【獣医師監修】猫はヨーグルトを食べられる?与える時の注意点や猫にヨーグルトを与えるメリットを解説

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はじめに

猫にヨーグルトを与えても大丈夫だろうかと気になる方は多いと思います。

ヨーグルトは栄養素が豊富な食べ物なので与えても問題ありません。ただ、種類や量、タイミングを誤ると病気のリスクがあるので注意が必要です。

今回は、猫へのヨーグルトの与え方を紹介します。

与える時の注意点や猫にヨーグルトを与えるメリットを解説しますので、ヨーグルトで猫の健康を支えたい方はぜひチェックしてください。

猫はヨーグルトを食べられる?

猫はヨーグルトを食べられます。猫にヨーグルトを与えても問題ない理由や注意点を詳しく見ていきましょう。

猫にヨーグルトを与えても大丈夫

猫にヨーグルトを与えることは、適切な方法と量を守れば大丈夫です。ヨーグルトは乳製品であり、乳酸菌などさまざまな栄養素が豊富に含まれています。

ヨーグルトに含まれる栄養素は、猫の健康を促進する効果が期待できるので、猫に与えられるおすすめの食べ物の1つです。

しかし、猫はもともと肉食動物であり、乳製品を消化するのが得意ではないため、ヨーグルトの与え方には注意する必要があります。

そのため、猫にヨーグルトを与える際は、猫の反応を観察し、問題がないか確認した上で与えるようにしましょう。

与える量やヨーグルトの種類に注意

猫にヨーグルトを与える際には、与える量とヨーグルトの種類に十分な注意が必要です。

まず、与える量についてですが、初めてヨーグルトを与える場合は、ごく少量から始めるのが良いでしょう。

ティースプーン一杯程度の量を与え、猫の反応を観察します。もし下痢や嘔吐などの消化不良の症状が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、獣医に相談してください。

また、定期的に与える場合も、1回の量は少量に留めることが重要です。次に、ヨーグルトの種類については無糖・無脂肪のプレーンヨーグルトを選びましょう。

ヨーグルトに含まれる主な栄養素は?

ヨーグルトは栄養価の高い食品であり、猫にとっても有益な栄養素が多く含まれています。

まず、ヨーグルトに含まれる主な栄養素は乳酸菌です。乳酸菌は腸内環境を整え、消化器系の健康をサポートします。

次に、カルシウムもヨーグルトに含まれる主な栄養素の1つです。カルシウムは骨や歯の形成に欠かせません。

また、ヨーグルトには高品質なたんぱく質が豊富に含まれており、筋肉や組織の修復・成長に重要です。

さらに、ヨーグルトにはビタミン類も多く含まれています。

猫にヨーグルトを与えるメリット

次に、猫にヨーグルトを与えるメリットを紹介します。

  • ヨーグルトは乳酸菌が豊富
  • カルシウムが豊富
  • ビタミンAやB1・B2が含まれる

それぞれ詳しく紹介するので、猫にヨーグルトを与えると得られる栄養素を理解しましょう。

ヨーグルトは乳酸菌が豊富

まず、猫にヨーグルトを与えるメリットは乳酸菌が豊富である点です。乳酸菌を取り入れると得られる効果を詳しく見ていきましょう。

腸内環境を整える

ヨーグルトには豊富な乳酸菌が含まれており、猫の腸内環境を整えるのに役立ちます。猫の腸内には多くの細菌が存在し、腸内のバランスが健康にとって重要です。

乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制する働きがあります。そして、腸内フローラのバランスが保たれ、消化吸収の効率が向上するのです。

腸内環境が整うと栄養素の吸収率が高まり、猫の全体的な健康状態が向上します。また、乳酸菌は腸内の有害物質を分解し、腸壁の健康を保つことも可能です。

便秘を改善する

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、便秘の改善にも効果的です。乳酸菌は腸内で乳酸を生成し、腸の運動を促進します。

腸の運動が活発になると、便の排出がスムーズになり、便秘の予防や改善につながりやすいです。

また、ヨーグルトの水分と乳酸菌の働きによって、便が柔らかくなり、排便が容易になります。

便秘は猫にとって不快な症状であり、長期間続くと健康に悪影響を及ぼす場合が多いです。

適度な量のヨーグルトを与えて便秘を防ぎ、猫の快適な生活をサポートしましょう。

免疫力の向上が期待できる

乳酸菌は腸内環境を整えるだけでなく、免疫力の向上にも関係します。腸は免疫システムの重要な部分であり、腸内の健康状態が免疫力にとって不可欠です。

乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制して、免疫システムのバランスを保ちます。

そして、病原菌やウイルスに対する抵抗力が強化され、猫が病気にかかりにくくなるのです。

また、乳酸菌は腸内の炎症を抑制する効果もあり、慢性的な腸炎やその他の炎症性疾患の予防にもつながります。

さらに、乳酸菌は免疫細胞の活性化を促進し、全身の免疫機能を高める働きが可能です。

カルシウムが豊富

次に、猫にヨーグルトを与えるメリットはカルシウムが豊富である点です。カルシウムを取り入れると得られる効果を詳しく見ていきましょう。

カルシウムは大事な栄養素の一つ

カルシウムは猫にとって重要なミネラルであり、ヨーグルトが供給源になります。カルシウムは骨や歯の形成に不可欠であり、猫の成長と健康維持にとって重要です。

カルシウム不足は骨の発育不全や骨折のリスクを高める可能性があります。また、カルシウムは筋肉の収縮や神経伝達にも関与しており、適切な量を摂取することが重要です。

ヨーグルトに含まれるカルシウムは、消化吸収が良く、効率的に体内に取り込まれます。

歯や骨の健康に不可欠

カルシウムは猫の歯や骨の健康に不可欠です。骨はカルシウムを主成分とするため、十分なカルシウムの摂取が必要になります。

特に成長期の子猫は、骨が急速に発育するため、十分なカルシウム摂取が大切です。また、老猫にとってもカルシウムは骨密度を維持し、骨粗しょう症や骨折を予防できます。

また、カルシウムは歯の構造を強化し、歯周病や歯の損傷を防ぐことが可能です。

ビタミンAやB1・B2が含まれる

最後に、猫にヨーグルトを与えるメリットはビタミンAやB1・B2が含まれている点です。ビタミンAやB1・B2を取り入れると得られる効果を詳しく見ていきましょう。

ビタミンAは眼や皮膚・被毛の健康に役立つ

ビタミンAは猫の目や皮膚・被毛の健康において非常に重要な役割を果たします。まず、ビタミンAは視力の維持や目の病気の予防に効果的です。

また、ビタミンAは皮膚細胞の成長と修復を促進し、被毛を健康で光沢のある状態に保ちます。そして、猫は感染や環境ストレスに対する抵抗力が高まり、健康を維持できるのです。

他にも、ビタミンAは免疫機能を強化し、病気への抵抗力を高める役割も果たします。

ビタミンB1は神経系の機能を正常にする働き

ビタミンB1は猫の神経系の機能を正常に保つために重要な栄養素です。神経細胞のエネルギー代謝を支える役割を果たし、神経伝達の正常な機能を維持します。

ビタミンB1が不足すると、猫は神経系の障害を引き起こしやすくなり、行動異常や運動失調、食欲不振などの症状が現れる場合が多いです。

特に、高齢の猫や病気から回復中の猫にとって、ビタミンB1の適切な摂取は神経系の健康を保つために欠かせません。

ビタミンB2は皮膚や被毛の健康・脂質の代謝に役立つ

ビタミンB2は、猫の皮膚や被毛の健康、そして脂質の代謝に重要な役割を果たします。ビタミンB2は細胞のエネルギー生産を助け、皮膚や被毛の細胞の健康を維持できるのです。

そして、猫の被毛は光沢があり、柔らかく健康的になります。また、ビタミンB2は脂質の代謝にも関与し、体内の脂肪酸の分解とエネルギーへの変換を助けることが可能です。

ビタミンB2の不足は皮膚炎や被毛の質の低下、エネルギー不足につながるため、適切な量を摂取させましょう。

猫にヨーグルトを与えるデメリット

次に、猫にヨーグルトを与えるデメリットを紹介します。

  • 乳糖不耐症に注意
  • 尿路結石のリスク
  • 食物アレルギー
  • 与えると肥満になることも

それぞれ詳しく紹介するので、メリットとデメリットを比較したうえで猫に与えるべきか検討しましょう。

乳糖不耐症に注意

まず、猫にヨーグルトを与えるデメリットは乳糖不耐症に注意が必要な点です。乳糖不耐症の猫の特徴や症状について詳しく見ていきましょう。

生まれつき乳糖不耐症の猫もいる

猫にヨーグルトを与える際は、乳糖不耐症の猫かどうか注意しましょう。

一部の猫は生まれつき乳糖不耐症を持っており、乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素、ラクターゼを持っていません。

乳糖不耐症の猫が乳製品を摂取すると、消化不良を起こしやすく、腹部の膨満感や下痢、嘔吐などの症状が現れる場合があります。

これらの症状は猫にとって非常に不快であり、健康を害する可能性が高いです。特に、生まれつき乳糖不耐症の猫には乳製品を避けましょう。

成長に伴ってラクターゼの分泌量が減る

乳糖不耐症の問題は、猫が成長するにつれて増加するケースも多いです。

生まれたばかりの子猫は母乳を消化するために高いラクターゼの分泌量を持っていますが、成長と共に分泌量が減少します。

なぜなら、成猫は通常、乳製品を必要としないからです。ラクターゼの分泌量減少により、成猫は乳製品の消化能力が低下し、乳糖不耐症の症状を引き起こすリスクが高まります。

そのため、成猫にヨーグルトを与える際には、特に注意が必要です。少量から始めて猫の反応を観察し、消化不良の兆候がないことを確認しましょう。

尿路結石症のリスク

次に、猫にヨーグルトを与えるデメリットは尿路結石症のリスクがある点です。ヨーグルトを含む乳製品には、カルシウムやリンなどのミネラルが豊富に含まれています。

ミネラルは猫の健康にとって重要ですが、過剰に摂取すると尿路結石症になるリスクが高いです。尿路結石症は、尿中のミネラルが結晶化して石を形成し、尿道を詰まらせます。

尿道が詰まった状態になると、猫は頻尿や排尿困難、血尿などの症状を示し、重症化すると命に関わるのです。

特に、カルシウム結石やストルバイト結石が問題となるケースが多く、尿中のカルシウムやリンの濃度が高まると形成されやすくなります。

食物アレルギー

3つ目に、猫にヨーグルトを与えるデメリットは食物アレルギーのリスクがある点です。猫も人間と同様に、特定の食物に対してアレルギー反応を示す場合があります。

ヨーグルトに含まれる添加物などがアレルゲンとなり、アレルギー反応を引き起こす可能性があるのです。

アレルギー反応は、皮膚のかゆみや発疹、消化不良、嘔吐、下痢などの症状として現れます。

重度の場合、呼吸困難やアナフィラキシーショックを引き起こすこともあり、緊急の対応が必要です。

初めてヨーグルトを与える際は、少量から始め、猫の反応をよく観察しましょう。アレルギーの兆候が見られた場合は、すぐに獣医に相談してください。

与えすぎると肥満になることも

最後に、猫にヨーグルトを与えるデメリットは肥満になる可能性がある点です。ヨーグルトは適量を超えて摂取するとカロリー過多となり、体重増加につながる可能性があります。

肥満は猫の健康に多くの悪影響を及ぼし、糖尿病や心臓病、関節炎、肝臓病などに注意が必要です。肥満になった猫は運動能力が低下し、生活の質が低下しやすくなります。

ヨーグルトを与える際には、カロリーを考慮し、適量を守りましょう。

猫の体重を定期的にチェックし、体重増加の兆候が見られた場合は、ヨーグルトの量を減らすか、与えるのを中止することが必要です。

猫にヨーグルトを与えるときの注意点

次に、猫にヨーグルトを与えるときの注意点を紹介します。

  • 人間用なら無糖・無脂肪のプレーンタイプ
  • 乳糖不耐症の猫には猫用ヨーグルト
  • 食前より食後に与えるのがおすすめ

上記のポイントを詳しく紹介するので、適切な種類やタイミングで猫にヨーグルトを与えましょう。

人間用なら無糖・無脂肪のプレーンタイプ

まず、人間用のヨーグルトを猫に与える場合は、無糖・無脂肪のプレーンタイプを選びましょう。砂糖が含まれたヨーグルトは、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

猫の消化器系は砂糖を効率よく処理できず、過剰な砂糖の摂取は肥満や糖尿病のリスクを高めるのです。

さらに、砂糖は歯の健康にも悪影響を与える場合があり、虫歯や歯周病の原因になる可能性もあります。

また、高脂肪のヨーグルトはカロリーが高く、肥満の原因になりやすいです。猫の肥満は、糖尿病や心臓病、関節炎などの健康問題を引き起こすリスクがあります。

乳糖不耐症の猫には猫用ヨーグルト

次に、乳糖不耐症の猫にヨーグルト与える場合は、猫用ヨーグルトを選びましょう。

乳糖を含む一般的なヨーグルトを摂取させると、消化不良や腹部の不快感、下痢、嘔吐などの症状が現れる恐れがあります。

猫にとって、乳糖不耐症の症状は非常に不快であり、健康を害するリスクが高いです。

猫用ヨーグルトは、乳糖を含まないか、または乳糖の含有量が非常に少ないように設計されており、乳糖不耐症の猫でも安心して摂取できます。

また、猫用ヨーグルトは猫の腸内環境を整え、消化吸収のサポートが可能です。乳糖不耐症の猫に適したヨーグルトを選んで消化不良のリスクを回避し、猫の健康を守りましょう。

食前より食後に与えるのがおすすめ

最後に、猫にヨーグルトを与える際は、食前ではなく食後に与えましょう。

なぜなら、食後だと胃酸の影響を受けにくくなり、乳酸菌やプロバイオティクスの効果を最大限に引き出せるからです。

乳酸菌やプロバイオティクスは、腸内での栄養素の分解と吸収を助け、猫の全体的な栄養状態を改善する働きがあります。

まとめ

今回は、猫へのヨーグルトの与え方を紹介しました。

ヨーグルトは猫にとって必要な栄養素を摂取できますが、与える量や種類に注意が必要です。

過剰摂取すると尿路結石や肥満のリスクがあり、乳糖不耐症の猫にとっては消化不良を引き起こす恐れがあります。

そのため、猫にヨーグルトを与える際は無糖・無脂肪のヨーグルトを選び、消化しやすいよう食後に与えましょう。

また、乳糖不耐症の猫には猫用ヨーグルトを与え、ヨーグルトによる病気リスクを軽減することが大切です。

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