犬にサツマイモを与えても大丈夫?与え方の注意点や量を解説

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はじめに

ドッグフード以外に人間が食べているモノを犬に与えるとき、食べさせて良いか迷うことはありませんか?犬を飼っている方なら、与えてはいけない食べ物を一度は調べたことがあるでしょう。ネギ類・チョコレート・ブドウ・生卵・ナッツ類などは、一般的に与えてはいけないモノとしてある程度は認知されています。

では、サツマイモはどうでしょうか。この記事では、犬にサツマイモを与える際の注意点や量、適切な与え方などを解説します。

サツマイモを犬に与える際の注意点とは?

サツマイモは犬に与えて良い食材です。ただし、いくらでも与えて良いわけではありません。また、食物アレルギーのある犬には避けなければならないので、ここからは、サツマイモを与える際の注意点をご紹介しましょう。

犬に与えても大丈夫?

サツマイモは人間だけでなく、犬にとっても健康上良いとされる栄養を含んでいます。中でも、食物繊維やミネラルの含有量が多いため、犬にもおすすめの食材といえるでしょう。

昨今、食物アレルギーをもつ犬のために、グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードの種類が増えてきています。サツマイモの主成分は炭水化物であるため、米・大麦・小麦・とうもろこしなどの穀物に代わる主原料として、グルテンフリーフードに使われています。

サツマイモの栄養素と犬の体への影響

ここでは、犬にとって有益なサツマイモの栄養素を確認しましょう。サツマイモの主成分は「炭水化物」であるため、エネルギー補給ができます。そのため、先ほど触れたように、グレインフリーのドッグフードの食材として適しているのです。

だからといって、ドッグフードの代わりにサツマイモを主食とすることはおすすめできません。糖質も多く含むため、カロリー過多で肥満につながってしまうからです。

特に注目すべきなのは、「食物繊維」を多く含んでいる点です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどちらも含まれているため、便通を改善し、余分な脂質・糖質を吸着してくれる働きもあり、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。

サツマイモを切ったときにでる白い液体である「ヤラピン」という成分は、腸のぜん動運動に働きかけ便を柔らかくしてくれるため、便秘気味の犬にとっても嬉しい栄養成分といえます。

サツマイモにアレルギーをもつ場合もあるので、少量あげてからアレルギー症状がでないかを確認しましょう。痒みがでたり、皮膚が赤くなったり、下痢や嘔吐などの症状がでたりする場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

また、サツマイモの栄養素には注意しなければならない成分も含まれています。サツマイモには「カリウム」がたくさん含まれます。このカリウムは余計な塩分を排出してくれる働きがありますので、健康状態の良い犬であれば与えても問題ありません。しかし、腎臓や心臓に疾患がある犬には与えてはいけない食材です。腎臓の機能が働かない状態では、カリウムがうまく排出されないため、体内に蓄積されてしまいます。低血圧や不整脈など心臓への影響もあるため、注意が必要です。

それ以外にも、皮に含まれている「シュウ酸」にも注意しましょう。この成分を大量に摂取すると、尿路結石の原因となります。糖尿病を持っている犬や尿路結石ができやすい犬には与えないようにしてください。

与える際に気をつけるべき量と頻度

一般的に犬におやつを与える際は、一日の総カロリーの10%程度といわれています。蒸したサツマイモのカロリーは100gあたり130kcalほどですので、カロリーが高い食材であることを意識して与える必要があります。犬のサイズ別の適正量は下記のとおりです。

  • 超小型犬( 4㎏未満):20gまで
  • 小型犬 (10㎏未満):30~ 40gまで
  • 中型犬 (25㎏未満):80~100gまで
  • 大型犬 (25㎏未満):130~150gまで

以上はあくまでも、おやつとして与える場合の目安です。食事の際にトッピングするときは、総カロリーを超えないように計量してから与えるようにすると良いでしょう。

また、いくら犬が好きだからといって、サツマイモを毎回の食事にトッピングすることや、毎日おやつとしてあげるのは好ましいとはいえません。犬は甘い味が大好きですので、毎日あげていては、サツマイモがないときにフードを食べなくなってしまう場合もありますので注意が必要です。おやつとしてあげる場合も、歯磨きガムや他のおやつのカロリーも考慮して、与える量を加減しましょう。

犬に与えてはいけないサツマイモの種類はあるの?

農林水産省によると、2019年に栽培されたサツマイモの品種は約60種類と報告されています。サツマイモは犬に与えてもよい食材であるとご紹介してきましたが、この種類の中に犬が食べてはいけないサツマイモはあるのでしょうか。

サツマイモの中でも避けた方が良い種類

※特になければなしでもOK

サツマイモの種類によって与えてはいけない品種は特段ありません。しかし、焼き芋にする際の皮や実の焦げには注意が必要です。WHO(世界保健機構)では、アクリルアミドという成分は発がん性がある物質として「人間に対しておそらく発がん性がある物質」に分類しています。焦げたときにこの物質が増えるため、人間にとってもリスクが高いとして、大量摂取は避けられています。犬にサツマイモを与える際には、焦げた部分は取り除きましょう。

また、サツマイモ自体にアレルギーをもっている犬もいますので、初めて与えるときには一口だけにして、アレルギーに疑いがないか様子を見てください。元々アレルギー体質である場合は、獣医師に相談すると良いでしょう。

サツマイモの調理方法

犬にサツマイモを与える際に適している調理方法は、主に「茹でる」「蒸す」「焼く」のいずれかです。

茹でる場合

サツマイモを一口大に切ってから水にさらし、その後、熱湯に入れて柔らかくなるまで茹でます。サツマイモには少量のシュウ酸が含まれます。シュウ酸はアクの素となる成分で、体内に蓄積されるとシュウ酸カルシウム尿結石の原因となってしまうため、注意が必要です。皮をむいてしっかり茹でることでシュウ酸を減らすことができます。

蒸す場合

サツマイモを一口大に切ってから、蒸し器で柔らかくなるまで蒸します。電子レンジで加熱しても良いでしょう。サツマイモのビタミン類は加熱しても壊れにくい性質をもっています。

焼く場合

フライパンで焼く:一口大に切った後、少量の油で焼きます。皮膚や粘膜の健康を維持するβカロテンは油と一緒に摂取すると吸収が良くなります。ただし、油分のカロリーが増えますので注意しましょう。

オーブンで焼く:薄くスライスしたサツマイモをオーブンやトースターで焼きます。パリパリになるため、おやつとして与える際に向いているでしょう。

芋焼き機などで焼く:焼き芋専用の器具などで焼く方法です。皮のまま焼くことになるので、焦げには注意が必要です。焦げた皮や実は取り除きましょう。

また上記以外に、生のままや油で揚げてから与えることはやめましょう。生のままでは消化不良を起こしてしまいますし、元々カロリー高めの食材であるため、油で揚げることはおすすめできません。

サツマイモの適切な与え方とは?

サツマイモの調理方法は主に茹でる・蒸す・焼くとお伝えしました。ここでは、どのように犬に与えるのかをお話しします。

犬への与え方

愛犬の口の大きさに合わせて、サツマイモをサイコロのように一口大に切ってから、茹でたり蒸したり焼いたりして調理します。その後、火傷しないように十分に冷ましてから与えます。

お腹が空いているときは勢いよく食べてしまうので、熱いままのサツマイモを与えるのは大変危険です。口の中や食道などを火傷させないように、ドッグフードのトッピングにする際も気をつけてあげましょう。

スティック状にしたものやパリパリに焼いたものは、おやつの際にあげると喜ぶでしょう。皮の部分には抗酸化作用のあるポリフェノールを含みますが、あまり消化がよくないので、与える場合は少量にとどめましょう。また、焦げた部分は取り除いてください。

サツマイモを食事に取り入れる方法

サツマイモは炭水化物が主成分ですが、カロリーが高いため主食として与えることはおすすめできません。ドッグフードなどのトッピングとしてあげることが望ましいでしょう。

その場合は、サツマイモをトッピングする分、ドッグフードを減らさなければなりません。いつも通りの量のドッグフードを与えてしまうとカロリーオーバーになってしまいますので、うまく調整しながら与えてあげてください。

シニア犬の場合は、噛む力・飲み込む力・消化能力が衰えてくるため、茹でたり蒸したりしたサツマイモを潰してからドッグフードに混ぜたり、ペースト状にしたサツマイモを犬用の牛乳などと混ぜてドッグフードにかけてあげると良いでしょう。

特に、ハイシニア(10歳以上)からは、すべての食べ物を柔らかくしてあげることに留意してください。幼犬のときと同じように、ドッグフードは水に浸してふやかしてあげると良いでしょう。

幼犬は消化機能が未発達であるため、食物繊維が多いと胃腸に負担がかかってしまいます。サツマイモに限らず、食物繊維の多い食材は避けるようにしましょう。

サツマイモのメリットと注意点まとめ

ここでは、サツマイモを犬に与える際のメリットと、注意しなければならない点を解説します。

サツマイモの栄養素と健康への効果

ここでは、サツマイモの主な栄養素と犬の健康への効果をまとめました。

炭水化物:エネルギー補給(ドッグフードにも使用される)

食物繊維:腸の働きを良くする・便通を良くする

ビタミンC・E・B6:抗酸化作用があるため、免疫力を高め、皮膚の状態を健全に保つ

βカロテン:体内でビタミンAに変換され、目や皮膚の健康を維持する

カリウム:塩分を排出し、血圧を安定させる・むくみを予防する

ヤラピン:腸の働きを良くし、便を柔らかくする

ポリフェノール:抗酸化作用と抗炎症作用がある・老化を防止する

与える際に気をつけるべきポイントのまとめ

ここでは、犬にサツマイモを与える際に気をつけなければならないことをポイントとしてまとめました。

  • 生のままではなく、必ず加熱すること
  • サツマイモを加熱した後は、十分に冷ましてから与えること
  • 一口大にカットし、少量ずつ与えること
  • 焦げた部分は取り除くこと
  • アレルギーがないか確認すること
  • カロリー過多にならないよう適量を守ること
  • 胃腸に負担がかかるため皮をむくこと(特に子犬やシニア犬)
  • 腎臓病・心臓病・糖尿病・肥満の犬には与えないこと
  • 歯に付着しやすいため、食後は歯磨きをすること

まとめ

サツマイモは、犬にとって有益となる栄養をたくさん含んでいます。ドッグフードの主原料となる炭水化物を多く含み、食物繊維は腸の働きや便通に効果を発揮するため、肥満気味の犬にとってもおすすめの食材といえます。

ただし、与える量や温度、アレルギーの有無や体質、年齢や体型には気をつけましょう。サツマイモの甘さは犬が大好きな味です。適量を守り、ドッグフードのトッピングやおやつとしてサツマイモを日々の食事に取り入れ、愛犬が楽しく健康に過ごせるようにしましょう。

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