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はじめに
この記事では、犬に与えるための「ほうれん草」について、詳しく紹介しています。
まずは、ほうれん草の利点の1つである「栄養価の高さ」に焦点を当て、それぞれの栄養素のメリットとデメリットに着目し、細かく分析しました。
ほうれん草の利点は他にもあり、「消化器系の健康促進」と「免疫力向上」についても取り上げています。
さらに、ほうれん草を与えるときの注意点と調理方法について解説し、ほうれん草以外の野菜についても詳細をまとめました。
犬にほうれん草を与える利点
健康をサポートするため、犬にほうれん草を与えることについては、以下3つの利点があります。
- 栄養価の高さ
- 消化器系の健康促進
- 免疫力向上
次の項目で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
栄養価の高さ
ほうれん草は栄養が豊富です。
犬の食事に取り入れると、人と同じような健康メリットが期待できます。
ほうれん草に含まれている成分には、犬の健康にプラスとなる栄養素があり、たとえば以下のようなものがあります。
- 鉄分
- βカロテン
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- ルテイン
鉄分
犬にとって、鉄分には以下のような効果があります。
赤血球の生成 | 鉄分は、赤血球中のヘモグロビンという色素に結合し、全身に酸素を供給する役割を果たします。 |
免疫力の向上 | 鉄分は免疫力を高め、健康な赤血球をサポートする役割を果たします。 |
ただし、過剰摂取は肝臓や腎臓に負担がかかるため、適量を守ることが重要です。
愛犬の健康を考えながら、バランスの取れた食事を与えましょう。
βカロテン
犬にとって、βカロテンには以下のような利点があります。
ビタミンAへの変換 | βカロテンは、代謝の過程でビタミンAに変化します。 ビタミンAは、正常な視力の維持や、健康な皮膚と粘膜の維持に必要な栄養素です。 |
抗酸化作用 | βカロテンは、強い抗酸化作用を持っています。 抗酸化とは、免疫を活発にすることにより、活性酸素から体を守る作用のことです。 抗酸化作用には、老化の予防、がんや心臓病の予防、LDLコレステロールの酸化を防ぐ働きなどが期待できます。 |
ただし、与え方には注意が必要です。
基本的にβカロテンは必要な分だけがビタミンAに変換されるため、過剰摂取の心配はありません。しかし、ほうれん草の食べ過ぎによって消化器官に負担がかかる可能性があるため、ほうれん草を与えるときは適量を守り、毎日大量に与えることは避けましょう。
ビタミンA
犬にとって、ビタミンAには以下のような効果があります。
ビタミンAの吸収と働き | ビタミンAの主要成分レチノールには、犬の目や皮膚の粘膜を健康に保ち、免疫力を高めて抵抗力を強める働きがあります。 網膜にある神経細胞の働きを助け、視力の維持にも効果的です。 抗酸化作用の働きもあるため、老化防止にも役立ちます。 |
ただし、ビタミンAの過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。
適切な量を与え、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
ビタミンB群
犬にとって、ビタミンB群には以下のような効果があります。
エネルギーの生成 | ほうれん草には、ビタミンB1、B2、B6、B9が含まれています。 これらのビタミンB群は、エネルギー代謝に関わる栄養素です。 犬の皮膚や被毛の健康維持に役立つでしょう。 またビタミンB6には、免疫力を高める働きがあります。 |
適切な量を与え、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
ビタミンC
犬にとって、ビタミンCには以下のような効果があります。
抗酸化作用 | ビタミンCは、抗酸化作用を持つ重要な栄養素のひとつです。 犬の老化を予防する効果があります。 |
免疫力の向上 | ビタミンCは、白血球の働きを助け、免疫細胞の活性化を促します。 犬の免疫力を向上させる効果が期待できるでしょう。 |
コラーゲンの生成 | ビタミンCは、コラーゲンを構成するアミノ酸の生成に必要な栄養素です。 コラーゲンは、健康な皮膚や骨などの結合組織の維持に、重要な役割を果たします。 |
ただし、犬は元々の体質として、肝臓でビタミンCを生成することができるため、過剰摂取は避けてください。
ビタミンCの必要量は、犬の体重や年齢そして健康状態によって異なるため、獣医師と相談しながら適切な量を与えることが重要です。
ビタミンE
犬にとって、ビタミンEには以下のような効果があります。
抗酸化作用 | ビタミンEは、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。 細胞膜にダメージを与える活性酸素を取り除き、体内の脂質の酸化を防ぐ効果があります。 免疫活性作用もあるため、犬の免疫力を高め、細胞膜を健全に保ち、老化防止の効果も期待できるでしょう。 |
ただし、ビタミンEを過剰摂取すると、犬の健康を害するリスクがあります。
ビタミンE中毒による最大のリスクは出血です。
大量摂取することによって、怪我をしたときに出血しやすくなったり血が止まらなくなったりするリスクが高くなる可能性があるでしょう。
ほうれん草を犬に与えるときは、過剰な摂取に注意し、適正な量を守るよう気を配る必要があります。
ビタミンK
犬にとって、ビタミンKには以下のような効果があります。
血液凝固の調節 | ビタミンKは、血漿中に含まれるたんぱく質のひとつであるプロトロンビンの合成に必要な役割を果たします。 怪我などをしたときに、出血を止めるための止血作用として発揮される働きです。 |
骨の石灰化の調節 | ビタミンKは、骨の形成を調節するタンパク質のひとつであるオステオカルシンの合成にも関与しています。 骨の形成を促すために必要な働きであり、骨粗しょう症予防としても評価の高い栄養素です。 |
酵素の補助因子 | ビタミンKは、多くの酵素の補助因子として働き、酵素の活動にとって欠かせない役割を果たしています。 |
ビタミンKの摂取量は、犬の体重や年齢そして健康状態などに応じて、適切に調整しましょう。
ビタミンKのサプリメントを与える場合や、野菜類を与えるときの適切な量に迷ったときは、獣医師の指示に従ってください。
ルテイン
犬にとって、ルテインには以下のような効果があります。
抗酸化作用 | ルテインはビタミンAの仲間です。 抗酸化作用により活性酸素を取り除き、酸化ストレスを抑え、眼の老化予防やエイジングケアに効果があります。 水晶体の細胞が傷ついてしまうのを防ぐ働きもあるため、犬の目の健康に役立つでしょう。 |
抗炎症作用 | ルテインには、炎症を引き起こす因子の働きを抑える効果もあります。 胃の粘膜の炎症を抑えるだけでなく、肌荒れの予防にも有効です。 神経細胞の損傷を防ぐ効果により、認知機能の低下を抑制することへの期待もできるでしょう。 |
一般的に、ルテインは安全とされています。
通常の食事による摂取では、ルテインが過剰摂取になることは考えにくいでしょう。
ただし、眼病予防のためにサプリメントを摂取するときには、与える量に注意し、1日の目安量を守って摂取してください。
サプリメントを取り入れるときは、まず獣医師の診察を受け、治療方針や推奨サプリメントなどの相談をすべきでしょう。
消化器系の健康促進
ほうれん草には食物繊維が豊富に含まれているため、消化器系の健康促進に有益な効果をもたらす食材です。
ほうれん草には葉酸も含まれており、これはDNAの合成に欠かせない成分であり、消化器系の健康にも役立ちます。
ただし一気に食べすぎると、胃の不調を引き起こす可能性があるため、過剰摂取は避けましょう。
また生の状態や加熱が不十分な状態で与えると、シュウ酸による悪影響により、尿路結石などの病気を引き起こす可能性があります。
このような健康を害する事態を引き起こさないためには、たっぷりのお湯で茹でることが大切です。
ほうれん草を茹でても完全にシュウ酸を除去できるわけではないため、与える量や頻度に注意しましょう。なお、シュウ酸は水溶性のため、電子レンジでの加熱調理ではシュウ酸の除去は不十分です。
ほうれん草を犬の食事として与えるときは、必ず加熱してから与えましょう。
適量を守ることも重要です。
健康促進に優れているからといって、毎日のように与えてはいけません。
摂取量をオーバーして過剰に摂取すると、尿路結石などの症状が出る可能性があるため、適量に注意してください。
犬の体格ごとに与える量を調整し、適度に与えるようにしましょう。
免疫力向上
ほうれん草には、犬の健康に役立つ栄養素が多く含まれており、免疫力向上にも役立ちます。
ほうれん草に含まれている主な栄養素は、以下のとおりです。
- 鉄分
- βカロテン
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- ルテイン
これらの栄養素には免疫力を高める効果があります。
学術的にも認められているため、免疫力向上に大きな効果が期待できる食材であることは間違いありません。
ただビタミンCは他の栄養素と異なり、犬の体内で合成して生成されます。
そのため犬にとってのビタミンCは、必ずしも必須栄養素とは言い難いかもしれません。
しかし病気で体が弱っているときや、年老いて体が衰えてしまったときは、ビタミンCを生成する働きが低下します。
このことから判断すると、病気の犬や老齢の犬には、ほうれん草からのビタミンC補給が有効と言えるでしょう。
なお、病気の治療中の場合には、ほうれん草を与えても良いか獣医師に相談するようにしてください。
ほうれん草の与え方の注意点
犬にほうれん草を与えるときは、以下の3つのポイントに注意してください。
- 体格に応じた適切な量
- 食べ過ぎのリスク
- 肥満犬への注意
次の項目で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
体格に応じた適切な量
犬にほうれん草を与えるときの適量は、犬の体重や体格によって異なります。
摂取量の目安は以下の表を参考にしてください。
犬の体重 (目安) | 1日あたりの摂取量 (目安) | 当該体格に分類される主な犬の種類 |
超小型犬 (体重4kg未満) | 25g程度 (仮に、ほうれん草1束を200gとして概算すると、25gは1束の約8/1程度になります) | チワワ、パピヨン、マルチーズ、ボロニーズ、ポメラニアン、トイプードル、トイマンチェスターテリア、ヨークシャーテリア、カニンヘンダックスフンド、ブリュッセルグリフォンなど |
小型犬 (体重10kg以下) | 50g程度 (仮に、ほうれん草1束を200gとして概算すると、50gは1束の約4/1程度になります) | パグ、シーズー、ペキニーズ、キャバリア、ボストンテリア、ビションフリーゼ、ミニチュアシュナウザー、ジャックラッセルテリア、シェットランドシープドッグなど |
中型犬 (体重25kg未満) | 90g程度 (仮に、ほうれん草1束を200gとして概算すると、90gは1束の約2/1程度より少なめになります) | ビーグル、ブルドッグ、ボーダーコリー、バセットハウンド、ブリタニースパニエル、ウェルシュコーギーペンブローク、アメリカンコッカースパニエルなど |
大型犬 (体重25kg以上) | 140g程度 (仮に、ほうれん草1束を200gとして概算すると、140gは1束より少し差し引いた程度になります) | ドーベルマン、ダルメシアン、アフガンハウンド、セントバーナード、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、グレートピレニーズなど |
注意事項 | ほうれん草の重さは、茹でて水を切った後に測定します。 茹でた後は、ほうれん草の重さが少しだけ減ることも想定する必要があるでしょう。 ほうれん草は多めに用意して、茹でた後にキッチンスケールで正確に計測することを推奨します。 |
ただし、犬の年齢、健康状態、食事内容などによっては、適量が異なる場合があります。
動物病院を受診し、獣医師に食事管理や栄養管理などについて相談した上で、適切な量を調整して与えるようにしましょう。
食べ過ぎのリスク
ほうれん草を犬に食べさせ過ぎると、以下のようなリスクがあります。
- 尿路結石
- 下痢や便秘
- 鉄分の過剰摂取
尿路結石
ほうれん草は、シュウ酸の含有率が非常に高い食材です。
シュウ酸には、栄養素的な意味はありません。
メインとなるシュウ酸の成分は、「シュウ酸ナトリウム」と「シュウ酸カルシウム」の2つです。
シュウ酸ナトリウムは、消化管で消化吸収されて、血流に乗って全身を循環します。
シュウ酸カルシウムは、凝集して石状の分泌物を形成しやすく、とくに尿路系に結石を起こしやすい物質です。
尿中のシュウ酸が増加すると、尿の中でカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウム結晶が増えます。
シュウ酸がカルシウムと結合すると、尿路結石を引き起こして尿管が詰まる要因となり、腎臓に障害を及ぼす可能性があるでしょう。
ほうれん草に含まれるシュウ酸を減らすためには、適切な方法で調理するようにしてください。
下痢や便秘
ほうれん草には不溶性食物繊維が多く含まれています。
ほうれん草を適量オーバーで与えてしまうと、便が大きくなり過ぎたり固くなり過ぎたりして、排便が困難になることがあります。
鉄分の過剰摂取
ほうれん草には鉄分が豊富に含まれています。
ほうれん草を過剰に摂取すると、内臓に負担がかかるなどの悪影響を及ぼすことがあります。
犬にほうれん草を与えるときは適量を守り、食べ過ぎにならないよう、くれぐれも注意してください。
なるべく事前に獣医師の意見を仰ぎ、犬の年齢や体重、健康状態などに合わせた適切な量を調整して与えるようにしましょう。
肥満犬への注意
肥満の傾向がある犬に、おやつとしてほうれん草を与えるときは、以下のポイントに着目してください。
- カロリー摂取量
- 食物繊維の量
カロリー摂取量
ほうれん草は低カロリーの食材です。
そのため、肥満傾向の犬に与えることでカロリー制限をすることができ、ダイエットフードとしても適しているでしょう。
ただし健康によいからといって、ほうれん草を過剰に与えることは避けてください。
シュウ酸による尿路結石、栄養素の過剰摂取による中毒症状など、思わぬ病気を引き起こす可能性があります。
食事全体のカロリー摂取量を調整し、主な食事は総合栄養食で補うようにしてください。
ほうれん草は主食ではなく、おやつとして与える程度として認識しておくとよいでしょう。
食物繊維の量
ほうれん草には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は腸内環境を整える効果があるため、肥満傾向の犬に与えることで便秘を改善することができるでしょう。
ただし与える量に注意し、適量を守るようにしてください。
食物繊維を過剰に摂取すると、下痢や便秘を引き起こすなど、腸内環境を悪化させるリスクが発生します。
とくに犬は食物繊維の消化が苦手なため、消化不良を引き起こすことがあるでしょう。
ほうれん草を調理するときはしっかり茹でて、繊維質を柔らかくするなどの一手間をかけてください。
肥満傾向の犬に、ほうれん草をおやつとして与えるときは、食物繊維の摂り過ぎに注意しましょう。
犬の健康状態などを獣医師に相談した上で、適切な量を与えるようにしてください。
犬にほうれん草を与える際のポイント
ほうれん草は、加熱してから与えることが推奨されています。
犬に与えるときの調理ポイントとして、以下3つの注意点に配慮してください。
- 蒸し煮がおすすめ
- 生ほうれん草の注意点
- 調理方法の選択肢
次の項目で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
蒸し煮がおすすめ
ほうれん草を犬に与えるときの調理方法は、たっぷりのお湯で茹でるのがおすすめです。
茹でることで、ほうれん草に含まれるシュウ酸を減らすことができます。
調理するときの手順
具体的な方法としては、以下の手順を参考にしてください。
- ほうれん草をよく洗いましょう
- 鍋に蒸し板を置いて台座を作ってください
- 蒸し板の上にほうれん草を乗せましょう
- 約100〜200cc(½カップ)程度の水を注いでください
- 鍋の蓋をして強めの中火で煮立たせましょう
- 蒸気が上がってくるので、そのまま3~5分ほど蒸してください
- ほうれん草がしんなりしたら、鍋から取り出しましょう
- 水気を切ったあとは、十分に熱を冷ましてください
- 茎は細かく刻むか、すり潰すなどして、消化しやすい状態で与えましょう
- 葉も細かくカットして、消化しやすい状態で与えてください
蒸し時間は目安です。
お好みに応じて変更してください。
ほうれん草を与えるときは、犬の健康状態などを獣医師と相談した上で、適切な調理方法を選びましょう。
ほうれん草の摂りすぎに注意し、犬の体重や年齢などに応じて、適切な量を調整して与えてください。
調味料の使用はNG
ほうれん草を調理するときは、塩や醤油などで味付けをしてはいけません。
塩分過多になるため、ほんの少量であっても調味料を加えないようにしましょう。
嗜好性を高めるには?
オリーブオイルを使用した調理方法がおすすめです。
オリーブオイルを加えて調理することで嗜好性が高くなり、元気がない犬の食欲を刺激することができます。
オリーブオイルを使用した食材を犬に与えることは、基本的に問題ありません。
ただし高カロリーかつアレルギーのリスクもあるため、適量を守るようにしてください。
過剰に摂取すると、下痢や消化不良などのリスクがあります。
またオリーブオイルを加熱しすぎると、酸化して栄養価が低下します。
焼いたり炒めたりするのではなく、さっと軽く茹でる程度の調理方法がおすすめです。
生ほうれん草の注意点
ほうれん草を生の状態で犬に与えるときは、とくに注意する必要があります。
具体的なポイントとしては、以下の3つが考えられます。
- シュウ酸に注意
- 適量に留める
- 消化不良のリスク
シュウ酸に注意
ほうれん草を生の状態で食べさせると、シュウ酸が含まれた状態で与えることになり、犬の健康を害するリスクの要因になります。
シュウ酸の成分である「シュウ酸ナトリウム」と「シュウ酸カルシウム」が体内に溶け込み、尿と飽和することで結石が生じてしまうのです。
ほうれん草を生の状態で与えると、シュウ酸の悪影響で尿路結石を引き起こす要因となりますので、要注意です。
適量に留める
ほうれん草には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維を過剰に摂取すると、下痢や便秘などのリスクが生じる可能性があるため、注意が必要です。
ほうれん草を与えるときは適量に留め、与えすぎないようにしてください。
消化不良のリスク
犬は食物繊維の消化が苦手です。
生の状態でほうれん草を与えると、消化不良を引き起こすリスクが高いです。
調理の際に茹でることで、繊維質を柔らかくする工夫をしましょう。
犬の健康状態などを獣医師に相談した上で、適切な量と調理方法で与えるようにしてください。
調理方法の選択肢
ほうれん草の調理方法は、たっぷりのお湯で茹でるのがおすすめです。
蒸し煮にする
ほうれん草を蒸し煮にするときの具体的な方法は、以下の手順を参考にしてください。
- ほうれん草をよく洗いましょう
- 鍋に蒸し板を置いて台座を作ってください
- 蒸し板の上にほうれん草を乗せましょう
- 約100〜200cc(½カップ)程度の水を注いでください
- 鍋の蓋をして強めの中火で煮立たせましょう
- 蒸気が上がってくるので、そのまま3~5分ほど蒸してください
- ほうれん草がしんなりしたら、鍋から取り出しましょう
- 水気を切ったあとは、十分に熱を冷ましてください
- 茎は細かく刻むか、すり潰すなどして、消化しやすい状態で与えましょう
- 葉も細かくカットして、消化しやすい状態で与えてください
蒸し時間は目安です。
お好みに応じて変更してください。
茹でる
ほうれん草を茹でるときの具体的な方法は、以下の手順を参考にしてください。
- ほうれん草をよく洗いましょう
- 茎と葉を取り分けてください
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かしましょう
- 茎を先に入れて1~2分ほど茹でてください
- 茹でた茎を取り出しましょう
- 次に葉を入れて1分ほど茹でてください
- 茹でた葉を取り出しましょう
- 茹でた後は、シュウ酸を除去するために冷水で冷やし、水気を切ってください
- 茎は細かく刻むか、すり潰すなどして、消化しやすい状態で与えましょう
- 葉も細かくカットして、消化しやすい状態で与えてください
茹でる時間は目安です。
お好みに応じて変更してください。
ほうれん草以外の犬に適した野菜
犬の食事として適している新鮮な食材は、ほうれん草以外にもあります。
この記事では、以下3つの野菜に関して焦点を当てました。
- サツマイモ
- かぼちゃ
- にんじん
次の項目で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
サツマイモ
犬にサツマイモを与えても問題ありません。
サツマイモを与えるときの注意点、メリット、調理方法については、以下を参照してください。
注意点
生の状態で与えることは避けましょう。
サツマイモは消化に悪いです。
下痢や嘔吐を引き起こすことがあるため、必ず加熱処理をしてから与えてください。
サツマイモの皮には消化しにくい成分が含まれているため、皮をむいてから与えることをおすすめします。
与える量にも注意が必要です。
犬の体格などによって許容量は異なりますが、一般的には、1日あたり体重1kgあたり10g程度が目安とされています。
メリット
サツマイモには、以下のような栄養素が含まれています。
- 糖質
- 炭水化物
- 食物繊維
- βカロテン
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- カリウム
- その他
これらの栄養素は、細胞の抗酸化作用に効果があります。
犬の皮膚を丈夫にし、健康な皮膚を保つために、有益な効果を期待できるでしょう。
免疫力を高め、細胞の老化を防ぎ、ガンや皮膚病などを抑制する働きもあります。
食物繊維も多く含まれているため、整腸作用や便秘解消など、腸内環境を整えてくれるでしょう。
カリウムは利尿作用による代謝を良くする効果もあり、体内に溜まったナトリウム(塩分)を排出し、血圧を安定させる効果も期待できます。
調理方法
生の状態で与えると消化に悪いため、おすすめしません。
サツマイモを犬に与えるときは、蒸す、茹でる、焼くといった調理方法が推奨されています。
焼き芋や干し芋も与えることが可能です。
犬にサツマイモを与えるときは、注意すべきポイントを重視し、適量を与えるようにしましょう。
なお、サツマイモがアレルギーの原因になるかは定かではありません。
しかし食物アレルギーには個体差があるため、アレルギー反応があれば、サツマイモを与えるべきではないでしょう。
サツマイモを与える前に、獣医師に相談することをおすすめします。
かぼちゃ
犬にかぼちゃを与えても大丈夫です。
かぼちゃを与えるときの注意点、メリット、調理方法については、以下を参照してください。
注意点
生の状態で与えることはおすすめしません。
生のかぼちゃは消化に悪く、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
必ず加熱処理をしてから与えましょう。
かぼちゃの皮や種には消化しにくい成分が含まれています。
皮や種をきれいに取り除いてから、実の部分のみを与えるようにしてください。
与えることができる量は、犬の体格などによって許容量が異なります。
一般的には、1日あたり体重1kgあたり10g程度が目安です。
与える量に注意して、食べ過ぎにならないよう配慮してください。
メリット
かぼちゃには、以下のような栄養素が含まれています。
- 糖質
- 炭水化物
- 食物繊維
- βカロテン
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- カリウム
- その他
これらの栄養素は、細胞の抗酸化作用に効果があります。
視力の維持、皮膚や粘膜の維持、筋肉や神経などの機能を正常に保つなど、犬の健康に大きな効果を期待できるでしょう。
免疫力を高める働きもあり、炎症を伴う病気を予防し、老化を防ぎ、肌のエイジングケアなどにも役立つ栄養素です。
腸内環境を整えてくれる食物繊維も多く含まれており、整腸作用や便秘解消などにも効果があります。
カリウムは体内に溜まったナトリウム(塩分)を排出してくれるため、血圧を安定させる効果にも期待できるでしょう。
カリウムには利尿作用もあり、体のエネルギー代謝調整に効果を発揮し、筋肉や神経などの機能を正常に保ってくれます。
調理方法
消化に悪いため、生の状態で与えることは避けてください。
かぼちゃを犬に与えるときは、蒸す、茹でる、焼くといった調理方法が推奨されています。
かぼちゃを細かくカットしてから柔らかくなるまで加熱し、スパチュラなどを使ってすり潰し、かぼちゃのポタージュスープにするのもよいでしょう。
料理が得意な飼い主さんでしたら、かぼちゃのクッキー、かぼちゃのスコーン、かぼちゃのマドレーヌなど、犬用のおやつを作るのもおすすめです。
犬にかぼちゃを与えるときは注意点に配慮して、食べ過ぎにならないよう適量を守りましょう。
なお、かぼちゃがアレルギーの原因になるかは定かではありません。
しかし食物アレルギーには個体差があるため、アレルギー反応があれば、かぼちゃを与えるべきではないでしょう。
かぼちゃを与える前に、獣医師に相談することをおすすめします。
にんじん
犬に、にんじんを与えることは、いくつかの注意点を除いて特に問題はありません。
にんじんを与えるときの注意点、メリット、調理方法については、以下を参照してください。
注意点
生の状態で与えると、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
にんじんは消化しにくいため、必ず加熱処理をしてから与えましょう。
与えるときは量に配慮し、食べ過ぎにならないよう適量の調整に注意してください。
犬の体格によって許容量が異なり、一般的には1日あたり体重1kgあたり10g程度が目安とされています。
メリット
にんじんには、以下のような栄養素が含まれています。
- 糖質
- 炭水化物
- 食物繊維
- βカロテン
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- カリウム
- その他
これらの栄養素は、細胞の抗酸化作用に効果があります。
にんじんにはβカロテンが豊富に含まれているため、犬の目を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康維持に高い効果を発揮するでしょう。
他にも、免疫力を高める効果、動脈硬化の予防、生活習慣病の予防、老化防止、エイジングケアなどに効果があります。
水溶性食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにする作用があるため、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果にも期待できるでしょう。
また水溶性食物繊維には、コレステロールを吸着する性質もあり、体外に排泄してくれる働きにも期待ができます。
カリウムは、体内に蓄積されたナトリウム(塩分)を、体外に排出する機能を持つミネラルの一種です。
カリウムには、筋肉の収縮をサポートする力、血圧の上昇を防ぐ作用、エネルギーの代謝調整などの有益な効果があります。
調理方法
生の状態で与えることも可能ですが、消化に悪いため、生のまま与えることはおすすめできません。
にんじんを犬に与えるときは、蒸す、茹でる、焼くといった調理方法が推奨されています。
にんじんが柔らかくなるまで加熱してから、細かくすり潰して、にんじんスープにすると食べやすいでしょう。
料理が得意な飼い主さんでしたら、犬におやつとして与えるための、にんじんクッキーを作ってみるのはいかがでしょうか。
にんじんだけでシンプルなクッキーを作るのもよいですが、他の食材を加えるのもおすすめです。
サツマイモやかぼちゃを混ぜると甘味が増し、茹でた鮭の切り身を混ぜると嗜好性が高くなるため、犬の食欲を刺激することができるでしょう。
ただし、にんじんなどの野菜を与えるときは、栄養素の過剰摂取にはリスクがあることに注意して、適切な量となるよう調整してください。
鮭に関しても、塩分過多にならないよう摂り過ぎに注意しましょう。
無添加のサーモンフレークもありますが、獣医師に相談してから与えるようにしてください。
なお、にんじんがアレルギーの原因になるかは定かではありません。
しかし食物アレルギーには個体差があるため、アレルギー反応があれば、にんじんを与えるべきではないでしょう。
にんじんを与える前に、獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
この記事では、栄養価の高い「ほうれん草」に着目し、犬に与えるときに参考となる情報をまとめました。
ほうれん草の利点について細かく分析し、各栄養素の作用と効果などについて詳しく解説しています。
さらに、ほうれん草を与えるときの注意点と調理方法、ほうれん草以外の野菜についても詳しく紹介しています。
犬のおやつとして野菜類を検討するときは、疑問解決や知識吸収などの参考にし、この記事の情報をお役立てください。