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はじめに
猫の目が赤かったり目やにが出てきたりする時に「目の病気なのでは?」と疑う方は多いと思います。
しかし、間違っても人間用の目薬は使ってはいけません。
人間の目薬を使ってしまうと、猫の目を傷つける恐れがあります。
猫は動物病院で目を診てもらい、症状に適した目薬の処方が必要です。
今回は、猫の目薬について詳しく紹介します。
猫に目薬が必要になる病気や、上手に目薬をさすコツも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
猫に人間用の目薬を使うのは危険!
猫の目に問題があると、手元にある人間用の目薬をすぐに使いたくなるかもしれませんが非常に危険です。
人間用の目薬は、猫の目を損傷させる恐れがあります。
人間用の目薬が危険な理由を詳しく紹介しますので、理由を理解して使用するのはやめましょう。
猫に有害な成分が入っていることがある
まず、人間用の目薬が危険な理由は、猫に有害な成分が入っている場合があるからです。
特に、メントールとベンジルアルコールは人間用の目薬に含まれていて猫にとって危険な成分です。
具体的にこれらの成分が猫にどのような影響を与えるか紹介しますので、参考にしてください。
メントール
まず、猫にとって有害な成分はメントールです。
メントールは、ハッカに含まれるスーっとした清涼感がある成分であり、猫の目に刺激を与える可能性があります。
これにより、猫は不快や痛みを感じる恐れがあるのです。
また、メントールは血管を拡張させる性質があり、猫の目の充血を引き起こす可能性があります。
さらに、メントールの強い香りは猫にとって不快なだけでなく、中毒症状を起こす可能性もあって危険です。
メントールは猫の目にとって有害な成分なので、与えてしまった場合は獣医に相談し、適切な治療法を見つけましょう。
ベンジルアルコール
次に、猫にとって有害な成分はベンジルアルコールです。
ベンジルアルコールは猫にとって中毒性があり、中枢神経系に影響を及ぼす恐れがあります。
また、特に若い猫や体重の軽い猫は中毒になるリスクが高いです。
さらに、ベンジルアルコールは摂取すると嘔吐や下痢などの消化器系の問題が生じる場合があります。
他にも、ベンジルアルコールは皮膚に対しても刺激性があり、目の周囲の皮膚を刺激する危険性があるのです。
ベンジルアルコールは猫の健康にとって危険な成分なので、与えてしまった場合は必ず獣医に相談してください。
猫用と人間用では含まれる成分の量が違う
次に、人間用の目薬が危険な理由は猫用と人間用では含まれる成分に違いがあるからです。
動物用の目薬は、動物の目の特性に合わせて調整されています。
そのため、必要な成分の量や濃度が適切に設計されているため、猫の目の損傷には繋がりません。
しかし、人間用の目薬は人間の目に合わせて作られており、成分の量や濃度が異なります。
さらに、一部の人間用の目薬にはメントールやベンジルアルコールなどの有害な成分が含まれており、目に刺激を与えたり中毒を引き起こしたりするリスクがあるのです。
動物用の目薬には猫の目の症状に適した成分が含まれているので安全に使用できます。
犬用の目薬も自己判断はNG
人間用の目薬だけでなく、犬用の目薬も基本的には使ってはいけません。
犬用の目薬にも猫には認可されていない成分が含まれている場合があり、猫にとって有害なことがあるのです。
犬用の目薬を猫が使用すると、猫が不快感や痛みを経験する可能性があります。
したがって、猫と犬が同じ動物だからといって猫に犬用の目薬を使用してはいけません。
猫用の目薬は獣医師から指示を受け、猫の目の状態に応じて適切なものを選びましょう。
動物病院で人間用の目薬を処方されることもある
ここまで人間用の目薬を使ってはいけないと紹介しましたが、猫の目の問題に対処するために、動物病院で人間用の目薬が処方される場合もあります。
例えば、猫の目の問題に対処するために必要な成分が、人間用の目薬にも含まれているケースです。
一般的な目の炎症やアレルギーの症状に対処する場合、人間用の目薬として市販されている製品が使用される場合があります。
他にも人間用の目薬の中には猫も安全に使用できるものがあり、特に目の炎症や乾燥に対処する目薬は、人間用のものと同じ成分です。
そのため、人間用と同じ成分である場合のみ動物病院で処方されるケースがあると覚えておきましょう。
獣医師の指示があった場合のみ使用可能
猫に人間用の目薬を使用する際には、必ず獣医の指示があった場合のみ使用可能です。
獣医は適切な投与量や使用頻度を教えてくれるので、副作用のリスクを減らせます。
特に、一部の成分は猫にとって有害な場合があるため、自己判断での使用は避けましょう。
さらに、獣医が人間用の目薬を処方した場合でも、定期的なフォローアップが重要です。
獣医は猫の目の状態を見て、必要に応じて治療法を調整してくれます。
獣医の指示に従い、適切に人間用の目薬を使用しましょう。
猫に目薬が必要になる病気
次に、猫の目薬が必要になる病気を4つ紹介します。
- 結膜炎
- 角膜炎
- 眼瞼炎
- 緑内障
それぞれの症状なども具体的に紹介するので、可能性がある場合はすぐに病院に連れていきましょう。
結膜炎
まず、猫に目薬が必要になる病気は結膜炎です。
結膜炎は、結膜と呼ばれる瞼の裏側から白目を覆う膜の炎症を指します。
猫の結膜炎の主な症状は、炎症による猫の目の充血です。
また、猫の目から目やにのような粘液が出る場合があり、猫は不快感から目を触ったりこすったりします。
結膜炎はウイルスや細菌感染などが主な原因です。
具体的には、ヘルペスウイルス・クラミジア・マイコプラズマなどの感染が考えられます。
他にも、アレルギーによって引き起こされる場合もあり、花粉やハウスダスト・食物アレルギーなどが原因です。
結膜炎を治療する場合、抗生物質が入った目薬を使用したり、抗ウィルスの目薬を使用したりします。
また、目を洗浄して清潔に保つのが非常に重要です。
角膜炎
次に、猫に目薬が必要になる病気は角膜炎です。
角膜は、目の表面を覆う透明な膜であり、炎症が起こると痛みや損傷を引き起こす場合があります。
猫の角膜炎の主な症状も炎症による目の充血です。
また、角膜炎によって角膜が傷つく恐れもあり、白濁が見られる場合があります。
さらに、猫は目から大量の目やにを出し、不快感から猫は目を触ったりこすったりする場合が多いです。
猫は、異物や爪による損傷、または糸くずや植物の花粉などの物理的刺激が原因で角膜炎になる恐れがあります。
他にも、細菌やウイルスなどの感染が原因で角膜炎が発生する場合も多いです。
花粉・ダスト・食物アレルギーなどが原因で角膜炎が起こるケースもあります。
猫の角膜炎を治療する場合は、抗生物質や抗炎症剤の目薬を使用しましょう。
そして、原因によっては薬の服用や注射等の治療も行なわれます。
予防のためには猫の目を清潔に保ち、異常を感じたらすぐに病院に連れてきましょう。
角膜炎は重篤な状態に進展することがあるため、早めの診断と治療が必要です。
眼瞼炎
3つ目の猫に目薬が必要な病気は眼瞼炎です。
猫の眼瞼炎は、まぶたの炎症を指します。
猫が眼瞼炎になると、まぶたが腫れて赤くなる場合が多いです。
また、目やにが目の周囲にたまったり、まぶたの炎症により猫の目が赤くなったりする場合もあります。
さらに、猫はまぶたが痛いと感じ、不快感から目を触ったりこすったりするケースが多いです。
猫の眼瞼炎は細菌による感染や花粉・ハウスダストなどのアレルギー反応、物理的な刺激や異物が原因になります。
治療する場合は、獣医に相談し抗生物質や抗炎症薬の目薬を使用して炎症を抑えましょう。
そして、目の周囲を清潔に保つのが重要であり、獣医師が指示した目薬や目の洗浄液を使用してください。
眼瞼炎は他の眼の疾患と混同される可能性があるため、猫が目の異常を示す場合は、すぐに獣医に相談しましょう。
緑内障
最後に、猫に目薬が必要になる病気は緑内障です。
緑内障は、眼圧の上昇によって視神経や眼球の組織が損傷される疾患を指します。
猫が緑内障になると、猫の目が赤くなって充血し、目の表面が濁って見えることがあります。大きいです
また、光に対して過敏になり、瞳孔が通常よりも大きくなることがあります(散瞳)。
さらに、猫が目を触ったりこすったりするケースもあります。
猫の緑内障は眼内の液体の流れが阻害され、眼圧が上昇するのが主な原因です。
他にも遺伝的な要因や先天的な病気・外傷・眼の手術によって引き起こされる場合もあります。
緑内障を治療する場合は、眼圧を正常範囲内に維持するための目薬が必要です。
そして、猫が痛みを感じる場合は、痛みを和らげるための薬が処方されます。
緑内障は数週間以内に視力を喪失するおそれがあり、早急の治療が必要です。
緑内障は猫の視力を脅かす深刻な病気なので、猫が緑内障の症状を示す場合は、速やかに獣医師に連絡して適切な治療を受けましょう。
猫に上手に目薬をさすコツは?
次に、猫に上手く目薬をさすコツを紹介します。
目薬を上手にさせないと猫の病気を早期に治療できないので、コツを押さえて猫が病気になった場合もすぐに目薬をさせるようになりましょう。
猫に目薬をさす方法
猫に目薬をさす場合は、下記の手順をとるのが重要です。
- 猫の体を押さえて頭を上向きにする
- 上まぶたを上に引いて目を開ける
- 目薬の容器が見えないように後ろから目薬をさす
- 目尻の縁に入れる
- 目を閉じてなじませる
順番に詳細をお伝えするので、目薬をさす流れを理解しましょう。
猫の体を押さえて頭を上向きにする
まずは、猫の体を押さえて頭を上向きにしましょう。
猫を落ち着かせ、安定した姿勢に保つために、猫の体をやさしく押さえるのがポイントです。
次に、猫の頭をやさしく持ち上げて、鼻の方向を上に向けましょう。
鼻先が上向きになるように猫の頭を持ち上げると、目薬を正確に投与しやすくなるのです。
上まぶたを上に引いて目を開ける
次に、上まぶたを上に引いて目を開けましょう。
猫の頭部をやさしく抱え、体を安定させます。
猫が動かないようにするため、もう一方の手で背中を抑えると効果的です。
猫の目を開くために、指で上まぶたをやさしく上に引きます。
目を開ける際は、過度な力を加えないように注意しましょう。
目薬の容器が見えないように後ろから目薬をさす
次に、目薬の容器が見えないように後ろから目薬をさしましょう。
猫の目の後ろから目薬をゆっくりと滴下し、目の内側に投与します。
目薬の容器が見えないようにすると、猫が驚かずに済むのです。
目尻の縁に入れる
次に、目薬をさす際は目尻の縁に目薬を入れましょう。
目薬の容器が猫の目尻の縁に入るように調整します。
目尻の縁に入れることで、目薬が目の表面に広がりやすくなるのです。
目を閉じてなじませる
最後に、目を閉じて目薬をなじませましょう。
目薬をさした後、猫の目を軽く押して目を閉じさせます。
そして、目を閉じた状態で、目薬が目の表面に行き渡るのを待ってください。
これにより、目薬が目の内側に浸透しやすくなります。
可能であれば2人で行う方が安心
猫に目薬を正確に投与するには、1人では難しい場合があります。
そのため、できる限り2人で作業したほうが安心です。
例えば、1人が猫の頭部を抑えてもう1人が体を抑えると、猫の体を安定させられます。
また、1人が目薬の容器を持ち、もう1人が目を開けた状態を保つと的確な場所への点眼が可能です。
このように、2人で作業すると手順をスムーズに進められ、猫が動き出したり予期せぬトラブルが発生したりする場合にも対応できます。
猫の情緒が不安定な場合や、目薬を受け付けにくい場合には、2人で協力して作業しましょう。
市販の猫用の目薬はどこで買える?
次に、市販の猫用の目薬を購入できる場所を紹介します。
- ペット用品のお店
- ドラッグストア
それぞれの特徴を紹介しますので、自分に合った目薬を購入できるのはどちらか理解しましょう。
ペット用品のお店
まず、市販の猫の目薬はペット用品のお店で購入可能です。
ペット用品のお店では、猫用の目薬が豊富に取り扱われています。
大手のペットショップや専門店では、さまざまな種類の猫用目薬が販売されているのです。
また、インターネットを利用してオンラインで購入でき、オンラインショップではさまざまなブランドの目薬を比較検討できます。
ただし、自己判断で猫用の目薬を選ぶと症状に合っていない場合もあるので注意が必要です。
ドラッグストア
次に、猫用の目薬は一般的にドラッグストアでも購入できます。
大手のドラッグストアや薬局でも、猫用の目薬の取り扱いが多いです。
多くの場合、ペットコーナーで見つけることができ、一般的な目のトラブルや症状に対応したものが販売されています。
また、一部のドラッグストアでは、猫用の特殊な目薬の取り扱いも豊富です。
さらに、インターネットを利用して、オンラインのドラッグストアで猫用の目薬を購入できます。
猫用の目薬は、猫の目のトラブルや状態に応じて適切なものを選ぶことが重要です。
獣医のアドバイスを受けつつ、適切な目薬を選んで猫の目の健康をサポートしましょう。
人間用の目薬を間違えて使ってしまったら?
人間用の目薬を猫に誤って使ってしまった場合、すぐに使用を中止しましょう。
人間用の目薬には猫に有害な成分が含まれている可能性が高いためです。
また、猫の状態や使用した目薬の成分によって異なりますので、まずは獣医に相談してください。
使用した目薬を持っていって症状をみてもらうと、適切な対処法を教えてくれます。
そして、今後は人間用の目薬は使用しないよう、必ず猫用の目薬の使用を徹底してください。
猫用の目薬は猫の目の特性に合わせて作られており、安全性が高いです。
まとめ
今回は、猫の目薬について紹介しました。
人間用の目薬は猫に有害な成分が入っていたり成分の量が異なったりするので、使用してはいけません。
また、犬用の目薬の使用も自己判断ではNGであり、獣医の指示があった目薬を使用するのが重要です。
猫は結膜炎・角膜炎・眼瞼炎・緑内障になった場合に、目薬を使用する必要があります。
猫に上手に目薬をさすためには、体や頭を押さえて目薬が見えないようにそっと目尻の縁に目薬をさしてあげましょう。
猫がいきなり動く可能性もあるため、可能であれば2人で行った方が安心です。
市販の猫用の目薬はペット用品のお店やドラッグストアで購入できますが、症状に合っていない可能性もあるので注意が必要です。
猫が目の病気になった場合は、猫に負担のかからない目薬の種類・方法を理解し、早急に治療してあげましょう。