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はじめに
猫の発情期がうるさくて悩んでいる方は多いと思います。
ただ、猫がうるさいからといって叱ってはいけません。
うるさいのを止めようと思って対応しても、ストレスを与え逆効果になる場合があるのです。
今回は、猫の発情期の対策を紹介します。
できる対策とやってはいけないNG行動もまとめているので、猫の発情期に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
猫が発情する年齢と期間
まずは、猫が発情する年齢と期間を紹介します。
発情するタイミングを理解して、対策できるように準備しましょう。
猫が発情する年齢は?
ここでは、猫が発情する年齢を紹介します。
オスメスに分けて紹介しているので、愛猫がどの年齢から発情する可能性があるか理解しましょう。
オスの場合
オス猫は性成熟期に達すると発情期を迎えます。
一般的に、オス猫は生後8ヶ月から1歳以降に発情する場合が多いです。
オス猫は生後3ヶ月頃から性成熟が始まり、生後5〜6ヶ月頃には精巣が発達します。
そして生後8〜12ヶ月には交尾ができる体への準備が整い、発情するのです。
ただし、オス猫も個体によって性成熟するまでの時間には変動があります。
オス猫はメス猫の香りや鳴き声を聞くと、メス猫を認識して発情するのです。
メスの場合
メス猫は性成熟期に入る生後6ヶ月から1歳以降に発情期を迎えるのが一般的です。
ただ、性成熟期に達したメス猫は発情周期が始まりますが、迎える月齢には個体差があり、毛の種類や生まれた環境によって異なります。
発情期特有の行動が見られる期間はどれくらい?
次に、猫の発情期特有の行動を紹介します。
具体的な行動と期間をまとめているので、愛猫に発情期が来ているのがわかるようになりましょう。
発情期特有の行動とは
まず、発情期の猫は通常よりも大きな声で鳴く場合があります。
メス猫はオスにアピールするためにこの行動をとるのです。
また、発情期の猫は周囲に尿をスプレーする行動が増えます。
これは自分のテリトリーを主張するのが目的です。
さらに、発情期の猫は自分の匂いを残すために体を擦りつける場合があり、テリトリーを主張するために行います。
他にも、発情期の猫は性的興奮状態であり、頭を下げお尻を高くして足踏みをする場合が多いです。
お尻を高くして足踏みするのは、繁殖行動や求愛行動の一部と言われています。
そして、発情期の猫は興奮しやすくなり、活発に動き回ったり鳴いたりすることが増えます。
発情期特有の行動を注意深く観察し、必要に応じて適切な対策を講じましょう。
1回の発情期は14~21日間程度
猫の1回の発情期は通常、14〜21日間程度続きます。
そして、発情期は周期的にやってきて、一度発情期が終わると休止期間を経て次の発情期が始まるのです。
発情周期は、発情前期・発情期・発情後期があります。
そして、発情後期を終えると発情休止期に入り、約5〜16日経つと再び発情期に入るのです。
発情周期はメス猫にはありますが、オス猫にはありません。
オス猫はメス猫の鳴き声や匂いに反応して発情します。
春が発情期のピーク
春は猫の発情期のピークとされています。
発情期は自然のサイクルに基づいており、日が長くなり気温が上昇すると猫は発情期を迎えるのです。
日照時間の増加はメラトニンというホルモンの分泌を減少させ、これが発情期の始まりを促すと考えられています。
具体的に、猫が発情するのは日照時間が14時間を超えたあたりからです。
その後、春から夏にかけて多くの猫が発情期を迎え、性行動が活発化します。
そのため、野生の猫や野良猫は春になると増加する傾向が強いです。
また、その影響を受けた家庭猫も発情期を迎えやすくなります。
春の発情期は猫の本能的な行動に基づくものであり、避妊・去勢手術などの対策を適切に行って望まない妊娠を防ぎましょう。
発情期のうるさい鳴き声をやめさせる方法はある?
次に、発情期のうるさい鳴き声を対策する方法を紹介します。
猫の鳴き声を減らす対策をとるか飼い主自身が対策する必要があるので、自分に適しているものを選びましょう。
鳴き声を抑える方法はない
猫の発情期には、鳴き声が通常よりもうるさくなる場合がありますが、残念ながら鳴き声を完全に抑える方法はありません。
猫の鳴き声はコミュニケーション手段であり、発情期には特に強くなります。
求愛や交尾を求めるための自然な行動である猫の鳴き声は、本能的な反応です。
そのため、発情期の猫の鳴き声を完全に止めることはできません。
しかし、猫の鳴き声をやわらげる方法はいくつかあります。
例えば、十分な運動や遊びでストレスを軽減したり、安心できる環境を提供したりする方法が挙げられます。
発情期の鳴き声は一時的な現象であり、ストレスを減らす対処と時間の経過で鳴き声が収まる場合があるのです。
ただ、解決できない場合は次から紹介する発情期の対策をしていきましょう。
飼い主側が対策をする
猫が発情期にうるさい場合は飼い主側で行う対策も検討しましょう。
- 耳栓をする
- イヤホンで音楽をきく
- 離れた部屋に行く
それぞれ具体的に紹介しますので、鳴き声が気になる方はぜひ実践してください。
耳栓をする
まず、発情期の鳴き声に対する飼い主側の対策は耳栓をする方法です。
猫が発情期に入ると、鳴き声が通常よりも大きくなります。
そのため、飼い主が夜間などに騒音を気にする場合、耳栓を使用すると大きい鳴き声を緩和できるのです。
特に、猫が寝室で騒音を発する場合や、他の部屋で騒音が聞こえる場合、耳栓は効果的な対策となります。
また、耳栓を使用すると、飼い主自身のストレスや不安の軽減が可能です。
猫の鳴き声による心配や眠りの妨げを和らげると、飼い主もリラックスして休むことができます。
しかし、耳栓を使用する際には、十分な安眠を保つために適切なタイプの耳栓を選ぶのが重要です。
そして、万が一に備えて猫の鳴き声を完全に遮断するのではなく、適度な音量を通して緩和するものを選びましょう。
イヤホンで音楽をきく
次に紹介する発情期の鳴き声の対策は、イヤホンで音楽をきく方法です。
夜間などに猫の鳴き声が気になる場合、イヤホンで音楽をきくと飼い主はリラックスできます。
イヤホンを使用すると猫の鳴き声を和らげ、飼い主の睡眠を妨げる騒音を軽減できるのです。
好みの音楽やリラックスできる音源を選び、猫の鳴き声を気にせずにぐっすりと眠りましょう。
そして、音楽は鳴き声だけでなく他の猫の発情行動に対するストレスも緩和できます。
ただし、イヤホンを使用する際には、音量に注意しましょう。
高い音量で音楽を聞くと耳に損傷を与える可能性があるので、適度な音量で安全に音楽を楽しんでください。
離れた部屋に行く
離れた部屋にいくのも飼い主ができる発情期の鳴き声の対策です。
猫の鳴き声が気になる場合、別の部屋に移動すると、騒音の影響を軽減できます。
例えば、猫が寝室で鳴いている場合、リビングルームや書斎などで過ごすと、より静かな環境を確保できるのです。
離れた部屋に行くと、飼い主自身が猫の鳴き声に晒される時間を軽減できます。
そして、睡眠の質を改善したり、日常生活でのストレスを軽減したりできるのです。
ただし、離れた部屋に行くと、猫の孤独感を増大させてしまう可能性もあります。
猫は飼い主とのコミュニケーションや愛情を求める生き物です。
そのため、離れた部屋にいる間も定期的に猫の様子を見に行ったり、遊んであげたりしましょう。
去勢・避妊手術を受けると発情がなくなる
最後に、去勢・避妊手術を行うのも発情期のうるさい鳴き声をやめさせる方法の1つです。
去勢・避妊手術を受けると猫の発情行動がなくなります。
ただし、適したタイミングなどがあるので検討している方はぜひチェックしてください。
去勢・避妊手術に適したタイミング
オス猫の去勢手術やメス猫の避妊手術は、健康や行動の安定・過剰な繁殖の防止などの観点から重要ですが、適切なタイミングで手術を行いましょう。
具体的に、猫の手術に適したタイミングは生後6ヶ月頃です。
生後6ヶ月はオスメスともに性成熟期に入る前なので、発情期の行動をとる前に対処できます。
例えば、オスの場合去勢手術を行うと、過剰なマーキングや攻撃的な行動を防げるのです。
一方で、メスは発情して妊娠する前に手術を行うと、妊娠や出産のリスクを防げます。
手術を行う前に健康診断が必要なので、猫が健康上問題ないか、手術に適しているかどうかを確認しましょう。
発情期の猫の手術は出血など術後の合併症のリスクが多少高まりますが、不可能ではありません。
妊娠中の猫への手術はやむを得ず堕胎を選択する時以外は避け、出産後に行うようにしましょう。
去勢・避妊手術をするのはかわいそう?
猫に去勢・避妊手術するのはかわいそうと思う方がいるかもしれませんが、実際には猫の健康を考える上で非常に重要です。
まず、去勢・避妊手術は不必要な繁殖を防いでくれます。
世界中で猫の過剰な繁殖が問題となっており、多くの野良猫や迷い猫が保護施設で保護され、安楽死させられているのです。
手術をすると繁殖による負のサイクルを断ち切り、過剰な猫の増加を防げます。
また、去勢・避妊手術は猫の健康にも効果的です。
発情期や性行動によって引き起こされるストレスや不安を軽減し、さまざまな病気やケガのリスクを低減できます。
特に、メスの場合は子宮疾患や乳腺腫瘍の発症リスクを大幅に減少できるのです。
さらに、去勢・避妊手術を受けた猫は落ち着くようになります。
例えば、マーキングや攻撃性などの問題行動が減少し落ち着いて活動してくれるのです。
そのため、去勢・避妊手術はかわいそうではなく、むしろ猫の健康を守るために必要な対応だと考えましょう。
発情期の猫にやってはいけないこと
次に、発情期の猫にやってはいけないことを紹介します。
- 猫を叱る
- 大声や大きな音で驚かせる
- 猫を外に出す
- 綿棒で刺激する
- マタタビはおすすめできない
それぞれ具体的に紹介するので、NG行動を行っていた場合は注意しましょう。
猫を叱る
まず、飼い主が発情期の猫にやってはいけないのは、猫を叱る行為です。
猫が発情期に入ると行動が大きく変わるので、やめさせようと叱る方も多いと思います。
しかし、叱る行為は猫にとってストレスや不安を与える可能性があるので避けるべきなのです。
発情期の猫は通常よりも感情的になりやすく、叱られるとさらに興奮し、攻撃的になる場合があります。
さらに、猫は叱られると自分の行動が認められないと感じ、問題行動を助長する場合があるのです。
例えば、トイレの場所を間違える・家具に爪を立てる・他のペットや人に攻撃的になるなどの問題行動が増える恐れがあります。
猫の発情期には穏やかで理解のある接し方が大切です。
猫の行動に対して叱るのではなく、ストレスを最小限に抑える環境を整えてください。
また、遊んだりコミュニケーションをとったりして、ストレスを軽減しましょう。
大声や大きな音で驚かせる
次に、発情期の猫に行ってはいけないのは大声や大きな音で驚かせる行為です。
猫が発情期に入ると通常よりも敏感になっています。
そのため、猫を大きな声で叱ったり急に大きな音を立てたりすると、いつもより驚きストレスとなるのです。
大きな声や突然の音は、猫の恐怖心やストレス・不安を引き起こすだけでなく、問題行動を悪化させる恐れもあります。
猫は安全な場所に逃げようとしたり、攻撃的になったりするのです。
そのため、大声や大きな音を出すのではなく、静かで安定した環境を整えましょう。
優しい声で接して予測できる環境を作り出すと、猫はストレスなく穏やかな気持ちで過ごせます。
猫を外に出す
3つ目に、発情期の猫に行ってはいけないのは、猫を外に出す行為です。
発情期の猫は通常よりも興奮しやすく好奇心が増します。
外に出ると家の周りや近隣地域を探索しようとしますが、外での活動は猫の安全を脅かす可能性が高まるのです。
例えば、外では他の野生動物や交通事故の危険、感染症の拡散などが考えられます。
また、発情期の猫は周囲の猫との衝突や争いを引き起こす可能性が高いです。
さらに、去勢・避妊手術を行っていないと野良猫と性行動する恐れもあります。
そのため、発情期の猫には安全な室内環境を提供し、猫がストレスなく過ごせるようにしましょう。
適度な運動や遊びを提供し、ストレスを軽減するのも大切です。
綿棒で刺激する
4つ目に、発情期の猫に行ってはいけないのは綿棒で刺激する行為です。
綿棒で猫を刺激することは、猫にとって非常にストレスを与えます。
発情期の猫は性的に興奮しやすく、この行為でさらに興奮させる恐れがあるのです。
また、綿棒で刺激する行為は猫のストレスや不安を引き起こすだけでなく、攻撃的な行動を引き起こす可能性もあります。
そして、綿棒での刺激は猫にとって危険です。
無理に刺激すると、猫がけがをする可能性があり、感染症を引き起こすリスクも考えられます。
そのため、発情期の猫にはストレス発散させるために、おもちゃで適切な運動をさせましょう。
マタタビはおすすめできない
最後に、発情期の猫にはマタタビはおすすめできません。
猫は一般的にマタタビが大好きですが、発情期の猫に与えると予期せぬ反応を引き起こす可能性があります。
発情期の猫は通常よりも興奮しやすく、マタタビの成分によって興奮が増幅され、過度の興奮状態に陥る恐れがあるのです。
さらに、マタタビによる興奮は攻撃性を増す場合もあります。
そのため、発情期の猫にはリラックス効果のあるおもちゃや適切な遊びを提供しましょう。
また、猫が安心して過ごせる環境を整え、彼らのストレスを最小限に抑えるのも大切です。
発情以外の理由で鳴いている場合もあるので注意
一方で、猫が鳴いているからといって、必ずしも発情期が原因とは限りません。
猫はさまざまな理由で鳴く場合がありますので注意が必要です。
例えば、猫が餌を欲しがっている場合や、水がないとき・トイレが汚れていると感じるときなど、何か要求している際に鳴く場合もあります。
また、ストレスや不安、病気のサインの場合も多いです。
さらに、猫は孤独や寂しさを感じたり、遊びや愛情を求めたりする時に鳴くケースもあります。
特に、飼い主が家を空ける時間が長い場合や、猫の遊ぶ時間が少ない場合には、鳴き声が増えるのです。
そのため、猫が鳴いているときに鳴き声の原因を理解し、適切な対処を行いましょう。
餌や水の提供、トイレの清潔を保つことや適切な遊びや愛情を与えることで、猫の不安やストレスを軽減し、健康的な生活をサポートしてください。
まとめ
猫は生後6ヶ月〜1年ほどで性成熟し、春から夏のタイミングで発情期を迎えて鳴き声がうるさくなります。
そして、発情期の猫は落ち着きがなくなったり攻撃的になったりスプレー行為を繰り返したりするのです。
発情期の猫の鳴き声を抑える方法は基本的にありません。
そのため、飼い主が耳栓やイヤホンをしたり、離れた部屋にいったりして鳴き声のストレスを軽減する必要があります。
また、発情期の行動を抑えるためには去勢・避妊手術も検討してください。
一方で、発情期の猫にやってはいけない行為は下記の5つです。
- 猫を叱る
- 大声や大きな音で驚かせる
- 猫を外に出す
- 綿棒で刺激する
- マタタビを使用する
発情期の猫に余計なストレスを与え、問題行動を悪化させる恐れがあるのでやめましょう。
また、飼い主は発情以外の理由で鳴いている場合も考慮するのが大切です。
猫が発情期にうるさい原因を理解し、適切な対処をして猫にとってストレスのない環境を作りましょう。