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はじめに
キウイには、ビタミンCやビタミンE以外にも、カリウム、アクチニジン、食物繊維などの栄養素が含まれています。
適切な量を守って安全に摂取すれば、猫にとっても健康維持の補助として役立つ可能性があるでしょう。
ただしキウイに含まれるシュウ酸は、猫の場合は尿路結石の原因となる恐れがあることが指摘されています。
ほかにもアレルギー反応や消化器系への影響など、少なからずリスクが伴うことについても知っておくことが大切です。
この記事では、猫にキウイを与える際の注意点について、メリットと与えて良い量を踏まえながら解説し、詳しい情報をまとめました。
猫はキウイを食べても大丈夫!
一般的な見解として、キウイには猫に有害な成分は含まれていないことが分かっており、猫がキウイを食べても大丈夫と言っても問題はないでしょう。
ただし与えすぎた場合には、下痢やおう吐などの消化不良の症状を引き起こすことが考えられるため、適切な量を守って猫の反応などを見守り、慎重に行うことが重要です。
またキウイには「アクチニジン」などの成分が含まれており、個体差によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
成分の1つである「キシロイドース」は、アレルギー反応を引き起こす主な原因物質として知られており、猫にも悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
もう1つの成分「アクチニジン」は、タンパク質の分解を助け消化を促進する働きがある反面、大量に食べると胃腸障害を引き起こす恐れがあります。
キウイは比較的安全な食べ物ではありますが、過剰な摂取は猫の健康に悪影響を及ぼす可能性もあるという認識を持つことが重要です。
猫にキウイを与えるべきか迷う場合には、まずは猫の健康を第一に考えて、事前に獣医師に相談することを推奨します。
キウイに含まれる栄養素と猫に与えるメリット
キウイには、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、多くの栄養素が含まれています。
たとえば「ビタミンC」「ビタミンE」「カリウム」は、猫にとっても健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。
しかし主食である猫用の総合栄養食からでも、これらの栄養素は十分に摂取でき、むしろ総合栄養食のほうが、猫にとって必要な栄養素のバランスが適切に保たれています。
キウイフルーツは栄養価が高い果物ですが、猫にとっては必須の食材ではなく、あくまでも補助的な役割を果たすに過ぎません。
むしろキウイを過剰に与えると、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適量に留める必要があります。
猫にキウイを与えるべきか迷う場合には、まずは猫の健康を第一に考えて、事前に獣医師に相談することを推奨します。
ビタミンC
人間にとってのビタミンCには、以下のような効能効果があることが示されています。
具体的には、「活性酸素から細胞を守り老化を防ぐ抗酸化作用」「肌のハリやシワなどの改善に役立つコラーゲン生成」「風邪の予防や症状を軽減することに効果のある免疫力アップ」「傷の回復を助ける創傷治癒の促進」「鉄欠乏性貧血の予防に役立つ鉄分の吸収促進」などの効能効果が期待できるでしょう。
猫にとってのビタミンCも、以下のように多くの重要な役割を果たします。
具体的には、「免疫システムの強化」「細胞を損傷から守る抗酸化作用」「皮膚や被毛の健康を維持するためのコラーゲン生成」「傷の回復を助ける創傷治癒の促進」「病気のリスクを減少させ健康を保つ効果」などの作用が期待できるでしょう。
ただしキウイを与えすぎると、下痢やおう吐などの消化不良の症状を引き起こす恐れがあり、また個体によってはアレルギー反応を起こす可能性もあるため注意が必要です。
一般的な見解によると、猫の肝臓にはビタミンCの生成に関与する酵素である「グルコノラクトンオキシダーゼ(GLO)」が存在することが研究で示されており、体内でビタミンCを生成することができると言われています。
また猫用の総合栄養食には、ビタミンCを含む必要な栄養素が適切に配合されているため、特別に意識してビタミンCを摂取させる必要性は低いでしょう。
ビタミンCの補助的な補給としてキウイを与えるべきかどうか迷うときは、猫の健康を第一に考え、事前に獣医師に相談することを推奨します。
ビタミンE
人間にとってのビタミンEには、以下のような効能効果があることが示されています。
具体的には、「抗酸化作用により細胞の酸化ストレスを抑える」「免疫機能を高める」「赤血球の溶血を防止する」「生体膜の機能を正常に保つ」「動脈硬化の予防になる」などの効能効果が期待できるでしょう。
猫にとってのビタミンEの効用については明確になっておらず、どのような効能効果が期待できるかは未知とされており、まだ完全には解明されていません。
いくつかの研究では、免疫システムを強化し抗酸化作用を持つ可能性があることが示唆されており、皮膚や被毛の健康を維持することに役立つ可能性があります。
猫はビタミンEを体内で生成することはできませんが、猫用の総合栄養食にはビタミンEを含む必要な栄養素が適切に配合されているため、特別に意識してビタミンEを摂取させる必要性は低いでしょう。
ビタミンEの補助的な補給としてキウイを与えるべきかどうか迷うときは、猫の健康を第一に考え、事前に獣医師に相談することを推奨します。
カリウム
人間にとってのカリウムには、以下のような効能効果があることが示されています。
具体的には、「体内の水分量や飲水量のコントロール」「エネルギー代謝の調節」「筋肉の収縮」「神経伝達」「血圧を下げる効果」「腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し尿中への排泄を促進する」などの効能効果が期待できるでしょう。
猫にとってのカリウムも、以下のように多くの重要な役割を果たします。
具体的には、「体内のナトリウムを排出し血圧を調整する」「心臓の機能を維持し不整脈のリスクを減らす」「筋肉の収縮と弛緩を調節する」「神経信号の伝達を促進する」「細胞の水分と電解質バランスを維持する」などの作用が期待できるでしょう。
ただし腎臓病を患っている猫は、カリウムを排泄する能力が低下しているため体内に蓄積しやすくなるため、キウイの過剰摂取は高カリウム血症を引き起こす可能性があり危険です。
高カリウム血症は、おう吐、下痢、脱水症状、不整脈などの症状を引き起こす可能性があります。
したがって腎臓病と診断された猫の場合には、獣医師の指導のもとで、カリウムやナトリウムなどのミネラルを制限したキャットフードに切り替えるなど、食事管理に気をつけることが重要です。
健康な猫であっても、キウイを過剰摂取したことにより高カリウム血症を引き起こす可能性もあるため、与えるときは少量を厳守してください。
猫用の総合栄養食にはカリウムを含む必要な栄養素が適切に配合されているため、特別に意識してカリウムを摂取させる必要性は低いでしょう。
カリウムの補助的な補給としてキウイを与えるべきかどうか迷うときは、猫の健康を第一に考え、事前に獣医師に相談することを推奨します。
キウイはマタタビと同じマタタビ科の植物
キウイフルーツは、日本国内に自生しているサルナシ、シマサルナシ、マタタビ、ミヤママタタビなどの近縁種であり、同じマタタビ科マタタビ属の植物です。
猫がマタタビを好む理由
近年において、猫がマタタビを好む理由として、主に「ネペタラクトール」と「マタタビラクトン」という2つの成分が原因であることが解明されました。
この2つの成分は猫の嗅覚受容体に作用し、興奮や多幸感を引き起こす神経伝達物質であるドーパミンの放出を促すため、マタタビの匂いを嗅いだり口にくわえたりすると、猫は陶酔状態になるなどの反応を示します。
また「ネペタラクトール」と「マタタビラクトン」には蚊を忌避する効果があることも突き止められており、猫がマタタビに体を擦りつけるのは、この効果を得るための行動であることが明らかにされました。
したがって、この2つの成分は猫にとって魅力的な香りを持つだけでなく、興奮や多幸感をもたらし、蚊を忌避する効果もあるため、猫がマタタビを好む理由になっていると考えられます。
マタタビで興奮したらどうなる?
猫がマタタビに反応して興奮した場合には、「顔や頭をマタタビの粉や枝などに擦り付ける」「体をゴロンゴロンとくねらせる」「よだれを垂らす」「のどを鳴らす」「行動が活発になる」「攻撃的になる」などの行動を示します。
マタタビに反応したとき、猫の脳内では「鎮痛作用に最も関与する「μオピオイド系(オピオイド受容体の一種であるμ受容体とそれに関連する神経伝達経路)」が活性化し、多幸感を生み出す神経伝達物質「βエンドルフィン」の濃度が上昇するため、まるで酔ったような行動を取り、このような陶酔状態に陥るのです。
マタタビを与えると、猫の脳内で「鎮痛作用に関与するμ(ミュー)オピオイド系」が活性化し、それに伴って「β(ベータ)エンドルフィン」という多幸感を生み出す神経伝達物質の濃度が上昇するため、まるで酔ったような陶酔状態に陥るのです。
マタタビに強く反応したときは興奮して攻撃的になる可能性もあり、飼い主さんに対して威嚇したり噛みついたりすることも考えられるため、怪我をしないようトラブルには十分に注意してください。
マタタビを与えるときは、猫が落ち着いた状態で反応できるよう安全な場所を選び、落下などの危険を避けるためキャットタワーなどの高所では与えないようにしましょう。
また複数の猫を飼っている場合には、過剰反応により猫同士が争いを起こすなどのトラブルが生じる可能性も考えられるため、なるべく時間を分けて個別に与えることを推奨します。
マタタビやキウイは、庭で植えたり鉢に植えたりすることで自家栽培することも可能ですが、その枝や実には猫に強い反応を引き起こす「ネペタラクトール」が多く含まれているため、新鮮な状態で与えることは危険です。
ペットショップやオンラインショップなどで猫用サプリメントとして販売されている、マタタビの葉や茎を乾燥させて粉末状にした「マタタビの粉」、あるいは猫用おもちゃとして分類されている「マタタビの枝」や「キウイの枝」を推奨します。
1回の適量は、「マタタビの粉」であれば0.5g程度が目安とされており、過剰摂取は健康被害の恐れもあるため週1回程度にし、毎日与えることは避けてください。
キウイにもマタタビと同じアクチニジンが含まれる
キウイフルーツに含まれるタンパク質分解酵素の一種である「アクチニジン」は、マタタビにも含まれています。
タンパク質を分解することで肉を柔らかくする働きがあり、人間にとっては胃もたれや消化不良を防ぐ効果があるようです。
猫に関しては、上顎にある嗅覚器官「鋤鼻器(じょびき)」を刺激し、興奮や多幸感をもたらすと考えられています。
マタタビ反応の主な原因物質は「ネペタラクトール」と「マタタビラクトン」の2つの成分であることが示されていますが、「アクチニジン」がどの程度関与しているかは不明です。
マタタビより興奮度合いは低い
キウイフルーツの木の根や葉には、猫を引き寄せる作用がある「マタタビラクトン」や「アクチニジン」という成分が含まれています。
しかしキウイの果実(皮、種、実)には、これらの成分がほとんど見られないため、マタタビに比べて興奮度合いは低いようです。
また大きさや味あるいは日持ちなどの観点から品種改良が行われており、その過程で成分の含有量も変化することがあります。
スーパーなどに並んでいるキウイフルーツは、野生種のキウイよりも成分の含有量が少ないため、猫が反応を示さないことがあると言われています。
猫が食べても良いキウイの量は?
多くの場合、猫がキウイを食べても特に悪影響を及ぼすような変化は起こらず、比較的安全な食べ物であることが指摘されています。
しかし個体差にもよるため、アレルギー反応や消化器系への影響など、リスクが伴う可能性があることについても理解しておきましょう。
キウイを猫に与えるときは慎重に行い、猫の反応や様子を見ながら、少しずつ与えるようにしてください。
少量を与える
猫に与える量については個体差があり、猫の体重や健康状態によっても変動し、それぞれの適量は異なります。
また個体によっては、下痢やおう吐などの消化不良の症状やアレルギーを引き起こす可能性もあるため、キウイを与えすぎないよう注意しましょう。
一般的な見解として、猫に与えるときの目安としては「少量(小さじ3分の1程度)」であることが示されています。
目安を参考にして「極めて少量を与えること」を心がけ、間違っても一切れ全てを与えるようなことは絶対にしないでください。
週に数回程度にする
キウイを猫に与えすぎた場合、胃腸障害やアレルギーを引き起こす可能性が考えられるため、与える頻度は「週に数回程度」にしましょう。
猫にキウイを与えたい場合には、まずは猫の健康を第一に考えて、事前に獣医師に相談することを推奨します。
与えすぎると下痢になることも
キウイを与えすぎてしまうと、下痢やおう吐などの消化不良の症状を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
キウイを猫に与えるときは、「少量(小さじ3分の1程度)」を目安にしてください。
ただし与える量については個体差があり、猫の体重や健康状態によっても適量が異なります。
キウイを猫に与えるときは慎重に行い、猫の反応や様子を注意深く観察し、与える量を調整することが大切です。
下痢やおう吐などの消化不良の症状が現れた場合には、すみやかに動物病院へ急行し、獣医師の診断や指示に従ってください。
猫にキウイを与える場合の注意点
一般的な見解として、キウイには有害な成分は含まれていないとされており、猫にとっても栄養価が高く、比較的安全な食べ物であることが示されています。
ただし猫によっては胃腸障害やアレルギー反応を起こす場合もあるため、与えるときは「少量(小さじ3分の1程度以下)」を心がけ、猫の反応や様子に注意しましょう。
また猫の体重や健康状態などによっても適切な量は異なるため、この量配分については、あくまでも目安として考えてください。
下痢やおう吐などの消化不良の症状が現れた場合には、すみやかに動物病院を受診し、獣医師の診断や指示に従ってください。
皮は取り除く
獣医師の見解として、猫にキウイを与える場合は皮や種を取り除いた果肉部分のみを与えることが推奨されています。
キウイの皮と種には、猫が消化しにくい繊維質が多く含まれており、これらを食べ過ぎると猫の消化器系に負担がかかり、下痢や便秘などの症状が起こる可能性があるでしょう。
消化器系への負担を最小限に抑えるためにも、キウイの皮と種は取り除いてから、実の部分だけを与えるようにしてください。
マタタビと同じ反応をする時は与えるのをやめる
キウイを猫に与えたときに、マタタビと同様の反応を示した場合には、与えるのをやめたほうがよいでしょう。
キウイには「マタタビラクトン」や「アクチニジン」という成分が含まれており、これらの成分が猫の嗅覚や味覚に作用し、マタタビと同様の反応を引き起こします。
マタタビやキウイを与えて猫が陶酔状態になったときは、興奮しすぎて攻撃的な行動に走ったり、与えすぎるとストレスになったりするリスクがあるため危険です。
猫の健康と安全を第一に考え、猫がマタタビと同様の反応を強く示した場合には、キウイを与えるのはやめることを推奨します。
結石がある猫には与えない
尿路結石には、シュウ酸カルシウム結石、ストルバイト結石、尿酸結石など、いくつかの種類があります。
キウイに含まれるシュウ酸は、シュウ酸カルシウム結石を悪化させる可能性があるため、尿路結石を患っている猫には、絶対にキウイを与えないでください。
猫が尿路結石を患っている場合には、獣医師の診断や指示を仰ぎ、シュウ酸含有量を抑えた適切な食事療法を受けることが重要です。
キウイアレルギーに注意
キウイを摂取することでアレルギー反応が現われることがあるため、猫にキウイを与えるときは少量を厳守し、猫の反応や様子に注意する必要があります。
原因はキウイに含まれるタンパク質と考えられており、免疫システムが異物として認識し、過剰な反応を起こすことでアレルギー反応が起きます。
下痢やおう吐などの消化不良の症状が現れた場合には、すみやかに動物病院を受診し、獣医師の診断や指示に従ってください。
アレルギーの症状は?
具体的には、「おう吐」「下痢」「皮膚の痒み」「発疹」「顔の腫れ」「アナフィラキシー」が主な症状で、重症の場合には「呼吸困難」や「意識消失」などの症状が現れます。
アレルギーを予防するには、猫にキウイを与えないことが最善ですが、どうしてもキウイを与えたい場合は、「少量(小さじ3分の1程度)」を目安にしてください。
ただし猫の体重や健康状態などによっても適切な量は異なるため、猫の反応や様子を注意深く観察することが重要です。
キウイを過剰に摂取すると、健康被害が生じる恐れもあるため、毎日続けて与えることは避けましょう。
下痢やおう吐などの消化不良の症状が見られた場合には、すぐに獣医師に相談することを推奨します。
脱水症状がある、便に血液や粘液が混ざっているなど、深刻な症状がある場合は緊急性が高いため、ただちに動物病院に連れて行ってください。
まとめ
キウイは、猫にとっても比較的安全な食物であり、適切な量を守り慎重に与えることで、猫の健康を補助する作用が期待できる果物です。
しかし与えすぎた場合には、アレルギー反応や消化器系への影響などが指摘されており、一定のリスクが伴うことを知っておく必要があります。
この記事では、猫にキウイを与える際の注意点について、メリットと与えて良い量を踏まえながら解説し、詳しい情報をまとめました。
猫にキウイを与えるべきか迷ったときには、この記事の情報を基礎知識として、ぜひお役立てください。