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- はじめに
- 猫はプリンを食べても大丈夫?
- 猫がプリンを食べてはいけない理由
- そもそも猫には甘みを感じる味覚がない
- 猫はどうしてプリンを食べたがるの?
- 万が一猫がプリンを食べてしまったらどうする?
- 猫がプリンを食べたがる時の対処法
- 猫が食べてはいけない危険度の高い食品一覧
- まとめ
はじめに
プリンといえば、スイーツのなかでも代表的な存在なので好きな方も多いと思います。
猫を飼っているご家庭で、プリンを食べているときに、猫が近寄ってきてプリンをねだられた経験はありませんか。
ねだられなくても、つい猫のかわいい姿を見て、自分だけ食べていたらかわいそうだからと少しだけあげてみようと考えたことはあるのではないでしょうか。
しかし、人間の食べているものが、猫の体にとって悪影響を及ぼすリスクがあることを知っておかなければなりません。
実は、プリンも例外ではなく猫にとってリスクがある食べ物であるため、与えるべきではありません。
そこで今回は、プリンを与えてはいけない理由や、食べてしまったときの対処法について解説していきます。
猫はプリンを食べても大丈夫?
結論として、猫にプリンを与えるべきではありません。
その理由として、猫が生きていくために必要としている栄養は普段食べているフードに含まれていることが多く、正しい食事をしていれば、あえてプリンを食べる必要がないことや、プリンを食べることで、かえって猫が体調を崩してしまう可能性があるためです。
猫がプリンを食べてはいけない理由
猫がプリンを食べてはいけない理由は、食べることで体調を崩してしまう可能性があるためです。
その理由は、プリンの原料に、猫が口にすべきではないものが含まれているからです。
プリンのおもな原料は卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンス、添加物、保存料などがあります。
これらの原料のなにが猫にとって良くないのか、1つずつみていきましょう。
乳製品
プリンには、牛乳をはじめとした生クリームなどの乳製品が含まれています。
乳製品には「乳糖」と呼ばれる炭水化物が含まれており、猫はこの乳糖を分解する酵素が体内にあまり多くないため、うまく消化することができません。
人間でも牛乳を飲むとお腹がごろごろする人は「乳糖不耐症」を引き起こしていることが多いですが、猫も乳製品を口にすると乳糖不耐症になることがあります。
乳糖は、熱を加えた乳製品でも分解されることがないため、プリンを食べても乳糖不耐症になる可能性があります。
卵
卵は場合によっては猫に与えても大丈夫な食べ物です。
というのも、猫が口にしても問題ないのは卵黄で、白身の部分に含まれる「アビジン」という成分は猫に欠かせないビタミンである「ビオチン」の吸収を阻害してしまうおそれがあります。
また、卵は猫によってはアレルギー症状が出ることがあるので、あえて無理に与える必要はありません。
大量の砂糖
プリンには多くの砂糖が含まれています。
人間でも食べ過ぎれば、肥満や糖尿病になることがあるように、猫も砂糖を摂取することで病気のリスクが高まります。
人間にとってプリンをひとつ食べたくらいであれば問題ないと思いますが、もし人間よりもはるかに小さい猫が、プリンをたくさん食べてしまったら相当な量の砂糖を摂取したことになり健康を害するおそれがあり、大変危険です。
これはプリン以外にもいえることなので、人間の食べ物をむやみに与えないようにしましょう。
バニラエッセンス
バニラエッセンスは、バニラの実を発酵させて作ったバニラビーンズをアルコールやオイルに漬け込みエキスを抽出した人工の香料です。
バニラビーンズそのものには害はありませんが、アルコール等を使用しているバニラエッセンスは口にしてはいけません。
添加物・保存料
市販されているプリンには、食感や見た目を良くするために、食品添加物が含まれています。
また、日持ちがするよう保存料も使用しており、これらの成分は人間にとっても過剰摂取は危険であり、当然ですが、猫も口にするべきではありません。
そもそも猫には甘みを感じる味覚がない
人間がプリンを食べるのは、甘いものが食べたいときがほとんどだと思います。飼い主さんが自分ばかり食べていると猫がかわいそうだからと、甘いプリンを少し食べさせよう食べさせようと考えてしまいがちですが、その必要はありません。
というのも猫はそもそも甘味を感じることがないからです。
猫が持っている味覚は「酸味」「苦味」「塩味」の3種類だけなので、甘いものを与えても甘さを感じることはほとんどありません。
もし、プリンを与えたときにおいしそうに食べていたとしても、それは甘くておいしいというわけではないので、あえてスイーツであるプリンを与える必要はありません。
猫はどうしてプリンを食べたがるの?
猫にプリンを与えることは良くないと解説いたしましたが、それでも実際に愛猫がプリンを欲しがる姿をみたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか。
甘味を感じることのない猫が、考えられるプリンを欲しがる理由について解説いたします。
好みの香りだから
猫は甘さを感じることができないなど、人間とは味覚が異なります。人間よりも味覚で感じられることが少ない分、嗅覚がとても発達しています。
そのため、プリンに含まれるバニラエッセンスや乳製品の香りに反応しているのではないかと考えられています。
鋭い嗅覚を持つ猫ならば、プリンから発せられるほんの少しの香りにも、「これはおいしい食べ物に違いない」と感じて反応することは十分可能です。
猫に甘いものを与えたことがある飼い主さんのなかには「うちの猫は甘いものが大好き」と思っている方もいるかもしれませんが、実はその食べ物のにおいに反応している可能性があります。
プリンを与えて体調を崩してしまうリスクを考えると、甘味を感じない猫にあえてプリンを与える必要はなく、猫に害のない食べ物を与えたほうが安心です。
飼い主さんがおいしそうに食べているから
飼い主さんがおいしそうに食べているから、食べたがっているということも考えられます。おそらく、過去に飼い主さんにもらった食べ物がおいしかった記憶があるのでしょう。
猫のなかで飼い主さんの食べているものはおいしいとインプットされており、何か食べているのをみると欲しがっているのかもしれません。
猫は賢い動物なので、おいしいにおいや食べ物の記憶が残っていると考えられます。
飼い主さんが見ているときならば、与えなければよいのですが、ほんの少し目を離したすきにおいしい匂いにつられて、食べてしまわないよう注意が必要です。
人間の食べ物の味を覚えてしまうと、場合によっては猫のフードを食べなくなってしまう子もおり、再度フードを食べさせるのに大変苦労します。
このようなことから、猫に人間の食べ物はできる限り与えないようにした方がよいでしょう。
万が一猫がプリンを食べてしまったらどうする?
プリンを与えないようにしていたのに、万が一猫がプリンを食べてしまったらどう対処すればよいのか解説いたします。
食べた時間・量を確認する
もし猫がプリンを食べてしまったことに気付いたら、食べてしまったおおよその時間と、どれくらいの量を食べたのか確認してください。
食べてしまってかなりの時間が経過しているにも関わらず、猫の体調などに特に変化が見られなければ、特になにか症状が出ているということはないでしょう。
量に関しても、少量ならばいきなり体調に異変が起きることは考えにくいため、少し様子を見てもよいですが、もし後々体調を崩したときにどれくらいの量を食べたのかは重要な情報となるので確認しておいてください。
猫の様子に変化がないか観察する
プリンを食べてしまったあとに猫の様子にどこかおかしいところや気になるところがないか、よく観察しておきましょう。
成猫ならば、しばらく観察して特に体調に変化がないようであれば問題ないケースがほとんどですが、子猫の場合には、消化器官が未発達なこともあり、体に異変を起こすことがあります。
そのため、もし子猫がプリンを口にしてしまった場合には、目を離さないようにしてください。
下痢や嘔吐などいつもの様子と違う時は動物病院に相談
プリンを食べたあとに下痢や嘔吐の症状が出たり、いつもと明らかに様子が違ったりしたら、すぐに動物病院に相談してください。
場合によっては、アレルギーを発症している可能性もあります。
そのまま放置してしまうと、さらに症状が悪化するおそれがあり大変危険です。
ほかにも、食欲不振や、ぐったりとして動かないなど、いつも見せないような姿を見せるようならば念のため早めに病院を受診してください。
その際に、いつ頃、どれくらいのプリンを食べたのか、獣医師にきちんと説明ができるよう状況を記録しておいてください。
猫がプリンを食べたがる時の対処法
プリンは少量食べてもいきなり重篤な症状になることはあまりありませんが、猫にとって安全な食べ物ではありません。
そのため、あえて猫に与える必要のない食べ物なので、猫が食べたがっても与えないことが一番の予防法です。
それでも、飼い主さんがプリンを食べているときに、猫が何度も食べたがるようでしたら、以下のような方法で対処するとよいでしょう。
プリンの代わりにおやつを与える
プリンは与えることはできませんが、その代わりに猫用のおやつを与えてみるのも有効です。
猫は、香りにつられてプリンを欲しがっていると考えられますが、甘味を感じることはありません。
しかし、猫用のおやつならば、猫が大好きな香りとおいしさで、夢中になってくれることが多いためプリンから離れてくれます。
猫にとっては、どうしてもプリンでなければいけない理由はないので、おやつをあげることでそちらに気が向いてくれると思います。
猫が食べられるプリンを手作りする
飼い主さんが、愛猫に「どうしてもプリンを食べさせてあげたい」とお考えならば、猫でも食べられる猫用のプリンを手作りしてあげてはいかがでしょうか。
材料には猫用ミルクを使用してください。人間の牛乳はお腹を壊してしまうことがありますが、猫用ミルクなら安心です。
猫用のミルクに卵黄を混ぜて、滑らかにするための裏ごしをしたら、蒸して固まれば完成です。
この猫用プリンであれば、牛乳も砂糖も使用していないため、猫でも安心して食べることができます。
猫用ミルクの代わりに、豆乳を使用して作ることもできるので、どうしても愛猫にプリンを食べさせてあげたい飼い主さんは試してみることをおすすめします。
猫が食べてはいけない危険度の高い食品一覧
猫にプリンを与えてはいけないとご紹介してきましたが、ほかにも猫が口にしてはいけない食べ物は存在します。
ここでは、猫が食べてはいけない食品をまとめてご紹介します。
チョコレート
チョコレートの原料であるカカオには、テオブロミンという成分が入っており、この成分が中毒症状を引き起こします。
猫の体はテオブロミンを分解、排出する能力が弱いため、体内で長時間蓄積され毒となり、中毒症状を引き起こします。
重篤化すると死に至ることもあるため、少量でも食べてはいけません。
ネギ類( 玉ねぎ・にんにくなど)
ネギ類に含まれる「有機チオ硫酸化合物」、「アリルプロピルジスルファイド」が原因で、赤血球の細胞膜を破壊して、ネギ中毒と呼ばれる「溶血性貧血」を引き起こします。
呼吸異常や嘔吐のような症状のほかに、重症化すると血尿や黄疸などが出ることがあり、このような場合には速やかに動物病院を受診してください。
アルコール
猫はアルコールを分解する酵素を持っていないため、アルコールを摂取すると分解せずに有害な状態のまま体内に残ります。
おもな症状は酩酊状態や呼吸異常、さらに症状が進行すると昏睡状態になり死に至ることもあります。
アルコールはお酒だけに含まれているわけではありません。
アルコールの含まれたお菓子や、アルコール除菌シートなども誤って口にしないよう保管場所には注意してください。
甲殻類(エビ・イカなど)
生の甲殻類にはチアミナーゼという酵素が含まれており、猫にとって重要なビタミンB1を分解して破壊してしまいます。
ビタミンB1が不足すると、「ビタミンB1欠乏症」を引き起こすおそれがあります。
ビタミンB1欠乏症になると、脚気(かっけ)の症状があらわれ、背中や四肢の筋肉の萎縮が起きて、進行すると歩行障害や心不全といった重篤な症状が出ることもあります。
チアミナーゼは加熱により失活してしまうため、加熱していれば猫の体調に大きく影響しません。
青魚
アジ・サバ・ブリなどの青魚には、DHA・EPAという不飽和脂肪酸が多く含まれています。
人間や猫にとってこの成分は良い成分なのですが、猫では過剰摂取した場合「黄色脂肪症」という病気になる可能性があります。
症状として、食欲の低下や、元気消失、ときには痛みをともなうこともあります。
しかし、黄色脂肪症は極端な過剰摂取により起こる病気であるため、バランスの良い総合栄養食を食べている猫が発症することはありません。
また、生の青魚にはアニサキスが寄生していることがあり、人と同じような胃痛が起きることがあります。
レバー
レバーは、少量ならば貧血予防、消化促進、皮膚や骨の免疫を高めるなど猫の体にとって良い栄養素が含まれています。
しかし、レバーを食べ過ぎると、レバーに豊富に含まれているビタミンAの過剰摂取により「ビタミンA過剰症」になってしまい、嘔吐や下痢、場合によっては骨の変形によってうまく歩けなくなってしまうことがあります。
カフェイン
カフェインには興奮作用があり、カフェインを口にしてしまうと過剰な興奮状態や呼吸の異常などの症状があらわれ、呼吸不全などのカフェイン中毒を引き起こしてしまいます。
少量の摂取であれば、いきなり体に異変が起きることはあまりありませんが、カフェインの耐性は個体差があるので、カフェインの含まれる飲料や食べ物は、猫が口にしないよう保管してください。
生卵
生卵のなかでも白身に注意が必要です。
生卵の白身には「アビジン」という成分が含まれています。アビジンはビオチン(ビタミンB7)の吸収を阻害する働きがあります。
大量に白身を摂取すると、アビジンの摂取量も増えてしまい、「ビオチン欠乏症」になってしまうことがあります。
また、生卵はサルモネラ菌が付着している場合があり、食中毒の危険があります。
卵を与える際は、加熱調理したものを少量与えるようにしてください。
ぶどう・レーズン
ぶどうやレーズンは、少しでも食べると重篤な中毒症状を起こすことがあります。食欲不振や嘔吐だけでなく、急性腎不全を引き起こす可能性があります。
ぶどうやレーズンのどの部分を食べると中毒になるのか、メカニズムが解明されていないため少量でも誤って猫が口にしないよう、注意が必要です。
乳製品
猫が乳製品を食べると、体調を崩してしまうことがあります。これは乳製品に含まれる乳糖という物質を分解するための酵素をあまり持っていないので、乳糖が分解されないことでうまく消化吸収されないためです。
乳糖が分解されずに下痢などを起こしてしまう状態を「乳糖不耐症」といいます。
ほかにも牛乳アレルギーの猫も存在するため、下痢のほかにも皮膚の赤みや痒みを発症することもあるので、牛乳を与えることはおすすめしません。
まとめ
猫にプリンを与えてはいけない理由や、対処法について解説いたしました。飼い主さんがプリンを食べているときに、愛猫が食べたそうな顔で見ていると、ついあげたくなってしまいますが、健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、人間用のプリンは与えない方がよいでしょう。
そもそも猫は、甘味を感じることがないため、猫用のおやつをあげたほうが、猫にとってもおいしく感じるのではないでしょうか。
また、ほかにも食べてはいけない食品もご紹介しました。
どれも人間にとっては身近な食べ物なので、猫が届いてしまう場所に置いて誤食することのないようきちんと保管してください。