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はじめに
猫といえばフワフワの毛と猫目を想像しますが、毛がない猫がいることをご存知でしょうか。
「ヘアレスキャット」と呼ばれ、被毛が極端に少なく皮膚が丸見えの猫のことをいいます。
最近ではアニメ「ドラゴンボール」に登場する破壊神ビルスがモデルになった猫として一躍有名になりました。
ヘアレスキャットの見た目は毛が無い以外に、大きな耳やアーモンドの様な目やしなやかな体が特徴です。
初めて見ると怖い印象を受けますが、性格は甘えん坊で好奇心が旺盛な愛嬌のある猫です。
とても賢く、しつけは比較的しやすい猫種といえます。
ヘアレスキャットと言われる猫種は数種類あり、それぞれに特徴があります。
今回はそんなヘアレスキャットと相性のいい飼い主や飼い方を紹介します。
ヘアレスキャットを飼う時の注意点を理解して、ヘアレスキャットの魅力や可愛らしさにメロメロになってもらえれば嬉しいです。
ヘアレスキャットとは?
ヘアレスキャットはその名の通り「ヘアレス(毛が無い)キャット(猫)」で体毛がなく皮膚が丸見えの猫をいいます。
猫種に詳しい人であればスフィンクスと言う種類を聞いた事があるかと思います。
ヘアレスキャットの多くはスフィンクスを介して他の種類と掛け合わせて誕生しています。
ヘアレスキャットの特徴や性格はどんなものでしょうか。
特徴を理解するとヘアレスキャットの可愛さや愛嬌の良さに興味がわいてくるでしょう。
ヘアレスキャットの特徴
ヘアレスキャットの特徴はなんと言っても毛の無い見た目です。
遠くから見ると皮膚が丸見えに見えますが、実際は極端に小さい毛があります。
ヘアレスキャットがブチ柄に見えるのは皮膚の色がピンクや黒、白色の斑点があるためブチ柄に見えます。
触り心地は皮膚を直接触る感覚なので、とても暖かくしっとりしています。
初めて触る人には暖かさにビックリされるかと思います。
スウェードの触り心地に近く、一度触ると病みつきになります。
外見から気難しく繊細そうに見えますが、とても「ヤンチャな甘えん坊」です。
好奇心が強く、動くおもちゃには過敏に反応して遊びます。
性格は忠実で賢く、人との関係を強く求める傾向にあるので、多頭飼いや子供がいるファミリー層に向いている猫です。
また、嫉妬深い一面もあるので飼い主との距離が遠く感じる時は意地悪をして気を向けさせる傾向もあります。
猫と言うより犬のような性格をしているヘアレスキャットですが飼育方法は他の猫種と異なる部分があるのでご紹介します。
ヘアレスキャットの飼いやすさ
ヘアレスキャットの飼いやすさは下記の3点になります。
- 抜け毛がない
- 猫アレルギーが少ない
- 賢く、しつけが楽
なんと言っても抜け毛の心配が無いことです。
猫の抜け毛対策には毎日のブラッシングが必要です。
換毛期になると毛糸玉が作れる程大量に抜ける猫もいます。
ヘアレスキャットの場合は抜ける毛がほとんど無いので、抜け毛対策は不要といえます。
また猫アレルギーの発症が少ない事もヘアレスキャットの特徴です。
猫アレルギーは飛散した猫の毛を吸ってアレルギー反応を起こすイメージですが、最近の研究では、猫アレルギーが起こる本当の原因は、猫が毛を舐め取る際に出す物質が空気中に飛散してそれを吸うことによるものだということがわかってきています。
ヘアレスキャットは体を舐める事が少ないので、猫アレルギーを発症する確率が少ない猫です。
ヘアレスキャットは被毛の関係で完全室内飼いの猫種です。
「しつけ」をしっかりおこなうことが必要です。
ヘアレスキャットは賢いので、トイレや食事に関しては簡単に理解してくれます。
また、触れてほしくない物がある場合は根気よく注意すれば覚えてくれるでしょう。
賢く、ヤンチャなので飼い主の興味を引き付けたい為にわざとイタズラをする知恵があり、遊び感覚でしつけをすればスキンシップも取れて猫との信頼関係が強くなります。
ヘアレスキャットの種類
ヘアレスキャットは毛がない猫の総称です。
ヘアレスキャットにはそれぞれ個性豊かな種類があります。
胴長短足の猫や耳が折れてる猫種など外見だけでなく、性格も様々ありその家にピッタリなヘアレスキャットが見つかるでしょう。
今回はおもなヘアレスキャットの種類を紹介します。
スフィンクス
| 【スフィンクスの特徴】
|
ヘアレスキャットの代名詞と言える種類です。
毛が全然無いように見えますが、実はうっすら毛が生えています。
耳が大きく、目力がある顔立ちをしています。
体もスリムで痩せ型ですが、筋肉質な体つきをしています。
毛で覆われていないので、骨格や表情がはっきりわかる印象です。
性格は好奇心旺盛で甘えん坊です。
人見知りがなく、初対面の人にも挨拶ができる猫です。
多頭飼いや子供のいるファミリー層に向いている猫といえます。
ドンスコイ
| 【ドンスコイの特徴】
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1987年にロシアのロストフ・ナ・ドヌという街で発見された比較的新しい猫種です。
スフィンクスと似ていますが、ドンスコイは優性遺伝子によるもので毛がほとんど生えていません。
運動が大好きで常に動き回って遊んでいます。
予想以上に高く飛ぶ事ができ、エアコンの上まで飛び上がったり、とにかくずっと動いたり、飛び上がったりしています。
ドンスコイは寂しがり屋な性格で、飼い主の愛情が不足するとストレスを感じる事があるので、多頭飼いには不向きな猫です。
バンビーノ
| 【バンビーノの特徴】
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バンビーノはスフィンクスとマンチカンが交配して誕生した猫種です。
マンチカンの短足とスフィンクスのヘアレスが合体した印象になります。
とても小型な体型をしており、成猫になっても4kgほどしかありませんが、性格はヤンチャで活発的です。
動くものに興味があり、猫じゃらしで遊ばせると猫が疲れて倒れるまで動いています。
小さな足をピョンピョンさせて動き回る姿はマンチカンの魅力である短足姿と同じくらい魅力的な猫です。
ピーターボールド
| 【ピーターボールドの特徴】
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ピーターボールドはドンスコイを基礎とした、オリエンタルショートヘアを交配して作出された猫種です。
スフィンクスのように体全体が無毛とは異なり、顔や耳など体の一部が短い被毛で覆われています。
被毛の生え方によって「ボールド(無毛タイプ)」と「ヘアリー(毛に覆われたタイプ)」に分けられます。
性格は陽気で活発な甘えん坊です。
あまり構ってあげられないと拗ねて意地悪をしたりします。
ドウェルフ
| 【ドウェルフの特徴】
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スフィンクス、アメリカンカール、マンチカンを掛け合わせて作出した猫種です。
【それぞれの特徴】
スフィンクス:無毛で目力のある大きな目
アメリカンカール:外側へ反り返った耳
マンチカン:短足
3種の猫の特徴を合わせた姿をしており、神秘的な姿は1度見たら病みつきになる可愛さです。
性格は人懐っこく、活発で遊ぶことが大好きです。
運動する事が大好きなので、いっぱい遊べる人や多頭飼いに向いています。
ミンスキン
| 【ミンスキンの特徴】
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スフィンクスやマンチカンの他にデボンレックスやバーミーズなどを掛け合わせて生まれた新しい猫種です。
胴がズングリしているので「猫界のコーギー」と呼ばれることもあります。
ミンスキンの被毛は3種類に分けられており
- ヘアレス(被毛がない)
- ファーポイント(顔、耳、尾、尻、手先など部分的に被毛がある)
- フリーコーテド(全身に被毛がある)
特にファーポイントはミンスキンならではの特徴であり、キャットショーへ出場するミンスキンはファーポイントの子が多いようです。
ミンスキンは社交的で愛情深い性格です。
ヘアレスキャットの中では比較的穏やかで他の動物と仲良く接する事ができるでしょう。
この性格はマンチカンによく似ています。
ヘアレスキャットの飼いやすさ
ヘアレスキャットと呼ばれる猫は被毛が極端に少なく、皮膚丸出しに見える見た目から怖い印象を受けますが、一緒に生活をすると甘えん坊な面があり、そのギャップにメロメロになる飼い主が大勢います。
ヘアレスキャットを飼うには他の猫とは少し異なる飼い方をします。
皮膚が外気に触れるので皮膚のケアや温度管理が重要になります。
皮膚の炎症や汚れに気をつければとても飼いやすい猫種です。
この章ではヘアレスキャットの性格や気をつけるべき健康管理や食事を理解し、楽しい共同生活ができる手助けになることをご紹介します。
ヘアレスキャットの性格
ヘアレスキャットは様々な種類がありますが基本的に「ヤンチャで甘えん坊」です。
好奇心が旺盛で人見知りをほとんどせず、来客にも挨拶をする社交的な性格をしています。
飼い主とのスキンシップが大好きなので、毎日の遊びやスキンシップを何より大事にしています。
中には飼い主とのスキンシップが不足すると構ってほしさに意地悪をしてしまう猫もいます。
猫が1人遊びができるおもちゃを多めに用意してストレス発散をさせてあげましょう。
ヘアレスキャットの健康管理
ヘアレスキャットは毛がないので、温度調節に気をつけましょう。
一般的な猫は被毛の量や質で温度調節をしていますが、ヘアレスキャットは温度調節をする被毛がほとんどありません。
皮膚が直接外気に触れるので、気温の変化に敏感です。
夏は紫外線対策や気温上昇で汗をかきやすいため皮膚の汚れに注意が必要です。
また冬は気温が下がるので体温調節や皮膚の乾燥に注意が必要です。
室温は常に一定にし、夏場は部屋に日陰を用意したり、汗を拭いてあげて下さい。
冬場は加湿をし乾燥を防ぎ、寒い時期は服を1枚着せてあげましょう。
ヘアレスキャットの食事
ヘアレスキャットの食事は筋肉の維持を意識したフードを与えましょう。
「総合栄養食」と書かれたキャットフードなら栄養バランスが摂れているのでヘアレスキャットにも安心して与えられます。
ヘアレスキャットは動き回る猫なので筋肉やエネルギーの維持の為に下記の栄養素が豊富なキャットフードをあげましょう。
【ヘアレスキャットに必要な栄養素】
- 高タンパク
- 高脂質
- 低アレルゲン
年齢によって食事回数やウェットフードやドライフードなど個体によって食べやすい方法で食事をしましょう。
ヘアレスキャットのおすすめの飼い方
ヘアレスキャットと良好な関係を築くために、一緒に遊んであげる事はとても大切です。
甘えん坊で寂しがり屋な性格なので、飼い主とのスキンシップが大好きです。
構うタイミングが合わない時や留守にした場合の対応方法など猫と飼い主がストレスなく暮らせる環境を紹介します。
ヘアレスキャットの快適な生活環境
ヘアレスキャットの快適な生活環境で大切なのは「室温」です。
被毛が無いので、暑さや寒さにとても敏感です。
夏の部屋は日当たりがいい場所では締め切った状態で温度が40度を超える場合があります。
遮光カーテンを取り付けたり、風通しをよくしたり、日陰を作ったり暑さ対策のペットグッズを購入するなど工夫をしましょう。
夏の日当たりのいい部屋にいると紫外線で炎症を起こす場合があるので、ドーム型のベッドやカーテンを利用して日陰を作る工夫をしましょう。
冬は寒さ対策を行います。
ヘアレスキャットのケア方法
ヘアレスキャットの皮膚はとてもデリケートなので下記の点に注意が必要です。
スキンシップをする時に傷や皮膚のトラブルがないかチェックするのがオススメです。
【ヘアレスキャットの注意点】
- 汗による湿疹
- 乾燥
- 紫外線
ヘアレスキャットは被毛がほとんどなく、ブラッシングの必要性はありませんが、皮膚のケアは必要です。
汗をかきやすく、そのままにしておくと皮膚病の原因になるので定期的に柔らかい布やタオルでシワの中まで拭きましょう。
また、夏場は紫外線に注意が必要です。
被毛がないヘアレスキャットは紫外線の影響を受けやすい猫種です。
上記で紹介しましたが、夏場の日差しは部屋にいても紫外線の影響を受けます。
ヘアレスキャットの場合は紫外線対策をする被毛が極度に少ないので、紫外線の影響を直接受けます。
紫外線対策として、遮光カーテンを日差しがさす窓に取り付けたり日陰が作れるように工夫をするのをオススメします。
冬は乾燥に注意をしましょう。
皮膚が直接外気に触れているので、乾燥しやすい傾向にあります。
蒸しタオルで体を拭いたり、加湿器で湿度を下げないようにしましょう。
ヘアレスキャットのコミュニケーション方法
ヘアレスキャットのコミュニケーション方法は一緒にいる事です。
好奇心旺盛な甘えん坊の性格をしているので、飼い主とのスキンシップや遊びが大好きです。
ヘアレスキャットは運動神経がよく、筋肉質なので上下運動ができる環境があるといいでしょう。
完全室内飼いのヘアレスキャットは外で元気に走り回る事ができません。
その代わり家で元気いっぱい運動をさせ、飼い主との遊びも十分するのが良好なコミュニケーションの取り方ではないでしょうか。
まとめ
ヘアレスキャットは他の猫と異なる見た目が特徴の猫です。
被毛が極端に少なく、目力が強いので、怖い印象をうけるかもしれません。
しかし、性格はヤンチャで飼い主との触れ合いが大好きなとても愛嬌のある猫です。
皮膚のケアや遊びを定期的におこなえば、信頼関係が強まり友好的な関係が築ける事でしょう。