犬にキャベツを与えてもOK?あげる際の注意点を解説

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はじめに

1年中手に入り、比較的価格も安価な野菜の「キャベツ」です。生のまま浅漬けやサラダにもできますし、野菜炒めやお好み焼き、回鍋肉などアレンジのしやすさも魅力です。「キャベツはいつでも野菜室に常備している」というご家庭も多いと思います。

また、「キャベツを包丁で切る音を聞くと、愛犬がキッチンに駆けつける」というご家庭もあるのではないでしょうか。キャベツを好んで食べるワンちゃんは多く、SNSなどでも犬にキャベツを与えている投稿をよく見かけます。

とても身近な野菜であるキャベツですが、犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか?

キャベツを与えても大丈夫なのか、与えるときの注意点などを調べてまとめました。

キャベツを犬に与えても大丈夫

結論から言うと、犬にキャベツを与えても問題ありません。量や葉の大きさに気をつければ、キャベツは生のままでも、加熱してからでも、どちらでも与えて大丈夫です。パピー期やシニア期の犬も、キャベツを食べることができます。ただし、芯の部分は硬いので、大きなサイズだと喉に詰まらせてしまう可能性があります。芯の部分は、薄くスライスしたり細かく切ってから与えるようにしてください。葉の部分も、千切りやみじん切りなど、消化しやすい形にカットしてから与えるようにしましょう。

キャベツには食物繊維や酵素が多く、便通をよくしたり、胃腸の働きをよくする効果が期待できます。カルシウム、カリウム、ビタミンCも豊富で、血液凝固にはたらくビタミンKも多く含まれています。「抗腫瘍性ビタミン」と呼ばれるビタミンU(キャベジン)は、胃潰瘍の予防や治療に効果的と言われています。このビタミンUは、胃腸薬にも使用されている成分です。また、キャベツに含まれるカルシウムはほかの野菜に比べて吸収率が良いとされています。このように、キャベツはとても栄養豊富な野菜です。

キャベツは栄養豊富でありながら、92%が水分です。そのためカロリーが少なく、細かく切るとかさが出て食べ応えがあるので、ダイエットのサポートに役立てることができます。普段与えているドッグフードの一部を減らして、キャベツに置き換えるのがおすすめです。また、一年を通して比較的安定してスーパーに並ぶ食材ですので、食事の材料として取り入れやすいというメリットもあります。

キャベツの食べすぎに注意

魅力的な食材であるキャベツですが、生のまま大量に犬に与えると吐き戻しや軟便、下痢になったり、甲状腺が腫れたりすることがあるので注意しましょう。始めは少量から与えると犬の消化の負担になりにくいですし、万が一消化不良などの症状が出た場合も軽症で済むので、様子を見ながら与えましょう。胃腸への刺激を減らし、発酵性をおさえるために、キャベツの葉を軽く湯がいてみじん切りにしてから与えるのがおすすめです。後ほど記載する、体格ごとのキャベツの量も参考にしてみてください。

体質によっては不向きな場合も

犬種だけでなく、犬それぞれの体質や体調によって、食材が与える影響は異なります。私たち人間も、体調によって食べられるものが変わったり食べ物のアレルギーがあったりしますが、それと同じと考えてください。愛犬がアレルギー体質だったり、病気・体調不良の場合は、キャベツを与えるのは獣医師に相談してからにしてください。

アレルギーとは、食べ物に含まれるタンパク質に対して、体内の免疫機能が異常に反応することで起こるものです。キャベツなどの野菜はアレルギーのリスクが比較的少ない食べ物といえますが、キャベツには微量ながらタンパク質が含まれています。アレルギーを引き起こす可能性は、0ではありません。アレルギーを起こすと、下痢・嘔吐・皮膚の痒みを伴う症状などが見られます。
初めて犬にキャベツを与えるときには、ごく少量にして、他に新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすることで、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑えられますし、原因を特定しやすくなります。
もし、キャベツを食べさせたあとに下痢や嘔吐、瞼が腫れたり、皮膚を必要以上に掻きむしったりするなどの症状がでたら、すぐに食べさせるのをやめ、獣医師に相談してください。

犬の体格ごとにキャベツの量を調整

犬の先祖は、肉食動物であるオオカミと言われています。現代の犬たちはもはや雑食に近いですが、体の作り上、野菜の消化は得意ではありません。ですから、一度にたくさんの野菜を食べると消化がうまくできなくなり、下痢などの原因となってしまいます。1日の目安量を守って与えるようにしましょう。
「総合栄養食」という記載のあるドッグフードを毎日与えている場合、犬に必要な栄養素はドッグフードに十分含まれています。無理にドッグフード以外の食べ物を与える必要はありません。ですが、愛犬には少しでも体にいいものを食べさせてあげたいし、食べる喜びを知ってもらいたいと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ドッグフードを主食として、キャベツはおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。犬の体重に応じた、一日に与えるキャベツの目安の量をまとめたので、参考にしながら、トッピングとして与えたり1回に与える量を調整してあげるようにしましょう。

小型犬の場合の与え方

小型犬とは、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアシュナウザー、シーズー、パグなど、成犬時の体重が8〜10kg未満の犬種をさします。

犬にキャベツを与えるときの目安の量は、体重が5kgの犬でキャベツ30g程度を上限にしましょう。

キャベツの一番外側の葉1枚あたりの重さが50g前後であることが多いので、体重が5kgの犬でキャベツの葉0.5枚分程度、と覚えておくと良いでしょう。

なお、チワワやトイ・プードル、ポメラニアン、マルチーズ、パピヨンなど、成犬時の体重が4〜5g未満の犬種は超小型犬と呼ばれます。超小型犬にキャベツを与えるときの目安の量は、体重が3㎏の犬でキャベツ20g程度を上限にしましょう。

中型犬の場合の与え方

中型犬とは、ウェルシュコーギーペンブローク、フレンチブルドッグ、ボーダーコリー、ビーグル、アメリカンコッカースパニエルなど成犬時の体重が25kg未満の犬種をさします。1日の量として犬にキャベツを与えるときの目安は、体重が10kgの犬でキャベツ50g、20kgの犬でキャベツ90g程度を上限にしましょう。

キャベツの一番外側の葉1枚あたりの重さが50g前後であることが多いので、体重が10kgの犬でキャベツの葉1枚程度、と覚えておくと良いでしょう。

大型犬の場合の与え方

大型犬とは、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シベリアンハスキー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなど、成犬時の体重が25kg以上の犬種をさします。

体が大きい分、散歩などの運動量も多く、必要なカロリーも多くなります。

1日の量として犬にキャベツを与えるときの目安は、体重が30kgの犬でキャベツ160g程度を上限にしましょう。

キャベツの一番外側の葉1枚あたりの重さが50g前後であることが多いので、体重が30kgの犬でキャベツの葉3枚程度、と覚えておくと良いでしょう。

キャベツの与え方について詳しく解説

それでは、実際に愛犬にキャベツを与えるとき、加熱をするべきかどうか、調理法などを詳しく解説します。

生キャベツ vs 茹でキャベツ

犬にキャベツを与える際は、生でも火を通してからでも、どちらでも問題ありません。
生で与える場合は、消化しやすいように細かく刻みましょう。生キャベツは、酵素とビタミンが豊富に摂取できます。

火を通す場合は、茹でるとビタミンなどの栄養素が水に流れ出てしまうので、軽く湯がくか、レンジで加熱するといいでしょう。茹でる場合は、キャベツを茹でた汁ごと与えると栄養も摂れ、水分補給にもなるのでおすすめです。適温に冷ましてからワンちゃんに与えてください。暑い時期は、余ったゆで汁を凍らせて、「キャベツ氷」としておやつにしてもいいでしょう。
キャベツの芯の部分を与えても大丈夫ですが、子犬など消化器官が未発達の場合は、薄くスライスしたり細かくしたうえでしっかり火を通してから与えるようにしてください。

キャベツの細かい刻み方

犬にキャベツを大きいサイズのまま与えると、うまく消化されずにそのまま便として出てきてしまうことがあります。犬は消化器官の構造上、野菜の消化が苦手です。
犬に生のキャベツを与えるときは、包丁でみじん切りにするか、フードプロセッサーやみじん切り機などを使って細かく刻んであげましょう。少量であれば、キャベツの葉を小さくたたんでキッチンバサミでカットすると、まな板や包丁が不要でお手軽です。
細かく刻んであげれば、消化もしやすくなり、キャベツの豊富な栄養が吸収されやすくなります。

キャベツの混ぜ物との相性

キャベツは癖が少なく、他のどんな食材とも比較的相性がいいです。

他の食材と一緒に調理をする場合は、消化に良く作るのも簡単なスープがオススメ。スープの作り方は、沸騰させたお湯に食材を入れて煮込むだけで、人間のように塩やコンソメなどの味付けは必要ありません。味付けの代わりに、刻んだキャベツと一緒にひき肉などのお肉も茹でてあげると嗜好性が高まります。お肉にしっかり火が通るように気を付けてください。細かく刻んだきのこや大根、豆苗などを一緒に茹でてもいいでしょう。

スープとしておやつ代わりに与えてもいいですし、ドライフードにかけて少しふやかすのもおすすめです。与えるときは犬がやけどをしないよう、人肌程度の温度になっているか確認を忘れずにしてください。

このように、キャベツ以外の食材も一緒に与える場合は、その食材が犬に与えていいものかを事前に調べるようにすると安心です。

キャベツの与え方の注意点

キャベツはアレルギーリスクも少なく、愛犬に手軽に与えられる食材ですが、注意点がいくつかあります。愛犬に与える前に、目を通しておきましょう。

キャベツの消化に注意

犬は「雑食に近い肉食動物」であり、「草食動物」ではありません。体の作り上、野菜の消化は苦手です。とくに子犬や高齢犬は、成犬に比べると消化器官が弱いため、食物繊維が豊富なキャベツを食べると消化不良を起こすこともあります。心配な場合は、少量をくたくたに煮るなど、消化しやすいようキャベツの量を調整し、調理した上で与えるのが安心です。

キャベツの保存方法

キャベツは中心から水分が抜けて、鮮度が落ちていきます。キャベツを買ってきたらすぐ、包丁の刃先で芯をくりぬき、その部分に水で湿らせたキッチンペーパーを詰めてから、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存すると長持ちします。保存期間の目安は2〜3週間程度です。

キャベツを使うときは、外側の葉からはがして使うと長持ちします。包丁で切ったものは、水分が黒ずみの原因になってしまうので、切り口をキッチンペーパーで覆ってからポリ袋に入れて保存するとキレイな状態が保てます。切ったあとの保存期間の目安は1週間程度です。

キャベツの添加物に要注意

野菜であるキャベツに、添加物は含まれるのでしょうか?気を付けたいのが、カット野菜のキャベツです。袋に入ったカット野菜は使いやすいサイズになっていて、一人分や使い切れる量が手に入るので、とても便利です。

カット野菜は一般的に、洗浄→大きくカット→洗浄→細かくカット→殺菌→洗浄→水切り→包装という流れで製造されています。カットされてからも長持ちするよう、菌や微生物の数を減らすために洗浄を数回に分けて行っています。

洗浄と合わせて、殺菌も行われています。カット野菜の殺菌剤として一般的に使用されているのが「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系殺菌剤)」。次亜塩素酸ナトリウムは、微生物や菌を除去する役割を果たしてくれるので、安全で安定した商品を作るのに欠かせない消毒剤であり、食品添加物です。

使用事業者には、食品衛生法で規定する「食品、添加物等の規格基準」を遵守することが義務付けられていて、国から認められている消毒剤で消毒・殺菌されています。

つまり、カット野菜に使われているのは「国が定めた規格基準を満たした安全な食品添加物」ということです。

このような添加物を、過剰に心配する必要はありません。ですが、不安な方はこういった情報を知ったうえで判断するのが良いのではないでしょうか。もちろん、ちゃんとしたスーパーや製造元が分かるものを買う、というように購入ルートに気を付けることも大切です。

まとめ

手軽に手に入り、犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれる「キャベツ」。愛犬にぜひ与えたい野菜です。ただし、キャベツはあくまでおやつとして、与えすぎには注意しましょう。ワンちゃんと飼い主の皆さんが、いろんな食の喜びを知ってくれると嬉しいです。

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