ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
「ドッグフードに興味がないみたい。レモンをかけたら変わるかな?」「レモンは栄養素が多いから、愛犬にも与えたい!与えて大丈夫?」と気になった方も多いでしょう。
レモンは犬に与えても大丈夫です。しかし与えてはいけない部分、適量、レモンを与えすぎた際の危険性をしっかり理解してからにしましょう。
【結論】
- レモンは犬に与えて大丈夫ですが、果汁のみを水で薄めるのが安全
- レモンの香りや酸味は、刺激が強すぎるため他の方法で栄養摂取するのもおすすめ
- レモン果汁をドッグフードに混ぜて風味をつける程度にしよう
- 病気療養中・シニア犬・子犬はレモンの酸により体調を崩す危険性が高い
レモンを犬に与える際の注意点とは?
犬にはレモンを与えても大丈夫です。しかし酸味が刺激となり、愛犬が嘔吐や下痢などの症状にならないよう注意が必要です。愛犬に与える前に、注意点を確認しておきましょう。
与えても大丈夫な理由とは?
基本的に、レモンは犬に害を与える成分は含有されていないため、犬にレモンを与えても大丈夫です。さらにレモンに含まれるビタミンCやクエン酸などの栄養素や、炭水化物や水分などを、効率的に摂取できるメリットもあります。
しかし犬は人間よりも消化器官が弱いため、レモンの酸が刺激となり胃を痛めて下痢や嘔吐につながる危険性も高いです。さらに大量のレモンの酸が中枢神経を刺激して炎症を起こす場合もあります。それだけ大量にレモンを与えることは犬にとって、好ましい行為ではないでしょう。
また嗅覚が優れた犬にとって、レモンの酸っぱい匂いは苦手。積極的に与えるのはおすすめできません。
レモンの栄養素と犬の体への影響
レモンにはエネルギーや水分、タンパク質などの栄養素が多く含まれています。レモンに50mg含まれているビタミンCは、愛犬の骨や歯、毛細血管を健康に保つ効果やホルモン代謝のサポートを行います。さらにアンチエイジングに効果的な、抗酸化作用もあるため、愛犬の老化防止に期待できるでしょう。
さらに100mgと多くレモンに含まれているカリウムは、犬の成長にとって必要不可欠な栄養素です。カリウムは愛犬の体にある余分な塩分を、尿とともに体外へ排出する役割があります。塩分排出のバランスが崩れると、高血圧や心臓病などの病気になる可能性が高まります。しかしカリウムの過剰摂取は、腎臓への負担が大きくなる可能性大なので、レモンの与えすぎには注意しましょう。腎臓病を指摘されている犬には与えないようにしましょう。
栄養素以外にもレモンの特徴的な香りは、アロマ効果を期待できます。例えば水分補給が苦手な犬のために、水に1滴のレモンで香り付けをして水分摂取を促すことも可能です。爽やかなレモンの香りに誘われて、水分摂取不足を解消できるでしょう。
しかし犬にとって、レモンはプラスの働きばかりではありません。レモンの酸が胃を刺激して嘔吐や下痢につながったり、中枢神経を抑制して炎症になったり、食物アレルギーを引き起こしたりする可能性は0ではありません。
愛犬はあなたのことを信頼しているため”与えられたものは食べて良いもの”だと思い、喜んで口にします。愛犬の命を守れるのは、あなただけ。「レモンを間違えて食べちゃっても一応大丈夫」程度に考えておき、パクパク食べさせるのはやめておきましょう。
与える際に気をつけるべき量と頻度
愛犬にレモンを与える際は、少量の果汁を水と混ぜてレモン水にしてあげましょう。レモンの酸っぱさの元である酸が高刺激であること、栄養素を多く含むため体内のバランスが崩れてしまう可能性があることの2点の危険性があるからです。例えば5kg未満の超小型犬の場合は、1cc程度の少量がおすすめです。
【体格に合わせたレモンの適正量】
- 5kg未満:1cc
- ~15kg:2.5cc
- ~25kg:5cc
- ~25kg~:10cc
また子犬には、レモンは控えると安全でしょう。子犬の消化器官は、成犬よりも発達していません。普段とは違う食べ物を取り入れると、胃や腸に負担をかけて下痢になる可能性もあるからです。
【成犬と呼べる時期の目安】
- 中型犬:12ヶ月
- 大型犬:18ヶ月
- 超大型犬:24ヶ月
犬に与えてはいけないレモンの種類とは?
レモンの中でも避けた方が良い種類
レモンの中でも、農薬や防腐剤、防カビ剤を使用している可能性が高い外国産は避けると安心です。農薬がレモン表面に残っていて、下痢や嘔吐などの不調につながる危険性があるため、国産無農薬レモンを選んでおくと良いでしょう。人と比較し体重が少ない犬は、農薬の影響を受けやすいです。またレモンを使った加工品は、愛犬に与えないようにしましょう。糖尿病やカフェイン中毒など、加工の過程で使用する食品で愛犬を苦しめる危険性があるからです。
【愛犬に与えてはいけないレモン加工品】
- ハチミツ漬けレモン:糖尿病の危険性
- 砂糖漬けレモン
- レモンティー:カフェイン中毒の危険性
レモンの調理方法の注意点
愛犬には少量のレモン水をドッグフードに混ぜるだけにし、皮や種は食べさせないようにしましょう。レモンの皮には中毒成分「リナロール」や、触れた皮膚や結膜が炎症になる「ソラニン」などが含まれているからです。またレモンの種は小さく、愛犬の喉に引っかかる危険性も高いです。
レモンの適切な与え方とは?
レモンには愛犬の健康に良い栄養素が含まれているため、この記事を読んでいる愛犬家の方達は「レモンは犬にも効果的」と勘違いしてしまうかもしれません。
しかしレモンの刺激的な匂いや酸味は、人間に味の好みがあるように犬の中でも好まない場合もあります。さらに胃やお腹が弱い体質の犬の場合は、レモンの強い刺激で下痢や嘔吐などの症状が出たり、体調を崩してしまったりといった危険性も潜んでいます。
また調理方法を間違えたり、愛犬が食べられない部分を与えてしまったりすると、愛犬を苦しめる可能性もあります。レモンを愛犬に与える際には、調理方法や分量、与え方を理解してからにしましょう。
レモンの調理方法と犬への与え方
レモンはそのままではなくレモン水にして与えましょう。犬は私たち人間よりも消化器官が弱いため、レモンを分解する時に胃に負担がかかり、下痢や嘔吐に繋がる危険性があるからです。
またレモンの種は取り除き、皮も与えないでください。レモンの種は小さく、愛犬が間違えて飲んでしまうと、窒息する危険性があります。さらにレモンの皮には、中毒症状を引き起こす「リモネン」「リナロール」の成分が含まれていて、愛犬にとっては危険が大きいです。愛犬にレモンを与える際は、果汁を薄めたレモン水が安心でしょう。
レモンを食事に取り入れる方法
レモンの爽やかな香りを活用して、水分不足を補ったり、食事をすすめさせる方法が有効です。愛犬がなかなか水を飲んでくれなくて困っているなら、いつも使っている愛犬用の水飲み皿に、1滴のレモン果汁と水を混ぜてあげると良いでしょう。レモンの香りが気になって水に興味を持ってくれるかもしれません。
他にもドッグフードを食べてくれない時に、レモン果汁を水で薄めたものをかけてあげるのも食欲増進効果を期待できる可能性があります。しかし匂いの刺激が強く、食べなくなる場合もあるので愛犬によりけりです。様子を見て与えましょう。
他には一緒に楽しめるスイーツでレモンを与える方法もあります。例えばレモン水とハチミツでレモネードを作ると、より愛犬の水分摂取を促せるでしょう。ただハチミツを使ったスイーツは糖分が高く、ボツリヌス菌中毒などの危険性もあるため、ハチミツの量には注意してください。
レモンのメリットと注意点まとめ
愛犬にレモンを与えることで、不足しがちな栄養素を補給できるメリットがあります。しかしレモンの刺激で体調を崩す可能性があるため量の調整が必要です。愛犬の反応や体調を見て、レモンを与えるかを判断すると良いでしょう。
続いてはレモンに含まれている栄養素に期待できる、愛犬への効果を解説していきます。
レモンの栄養素と健康への効果
レモンにはビタミンA・C・E・B群などの多くの栄養素が含まれているため、適量のレモンは愛犬の健康増進や生活習慣病予防に効果的です。
特に皮膚トラブルを防いだり、骨などの関節トラブルを予防できるビタミンCは、以前まで犬の体内で合成できると言われていました。しかしストレスや加齢の影響で、ビタミンC合成量が足りず、不足している可能性も指摘されています。ビタミンCなどをはじめとした栄養素を普段の食事以外から摂取する方法も、期待されています。
【レモンに含まれる栄養素と愛犬への効果】
- ビタミンC:抗酸化作用で老化予防
- ビオチン(ビタミンB群):毛艶を良くする・筋力低下の予防
- パントテン酸(ビタミンB群):皮膚炎の予防
- ナイアシン(ビタミンB群):肝臓代謝サポート
- 葉酸(ビタミンB群):赤血球の生産をサポートし貧血や口内炎予防
- ビタミンA:βカロテンに変わり歯や骨の作る
- ビタミンE:活性酸素を除去する抗酸化作用で病気や老化の予防
レモンは犬の健康に効果的な栄養素が多く含まれています。
しかしレモンの強い酸味や刺激的な匂いが苦手な場合や、胃が弱い犬は体調を崩す場合もあります。老化予防が期待できるビタミンCは、レモンの他にもブロッコリーやほうれん草などにも多く含まれているので、愛犬の健康状態や好みに合わせて効果的な栄養摂取方法を検討してください。
与える際に気をつけるべきポイントのまとめ
【愛犬にレモンを与える際の気をつけるポイント6つ】
- 愛犬がレモンの匂いを嗅いで怒る、鳴いたら与えない
- 5kg未満の超小型犬には1cc程度にとどめる
- レモン果汁を水で薄めてドッグフードの風味付け程度に与える
- レモンの種や皮を与えないで、果汁のみを絞る
- ハチミツレモン・レモンの砂糖漬けなどのレモン加工品は与えない
- レモン果汁が愛犬の皮膚につかないようにする
愛犬にレモンを与える際は、上記6点に注意してください。何度も繰り返しますが、レモンは愛犬にとって手軽に栄養摂取ができる食品ですが、刺激的な匂いや味が苦手な可能性も高いです。むしろ犬は、レモンなどの酸っぱい匂いは苦手です。
初めて愛犬にレモンを与える場合は、普段とは変わった様子がないか、食べ終えるまで側で見守ってあげると安心でしょう。
レモンを食べるときの犬の反応と注意点
レモンを初めて愛犬に与える際は、愛犬が普段と違う反応をしていないか、様子がおかしくないか意識的に観察してあげましょう。愛犬の胃が弱い場合、レモンを与えることで下痢や嘔吐を起こす可能性があるからです。もし以下のような反応が愛犬に見られたら、すぐにレモンを含んだドッグフードを片付けてください。
【レモンを嫌いな犬の反応】
- 尻尾が下がっていて元気がなさそう
- 震えが止まらない
- 怒る
- うなり声をあげる
- 顔を洋服や布団などにうずくめて隠れる
- 身震いする
愛犬がレモンを見たり、匂いを嗅いだりした時に上記の反応が見られたら、レモンの刺激的な匂いや味が嫌なサインの可能性が高いです。愛犬が嫌がっている反応が楽しいからと愛犬が嫌がることをし続けるのは、虐待と同じ。愛犬のサインをキャッチし、レモンを遠ざけ、もう与えない、見える場所に置かない工夫をしましょう。
また食べた後にいつもよりも元気がない、ドッグフードを食べない、嘔吐や下痢、出血がある場合は動物病院を受診してください。食べる前は特に匂いが気にならなくても、飼い主が目で確認できない愛犬の体の内部で、問題が生じている可能性があるからです。
レモンを食べた後にこの症状があれば動物病院を受診しましょう
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 出血
食べる際に気をつけるべきこと
- 少量の果汁にとどめる
- レモン水にする
- 皮は与えない
- 種は取り除く
- 胃に病気がある犬には与えない
- シニア犬・子犬には与えない
病気療養中やシニア犬、消化器官の発達が完全ではない子犬にレモンを与えるのは危険です。レモンのクエン酸には胃液分泌促進作用があり、必要量以上の胃液分泌による嘔吐や処理をする上で胃に負担がかかる可能性があります。嘔吐を繰り返すことで、胃の中が荒れ”胃炎”になり、病状がより深刻になる危険性も含んでいます。体調が完全ではない場合、子犬やシニア犬で消化器官が通常よりも弱い場合は、レモンを愛犬に与えるのは控えてください。動物病院に行く際は、「何時」「どれくらいの量を」摂取したか伝えるとよいでしょう。
まとめ
レモンにはビタミンCをはじめとした、愛犬の健康維持に効果的な栄養素が多く含まれています。しかし人間よりも嗅覚が鋭く、消化器官が弱い犬にとっては、レモンのクエン酸の酸っぱさが高刺激になり、下痢や嘔吐になる危険性も指摘されています。愛犬にレモンを与える際は、レモン果汁1滴を水で薄めたレモン水から始めてみて体調が崩れないか、嫌がらないかを確認すると安心です。犬の食生活にとって必須のものではないので、嫌がる場合はわざわざ与える必要はありません。
また愛犬がレモンを見ると怖がったり、震えが止まらなかったりといったサインをしっかり受け取り、愛犬の嫌がることをしないように注意してください。
愛犬を守れるのはあなただけです。動物虐待、愛犬の信頼を裏切るような行為はないと思いますが、絶対にしないようにしましょう。