【獣医師監修】猫が悪いことをしたらケージに入れていいの?ダメな理由も解説

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はじめに

猫が悪いことをした時の対応1

猫がイタズラしたり、悪いことをしたりするときにどうすれば良いのか迷う方も多いと思います。

悪いことをした時にケージに入れれば良いのではと思う方もいるはずです。

ただ、猫が悪いことをしたときの対処方法が誤っている場合は、猫にストレスやトラウマを与えてしまいます。

そのため、飼い主は悪いことをしたときの対処方法やケージの利用方法を正しく理解する必要があるのです。

この記事では、猫が悪いことをしたときの対処方法・ケージを利用するときの注意点・猫のしつけ方法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

猫が悪いことをしたらケージに入れていいの?

猫が悪いことをした時の対応2

初めに、猫が悪いことをしたらケージに入れて良いのか紹介します。

結論から言えば、猫が悪いことをしたときにケージに入れてはいけません。

なぜ入れてはいけないのかの理由もまとめているので、ぜひチェックしてください。

ケージに入れても効果はなし

猫をケージに入れても、残念ながらあまり効果はありません。

なぜなら、猫は自分が悪いことをしたと理解できないからです。

猫を飼っている方で、猫を叱っても全く反省せずに同じ行動を繰り返すのを見たことがある方は多いと思います。

猫は飼い主にとって嫌なことをしているのに気づいていません。

そして、猫は行動に対して褒められたり叱られたりしてもわからないので、本能のままに行動を繰り返してしまいます。

そのため、悪い行動をやめさせようとケージに入れても、猫は悪い行動をしたからケージに入れられたと気づけません。

ケージから出されたら同じ行動を繰り返す可能性が高いのです。

猫が悪いことをしたときにケージに入れても効果がないのでやめましょう。

ケージにトラウマを持ってしまう可能性もある

また、猫が悪いことをしたときにケージに入れると、ケージにトラウマを持ってしまう可能性があります。

ケージに慣れている猫にとって、普段ケージは自分が安心して過ごせるテリトリーです。

しかし、猫は飼い主にケージに閉じ込められたと認識すると、健全な活動ができず、自分が出たいときに出られないので、大きなストレスを感じるのです。

先述した通り、猫はケージに入れられる行為と悪い行動を結びつけられないので、飼い主に意地悪されてケージに閉じ込められたと認識し、飼い主に対する信頼を失くします。

そして、何をしたのかわからない状態で、開けてもらえるタイミングもわからない猫は、ケージにトラウマを持つのです。

また、ケージに慣れていない猫の場合は、よりストレスを感じてトラウマを持つので、飼い主は信頼を取り戻すのに時間がかかります。

そのため、猫との信頼関係を失わないためにも、しつけでケージを利用するのはおすすめしません。

行為によって嫌なことが起きると思わせるほうが良い

猫が悪いことをした場合は、行為によって嫌なことが起きると思わせる方が良いです。

猫は叱られても悪い行動をしたとは中々認識できないので、叱る場合は長期的に繰り返す必要があります。

叱り続けるのも悪い行動をやめさせるのに大切ですが、嫌なことが起きると思わせる方が短期で行動をやめさせられて効果的なのです。

猫は、カーテンを引っ掻くなど自分が行動するたびに嫌なことが起きると、その行為と嫌なことを結びつけて考え始めます。

そして、飼い主が叱らなくても次第にその行為をやめてくれるのです。

猫の嫌なことを行う場合は、嫌なことが起きる原因が飼い主であると悟らせてはいけません。

気づかれてしまうと、猫との信頼関係が壊れて飼い主を嫌ってしまいます。

また、飼い主が猫にとって嫌な行動をとるときは、あとでその場に連れ戻しても効果がありません。

なぜなら、時間差だと猫はなぜ嫌なことが起きたのか原因と結果を理解できないからです。

猫に行動すると嫌なことが起きると自覚させるためにも、わざといたずらしやすい状況を作り、嫌なことを発生させるのが重要です。

具体的な方法については、後述しますのでぜひ参考にしてください。

猫が悪いことをした時の対処方法

猫が悪いことをした時の対応3

次に、猫が悪いことをした時の対処方法を紹介します。

  • 水を吹きかける
  • アルミ箔を敷く
  • 空き缶やお手玉を投げて驚かせる
  • 低い声を出す

それぞれの方法を具体的に解説するので、猫が悪いことをしたときの対処方法に迷う方はぜひ参考にしてください。

水を吹きかける

1つ目の猫が悪いことをした時の対処方法は、水を吹きかける方法です。

水を吹きかけるのは、猫が自分の行動で嫌なことが起きたと認識させる対処方法の一つです。

具体的には、猫がカーテンを爪でといだり、ビニール袋などで遊ぼうとしたりする時に霧吹きや水鉄砲で水を吹きかけます。

猫は水に濡れるのが本能的に嫌いなので、水を吹きかけられるのを嫌がり避けようとするのです。

実際に、悪い行動を繰り返すたびに水を吹きかけられると、行動と水を結びつけて考えるようになり、次第に悪い行動をしなくなります。

ただし、猫の顔に水を吹きかけてしまうと猫との信頼関係を失いかねないので注意しましょう。

また、猫は一度水に濡れると乾きにくく、濡れたまま夜を迎えると、気化熱によって体温が奪われて命に関わります。

そのため、猫の問題行動を止めようとしても、大量の水をかけるのではなく、全身に吹きかける程度にとどめてください。

アルミ箔を敷く

2つ目の猫が悪いことをした時の対処方法は、アルミ箔を敷く方法です。

猫に立ち入ってほしくない場所や、マーキング癖がある場所にアルミ箔を敷きます。

そうすると、猫は今まで見たことのないアルミ箔に警戒心を持つので、悪い行動を抑制する効果が期待できるのです。

アルミ箔を敷く際は、少ししわくちゃにしてから広げましょう。

猫の肉球は敏感なので、アルミ箔を踏んだ際の金属の感触を嫌がって近づきません。

また、猫はアルミ箔を踏むとクシャクシャと聞き慣れない音が鳴るので嫌がります。

ただし、アルミ箔を敷いても、悪い行動を長期的に抑制できない可能性が高い点を覚えておきましょう。

なぜなら、猫はクシャクシャとした感触や音に次第に慣れて、警戒心が薄れてしまうからです。

猫のアルミ箔への警戒心が薄れると、好奇心をくすぐるおもちゃの対象になってしまいます。

さらに、猫は簡単にアルミ箔を引きちぎれるので、誤飲の可能性も高いです。

そのため、アルミ箔を敷く行為は一時的に猫の問題行動を制限するために有効なものと理解しましょう。

補足ですが、アルミ箔を丸めたボールは猫の好奇心をくすぐるおもちゃになりますが、誤飲の可能性からおすすめしません。

空き缶やお手玉を投げて驚かせる

3つ目の猫が悪いことをした時の対処方法は、空き缶やお手玉を投げて驚かせる方法です。

空き缶やお手玉を投げるのも、水を吹きかけるのと同様に、猫自身の行動で嫌なことが起きたと理解させて悪い行動を抑制します。

具体的には、空き缶やお手玉に小石を1〜2個入れて転がし、猫を驚かせるのです。

小石の入った空き缶やお手玉の音は猫にとって嫌な音であり、行動するたびにその音が鳴ると、猫は行動と嫌いな音を結びつけるようになります。

そして、空き缶やお手玉の音を聞きたくないと考えるようになり、次第に悪い行動が減っていくのです。

空き缶の中に入れるものは、釘やコインでも代用可能ですので、ぜひ試してみましょう。

また、空き缶やお手玉の音だけでなく、猫が悪いことをしたときに、「パン」と手を叩いて驚かせるのも効果的です。

ただし、金属の音や大きな音はいつでも行うと、猫の負担になるのでやり過ぎには注意してください。

低い声を出す

4つ目の猫が悪いことをした時の対処方法は、低い声を出す方法です。

猫は高音域の音を好み、低い音を嫌う傾向があります。

そのため、高い声で叱っても反応せず、低い声を出して叱ると行動を止める場合があるのです。

声を出して叱るときは「ダメ!」と低い声で短く叱りましょう。

「フー」や「シー」と低い声を出して叱るのも、悪い行動を止めるときに効果的です。

これらの声は、猫が威嚇したり喧嘩したりするときに出す声なので、悪い行動をやめて気をそらせられます。

低い声を出して叱る時は、一度で止めるのではなく、同じ行動を繰り返すたびに、根気よく叱りましょう。

なぜなら、猫は一度叱られてもすぐに忘れてしまうからです。

また、ダラダラと叱り続けても効果はないので、短く一瞬で叱りましょう。

最後に、名前を呼んで叱るのも、名前を呼ぶ=怒られていると認識するのでおすすめしません。

面倒臭くなる気持ちもわかりますが、根気よく悪い行動を低い声で叱り続けましょう。

ケージを利用する際の注意点

猫が悪いことをした時の対応4

次に、猫のケージを利用する際の注意点を紹介します。

  • 長時間の使用はストレスに
  • ケージには少しずつ慣れさせる

それぞれの注意点をまとめているので、ケージを利用する際に忘れないようにチェックしてください。

長時間の使用はストレスに

まず、猫のケージを利用する際は、ケージを長時間使用すると猫にとってストレスになる点を理解しましょう。

猫にとってケージは安心できる場所ですが、飼い主に閉じ込められたと認識し、長時間閉じ込められたままだとストレスを感じてしまいます。

ケージの中で鳴き続けたり、暴れたりする場合はストレスを感じている可能性が高いです。

そのため、飼い主が家にいる間は気分転換のために外に出してあげてください。

また、飼い主が不在のときも、いたずらされないように片付けや清掃して外に出せるような環境を作ってもよいです。

ケージには少しずつ慣れさせる

次に、ケージを利用する際は、ケージには少しずつ慣れさせましょう。

ケージに無理やり猫を閉じ込めるのは、猫のためになりません。

一方で、ケージに長時間猫を入れるとストレスになるので、ケージは必要ないのではと考える方もいると思います。

しかし、猫のケージを利用するのはメリットが多いのも事実です。

例えば、猫は縄張り意識が強い動物なので、ケージで自分の場所を作ってあげると安心できます。

また、運動をよくする猫でも、体調不良のときや手術の後などに体を休めるための場所が必要です。

安心できるケージの中だと、ストレスなく安静に時間を過ごして体調を回復できます。

さらに、ケージが役立つのは、多頭飼いの場合です。

複数匹猫を飼いはじめると、猫同士のトラブルが起きる可能性もあります。

ケージを利用していると、猫同士の縄張りを確保できてトラブルを避けられるのです。

そのため、猫を飼う場合は基本的にケージを用意し、最初は短時間ケージの中に入れて様子を見てあげましょう。

そして、慣れてきたら徐々にケージに入れる時間を延ばしていくのが大切です。

トイレや猫砂・水・毛布・おもちゃなどを準備しておくと、猫は落ち着いて時間を過ごせます。

ケージを半分布で覆って静かな環境を作るのもおすすめです。

ケージにいきなり長時間入れると、ケージが嫌なところというイメージがついてしまうので、少しずつ時間を増やしてケージに慣れさせましょう。

猫のしつけ方を徹底解説

猫が悪いことをした時の対応5

次に、猫のしつけ方を詳しく解説します。

猫のしつけ方のポイントは下記の5つです。

  • 悪い行動はすぐにやめさせる
  • 排泄物のニオイを残す
  • 噛まれても無視する
  • 一人遊びを覚えさせる
  • 爪研ぎの場所を覚えさせる

まず、悪い行動はすぐにやめさせるのが重要です。

先述のとおり、水を吹きかけたり空き缶を投げたりして、猫が行動すると嫌なことが起こると認識させるか、低い声で短く叱り続けましょう。

2つ目に、猫のしつけでは排泄物のニオイを残してトイレを覚えさせるのが非常に重要です。

トイレに排泄物を少し残しておくことで、猫がニオイからトイレの場所がわかるので、継続するとトイレの場所を覚えてくれます。

3つ目に、噛まれても無視して噛み癖を治すのも大切です。

猫は遊んでいるときに噛む場合が多いので、噛んだら遊びをやめて、楽しい遊びが噛むと終わってしまうと理解させます。

子猫のときからの噛み癖が残っていると、飼い主が感染症にかかる恐れがあるので、早めに噛み癖を治しましょう。

4つ目に、一人遊びを覚えさせるのも重要なしつけです。

一人遊びを覚えていないと、飼い主に構ってほしいと甘噛みしたり爪で引っ掻いたりします。

一人遊びを覚えさせると自分で遊びたい欲求を満たせるようになるので、甘噛みや引っ掻く行動が減るのです。

お留守番ができるようになるためにも、一人遊びを早い段階で覚えさせましょう。

最後に、爪研ぎを覚えさせるのも重要なしつけです。

部屋のさまざまな場所で爪研ぎをされると家や家具が傷ついてしまいます。

誤った箇所で爪研ぎをしたら叱り、爪研ぎの場所に繰り返し連れていきましょう。

さらに詳しいしつけ方を知りたい方は、下記の記事でより詳細な猫のしつけ方・しつけで行ってはいけないこと・しつけを楽にする環境の作り方を解説しているので、ぜひチェックしてください。

まとめ

猫が悪いことをした時の対応6

猫が悪いことをしたら、ケージに入れてはいけません。

猫はケージに入れられても悪い行動をしたと認識できないからです。

また、ケージに長時間閉じ込められると、猫はケージにトラウマを持ってしまい、飼い主との信頼関係もなくなる可能性があります。

猫のケージは長時間の使用はストレスになるので、ケージに入れるのは短時間にし、少しずつ慣れさせるのが重要です。

そして、猫が悪いことをしたときは、行動によって嫌なことが起きると理解させましょう。

具体的には、水を吹きかけたり、空き缶やお手玉を投げたりするのが効果的です。

他にも、悪い行動をやめさせるには、アルミ箔を敷いて行動そのものを制限したり、低い声を出して短く叱ったりしてください。

また、猫の悪い行動をやめさせるだけでなく、下記のしつけを行うのが大切です。

  • 排泄物のニオイを残す
  • 噛まれても無視する
  • 一人遊びを覚えさせる
  • 爪研ぎの場所を覚えさせる

猫のしつけを適切に行い、猫と信頼関係を深めて楽しい生活を送りましょう。

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