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はじめに
猫を飼っていて、猫が叫ぶように鳴いて戸惑ったという方は多いはずです。
猫は叫ぶように鳴いて様々な感情を示しています。
ケガや病気だった場合は問題が悪化してしまうので、理由がわからないまま放っておいてはいけません。
今回は、猫が叫ぶように鳴く理由を紹介します。
考えられる病気とうるさい時にできる対策を紹介しますので、叫ぶような鳴き声に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
猫が叫ぶように鳴く理由は?
まず、猫が叫ぶように鳴く理由を紹介します。
- 発情期のため
- ストレスを感じている
- 分離不安になっている
- ケガをして強い痛みを感じた
それぞれ具体的に紹介しますので、まずは適切な対処を取るために原因を理解しましょう。
発情期のため
猫が叫ぶように鳴く理由の1つは発情期です。
発情期になるとメス猫は性ホルモンの影響を受け、交尾を求める行動を示します。
例えば、メス猫は鳴き声でオス猫にアピールし、オス猫もそれに反応して発情するのです。
さらに、発情期の猫は、外に出たがる・家の中をうろつく・床や家具をこすりつけるなどの行動をとります。
発情期の猫の鳴き声で心配する方もいると思いますが、生理現象なので猫の健康状態が悪化しているわけではありません。
避妊・去勢手術で不妊手術を施すと、これらの行動を抑制できます。
春先はメス猫の発情期のピーク
春先はメス猫の発情期のピークです。
日照時間が関係しており、14時間を超えるとメス猫は発情期を迎えると言われています。
2〜9月にかけては、気温が安定しており子猫を育てるのに最適な期間なのです。
メス猫とオス猫の鳴き方の違い
発情期に猫が鳴く場合は、メス猫とオス猫で鳴き方が異なります。
メス猫の鳴き方は、「アオーン」「ウアーン」とオスよりも低めな声が特徴的です。
人間の赤ちゃんや、小さい子どもの泣き声のように聞こえる場合もあります。
また、オス猫はメス猫と同様に「アオーン」「ウアーン」と鳴きますが、メス猫より少し高めであり、大きめな声が特徴的です。
ストレスを感じている
猫が叫ぶように鳴く理由の1つは、ストレスです。
猫は繊細な生き物であり、さまざまな状況や環境の変化を感じとっています。
そして、ストレスが増すと、猫は不安や不快感を表現するために通常より大きな声で鳴くのです。
猫がストレスを感じるのにはさまざまな原因があります。
例えば、新しい環境への適応・家族構成の変化・他のペットとの関係などです。
ストレスを軽減するためには、飼い主が猫の環境や生活条件を見直す必要があります。
猫に安全な居場所を提供し、ストレスの原因を排除するのが重要です。
また、運動や遊びの時間を確保して愛情を注ぐと、猫のストレスを緩和できます。
猫が叫ぶように鳴く場合、まずはストレスの原因を見つけましょう。
その上で、叫ぶように鳴くときの状況を伝えて、獣医の診断やアドバイスを受けるのもおすすめです。
分離不安になっている
3つ目に、猫が叫ぶように鳴く理由は分離不安です。
猫は本来群れで生きる動物ではないですが、生活の中で飼い主を信頼して絆を強く感じています。
そのため、飼い主が家を離れたり、留守にしたりすると、猫が不安を感じるのです。
分離不安は猫にとってストレスの原因となり、不安を表現して叫ぶように鳴く可能性があります。
そして、飼い主が帰宅するまでの間に、猫は孤独や不安を感じて声に出して表現し続けるのです。
分離不安のときは鳴く以外にも、飼い主の周りをつきまとったり、トイレでない場所で粗相したり、過度な毛づくろいをしたりなどの行動がみられます。
分離不安を軽減するためには、飼い主が家を離れる前は猫に安心感を与えましょう。
お気に入りのおもちゃやベッド、猫が好きな場所を提供し、出かける前に愛情を示すのが効果的です。
また、飼い主が長時間留守にする場合は、猫に十分な刺激を与えましょう。
例えば、遊びや運動を通じて、猫のストレスを軽減してください。
さらに、飼い主が留守中でも猫に安心感を与えるために、BGMやテレビの音、猫用のリラックス効果のある音楽を流すのも有効です。
分離不安になっている猫は、時間と愛情をかけて猫を安心させましょう。
ケガをして強い痛みを感じた
猫が叫ぶように鳴く理由の1つは、ケガして強い痛みを感じた場合です。
猫は自然と痛みを隠す動物ですが、痛みが強すぎる場合や緊急を要する場合には、叫ぶような鳴き声をあげるケースがあります。
猫がケガをして痛みを感じる原因はさまざまです。
例えば、外傷・骨折・切り傷・内臓の損傷、歯の問題などが挙げられます。
猫が叫ぶように鳴く場合、まずはケガがあるか確認しましょう。
身体のどこかに傷や腫れ、出血などがあるかを注意深く調べてください。
また、猫が特定の場所を触られると激しく反応する場合、その部位に痛みがある可能性が高いです。
また、猫が叫ぶように鳴いている場合は、獣医の診察を受けるのも重要です。
痛みを感じている猫は早めの治療が必要になります。
猫が叫ぶように鳴く場合、痛みを感じている可能性も考え、適切な対処を取りましょう。
猫が叫ぶように鳴く時に考えられる病気
次に、猫が叫ぶように鳴く時に考えられる病気を紹介します。
- 高血圧
- 尿路結石症
- 認知症
- 甲状腺機能亢進症
- 聴力の低下
それぞれ具体的な症状も紹介するので、猫が病気にかかっていないか必ずチェックしてください。
高血圧
猫が叫ぶように鳴く場合、高血圧が考えられます。
腎臓には血圧を調節する仕組みがありますが、うまく機能しなくなって高血圧になるのです。
猫の高血圧は、他の病気や状態と関連して発生する場合もあります。
例えば、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などの疾患です。
猫が高血圧になると、頭痛・めまい・腎機能の低下・痙攣などさまざまな症状が現れます。
高血圧の診断は血圧測定によって行われるので、高血圧が疑われる場合はすぐに獣医に相談しましょう。
高血圧の場合は、食事療法や薬物療法などが行われます。
尿路結石症
猫が叫ぶように鳴く場合、尿路結石症も考えられます。
尿路結石症とは、腎臓や尿管などに結晶や結石ができる病気です。
結石ができると尿の通り道が閉塞されたり、尿路に損傷が生じたりします。
そして、猫は痛みを感じて叫ぶような鳴き声を上げるのです。
尿路結石症状の原因は複数ありますが、よくある原因は尿のpHの変化やミネラルの異常な沈着があげられます。
他にも、尿路結石症の原因は猫の食事・水分摂取量・運動不足、ストレスなどです。
猫が尿路結石症になると、頻尿や血尿がでたりします。
また、尿路結石症が放置されると、腎臓機能の損傷や致命的な合併症を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
尿路結石症が疑われる場合は、X線や超音波検査を使用して結石を確認し、その種類や大きさを判断してもらいましょう。
治療法には、尿路結石を溶かす特殊な食事療法、手術などがあります。
高齢の猫の場合
次に、高齢の猫が叫ぶように鳴いた時に考えられる病気を紹介します。
高血圧や尿路結石症の可能性も考えられますが、高齢猫の場合は特にこれから紹介する病気の原因を疑いましょう。
認知症
高齢の猫が叫ぶように鳴く時に考えられる病気の1つは認知症です。
認知症は猫が高齢になるとよく見られ、脳の変化によって引き起こされます。
猫が認知症で叫ぶように鳴くのは混乱や不安が原因と考えられます。
猫が認知症になると夜の活動が増え、家の中を歩き回ったり、目的のない徘徊をしたりする場合が多いです。
また、トイレの場所を忘れて間違った場所で排泄したり、トイレに行く頻度が増えたりします。
猫の認知症を診断するための検査方法はありません。
そのため、他の病気の原因がないか検査して除外していき、最終的に認知症と結論づけるのです。
猫が認知症の場合、ストレスのない環境づくりを徹底しましょう。
また、獣医と相談して、特定の薬物療法やサプリメントを使用するのも検討してください。
猫が叫ぶように鳴く場合は、認知症などの高齢に伴う問題も考えられるので、飼い主は猫の行動を注意深く観察しましょう。
甲状腺機能亢進症
次に、高齢の猫が叫ぶように鳴く時に考えられる病気は甲状腺機能亢進症です。
甲状腺はサイロキシンというホルモンを分泌させ、体を活性化させています。
しかし、甲状腺の過形成や腫瘍などが原因でサイロキシンが過剰に分泌されて甲状腺機能亢進症になってしまうのです。
甲状腺機能亢進症は、猫の老化に伴うものであり、特に10歳以上の猫によく見られます。
猫が叫ぶように鳴くのは、甲状腺機能亢進症による神経過敏の可能性が高いです。
猫は興奮状態になりやすく、不安や興奮が高まると叫ぶような鳴き声を上げるケースが多くあります。
甲状腺機能亢進症の症状は、体重減少・過度の食欲・嘔吐・下痢などです。
また、甲状腺機能亢進症は高血圧を引き起こす場合もあります。
甲状腺機能亢進症の診断は、血液検査や超音波検査などによって行われるので、症状が疑われる場合は医師に相談しましょう。
治療法には、抗甲状腺薬の投与・甲状腺の摘出手術・食事療法などがあります。
聴覚の低下
3つ目に、高齢の猫が叫ぶように鳴く時に考えられる理由の1つは聴力の低下です。
この症状は「老年性聴力低下」と呼ばれ、猫も人間と同様で年齢とともに聴力が低下するのです。
聴力の低下は猫にとってストレスや不安を引き起こします。
猫は周囲の音に反応し、環境を認識するために聴力が非常に重要です。
しかし、聴力が低下すると、猫は周囲の出来事に注意を払いづらくなり、不安を感じます。
そして、猫は聴力の低下で自分の声の大きさがわからなくなり、通常より大きな声で鳴くのです。
聴力の低下は年齢とともに進行しますが、他の疾患や外傷が原因の場合もあります。
例えば、中耳炎や内耳の病気、外傷による聴覚器官の損傷などです。
聴力低下の原因が老化にある場合、飼い主は猫に対して少し大きめな声で話しかけるなど特別に配慮しましょう。
また、病気の可能性が疑われる場合は、獣医に症状を相談して病気が原因か診断してもらってください。
早急に病院に行った方がよい症状
猫が叫ぶように鳴く際に、いくつかの症状が現れた場合は、早急に獣医の診察が必要です。
例えば、突然普段と異なる叫び声をあげた場合、猫が痛みや不快に感じている可能性があるので治療を受けてください。
また、叫ぶように鳴くと同時に、呼吸が荒くなったり、苦しそうに見えたりする場合は、呼吸器系の問題が起きている可能性が高いのですぐに病院に連れていきましょう。
他にも、猫が叫ぶと同時に嘔吐や下痢が見られる場合、消化器系の問題がある可能性が高いです。
脱水や栄養失調を招く恐れがあるため、すぐに診断を受ける必要があります。
さらに、猫が叫びながら排尿したり、大量の血尿を排出したりする場合、深刻な尿路結石症の可能性があるので、すぐに病院に連れて行きましょう。
猫が鳴いてうるさいときにできる対処法
次に、猫が鳴いてうるさいときにできる対処法を紹介します。
- 発情期なら避妊・去勢手術
- ストレスや分離不安なら安心できる環境を与える
- 認知症の場合はコミュニケーションを頻繁に取る
- 必要なら適切な治療を受ける
発情期なら避妊・去勢手術
猫が発情期に鳴いてうるさいときは、メスの場合は避妊手術を行い、オスの場合は去勢手術を行いましょう。
先述した通り、発情期の猫は性ホルモンの影響を受け、繁殖するためにいつもと違う行動をとります。
鳴き声は他の猫に求愛を示すための行動であり、避妊・去勢手術をすると問題行動を解決できるのです。
また、避妊・去勢手術は他の猫と争ったり家を抜け出したりするなど発情期に関連した行動を減らせます。
さらに、避妊・去勢手術は猫の健康と長寿命にも良い影響を与える可能性が高いです。
例えば、避妊・去勢手術を受けると、メス猫であれば乳腺腫瘍や子宮疾患、オス猫であれば精巣の病気を予防できます。
適切な時期に避妊・去勢手術を行って、発情期のうるさい鳴き声を減らしましょう。
ストレスや分離不安なら安心できる環境を整える
猫が鳴いてうるさいとき、特にストレスや分離不安が原因の場合は、安心できる環境を整えるのが重要です。
まず、猫がストレスを感じる可能性がある環境要因を見つけましょう。
家の中での変化やストレスフルな出来事、他のペットとの関係のなどうるさく鳴いたときの状況を確認するのが大切です。
次に、猫が安心できるような環境を提供しましょう。
安全な居場所や隠れる場所を用意し、猫がストレスを感じたときにリラックスできる場所を確保します。
また、餌や水を与えるのを同じ場所にし、トイレをきれいに保つのも重要です。
さらに、定期的な運動や遊びで猫のストレスを軽減しましょう。
猫は適度な運動や刺激を必要とし、運動不足はストレスの原因になります。
さらに、猫の日常生活のルーティンを維持するのも重要です。
いつも通りの日常生活は猫に安心感を与え、ストレスを軽減します。
毎日の食事やトイレの時間、遊びの時間などを一定に保つのがおすすめです。
これらの行動で猫のストレスや分離不安を無くし、猫が鳴く回数を減らしましょう。
認知症の場合はコミュニケーションを頻繁に取る
猫が鳴いてうるさいときに認知症が原因の場合は、積極的なコミュニケーションが重要です。
認知症を持つ猫は、混乱や不安を感じやすく、鳴き声を上げる場合があります。
そのため、飼い主とのコミュニケーションが猫の安心感を与える助けとなるのです。
飼い主は猫に対して積極的に声をかけ、撫でたり話しかけたりすることで、猫が安心を感じられるよう努めてください。
また、猫の周りの環境を整え、安心できる場所を提供するのも重要です。
コミュニケーションを通じて猫の安心感を促し、猫が穏やかで安定した状態になるよう努めましょう。
必要なら適切な治療を受ける
猫が鳴いてうるさいときは、必要なら適切な治療を受けましょう。
猫が鳴く原因はさまざまであり、身体的な疾患や心理的な問題が考えられます。
そのため、病院に連れていき猫の健康状態をチェックして、適切な治療法を提案してもらうのが非常に重要です。
猫の鳴き声が身体的な健康問題である場合、適切な治療で猫の症状を改善できる場合があります。
また、心理的な問題が原因の場合も、適切な治療や獣医のアドバイスに基づいた対処法が可能です。
自分で対処するのも大切ですが、鳴き声の原因が何かわかりづらく緊急の治療が必要な場合もあるので、まずは獣医に相談してみましょう。
まとめ
猫が叫ぶように鳴く理由は、下記の4つがあります。
- 発情期のため
- ストレスを感じている
- 分離不安になっている
- 怪我をして強い痛みを感じた
また、叫ぶように鳴くときは下記の病気の場合も多いです。
- 高血圧
- 尿路結石症
- 認知症
- 甲状腺機能亢進症
- 聴力の低下
猫が鳴いてうるさいときは、原因に応じて対処する必要があります。
発情期の場合は避妊・去勢手術を検討し、ストレスや分離不安なら安心できる環境を作りましょう。
また、認知症の場合はコミュニケーションを多くとって猫の不安を緩和してあげてください。
長期的に改善されない場合や、異常な症状がみられる場合は医師に相談して、適切な治療を受けるのが大切です。
猫が叫ぶように鳴くのは必ず原因があるので、原因を特定して猫が過ごしやすい環境を整えましょう。