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はじめに
猫を飼う多くの飼い主が考えることが、愛猫を外に出すべきかどうかということです。昔は飼い猫であっても家と外を行き来することが当たり前だったため、猫に外の世界を探索させたいという気持ちと、外には予想もしないリスクが潜んでいるという怖さを感じています。
この記事では獣医師監修のもと、猫を外に出す際のリスクを解説し、猫を室内で飼うことの利点を明らかにしていきます。
外に出すことが猫にとって本当に良いことなのか、それとも避けるべきなのか、飼い主自身がしっかり考え選択していきましょう。
猫は出来るだけ外に出さないようする
猫を外に出すと、色々な危険が待ち受けています。例えば車にひかれたり、他の動物と喧嘩になったり、病気になったりする場合が考えられます。また、迷子になってしまうこともあります。私たちは愛猫を守るために、できるだけ家の中で飼育することが大切です。この章では外に出すことの危険性について詳しく解説します。
交通事故に巻き込まれる
猫を外に出す一番のリスクは、交通事故に巻き込まれる可能性があることです。
都会は車やバイクなどの交通量が多く、猫が安全に道を渡ることはとても難しいことです。どのような動物でも巻き込まれる可能性はありますが、特に猫は小さいため、ドライバーから見えにくく、田舎であっても安全とはいえません。
また、猫はびっくりすると予測不能な動きをします。そのため事故につながることも少なくありません。
事故に遭えば重症を負ったり、最悪の場合には命を落としたりすることにもなります。
愛猫を守るためにも、外出のリスクを理解し、出来るだけ室内で過ごさせることが重要です。室内で生活していればこのような事故から身を守れます。
猫同士の喧嘩に繋がる
外に出ると、猫同士で喧嘩をすることがあります。猫は自分のテリトリーをとても大切にする動物です。そのため自分の住む場所を守るため喧嘩になることがあります。
この喧嘩はただのじゃれあいではなく本気の喧嘩です。怪我をしたり、時には深刻な傷を負ったりすることもあります。
また、喧嘩から感染症にかかるリスクも高まります。猫同士の喧嘩は、外に出すことのリスクの一つであり、このようなトラブルを避けるためにも、猫は外には出さない方が賢明です。
ノミやダニの被害に遭う
猫を外に出すと、ノミやダニといった外部寄生虫の被害に遭うことが考えられます。
ノミやダニは草むらや野良猫などの体にいて、猫が外で遊んでいる時に簡単に猫の毛についてしまいます。
それだけではなく、ノミやダニは病気を運ぶこともあるので、かゆいだけでなく猫の健康を害する可能性も少なくありません。
寄生虫や皮膚病などの被害に合わないようにするためには、猫を外に出さないようにすることが一番です。
感染症にかかるリスクがある
猫を外に出すと、感染症にかかるリスクが高まります。
外には猫にとって危険なウイルスや細菌、寄生虫がたくさん存在します。猫風邪や猫エイズ、白血病などです。これらの感染症は、他の猫との接触や感染した動物の食器や唾液、糞尿などからうつります。
感染すると猫は体調を崩し、場合によっては命に関わることもあるほどです。感染した猫が妊娠すれば、産まれてくる子猫にも病気がうつったり、家にいる他の猫にもうつったりします。
愛猫を守るためには、外に出さず家の中で安全に過ごさせることが大切です。家の中で飼うことで、感染症のリスクを減らせます。
愛猫と長く一緒に生活するためにも、外に出さないようにしましょう。
盗難や虐待にあう可能性がある
猫を外に出すと、盗難や虐待にあう可能性があります。
外に出ると知らない人に会い、中には猫に悪意を持って近づく人もいるかもしれません。
たくさんの人がいる中では、虐待した犯人を特定することは難しいことです。
また、珍しい品種の場合、盗まれるリスクも高まります。盗難や虐待から愛猫を守るためには、家の中で生活させるしかありません。
考えられないかもしれませんが、残念ながら実際に起こりうることだと理解しておきましょう。
猫はなぜ外に出たがる?
猫が外に出たがる理由は、猫の好奇心旺盛な性格に深く関わってきます。
外の世界は様々な匂いや音、環境があり、猫の探究心を刺激します。猫にとって外は冒険の場であり、本能的な狩りのスキルをためす場所です。
しかし、この好奇心が猫を危険にさらすこともあります。この章では、猫が外に魅力を感じる理由とそれに伴うリスクを考えます。
ストレス発散
猫が外に出たがる一つの大きな理由は、ストレスを発散させるためです。
家の中だけで過ごしていると猫も人間と同じように退屈したり、イライラしたりすることがあります。外の世界は猫にとって新しい発見がいっぱいです。外に出ることで、新しい匂いをかいだり、走り回ったりでき、ストレス解消となります。
外を探索することは刺激を求めているということで、猫のストレス軽減になります。
自分の縄張りの確認
猫が外に出たがるもう一つの理由は、自分の縄張りの確認をするためです。猫にとって、縄張りはとても大切なもので、自分の安全な場所であり、食べ物や遊びを見つける場所でもあります。外に縄張りを持っている場合、猫は定期的に自分の縄張りを歩き回り、縄張りが安全かどうか、他の猫が侵入していないかをチェックします。これにより猫は自分の領域を守り、自信を持つことができます。
完全室内飼いをしている場合には、外に縄張りを作ることが不可能なため、縄張りの確認という意味での外への興味はなくなります。
鳥や虫の捕獲
猫が外に出たがる理由の一つに、鳥や虫の捕獲があります。
猫には生まれながらにして狩りの本能が備わっており、動くものを追いかけてしまう好奇心旺盛な生き物です。
家の中にいる時に窓の外をじっと見ている猫を見かけたことがあると思います。それは、外にいる鳥や虫に興味を持っているからです。外に出れば、鳥や虫などいろいろなものを見られ、それを追いかけたりして狩りの本能が満たされます。
鳥を追いかけたり、虫を捕まえたりすることは、猫にとって最高の遊びであり、運動不足を解消し、精神的な満足感も得られます。
異性への求愛
猫が外に出たがる理由の中には、異性への求愛もあります。
特に去勢や避妊手術をしていない猫は、繁殖期になると自然に異性を求める行動を見せます。この時期になると猫はパートナーを探して外にでたがるようになるのは本能です。
しかし、この行動は猫同士の喧嘩や怪我、感染症のリスクを高める可能性があります。また、去勢や避妊手術をしていない猫が外出することは予期せぬ妊娠や野良猫の増加につながることもあるのです。このため、ペットとして飼う猫には去勢や避妊手術を勧める理由の一つでもあります。
愛猫の健康と安全を守るために、飼い主は猫の外出を管理し、適切な対策をとることが大切です。
猫が外に出たがるのをやめさせる方法
猫が外にでたがるのをやめさせるには、いくつかの工夫が必要です。
外に出なくても、家の中で楽しみを見つけ、ストレスを発散させて満足させる必要があります。
飼い主は、猫の遊び心を刺激するおもちゃで遊んだり、運動不足を解消したりするための環境を整えましょう。
猫が外の世界に興味を持つ理由を理解し、それに対応する方法を見つけることも重要です。安全に家の中で幸せに過ごせるようにする方法を紹介します。
毎日遊んであげる
猫が外に出たがる気持ちを減らすためには、毎日遊んであげることがとても効果的です。
猫は遊ぶことでエネルギーを発散します。家の中でたくさん遊べれば、外に出たいという欲求も減らせます。
猫じゃらしやレーザーポインター、ボールなどの猫が興味を持ちやすいおもちゃを使って一緒に遊んであげましょう。これにより、猫は狩猟本能を満たすだけでなく、飼い主との絆も深まります。
また、キャットタワーや背の高い家具などをうまく配置して、猫が自ら運動できるような部屋にしておくこともおすすめです。
おやつを定期的に与える
おやつを定期的に与えることは、猫が外に出たがるのをやめさせる方法の一つです。
猫にとっておやつは、特別なご褒美であり、おやつを利用して外から気を紛らわせれば、外への興味が薄れます。
定期的におやつを与えることで、猫はおやつをもらえることを期待し、家の中にいることが快適だと感じるようになるでしょう。
おやつを与える際には、猫の健康を考えカロリーなどを計算し、適量を守ることが大切です。おやつを与える時間を工夫して、猫が外に出たがりそうな時間帯に合わせて与えてみましょう。
猫とのコミュニケーションを大切にし、猫がおやつを楽しみながら食べられるようにしてあげることが大切です。
外の状況がわかるようにする
猫が外にでたがるのをやめさせるためには、外の状況をわかるようにすることです。猫によっては、外を見ているだけで満足する猫もいます。窓辺に猫が座れるスペースを作り、外を見られるようにしてあげましょう。そこから鳥や虫を眺められれば、猫の好奇心を満たし、外に出たい衝動を減らせます。
また、窓辺を網戸にしていることで、猫は新鮮な外の空気を感じられます。猫が外の世界を安全に体験できるようにすることで、室内にいても満足する猫もいます。
しかし、網戸を人間のように器用に開けたり、爪で破ったりすることも考えられるため、しっかり安全確認することが大切です。外に興味を持っている猫には、落ち着いて外を眺めるスペースを確保してあげてください。
去勢・避妊手術をする
猫が外に出たがる行動を減らす最も効果的な方法は、去勢や避妊手術をすることです。
手術を行うことで、猫の性的な衝動が抑えられ外に出て異性を求める行動が減少します。
手術をしていない猫は、春や秋の繁殖期になると強い本能にかられてしまうことは仕方がありません。手術をしている猫はそのような衝動がほぼ起こらなくなるといってよいでしょう。
オス猫は生後3ヶ月〜7ヶ月ごろ、メス猫は生後3ヶ月以降のはじめての繁殖期がくる前に手術を行うのが適正時期です。
また、去勢や避妊手術は猫の健康にも良い影響を与えます。オス猫は前立腺の病気、メス猫は子宮や卵巣の病気を予防できるメリットがあります。繁殖に関連した病気のリスクを減らし、より長く健康な生活を送れるでしょう。手術をした猫は落ち着きが増し、家の中での生活により満足してくれるはずです。
猫を完全室内飼いするメリット
猫を完全室内飼いすることは、猫を危険から守ることができ、健康を管理しやすくなります。もちろん飼い主と猫の絆も深まります。詳しく理由を探っていきましょう。
寿命が伸びる確率が高まる
猫を完全室内で飼う最大のメリットは、寿命が伸びる確率が高まることです。
室内で飼っているからといって長生きするとは限りませんが、外で起こりがちな危険から守れることは確かです。外では車や他の動物との喧嘩、病気をうつされるリスクがたくさんあります。しかし、猫が家の中だけで生活すれば、外で起こりうるリスクに晒されることがかなり少なくなります。
さらに、室内飼いの猫は飼い主が健康管理に気を配れるケースが多く、小さな健康問題でも早く気付け治療が受けられます。
猫を完全に室内で飼うことは、外で生活している猫に比べて健康で長生きするということにつながります。
健康的に生きられる
室内で猫を飼う大きなメリットの一つは、健康的に生きられるということです。外の世界には猫にとって多くの健康リスクがあります。
外では交通事故の危険や他の動物との喧嘩での怪我、ノミやダニなどのさまざまな病気のリスクが高まります。
しかし、室内で飼うことによってリスクから猫を守れます。
室内飼いの猫は清潔で安全な環境で生活できるため、健康的な生活が送りやすくなります。
また、飼い主が健康問題も早期に発見でき治療を行えます。
怪我をするリスクが少ない
怪我をするリスクが少ないことは、猫を完全に室内で飼うことのメリットの一つです。
猫が外に出ると、車に惹かれる危険や他の動物と喧嘩して怪我をするリスクがあり、室内で飼うことはそれらから守れるということになります。
家の中は安全に管理されているため、不慮の事故に遭遇する可能性も極めて低いです。
このように猫を室内で飼うことで、怪我をするリスクを減らし、より安全な環境で生活できます。
そのために、室内を猫にとって安全に生活できる空間にしてあげましょう。誤飲や誤食の危険があるものは、あらかじめ片付けておき、コードなどの紐状のものはいたずらされやすいため、噛んで感電することがないようにカバーをつけ、床や壁にしっかり這わせておきましょう。
猫が知らないうちにお風呂に入って浴槽に落ちて溺れることも少なくありません。お風呂場のドアは必ず閉め、お湯を溜めたままにしておかないなどの対策が必要です。
外でのリスク、家の中でのリスク、両方から愛猫を守ってあげましょう。
まとめ
この記事では、猫を外に出すリスクと室内飼いのメリットを獣医師監修のもと詳しく解説しました。
外出することで猫が遭遇する可能性のある交通事故、喧嘩、病気、盗難や虐待などの危険から愛猫を守るため、室内での飼育が推奨されます。
猫を外に出さないという選択は危険から身を守ることができ、寿命を延ばし、健康的な生活を送るための選択であることを理解していただけたでしょうか。
愛猫の安全と健康を守るために、適切な判断をし、環境を整えてあげましょう。