犬にピーナッツを与えても大丈夫?与え方の注意点や量を解説

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はじめに

ペットが我が子のようにかわいく、喜ぶ姿や美味しそうにご飯やおやつを食べている様子を見ると、色々なものを食べさせたくなってしまいますよね。

しかし健康上の理由で与えないほうがよい食べ物もあるので注意が必要です。

「犬にピーナッツはあげないほうがいい」と聞いたことはありませんか?

結論から言うと味の付いていないピーナッツであれば少量与えるのは可能です。

今回は「犬にピーナッツをあげないほうがいい」と言われる理由や、与える際に気を付けるポイントをご紹介します。

犬にピーナッツを与えても大丈夫?

ピーナッツには犬に中毒を起こすような成分は含まれていないので与えても問題はありません。

それではなぜピーナッツは与えないほうがよいと言われているのでしょうか。

その一因はピーナッツに多く含まれるオレイン酸やリノール酸という不飽和脂肪酸を一度に多く摂取すると消化不良・下痢を起こす可能性や、膵炎を起こすリスクが高まるからです。

また、ナッツ類の中には犬にとって中毒症状を引き起こす種類もあり、「ナッツは危険」という認識からピーナッツは与えないほうがよいという情報がさらに広まりました。

しかしピーナッツは中毒症状を引き起こす種類ではないので少量であれば与えても問題ありません。

しかしながら犬にピーナッツを与えるメリットは少なく、脂質やカロリーも高いので多量に摂取したり、継続的に食べると健康被害を及ぼす恐れがあります。

また、ピーナッツに含まれるビタミンEには抗酸化作用がありますが他の食材からも摂取できる為、わざわざピーナッツを選んであげる必要はないと言えます。

ピーナッツの栄養素とは

ピーナッツは私たち人間にとって非常に栄養価の高い食べ物として知られています。

しかし人間にとっての良い物=犬にとっても良いわけではありません。

また、良いものであっても過剰に摂取することは人間でも犬でも身体に害をもたらすこともあるため気を付けなくてはなりません。

ここでピーナッツの主な栄養素をご紹介します。

タンパク質

ピーナッツには体を作るうえで欠かせない栄養であるタンパク質が豊富に含まれています。

エネルギーの三大栄養素とも言われており、皮膚や臓器など身体を作る材料のひとつです。

ビタミンE

強い「抗酸化作用」を持っており、体内で発生すると動脈硬化やがん、老化などを引き起こす原因になるといわれている「活性酸素」を取り除いて酸化を抑えてくれます。「活性酸素」はシミやしわの原因を作るとも言われており、美容にも期待ができる栄養素です。

レシチン

ホスファチジルコリンとも呼ばれている脂質の一種です。細胞膜の主成分でもあり、脳や神経組織などに多く含まれます。記憶や睡眠、代謝にもかかわっており、脳に関係する活動機能の工場や肝機能などに効果のある栄養素です。

ナイアシン(ビタミンB3)

ビタミンB3とも言われているナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝に必要不可欠な栄養素です。循環器官や消化器官、神経系の働きを助ける役割があり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は魚や植物の脂に多く含まれており、青魚に含まれるEPAやDHAもその一種です。ピーナッツにはリノール酸という種類の不飽和脂肪酸が含まれていて、悪玉コレステロールを減らし、血糖値を下げる効果があります。

亜鉛

亜鉛は細胞や酵素の中に存在しており、たんぱく質やDHAの合成や免疫に関わります。体内で生成することが出来ないため、食事での摂取が必要な栄養素です。

ピーナッツを犬に与える際の注意点とは?

ピーナッツは栄養価の高い食べ物ですが、犬にとっては摂りすぎると健康被害を及ぼす恐れがあったり、与え方によって危険を伴います。

ここでは与える際に気を付ける点をご紹介します。

ピーナッツの犬の体への影響と注意点

栄養価の高いピーナッツですが、犬の体へは悪影響を及ぼす可能性もあるので与える際には気を付ける必要があります。

ピーナッツには脂肪分が多く、食べすぎると健康被害を起こす可能性がある

ピーナッツのおよそ半分は脂質で出来ており、人間より体の小さい犬にとってはハイカロリーな食べ物のひとつです。過剰に摂取すると肥満の恐れだけでなく、糖尿病や高脂血症のリスクがあります。さらに脂質の分解を行なう臓器である膵臓に大きな負担をかけることになり、膵臓に疾患のある犬や消化器官の弱い犬は身体に大きな負担がかかってしまうため、ピーナッツを与えないほうがよいです。

大豆アレルギーを持っている愛犬には特に注意を払う

ピーナッツは大豆と同じマメ科に分類されます。大豆アレルギーがある犬は、アレルギー症状を引き起こすことがあるのであげない方が無難です。また大豆アレルギーがない犬でもピーナッツアレルギーを起こす場合があるので、あげる量は少量にし、与えた後は様子を伺いましょう。

丸ごと与えると喉や食道に詰まらせてしまう可能性がある

体が未発達な幼犬や消化器官が弱まる高齢犬、トイプードルやポメラニアンのような小型犬にも気を付ける必要があります。喉や食道、そして万が一腸に詰まると命の危険があるため、与え方には気を付けましょう。

与える際に気をつけるべき量と頻度

ここまででピーナッツは犬に与えても問題はないが、与え方や量には注意が必要な食べ物ということが分かりました。

高頻度・定期的に食べさせることは避け、一日に与える量を調整しましょう。与える量に関しては一日の摂取カロリー量を元に計算しましょう。

また与えた後は異変がないか、少なくとも30分〜1時間程度は様子を見ておくと安心です。いつもと違う様子があれば病院に連れて行きましょう。

犬に与えてはいけないピーナッツの種類とは?

ピーナッツの中に与えてはいけない種類はありませんが、店頭で並んでいるピーナッツを選ぶ際は味のついている商品は与えてはいけません。人間用に味付けされた食べ物は塩分が高く、犬の体には負担になるからです。

また、ピーナッツは問題ありませんが、ナッツの中には中毒症状が出る恐れのある種類もありますので気を付けなくてはなりません。ピーナッツ単体で販売されている商品ならばよいですが、ミックスナッツなど他の種類が混ざっている商品は避けましょう。

【犬に与えてはいけない主なナッツ類】

  • チョコレートナッツ
  • カシューナッツ
  • マカダミアナッツ
  • ブラジルナッツ
  • ヘーゼルナッツ
  • ピーカンナッツ
  • 柿の種のピーナッツ

【犬に与えてもよい主なナッツ類】

  • クルミ
  • アーモンド
  • ピスタチオ

基本的にナッツ類は犬にとって消化しづらく、カロリーの高い食べ物なのでいずれの種類でも食べすぎはよくありません。少量を時々あげる程度に留めましょう。

ピーナッツの適切な与え方とは?

与える際に注意すべき点は喉や食道・腸に詰まらせてしまうことです。

必ず粒そのままのサイズではなく小さくしてから与えましょう。また、事前に茹でておくことで消化器官への負担も軽減できます。

ピーナッツの調理方法と犬への与え方

ピーナッツを喉や腸に詰まらせてしまう事故を防ぐため、事前に行なうべき調理方法をまとめました。

少し手間にはなりますが、愛犬の健康に大切なことなので必ず調理してから与えてください。

殻と薄皮は取り除く

ピーナッツの殻や薄皮は消化に悪い為、必ず取り除いてから与えてください。健康な成犬であれば消化されずそのまま便として輩出されることがほとんどですが、まれに消化不良を起こし、便秘や下痢の原因となります。

茹でて柔らかくする

そのままのピーナッツは硬いので、事前に茹でて柔らかくしてください。また、茹でた後は与える前に人肌程度に冷まして口の中を火傷をしないように気を付けましょう。

みじん切り、またはつぶす

ピーナッツには不溶性食物繊維が多く含まれており、消化しづらい食品です。事前に細かくみじん切りにしてから与えてください。すりつぶしてペースト状にしてあげてもよいでしょう。

ピーナッツを食事に取り入れる方法

ピーナッツを食事に取り入れる際は茹でてつぶしたものを単体で与えるか、ドッグフードに混ぜて与えると食べやすいです。

また、無塩無糖のピーナッツバターを使用して犬用のクッキーを作ってあげるという方もいます。ピーナッツバターはピーナッツ単体よりも高カロリーとなってしまうため、気を付ける必要があります。どのくらい摂取してもいいかは個体差があるので、かかりつけ医に相談しておくこともひとつの手です。

ピーナッツのメリットと注意点まとめ

ピーナッツを与えるメリット

ピーナッツは積極的に食べさせる必要がなく、与えるうえで気を付けるべき点が多い食材です。

しかしながら、高カロリーのため、愛犬が上手くご飯が食べられない時や痩せてしまった場合など適量与えることがむしろ効果的である場面もあります。

与えるか迷った際には、事前にかかりつけ医に相談しましょう。

与える際に気をつけるべきポイント

ピーナッツは脂肪分が多いので、与えすぎないようにしましょう。

また、小型犬や幼犬などがピーナッツを丸飲みすると喉や食道・腸に詰まることがあるのであげるサイズには気を付けてください。

  • 殻や薄皮は消化に悪いので事前に取り除く
  • 食べやすいように細かくするか柔らかく茹でてすりつぶす
  • 一度に多量にあげることは避け、頻繁には与えない
  • 摂取量の目安は一日の必要カロリーを元に調整する
  • いつもと違う様子が見られたら病院へ連れていく

犬がピーナッツを食べたときの気になる症状

犬がピーナッツを摂取した際に起こるリスクのある症状や反応はいくつかあります。

次に当てはまる症状があれば注意をしましょう。

消化不良による症状

元気がなく、反応や動作が鈍くなります。また、お腹が膨れて苦しそうな反応をしたり、嘔吐や下痢を繰り返すこともあります。祈りのポーズ(頭を下げて、背中を丸めるようにして立っている状態)をしている場合も体調が悪い場合があります。

油分過剰による症状

消化不良と同様、元気がなく下痢や嘔吐の症状が出たり、祈りのポーズをすることがあります。

また、気持ちが悪そうな素振りが見られます。

油分を多く摂取しすぎると油分脂漏症という皮膚トラブルが発生する場合もあるので注意が必要です。

食物アレルギーで見られる症状

食物アレルギーでも消化不良等と共通する症状が見られます。

また、皮膚を痒がる素振りや湿疹が出てくる、目が充血するなどの症状が同時に現れることもあります。

気になる症状があった際は病院に連れて行きましょう。その際は何時ごろにどのような形状をどのくらい食べたかも把握しておくとスムーズなので、よく観察しておきましょう。

まとめ

今回はピーナッツを犬に与える際の注意点などについてご紹介しました。

ピーナッツはアレルギーのない健康な犬には与えても大丈夫な食べ物です。

適量を上手に利用することで健康にもよく、犬としても普段の食事と違う食感や味を楽しめます。

しかしながら、喉に詰まるリスクや食べすぎると消化不良や肥満等のリスクもあるので気を付けていきましょう。

愛犬におやつを与えることは大切なコミュニケーションのひとつです。

その日の体調や様子にあわせて上手にコントロールしながら活用してみてはいかがでしょうか。

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