【獣医師監修】生後3ヶ月の猫はどうやって育てたら良い?初心者は必見

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はじめに

子猫の育て方1

猫を家族として迎える場合、子猫のうちから迎え入れる方が多いのではないでしょうか。

子猫はとても愛くるしく、あっという間に大きく育つので、この短い期間を大切にしたい飼い主さんの気持ちもよく理解できます。

猫がペットショップやブリーダーなどから引き渡されるのは生後3ヵ月くらいが多くなります。

飼い主さんにぜひ知っておいてほしいのは、猫にとってこの時期は、肉体面でも社会性という面からみても、とても大切な時期だという点です。

小さいうちに親猫から離れて、何も知らない子猫を育てることは責任重大です。

「でも、猫を飼うのは初めてだから飼い方がよくわからない」と思うのは、飼育初心者にとっては当然のことです。

そこで、当記事では、生後3ヵ月からの猫の育て方のポイントや注意点を、月齢ごとにご紹介しますので、猫飼育初心者の方はぜひ最後までご覧いただき、正しく理解して新しい家族を迎えてあげてください。

生後3ヵ月の子猫の特徴は?

生後3ヵ月の子猫は、環境への適応能力もついてくるため、新しい環境に慣れると、元気よく走り回ることも増えます。

落ち着きがなく、とてもやんちゃな時期なので、勢いあまってケガなどをしないよう注意し、家を空けるときなど目が届かなくなる場合にはケージなどを活用するとよいでしょう。

また、肉体的に変化があらわれ始めるのもこの時期です。

1つずつ見てみましょう

歯が成長し始める

子猫の育て方2

この時期には、歯が成長し始めるので、口を気にしているようなしぐさを見せたら、猫の口の中を確認して抜けている歯がないかチェックしてみてください。

乳歯から永久歯へ

歯が抜け始めると、いよいよ永久歯が生えてきます。

普段から口を気にしだしたり、もごもごしだしたりしたら、歯が気になっているサインです。

するといつのまにか、歯が抜けて、歯茎から永久歯が見えてくるようになります。

1本抜け始めると、続けて抜けてくることが多く、生後6ヵ月〜8ヵ月くらいを目安にすべて生え変わります。

歯が抜ける時期の猫は、歯茎がかゆくなることがあり、それによって一時的に噛み癖がついてしまうことがあります。

歯が生えそろったら自然に治ることもありますが、成長してそのまま噛み癖が残らないように、物や指を嚙み始めたら代わりになるおもちゃを与えて、いろいろなところを噛んでしまわないようにしてください。

また、人間の指を噛んだ際には、あまり大きな声を出さずに、低い声で毅然と「痛い」「イケナイ」としっかりと伝えることを繰り返してください。

噛み癖の予防や、飼い主に対して噛むことでアピールさせないためのしつけになります。

体重が増える

この時期は通常なら、体が大きくなり、体重が増えてくる時期です。

食欲旺盛ならば、食事回数を1日3〜4回に分けて適量を与えるようにしてください。

子猫のうちは、1日1〜2回でまとまった量を与えすぎてしまうと、消化器官が完全には発達していないため、体調を崩してしまう可能性があります。

生後3ヵ月頃の子猫の食事は、少量ずつ、回数を分けて与えるのが望ましいです。

体重が増えていない場合は動物病院にご相談ください

よく食べてくれる子猫は回数さえ気をつけておけば、問題ありませんが、なかには、離乳期を終えて、餌を変えた途端に食べなくなってしまう子がいます。

いつもは食べているのに、たまたま今回は食べなかった程度でしたら、それほど気にする必要はありません。

しかし、何度与えてもまったく口をつけないようでしたら、なにか問題があるかもしれません。

本来、たくさん食べなければならない時期に、餌を食べないのは猫の成長を妨げてしまいます。

そのようなときは、自分で間違った判断をせずに、動物病院に相談してください。

食いつきが悪いからと何回もフードを変えたり、おやつなどをたくさん与えたりするのは決して有効な手段ではありません。

もしかしたら体のどこかに異常があって、餌を食べないのはそのサインかもしれません。

まだ体のできあがっていない子猫は、少しの環境の変化でも体調を崩すことがあります。

そのためにも、餌を食べないようでしたら、まずは動物病院に相談してみてください。

生後3ヵ月の子猫の育て方のポイントは?

生後3ヵ月の子猫を育てるうえで、知っておきたいポイントをご紹介します。

生後3ヵ月は避妊も去勢も基本的にはまだしない

愛猫に繁殖をさせる予定がない場合には、早い段階で避妊・去勢をおこなうことがあります。

しかし、生後3ヵ月の猫の場合には、多少早いかもしれません。

体重が1.5kgを超えていれば可能だと言われることもありますが、あまり幼すぎる段階での手術には麻酔などのリスクもともなうため、もう少し時間をおいてからがよいでしょう。

一般的に6ヵ月になってから

一般的に、発情期を迎える前の、生後6ヵ月頃から避妊・去勢手術をおこなう子が多くなっています。

発情期を過ぎると、発情行動に出ることが多く、マーキングや独特の鳴き声にも悩まされることがあるため、繁殖を考えていないのであれば、生後6ヵ月を目安に避妊・去勢を考えてください。

食事の内容を変化させる

生後3ヵ月を過ぎると、母乳やミルクから、ようやく固いものが食べられるようになるので食事を切り替えるタイミングとなります。

とはいえ、いきなりすべてを変えてしまうと、おなかを壊してしまうことがあるので、段階を踏みながら変化させていきましょう。

ミルクから子猫用フードに切り替える

生後3ヵ月を過ぎると、ミルク中心の食生活から子猫用のフードに切り替えていきます。

少しずつ固いものが食べられるようになってきているとはいえ、いきなり離乳食からドライフードへ切り替えるのはおすすめできません。

はじめはミルクやお湯でふやかしたフードを与えて、徐々に水分を減らしながら慣らしていきましょう。

またフードはすべての栄養素を含んだ「総合栄養食」を与えてください。

ドライフードが食べられるようになれば、食事は総合栄養食を与えていれば必要な栄養素をカバーできます。

ただし、この時期の子猫には成長するためにたくさんの栄養が必要となるため、「子猫用」や「1歳まで」などの専用フードを選びましょう。

生後5~6ヵ月(迎えてから3~4ヵ月)の子猫

子猫の育て方3

生後5ヵ月を超えると、いよいよ歯が生えそろう時期になります。

まだすべて生えそろっていなければ、口を気にするしぐさを見せたり、歯茎を痒がったりするので、引き続き甘噛みには注意しておきましょう。

体もだいぶ大きくなり、あともう一息で成猫の体つきになるほど成長します。

自分の名前をしっかりと認識し始めて、得意な人と苦手な人がはっきりとする「人見知り」を見せることもあります。

自立心も芽生え始めるので、留守番ができるようになってきますが、同時に好奇心が旺盛でもあるので、部屋の中を荒らして、コードなどを噛んで切ってしまうこともあります。

留守番の際には、ケージを活用し、まずは短い時間の留守番から慣れさせていきましょう。

避妊去勢手術の検討を

生後5〜6ヵ月は、発情前で避妊去勢手術に適した時期といわれています。

愛猫の繁殖を考えていないのであればこのタイミングでの手術を検討しましょう。

この時期を過ぎてしまうと、発情期を迎え、さまざまな発情行動を見せるようになります。

一晩中甲高い声で泣いたり、あちこちにマーキングしたりするので、特に集合住宅にお住まいの方は注意が必要です。

繁殖予定がなければ、生後5〜6ヵ月を迎えたら動物病院に相談をして避妊去勢手術の検討をおすすめします。

ただし、個体によってはまだ手術をおこなうには早い場合があります。

月齢はあくまで目安であり、それぞれの個体の成長度合いにもよりますので、そのためにも事前に動物病院に相談するなどして手術のタイミングを決めてください。

注意点

心身ともに成長してくるので、好奇心からくるいたずらも目立つようになってきます。

少しずつで構いませんが、社会性を身に付けるためのしつけも始めていくとよいでしょう。

特に多いのが、噛み癖で、歯が生える段階で甘噛みが癖になってしまっている可能性があります。

3ヵ月くらいまでは顎の力も弱く、あまり痛くないので、手を噛ませていても問題はありませんでしたが、生後6ヵ月の猫は、体つき同様顎の力も強くなり、永久歯も部分的に生えているため、噛み癖をそのままにしておくことは避けましょう。

完全に歯が生えそろうまでは、噛み応えのあるおもちゃを与えるなどして、人や家などに噛みついて傷付けないよう訓練していくことが必要です。

訓練をしても一度ついた噛み癖は、すぐに治すのは難しいですが、今のうちにしつけに取りかかることで、やってよいことと悪いことの区別を少しずつ認識させておくのが大切です。

もう1点、避妊去勢手術をした場合には、肥満に注意しましょう。

というのも、手術をするとオス・メスともに太りやすい体質に変わることが多く、今までと同じ食事量でも、体重が増えてしまうこともあります。

しかし、まだ体は成長中のため、極端に食事量を減らすことはおすすめできません。

肥満対策として、キャットタワーを設置するなど、家のなかでもしっかりと運動ができる環境を整え、日常的に運動量を増やす事を心がけて、運動で体重コントロールができるようにしてください。

7~8ヵ月(子猫を迎えてから5~6ヵ月)の猫

生後7〜8ヵ月を迎えると、成長に時間のかかる一部の大型猫を除けば、ほとんどの猫が成猫と同じ体重に体ができあがってきます。

体の大きさと相反して、心はまだ子供なので、好奇心からいろいろなものに興味を示し、家の中をぐちゃぐちゃにしてしまうことも珍しくありません。

体が大きくなった分だけ、子猫の頃よりも手がかかる時期といえます。

ある程度飼い主の言うことも理解できるようになるので、このころまでには最低限のしつけは始めておくとよいでしょう。

発情期

生後6ヵ月くらいまでに避妊去勢手術を済ませていなければ、発情期を迎えます。

夜に高い声で泣き続ける、尿スプレーによるマーキング行動、人や物に体を擦り付けるなどの発情行動を見せるようになったら発情期と考えてよいでしょう。

メスの場合には甲高い鳴き声を一晩中続けることもあり、いったん収まってもまた発情行動を繰り返します。オスは単独で発情しませんが、発情したメスが近くにいると、部屋のあらゆる場所におしっこをかけてまわるなどの行動が見られます。

飼い主に対しても攻撃的になることもあるので、注意が必要です。

対策として効果的な方法は避妊去勢手術となります。

特に繁殖を考えていないまま発情期を迎えた場合には、あらためて避妊去勢手術を検討してもよいかもしれません。

手術をすることで、発情行動を抑えるほかに、さまざまな病気の予防にもつながるので、繁殖しないのであれば手術するのがよいでしょう。

注意点

発情期を迎えた猫は、発情行動の一環として、普段以上に外に出たがります。

発情したまま外に出ると、メスの場合には外で妊娠してしまうおそれがあります。

そうなってしまうと、父猫のわからない子猫の出産を家でしなければならなくなり、母猫にとっても、生まれてくる子猫にとっても望ましくありません。

また、オスも本能的にメスを探すために脱走してしまう事があります。

さらに、発情して気の立っているオスは、他の猫と喧嘩になりケガをすることもあります。

ほかにも、オス・メスともに感染症の猫との接触により、自身も感染症にかかってしまったり、事故に遭ってしまったりすることもあるので、脱走には注意してください。

対策として、人間が外に出る際に、窓や玄関の近くに行かせないようする、飼育場所の扉は開けたままにしない、などいつも以上に気を配る必要があります。

生後7~8ヵ月の子猫の育て方

体が大きくなり、食事もしっかりと摂れるようになってきたら、食事回数をこれまでの3回から2回に減らして1回の量を増やしてあげましょう。

ただし、残してしまうようならばもう少し様子をみてあげてください。

避妊去勢手術をおこなうと、太りやすくなるため、運動不足にならないようたくさん遊ばせることも大切です。

また、歯も完全に生え揃い、顎の力も大人並みになるので、噛み癖はしっかりと治す必要があります。

歯が生えそろう前に、しつけをおこない噛み癖が治っていればよいですが、完全に生えそろうまではどうしても口の中が気になり何かを噛んでいたいため、噛み癖が残ってしまっていることがあります。

人間を噛んでくるようなら、はっきりと短い言葉で「痛い」と伝え、遊びの途中であっても遊ぶのをやめてください。

猫に「噛むと楽しいことが終わってしまう」ことをしっかりと理解させるためです。

次に爪とぎの場所をしっかりと教えておきましょう。

猫の手を取って、爪とぎの場所に連れていくことを繰り返すことで、爪とぎしたくなるとその場所へ行って爪とぎするようになってくれます。

何度教えても別の場所で爪とぎをしてしまうような場合には、爪とぎの材質が気に入らないことも考えられるので、別の素材の爪とぎを試してみるのもおすすめです。

留守番に関しても、しっかりとできるようになりますが、留守中に物を壊したり、ケガをしたりすることがないよう配慮してあげてください。

このように生後7〜8ヵ月の猫には共生のためのしつけが重要となります。

この時期にしっかりとしつけをしておけば、1歳を迎える頃には社会性を身に付けた大人の猫に成長できます。

まとめ

猫の飼育初心者で、なにもわからない状態だと、子猫のうちは不安でいっぱいだと思います。

特に生後3ヵ月から8ヵ月くらいまでは、猫の成長にとって、もっとも大切な時期なので、日々の変化を見逃すことのないよう注意を払う必要があります。

避妊去勢手術に関しても、生後6ヵ月頃の発情期を迎える前が最適なタイミングとなるため、早めに検討してあげてください。

子猫を迎え入れて、3ヵ月、6ヵ月、8ヵ月とみるみるうちに猫は成長していきます。

1歳からの成熟期に比べて、心身ともに成長する姿をみられる貴重な時間です。

日々、大変な事もありますが、この時期をともに過ごすからこそ、飼い主と猫が信頼関係を築くことができるので、当記事を参考に、成長を楽しんでいただけたら幸いです。

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