【獣医師監修】生後10ヶ月の猫の体重はどれくらい?体重の測り方や肥満のチェック方法・食事について詳しく解説

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はじめに

生後10ヶ月の猫は成猫なのか、適正な体重はどれくらいか気になる方は多いです。

生後10ヶ月の猫は成熟期に近づき成長が落ち着いてくる頃です。性成熟を経験しながら体重は成猫に向け徐々に増加しています。

そのため、飼い主は成長速度や性成熟期を考慮した食事やケアが必要です。

今回は、生後10ヶ月の猫の特徴を詳しく紹介します。

体重の測り方や肥満のチェック方法、食事について詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

生後10ヶ月の猫は人間でいうと何歳?

猫の成長は人間とは大きく異なり、成長スピードは非常に速いです。

生後10ヶ月の猫は、人間の年齢に換算すると、16歳から17歳くらいに相当します。

この時期の猫はエネルギッシュで遊ぶのが大好きです。好奇心が強く、家の中を探検したり、新しいおもちゃに興味を示したりします。

また、社会的なスキルも発達しており、他の猫や人間との関わり方も学んでいる状態です。

一方で、生後10ヶ月になると猫は性成熟を迎えています。オス猫はマーキング行動を始めたり、メス猫は発情期に入ってオスにアピールしたりするのです。

そのため、飼い主は避妊や去勢手術を検討する時期でもあります。

生後10ヶ月の猫の体重は?

次に、生後10ヶ月の猫の体重を紹介します。

平均体重と比較して、愛猫が太りすぎているのかチェックしましょう。

大型種を除くと平均体重は2〜4kg程度

生後10ヶ月の猫の体重は、ほぼ成猫の標準体重に近づいてきます。大型種を除いた一般的な猫の平均体重は2〜4kg程度です。

猫の性別や個々の成長速度、遺伝的な要因などにより多少体重は異なる場合があります。

例えば、同じ品種でも、活発に運動する猫は筋肉量が多くなり、少し重くなりがちです。

一方で、食が細い猫や病気がちな猫は体重が軽めになる場合があります。

また、メインクーンやノルウェージャンフォレストキャットなどの大型種は、生後10ヶ月でも体重が5kgを超える場合があります。

そのため、生後10ヶ月の猫は大型以外は平均体重2〜4kg程度であるのを覚えておきましょう。

一般的にオス猫の方がやや大きい

生後10ヶ月の猫は、一般的にオス猫の方がメス猫よりもやや大きくなる傾向があります。

オス猫は、筋肉量が多く骨格も大きいため、体重が増えやすいです。

生後10ヶ月になると、オス猫の体重は3.5kgから4.5kg程度になる場合があります。

オス猫は活動的で遊び好きであるため、筋肉の発達が進みやすいのです。

一方、メス猫はオス猫に比べて体が小柄で、体重も軽めになります。

生後10ヶ月のメス猫の体重は、平均して2.5kgから3.5kg程度であり、体重の増加はオス猫ほど急激ではありません。

理想体重は1歳の誕生日の体重が目安

一般的には、1歳の体重が猫の理想的な体重の目安です。1歳頃の猫は成長がほぼ完了しています。

したがって、現在の体重が1歳の誕生日の体重に近いかどうかを確認しましょう。

この目安を参考にして、猫の体重が健康的な範囲内にあるか評価してください。

体重が目安よりも著しく低い場合は、栄養不足や健康上の問題が考えられます。

一方で、目安よりも著しく高い場合は肥満の可能性が高いです。

定期的な体重測定や獣医の診察を通じて、適切な体重管理を行い、猫の健康を維持しましょう。

体重計で体重を計る方法

次に、体重計で体重を計る方法を紹介します。

  • 猫を抱っこして体重計に乗る
  • キャリーなどを利用して計測する

それぞれ詳しく紹介するので、猫の体重を計測して健康かチェックできるようになりましょう。

猫を抱っこして体重計に乗る

猫の体重を計りたい場合は、猫を抱っこして体重計に載せるのがおすすめです。

まず、猫を抱っこする前に自分の体重を測定します。体重計に乗り、体重を記録してください。

次に、猫を優しく抱っこします。猫がリラックスしている状態で抱っこすることが重要です。

猫が不安がって暴れると、正確な測定が難しくなるため、静かな環境で行うと良いでしょう。

そして、猫を抱っこしたまま、再度体重計に乗ります。猫をしっかりと抱きかかえ、動かないように注意してください。

最後に、体重計に表示された体重を記録します。抱っこした時の体重から、自分の体重を引くと、この差が猫の体重になるのです。

ただ、家庭用の体重計は、数百グラムの誤差が生じる場合があるので注意しましょう。

キャリーなどを利用して計測する

次に、猫の体重を正確に計測するためには、キャリーを利用しましょう。

まず、キャリーの重さを測定します。キャリーだけを体重計に乗せて、重量を記録してください。

次に、猫をキャリーに入れます。猫がリラックスしている状態でキャリーに入れることが大切です。

おやつやお気に入りのタオルを入れると、猫がキャリーに入りやすくなります。

そして、猫を入れたキャリーを体重計に乗せ、体重計に表示された総重量を記録しましょう。

最後に、キャリーと猫の総重量から、キャリーの重さを引いた差が猫の体重です。

キャリーで計測する場合は、キャリーが体重計の上でしっかりと安定していることを確認しましょう。不安定な場合、誤差が生じやすくなります。

また、猫がキャリーに入ることを嫌がらないように、事前にキャリーに慣れさせておくと良いでしょう。

避妊・去勢手術後は太りやすいため肥満をチェック

生後10ヶ月の猫は性成熟を迎えるため、避妊・去勢手術を行う場合が多いです。

ただ、避妊・去勢手術後は太りやすいため肥満かどうかチェックする必要があります。

チェック方法を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

体重ではなくBCS指標で確認

まず、猫が肥満かチェックするには、体重だけでなくBCS(ボディ・コンディション・スコア)指標を用いて確認することが効果的です。

BCSは、猫の見た目と触れた状態から体型を評価するための指標で、1から5までのスコアで表されます。

1が痩せている状態で、5が肥満の状態です。理想的なスコアは3で、健康的な体型を意味します。

BCSは、見た目と触れた状態を通じて、猫の体型を総合的に判断します。

具体的には、肋骨に触れてみてください。適度な脂肪があり、軽く触れるだけで肋骨を感じられる状態が理想です。

一方で、肋骨が見えたり感じられなかったりする場合は、それぞれ痩せすぎまたは太りすぎの可能性があります。

他にも、腹部の垂れ下がりや腰のくびれで肥満かチェックできるので、BCS指標を用いて正確に猫の健康状態を把握しましょう。

体脂肪率が20%以上の場合も肥満

次に、猫の肥満をチェックするのに体脂肪率は重要な指標です。

一般的に、猫の体脂肪率が20%以上になると肥満と見なされます。

猫の体脂肪率が高い場合、インスリンが働きづらくなることで、糖尿病のリスクが高まる場合が多いです。

また、過剰な体重は関節に負担をかけ、関節炎の原因となります。

さらに、肥満は心臓に負担をかけ、心臓病のリスクを増加させるのです。

体脂肪率を測定する場合は、動物病院で計測用の機器を使用します。

そのため、猫の肥満が疑われる場合は、すぐ動物病院を訪れて猫の体脂肪率を計測しましょう。

生後10ヶ月の猫の食事は?

次に、生後10ヶ月の猫の食事を紹介します。

この時期の猫は成長スピードが落ち着いてきているため、猫に合わせた適切な食事管理が必要です。

間違った食事管理をしていると、猫の健康を阻害してしまうのでぜひチェックしてください。

生後10~12ヵ月までは子猫用フード

まず、生後10〜12ヶ月までは子猫用フードを与えるのがおすすめです。

子猫用フードは、高カロリーでたんぱく質や脂肪、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。

これらの栄養素は、子猫の急速な成長と発達を支えるために不可欠なのです。

具体的には、子猫は成長期に多くのエネルギーを必要とするため、カロリーの高い食事が必要になります。

また、たんぱく質は、筋肉や組織の発達に必要です。

さらに、ビタミンやミネラルは、骨の成長や免疫システムの発達をサポートしてくれます。

そして、生後12ヶ月をすぎた頃が、子猫用フードから成猫用フードへ切り替える時期です。

切り替えは急に行うのではなく、少しずつ混ぜて与えることで、成猫用のフードに慣れさせましょう。

生後10ヶ月前に避妊・去勢手術を済ませた猫で、体重が大きく増加している場合は、1歳を迎える前に成猫用やダイエット用フードへの切り替えを検討しましょう。子猫用フードではカロリー過多になる場合があります。

食事の回数は1日2~3回

生後10ヶ月の猫は、1日に2〜3回の食事がおすすめです。

適切な回数での食事を与えると、猫の栄養摂取を管理し、健康的な成長を促すことができます。

例えば、1日に複数回の食事を与えると、猫は栄養を均等に摂取しやすいです。

そして、過剰摂取や栄養不足を防ぎ、健康的に成長できます。

また、食事を複数回に分けることで、消化器官にかかる負担が軽減されるので、栄養素の吸収効率が高いです。

さらに、適切な回数で食事を与えることで、猫のエネルギー供給を安定させ、急激な空腹や過食を防げます。

猫の個体差や健康状態を考慮しながら、適切な食事回数を確保し、愛猫の健康をサポートしましょう。

ドライフードだけでなくウエットフードも与えるのがおすすめ

生後10ヶ月の猫には、栄養バランスを保つためにドライフードだけでなくウェットフードを与えるのもおすすめです。

両方のフードを組み合わせると、猫が必要な栄養素をバランスよく摂取し、健康的な成長を促進できます。

例えば、ウェットフードには水分が豊富に含まれており、猫が水分を摂取しやすいです。これにより、腎臓の健康をサポートし、尿路結石のリスクを低減できます。

また、ウェットフードは香りが強く、猫の食欲を刺激しやすいです。食欲が低下している猫や選り好みする猫にとって、食事を楽しむきっかけとなります。

ドライフードとウェットフードの両方を与える場合は、総カロリーを計算し、過剰な摂取を防ぎましょう。

また、高品質なドライフードとウェットフードを選び、添加物や過剰な糖分を避けてください。

生後10ヶ月の猫の体調をチェックするポイント

次に、生後10ヶ月の猫の体調をチェックするポイントを紹介します。

  • 普段と比べて元気があるか
  • 体重の急激な変化はないか
  • 食事量や飲水量の変化
  • トイレの回数
  • 排泄物の形状や色など

それぞれ詳しく紹介するので、猫の体調が優れない場合はすぐにチェックできるようにしましょう。

普段と比べて元気があるか

まず、生後10ヶ月の猫が普段と比べて元気があるかチェックしましょう。

例えば、猫が普段通り活発に動き回っているかを観察します。元気な猫は好奇心旺盛で、物事に興味を持つのです。

また、猫が遊びに積極的に参加し、おもちゃで遊んだり飼い主との交流を楽しんでいたりするかを確認します。元気な猫は遊び好きなので、活発に遊んでくれるのです。

さらに、猫が飼い主や他のペットとの交流を求めたり、甘えたりするかどうかを観察しましょう。元気な猫は社交的で、愛情表現を求める場合が多くあります。

突然元気がなくなった場合は、早めに獣医に相談することが重要です。

ただ、猫の個体差や性格によって異なる場合があるので、普段の行動パターンと比較して、猫ごとの特徴を把握しましょう。

体重の急激な変化はないか

次に、生後10ヶ月の猫の体調を把握するためには、体重の変化を注意深く観察することが重要です。

まず、定期的に猫の体重を測定し、適切な体重から増加しているかを確認します。

急激な増減が見られる場合は、猫の体調に異常が起きている可能性が高いです。

例えば、食欲が変わらずに体重が急激に増減している場合、消化器官や代謝に問題がある恐れがあります。

また、普段の活動量が変わらずに体重が急激に変化している場合、疾患や代謝異常のサインが考えられるのです。

体重の急激な変化が見られる場合は、獣医に相談し、健康状態を診断してもらいましょう。

食事量や飲水量の変化

3つ目に、生後10ヶ月の猫の体調を確認するためには、食事量や飲水量の変化を観察しましょう。

具体的には、猫が普段と比べて食事を拒否したり、食欲が低下したりしていないかを確認します。急激な食欲の変化は、疾患やストレスのサインです。

また、猫の食事量に異常な変化が見られる場合は、健康問題が発生している可能性があります。

さらに、異常な飲水量は腎臓疾患や尿路感染症などの病気の恐れがあるのです。

飼い主は、新しい環境や新しいペットの登場など、ストレスの要因を確認しましょう。

また、疾患や健康問題のサインの可能性もあるので、気になった場合は早めに獣医に相談してください。

トイレの回数

4つ目に、生後10ヶ月の猫の体調を確認するためには、トイレの回数をチェックすることが重要です。

具体的には、過度なトイレは、膀胱の問題や尿路感染症のサインとして考えられます。

また、猫の排尿量が通常よりも少ないか多いかを観察してください。異常な排尿量は、尿路の問題や腎臓の機能低下を示す可能性があります。

さらに、尿が通常よりも臭い、濁っている、または血液が混じっている場合は疾患の可能性が高いです。

他にも、猫が排尿時に苦痛や不快感を示す行動を見せる場合は、尿路の疾患や結石の可能性があります。

具体的には、うずくまる、舐める、または鳴くなどの行動にも注意が必要です。

トイレの回数や排尿に異常を発見した場合は、早めに獣医に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。

排泄物の形状や色など

最後に、生後10ヶ月の猫の健康状態を把握するためには、排泄物の形状や色などを注意深くチェックしましょう。

例えば、猫の便が通常よりも硬い、軟らかい、または異常な形状をしている場合は注意が必要です。異常な便の形状は、消化器官の問題や栄養不足のサインとして考えられます。

また、猫の便の色が通常と比べて異常な色をしている場合は、消化器官や肝臓の問題を示す可能性が高いです。具体的には、黒色や赤色の便は消化器の出血が考えられます。

さらに、猫の便が通常よりも異常に臭い場合は、消化器官の問題や感染症の可能性が高いです。

他にも、猫の排泄物の量が通常よりも多っかったり少なかったりする場合は、水分摂取や栄養状態などに問題がある可能性があります。

排泄物の変化に異常を感じた場合は、早めに獣医に相談しましょう。

まとめ

生後10ヶ月の猫の平均体重は2kg〜4kg程度です。

人間で言うと16歳から17歳程度であり、性成熟を迎えながら緩やかに成長し、成猫に近づいています。

ただ、避妊や去勢手術後の猫は太りやすいので、1歳の体重を基準として体重の計測や食事の管理が必要です。

具体的には、BCSで体型をチェックしたり、体脂肪率が20%を超えていないか確認したりしましょう。

また、生後10ヶ月の猫の食事は子猫用フードを利用して1日2〜3回ウェットフードをまぜながら与えるのが重要です。

普段の様子や体重、排泄行動に変化が現れると、体調不良の可能性があるので注意してください。

生後10ヶ月の猫の生態を理解し、適切にケアして猫の健康を維持しましょう。

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