犬にりんごを与えても大丈夫?与え方の注意点や量を解説

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

愛犬にりんごを与えたことはありますか?

人間にとってりんごは健康維持に大変良いとされていますから、大切な愛犬にも食べさせてあげたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

でも、犬に食べ物を与える際に,飼い主なら必ず「この食べ物は犬が食べても大丈夫なの?」と一度は考えた事がありますよね。

結論から申し上げますと、リンゴは犬に与えても問題ありません。

ただし、与える際には注意しなければならない点もあります。

当記事では、犬にりんごを与える際の注意点や、正しい与え方などをくわしく紹介します。

りんごを犬に与える際の注意点とは?

犬にりんごを与える際に飼い主が気にするのは以下のようなことではないでしょうか。

  • 犬にりんごを与えても大丈夫?
  • りんごにはどんな栄養があって犬の身体にどのように影響する?
  • どんなことに気を付けてどれくらい与えてよいの?

それぞれ解説します。

犬にりんごを与えても大丈夫?

りんごには犬にとって悪影響を及ぼす成分が含まれていないので、犬にりんごを与えても大丈夫です。

犬にとっても栄養豊富であり、適量であれば健康に役立つ成分が含まれています。

また、その栄養価の高さからおやつとして与える食べ物にも適しています。

犬には心配なくりんごを与えても大丈夫です。

りんごの栄養素と犬の体への影響

りんごには犬の健康維持に役立つ栄養素が多数あります。

クエン酸・リンゴ酸

りんごの甘酸っぱさを作り出しているクエン酸とリンゴ酸は、疲労回復に効果があります。

犬の尿の中に含まれているカルシウムを外へ排出する働きで、犬のシュウ酸カルシウム結石の予防にも効果があります。

ペクチン

ペクチンという水溶性の食物繊維には、腸内環境を整える働きがあります。

腸内環境が整うことで、免疫力アップも期待できます。

カリウム

カリウムには体内の水分調整をおこない、体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外に排出する働きがあり、腎臓病の予防が期待できます。

ただし、加齢などで腎機能が弱っている場合、体内にうまく排出できなくなり、高カリウム血症になることがあります。

重症になると命にかかわる危険性もありますので、腎臓や心機能が低下している犬にりんごを与える場合には注意しなくてはなりません。

必要に応じて獣医師にアドバイスをもらうなどしておくと良いでしょう。

リンゴポリフェノール

りんごには100種類以上のポリフェノールが含まれており、それを総称してリンゴポリフェノールと呼びます。

リンゴポリフェノールは優れた抗酸化作用があり、血行の改善やアレルギー抑制など、病気の予防や老化防止に効果があります。

与える際に気をつけるべき量と頻度

りんごは水分が多く、与えすぎると下痢などを起こす場合があります。

また、果糖を多く摂りすぎることにより肥満にもつながってしまいます。

あくまでおやつとして考えて、1日1〜2回、適量を与えるようにしましょう。

一般的に1日必要な摂取カロリーの10〜20%程度が適量となります。

目安は以下となります。

小型犬(2~5kg)34g~67g(中サイズ1/7個~2/7個)
中型犬(6~15kg)77g~153g(中サイズ1/3個~4/6個)
大型犬(20kg~50kg)189g~376g(小サイズ1個~中1.5個)

これはカロリー上の算出値であるため、犬の健康状態や年齢などによっても適量が異なるのであくまで参考値として調整してください。

犬に与えてはいけないりんごの種類とは?

犬に与えてはいけないリンゴの種類というのはありませんが、品種によって糖度の高いりんごがあります。

りんごの果糖を摂りすぎることは肥満にもつながりますので、与え過ぎには注意が必要です。

また、りんごの加工食品などもありますが、人間用の加工食品には、甘味料など犬にとって有害な成分が入っていることがありますので与えてはいけません。

りんごジュースも100%の砂糖無添加のものでしたら与えても大丈夫ですが、ミックスジュースなどのほかの果物が混ざっているものはNGです。

たとえば、乾燥させてあるだけのりんごチップのようなものでしたら少量与えることは問題ありませんが、油を使用して揚げてあるものなどは与えることはできません。

もし、加工食品を与えるのであれば、犬用の加工食品がありますので、添加物などが入っている可能性のある人間用の食品を与えるのは、できるだけ避けましょう

りんごの適切な与え方とは?

りんごの適切な与え方としてまずは、適量をしっかりと守ることです。

そのうえで、次の注意点を守りましょう。

りんごの調理方法と犬への与え方

りんごを与える際に特別な調理は必要ありませんが、カット方法や、種や芯を取り除くなど最低限の調理はする必要があります。

まず、あまり大きなまま与えてしまうと、犬は丸飲みして喉に詰まらせる危険性があります。

与える際は、薄切りにすることをおすすめします。

薄切りであれば万が一飲み込んでしまっても、のどに詰まらせることはありませんし、口の小さな小型犬などでも食べやすいからです。

老犬などには、すりおろしたりんごなどを与えるのも良いでしょう。

また、りんごを与える際に種や芯は取り除いてください。

種や芯には微量ながら「アミグダリン」という成分が含まれており、腸内でシアン化水素を発生させてアミグダリン中毒を引き起こすことがあります。

中毒になると30分~1時間後に嘔吐や痙攣を起こすことがありますので、種や芯は必ず取り除いて与えてください。

皮には農薬などがついている可能性もあるので、皮付きで与える場合はしっかりと洗ってから与えてください。

りんごを食事に取り入れる方法

りんごはあくまでおやつとして与えるものなので、主食にすることはおすすめしません。

ただ、体調不良などで食欲が落ちている際には、トッピングとして少量のりんごを入れるくらいでしたら問題ありません。

犬にとって主食はあくまでドッグフードなどの犬用食品です。

本来ドッグフードには1日に必要な栄養素がそれだけで足りるように作られています。

どんなにりんごの栄養価が高くても、すべての栄養素をカバーできるわけではないので、あくまでおやつとして考えておきましょう。

りんごのメリットと注意点まとめ

りんごを与えるメリットと注意点についてまとめておきましょう。

りんごにはさまざまな栄養素が含まれており、適量を守ることで、健康維持にも役立ちます。

1日に必要な摂取カロリーの10〜20%を目安として与えましょう。

与える時は、大きくカットすると丸飲みしてしまう可能性があるので、薄切りにカットすることをおすすめします。

りんごの種や芯には、中毒症状を引き起こす可能性のある成分を含んでいるため、必ず取り除いて与えなければなりません。

りんごの栄養素と健康への効果

りんごの栄養素としてリンゴ酸・クエン酸、ペクチン、カリウム、リンゴポリフェノールについて紹介しましたが、ほかにも多くのビタミンを含んでいます。

それぞれのビタミンの作用は以下のとおりです。

ビタミンA(βカロテン)

βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換され、変換されたビタミンAは視力や皮膚、被毛を健康な状態に保つほか、丈夫な歯を作るのにも役立ちます。

βカロテン自体も強い抗酸化作用により、体内に発生した有害な活性酸素を除去する働きがあります。

ビタミンB群

エネルギーの供給や代謝に関与しており、体から失われていくと疲れやすくなります。

ビタミンBを摂取することで、脂肪やアミノ酸の代謝に関与することで糖の代謝をサポートし、エネルギーを生成します。

ビタミンB群は水溶性のため、一度にたくさん摂取しても尿中に排出されるため、毎日コンスタントに摂取することが望ましい栄養素です。

葉酸

葉酸はビタミンB群の1つで、代謝に大きく関与しています。

DNAやタンパク質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける働きがあることから、体の発育に重要なビタミンです。

そのため、妊娠中や成長期の犬には特に必要であると言われています。

ビタミンC

コラーゲンの合成のほか、鉄分の吸収促進や解毒などに役立ちます。

強い抗酸化作用を持ち、病気の予防にも欠かせないビタミンです。

健康な若い犬は自らブドウ糖をビタミンCに合成することができるため、ビタミンCの積極的な摂取は必要ないと考えられていました。

しかし、近年の研究で犬にもビタミンCが不足している犬がいることがわかってきました。

5歳を過ぎると少しずつビタミンCの合成能力が低下するので、シニア犬などは、りんごからビタミンCを摂取するのは有効です。

ビタミンE

ビタミンEに含まれるトコフェロールと呼ばれる栄養素には、細胞膜の酸化を防ぐ作用があります。

ビタミンEはビタミンCと相性がよく、一緒に摂取することで強い抗酸化作用が期待できます。

ビタミンCとEの両方がりんごには含まれているので、りんごを食べることで簡単に摂取することができます。

アレルギーに注意しましょう

犬にりんごを与えるときに注意しておきたいのはアレルギーです。

特に初めてりんごを与える際にはその反応を見ておく必要があります。

これまでアレルギー体質が出なかったため、愛犬がアレルギーを持っていると思わずに与えてしまうと大変危険です。

りんごは比較的アレルギー報告の多いバラ科の果物です。

体質によっては、与えたあとに不調が出る可能性がありますので、最初にりんごを与えるときは少量のみ与えてしばらく様子を観察しておく必要があります。

アレルギーを起こすと下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどが出ますのでもしそのような兆候が見られたら、症状が軽く、収まったとしても動物病院に連れていくことをおすすめします。

ちなみにバラ科の果物はほかに、イチゴ、梨、桃、サクランボがあります。

過去にこれらの果物でアレルギーを発症している犬には、りんごは控えた方が良いでしょう。

犬にりんごを与える際に気をつけるべきこと

これまでご紹介してきたことをおさらいしていきます。

  • 種と芯は取り除く
  • 丸飲みしないようなサイズで与えること
  • アレルギー反応が出る可能性があるので最初はきちんと観察する
  • 食べ過ぎに注意

犬は人間が与えたものを何も疑うことなく口にします。

そのため、種や芯がそのままついていてもお構いなしに食べてしまいます。

また、犬は自分がアレルギーを持っているか知りませんし、アレルギーだからといって与えられたら食べてしまいます。

おいしいりんごを目の前にして、夢中になって食べて、丸飲みしてしまう事もありますし、たくさん与えられれば全部平らげてしまうでしょう。

つまり、犬が安心してりんごを食べるためには飼い主がコントロールすることがすべて,といっても良いでしょう。

犬がりんごを食べる際には、犬に気をつけさせるのではなく、安心してりんごが食べられるよう飼い主である人間が、常に気をつけることが必要です。

まとめ

犬にりんごを与えることは大丈夫なのか、りんごを与える際の注意点や量などについて紹介しました。

結論から申し上げますと、りんごは犬に与えても大丈夫です。

栄養価も高いので、理想的なおやつと言えるでしょう。

ただし、与える際にはアレルギー反応の有無や、食べ過ぎでの肥満などに注意を払いましょう。

嗜好性が高いので、ドッグフードをあまり食べない犬や、食欲の落ちてきた老犬には少量のりんごをトッピングとして与えるのも良いでしょう。

注意点さえ守れば、りんごを与えることは犬の健康維持に有効な食べ物です。

当記事を参考に、りんごをおやつやトッピングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

RECOMMEND
あわせて読みたい関連記事
RANKING
人気記事ランキング