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はじめに
猫との生活において、猫が感じる喜びを知ることは絆を深める重要なポイントです。
撫でることは猫と人との間のコミュニケーション手段の一つでもあり、正しい場所とタイミングで行えば信頼関係が生まれます。
しかし、猫によって好きな撫でられ方や場所、撫でるタイミングも異なります。
本記事では、猫が喜ぶ撫で方と適切なタイミングについて解説します。
あなたと愛猫との関係をさらに深めていきましょう。
愛猫を撫でる前に気分をチェック
猫を撫でる前には、今どのような気分でいるのかを理解することが大切です。
猫はその日の気分や体調によって、撫でられたい時とそうでない時があります。
愛猫のサインを読み取り撫でるべきかどうかを見極めることは、信頼関係を築く上で欠かせないことです。
近くに寄ってきたときはOK
猫が自ら近づいてきた時は、撫でられたいというサインです。
猫はあなたの温もりを求めており、撫でられることへの準備ができています。
あなたのそばにやってきて、体をスリスリさせてきたり、足元をぐるぐる回ったりする行為は、愛情表現の一部で、安心して触れ合える機会といえるでしょう。
猫によっては、あなたのことをじっと見つめて甘えたいとサインを出していることもあります。
猫の態度や目の表情を観察し、リラックスしているかどうかを確認することが大切です。
穏やかな表情であれば、撫でてあげることでさらにリラックスしてあなたへ甘えてきます。
リラックスしているときもOK
猫がリラックスしている時は、撫でるのに最適なタイミングです。
リラックスしているサインには、ゆっくりとした瞬き、柔らかく丸まってくつろいだ姿勢、お腹を上にして寝転がるなどがあります。
また、撫でてほしいと自らお腹を出して寝転がる猫もいます。
これらの様子は、猫が安心してリラックスしている証拠で、周囲に対して警戒心がない状態をあらわしています。
このような状態の猫を撫でることで、猫との絆が深まります。
機嫌が悪いときのサイン
撫でるのを避けた方がいい時は、猫の機嫌が悪い時です。
機嫌が悪い時のサインを見逃さず猫の気持ちを尊重することが、信頼関係を保つ上でとても大切となります。
猫は表情がわかりにくい動物ですが、耳や尻尾、ひげで感情を読み取れます。
猫が不機嫌なサインを出しているときには無理に触れることは避け、適切な距離を保ちましょう。
耳を伏せる
猫の気持ちは、耳の角度によって変わってきます。
猫が耳を平たく伏せる行動に出ているときは、恐怖を感じているときです。
また、耳が後ろに反った状態は怒っている状態をあらわしています。
このような状態の猫を撫でようとすると、猫をさらにイライラさせることにつながります。
そのため、猫がこのような耳の姿勢をしているときは、撫でるのを控え、猫が落ち着くまで待つことが大切です。
猫の耳が少し外向きになったときはリラックスしている証拠なので、リラックスした状態になるまで撫でるのは避けておきましょう。
目がつり上がる
あまり表情がわかりにくい猫ですが、人間と同じように目がつり上がっている場合は、怒っているときといえます。
猫の目がつり上がるのは、不快感や不満、攻撃的な気持ちをあらわしているサインです。
この状態の猫は、イライラしている可能性が高く、そのときに撫でようとすると、猫を不安にさせたり、攻撃的な反応をさせることになってしまいます。
猫がこのような目つきをしている時は、距離を保ち、安心できる環境を提供してあげましょう。
毛が逆立つ
猫が毛を逆立てているのは、恐怖や自分を守るサインであり、自らをより大きく見せて敵から身を守ろうとしている行動です。怒ったり驚いたり興奮したりすると毛が一瞬で逆立ちます。
また、毛を逆立てて唸っている場合は威嚇している状態です。
この状態の猫はストレスや恐怖を感じており、不安定で攻撃的になる可能性があります。
猫が毛を逆立てている場合は無理に撫でようとせず、なぜ怒っているのかなど理解してあげることが重要です。
これ以上刺激しないように行動しましょう。
しっぽをパタパタ
猫がしっぽをパタパタと激しく動かすのは、イライラや不満を感じているサインです。
地面に強く打ち付けたり、激しく動かしたりするため機嫌が悪いことがわかりやすいサインといえます。
猫のしっぽの動きは、感情がわかりやすく出やすい部分です。
イライラを表現する動きのほか、リラックスしている気持ちをあらわすユラユラした動きや、ワクワクしている気持ちをあらわすくねくねした動きなどがあります。
表情より感情を読み取れやすいしっぽの動きをみて、どのような気持ちでいるか理解してあげましょう。
しっぽをパタパタと動かしてイライラしているときに無理に撫でようとすると、猫が攻撃的になってしまいます。
無理に構うことはせず、そっとしておくことが大切です。
撫でたら喜ぶ場所
猫が撫でられると喜ぶ場所は個体によって違いますが、一般的に好まれる特定の箇所があります。
猫がどの部分を撫でられたら喜ぶか知っておくことは、猫とのコミュニケーションを深めるためにとても大切です。
喜ぶ箇所を優しく撫でることで、猫のストレスを軽減できます。
頭
猫が撫でられて喜ぶ場所の一つに頭があります。
頭や顔周り、顎の下、耳の付け根など、自分で毛繕いしにくい箇所は撫でてもらうと気持ちが良く嬉しい場所です。
ゆっくり優しく毛の流れに沿って撫でてあげることで、猫はリラックスし安心できます
背中
猫は背中を撫でられると喜びます。
首の後ろから尾の付け根にかけての背中は、猫がリラックスしているときに撫でてもらいたいと感じる箇所の一つです。
背中を撫でることで、猫は安心できます。
背中を撫でるときには、手のひら全体を使って毛並みに沿って優しくなでるようにしましょう。
猫の反応を見ながら、気持ちよさそうにしている範囲内で撫で続けることで猫とのコニュニケーションが取れます。
顔
猫が撫でられると喜ぶ場所の一つは顔です。
特に、あごの下、頬の周り、額は猫が撫でられて嬉しく思う場所です。スリスリ擦り付けてくる箇所を撫でてあげましょう。
顔を撫でるときには、猫の反応を見ながら行うことが大切です。
リラックスして目を細めたり、さらに近づいてきたりする反応をするときにはとても気持ちよく感じている証拠といえます。
首周りや顎下
首周りや顎下を撫でられると喜ぶ理由は、この辺りが猫にとってとてもいい刺激を与えてくれるからです。
首周りは猫が自分ではなかなか手の届きにくい場所で、顎下は猫にとって特にリラックスできるポイントとなっています。
撫でるだけでなく、首周りから猫の肩甲骨間をくるくるとマッサージすることも、猫が気持ちよくリラックスできる方法です。
この辺りを撫でたりマッサージしたりすることで、猫は幸せを感じ安心感を得られます。
撫でるときには、軽く指の腹を使ってゆっくり撫で上げるようにしてみましょう。
こちらも全ての猫が好む場所ではなく、首周りを触られることを苦手とする個体もいます。
様子をみて嫌がるようであれば無理に撫でないようにしてください。
尻尾の付け根
猫の尻尾の付け根には生殖器につながる神経があり、トントンとされることを好む猫が多く存在するといわれています。
撫でるというよりは、リズムよくトントンと優しく叩いてあげましょう。そのとき、一定のリズムで叩くことを意識してください。
この撫で方はマッサージ効果も期待できます。特にメス猫が喜ぶ確率が高めです。
しかし、尻尾の付け根を触られることを嫌がる個体もいます。
初めて触るときには、反応を見ながら触るようにし、嫌がるような様子を見せたときにはすぐに触るのをやめましょう。
撫でない方が良い場所
猫とのコミュニケーションにおいて、撫でて喜ぶ場所を知ることは大切なことですが、それと同じくらい大切なのが、撫でない方がいい場所を理解しておくことです。
猫には撫でられることを好まない場所があり、これらの場所を触ることは猫にとってストレスや不安につながります。
また、信頼関係にも影響を及ぼす可能性があるため、撫でない方がよい場所を理解しておくことは重要です。
口の中
猫の口はとても敏感で、触られることを嫌がります。
スキンシップの延長として口の中を触ることは避けた方が良いでしょう。
歯磨きもスムーズに行うことは難しいかもしれません。
歯磨きケアをするときには、まずは猫が喜ぶようなところを撫でながら、口の周りから触るようにします。
問題ないようなら少しずつ慣らしていくと良いでしょう。
耳の中
猫の耳の中はとても敏感な場所で、普段は触らない方がいい部分です。
耳の中を無理に触ることで耳の病気や感染を引き起こすリスクも考えられます。
触るなら耳掃除をする目的がある場合のみにしておきましょう。
また、耳掃除が必要な場合は専門の獣医師のアドバイスを受けて適切な方法で行うことが重要です。
日常的な撫で方として、耳の中ではなく、耳の外側を優しく撫でる程度でやめておき、耳の中に指を入れたり、強く触れたりすることは避けましょう。
鼻
猫の鼻はとても敏感な場所なので、撫でる際には注意が必要です。
猫の中には鼻を触られる以前に、顔に手を近づけられただけで逃げたりする個体もいます。
嫌がる猫の鼻を触ることは、ストレスを与える原因になるため避けるべきです。
しかし、元々猫は顔周りを撫でられることが好きなので、指を猫の鼻に向けたときに自らくっつけてきて撫でてほしいとアピールしてきたときには鼻だけでなく、その周りも含めて優しく撫でてあげましょう。
パット
猫のパットとは頬ヒゲが詰まっている場所のことをいい「猫のヒゲ袋」とも呼ばれています。
パットは猫にとってとても敏感な部分です。
ヒゲは猫が環境を感知し、周囲や空間の物体の大きさを測るために使う重要な場所で、強く引っ張ったり触ったりする行為は猫に不快感を与えてしまいます。
しかし優しく撫でてあげることは猫にとって気持ちの良いことです。
パット部分に触れる際には、優しく撫でてあげることを心がけましょう。
肛門
体毛に覆われていない肛門部分は非常に敏感です。
この箇所を触られることを嫌がる猫は非常に多くいます。肛門絞りをする目的以外ではあまり触る必要のない箇所なので触ることは遠慮しておきましょう。
陰部
肛門部分と同じで、非常に敏感な箇所です。
猫は触られることを嫌います。無理に触らないようにしておきましょう。
お腹
猫のお腹はとても敏感な部分であり急所のため、多くの猫がお腹を撫でられることを嫌います。
お腹は猫にとって守らなければいけない箇所で、本能的に触られることに警戒心を抱きます。
猫が信頼している相手に対してお腹を見せる行動は信頼の証ですが、それでも全ての猫が撫でる行為を受け入れるというわけではありません。
どれだけ信頼関係ができている相手であってもお腹を触られることを嫌がる猫は多くいます。
猫が不快感をあらわしていたり、噛んだり引っ掻いたりする場合は撫でるのを避けることが大切です。
子猫の頃から触られる練習をしていれば、なんの抵抗もなく撫でさせてくれる場合もあります。
それぞれに合った箇所を撫でてあげ、リラックスさせてあげましょう。
足
猫の足はとても敏感な場所で、多くの猫が足を触られることに抵抗を感じます。
足を怪我すると獲物を捕まえたり、いざという時に逃げられなくなったりと、身を守るために重要な箇所だからです。
このことが爪切りを嫌がる一つの理由でもあります。
また、肉球は神経が通っている部分なので、触りすぎると怒ってくる猫も多くいます。
猫の様子をみながら、嫌がっていないか確認しつつ気持ちよさそうにしていることがわかってから優しく撫でてあげることが大切です。
撫でるのをやめるタイミングがあることも大事
猫とのふれあいにおいて、いつ撫でるのをやめるかを見極めることはとても重要となってきます。
猫が撫でられることを楽しんでいるように見えても、撫でられることには限界があるからです。
猫が撫でられることをやめてほしいサインとして、体を離す、しっぽをパタパタ振る、耳を後ろに反らすなどがあります。
これらのサインを見逃さず対応することで、猫に不快な思いをさせることなく、信頼関係を守ることにつながります。
猫とのコミュニケーションの取り方として、猫の好みを尊重することが大切です。
まとめ
猫との絆を深める上で、撫でる場所とタイミングを理解することはとても大切なことです。
猫が撫でられて喜ぶ箇所は頭、背中、顔、首周り、尻尾の付け根などがありますが、お腹や足、耳の中など、避けるべき箇所も存在します。
これは全ての猫が好む箇所、嫌がる箇所ということではありません。
それぞれ好みがあることも知った上で、愛猫がどの部分を好むのか把握しておくことが大切です。
また、猫が撫でられたいサインを見せた時やリラックスしているときに優しく撫でてあげ、嫌な様子を見せたらすぐにやめることも重要となってきます。コミュニケーションのタイミングを決めるのはあなたではなく猫です。
猫との信頼関係を築くために好みを尊重し、猫との接し方を今一度考え、ストレスを与えないよう愛情を注いでいきましょう。