によっては与えるのを避けたほうがいいパンもあるので気をつけましょう。
ここでは与えても大丈夫なパンとその理由を解説します。
食パンやフランスパン、サンドイッチ用パンなど、原材料が少なくてシンプルな製造法のパンなら与えても大丈夫でしょう。
この場合の原材料とは、小麦粉、塩、パン酵母、水などを指します。
ほかにも、原材料として使用されることの多い砂糖、油分も少量であれば問題ありません。
正しく与えるなら、パンの柔らかい食感や噛み応えのあるフランスパンなどは犬にとっても普段の食事とはちがう変化を楽しめるでしょう。
しつけや芸などが成功したときにパンをちぎって与える飼い主も多く、パンが愛犬とのコミュニケーションに役立つようです。
またカプセルや錠剤など、犬の苦手な薬をエサに混ぜて与えても避けて食べ残す場合も、パンのなかに薬を丸めて与えると飲み込みやすいという利用方法もあります。
そういう良い理由もあり、犬にとって安全なパンの種類をよく見極めて与えるようにしましょう。
与える際に気をつけるべき量と頻度
シンプルなパンなら与えても良いとお話しましたが「どのくらいの量をあげてもいいの?」といった疑問がありますよね。
パンを犬の主食として与えることは控えましょう。
パンだけでは栄養がかたより、犬の健康を損ねる恐れがでてきます。
あくまで、ごはんの間のおやつとして与えることが大切です。
与えても良い適切な量は犬の個体差や運動量によって変わり、おやつの適切量の目安は、一日の総食事量の10%以内が良いといわれています。
ここでは、パンのみをおやつにすると想定して、犬の総体重別に合わせた適切な量を紹介します。
まず、体重4kg未満の超小型犬の一日の総食事量は100g〜250gです。
おやつは食事量の10%とすると10〜25gのパンを与えても良いと考えられます。
体重10kg以下の小型犬の総食事量は500g以内、おやつの量は50g以内です。
パンの大きさに注意して、小さくカットしましょう。
体重25kg以下の中型犬は総食事量900g前後といわれています。
おやつは90gほど与えても大丈夫ですが、あわてて飲み込んでノドに詰まらせないようにパンの大きさには気をつけてください。
25kg以上は大型犬に分類され食事の量も1350g前後です。
そのうちおやつが占める量は135g程度、6枚切りの食パン2枚半程度の量が目安になります。
一度にまとめて与えないで、小分けにして少量ずつ犬の様子を見ながら与えるようにしましょう。
犬に与えてはいけないパンの種類とは?
パンの中でも避けた方が良い種類
クリームパンやチョコレートをはさんだお菓子パン、カレーパン、焼きそばパンなどの総菜パンなど、パンにはさまざまな種類があります。
これらのパンは犬にとって害となる材料も沢山含まれているので、与えることは絶対にやめましょう。
特に避けたほうがよい材料について説明します。
チョコレートの原料となるカカオには、犬の中毒症状を引き起こすテオブロミンという化学物質が含まれ、大量に摂取すると下痢や嘔吐といった症状を引き起こします。
さらに症状が悪化すると脈拍があがり、呼吸困難や震えが起こる可能性も。
それらの症状が現れたらすぐにでも動物病院で診てもらってください。
また菓子パンによく利用される、レーズンやナッツも犬への安全性が確認されていないので注意しましょう。
総菜パンに含まれる玉ねぎ、ネギなども犬には決して与えてはいけない食材です。
犬にはタマネギ中毒という言葉があるくらい、少量食べただけでも中毒症状を引き起こす可能性があります。
玉ねぎに含まれる有機チオ硫酸化合物という成分は赤血球を破壊し、貧血や血尿などの症状から生死に関わるかもしれません。
ほか、ニラ類、にんにくも同様の症状があてはまるため避けましょう。
パンの調理方法の注意点
焼きたてのパンの美味しそうな匂いは、犬にとっても惹きつけられる良い匂いのようです。
油分も少量にしてオーブンで素焼きするなど、シンプルに作られた食パンは与えても問題がありません。
しかしパンのなかには、大量の油で揚げたもの、バターや油脂をふんだんに使用して調理されたものもあり注意が必要です。
これらのパンはカロリーも非常に高く、犬の消化機能では上手く処理しきれずに、消化不良や下痢、体内の炎症を起こす原因になります。
また、高カロリーのパンを与えつづけることで肥満になり、犬の呼吸器系や心臓に負担がかかるほか、糖尿病を発症するなどリスクしかありません。
パンの適切な与え方とは?
パンを食事に取り入れる方法
パンは犬にとってあくまでおやつです。主食として与えることはやめましょう。
消化しやすくするために食パンを水分に浸しふやかしてあげることもおすすめです。
歯周病や口腔内にトラブルがあって、硬いものは食べられない犬でも、ふやかしたパンは柔らかいのでとても食べやすくなります。
パンとドッグフードを混ぜて与える場合、ウエットタイプやゼリー状のものをパンとよく馴染ませたほうが犬の消化にも良いようです。
ただしパンを食事として与えることは控え、その犬の年齢や健康状態に合わせた量を与えましょう。
子犬やシニア犬など抵抗力のない犬に与える場合は、原材料にはちみつが含まれないパンを選んでください。
はちみつにはボツリヌス菌という中毒を起こす菌類が含まれています。
健康体の成犬ならば少量のはちみつは問題がなく、エネルギー源になるブドウ糖の補給もとれておすすめです。
パンのメリットと注意点まとめ
「パンをあげると愛犬が喜ぶのでもっとあげたくなる、でも健康にいいのか心配」
犬にパンを与えても大丈夫とわかっていても、こんな疑問が出てきます。
ここでは、パンの栄養が犬にもたらす効果と与えるときに気をつけたほうが良いポイントをまとめました。
与える際に気をつけるべきポイントのまとめ
パンはあくまでおやつです。
犬の個体差に合わせて適切な量を与えましょう。
総食事量の10%ほどに抑え、一気に与えずに少量を小分けにして様子を見てあげます。
パンの食事は連続して与えず2〜3日置きにしましょう。
お菓子パン、総菜パンを与えることは避けてください。
特にチョコレート、レーズン、ナッツ、玉ねぎ、ニラやにんにくなど犬にとって有害な食材が入ったパンには気をつけましょう。
はちみつ入りのパンは子犬やシニア犬には与えないほうが安心です。
油で揚げたパン、バターや油分たっぷりのパンは高カロリーで肥満の原因になります。
肥満が原因で引き起こす病気は呼吸器や循環器系の機能を妨げ、関節の疾患、高血圧や心臓への負担、糖尿病など大変多く、未然に予防することが重要です
アレルギー反応と注意点
アレルギー反応
犬のアレルギー反応は食後すぐに起こらない場合があります。
その犬により個体差はありますが、パンを繰り返し食べているうちにアレルギー物質が蓄積され突然症状が現れることがあるようです。
小麦アレルギー以外にもパンにはさまざまな原材料が含まれています。
どの物質が犬のアレルギーを引き起こすのか予想することは難しいので、一度与えたら時間を置いて様子をみることをおすすめします。
下痢や嘔吐などの体調に変化が起こるほか、皮膚に症状が現れるケースもあり油断はできません。
犬が極端に痒そうにする、湿疹、じんましんなどの皮膚炎やアトピーに似た反応が口の周辺に現れたら、パンを与えるのは中断し獣医師の診断が必要です。
その際、与えたパンの原材料など、アレルギー診断に必要な資料も持参すると良いでしょう。
普段から愛犬に与える食事を記録しておくと、非常事態の際に役立ちます。
与える際に気をつけるべきこと
食パンやフランスパンを与えるときは、食べやすい大きさにカットしてあげましょう。
柔らかいから飲み込めるだろうと、食パン一枚をそのまま与えるのは厳禁です。
食べすぎでカロリー過多になる可能性があります。
のどを詰まらせて窒息する恐れもあるので、細かくちぎってあげるか、カットしたパンをぬるま湯に浸してふやかしてから与えると犬も食べやすいようです。
食パンの耳部分も犬によっては噛みづらい場合があるので、量は控え様子をみながら徐々に与えます。
パンのあげすぎには気をつけて、おやつや食事として与える量を守ることが、重要なポイントです。
まとめ
柔らかくて美味しいパンは、同じものを犬にも分けてあげたくなりますが時には我慢も必要です。
今回はパンの種類や適切な与え方を守れば、犬にも安全で食べられる食材ということを紹介しました。
いつものドッグフードに加えて、おやつとしてパンを加えると、犬にとっても食べる楽しみが生まれます。
時間があるときは犬用のおやつとしてパンを手作りして愛犬に与えるのも良いですね。
愛犬との絆がさらに深まること間違いなしです。