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はじめに
猫がまたたびを好むイメージをお持ちの方は多いと思います。
実際に猫はまたたびが大好きですが、またたびには与えるべき量や頻度があり、与えてはいけない猫もいるので注意が必要です。
今回は、猫へのまたたびの与え方を紹介します。
またたびの効果や与える際の注意点も解説するので、猫にまたたびを与えるか検討している方はぜひ参考にしてください。
猫にまたたびを与えても大丈夫?
猫にまたたびを与えても問題はありません。またたびの情報や与えても問題ない理由を詳しく紹介しますので、またたびについての理解を深めましょう。
またたびはマタタビ科マタタビ属の植物
またたびは、マタタビ科マタタビ属の植物であり、日本や東アジアの山地に自生し、ツル性の植物として知られています。
日本では古くから猫が好む植物として知られており、猫に与えると特有の反応を引き起こすのです。
また、またたびは人間の漢方薬として利用されており、食欲増進や疲労回復に効果があるとされています。
猫にまたたびを与える場合には、市販されているまたたび製品を使う場合が多いです。使用するまたたび製品は乾燥またたびの粉末や、またたび入りのおもちゃなどがあります。
依存性や毒性はないため与えても問題ない
またたびを猫に与える際に安全性が気になる方は多いと思います。
ただ、またたびには依存性や毒性がないため、適切な量を与える限り、猫にとって健康上の問題はほとんどありません。
猫がまたたびに対して一時的に興奮する場合はありますが、あくまで短期間の反応であり、持続的な依存や中毒は引き起こさないのです。
具体的には、アクチニジンやマタタビラクトンといったまたたびに含まれる成分が猫の神経系に作用し、一時的な興奮状態や快感を引き起こします。
猫のまたたびに対する反応は自然であり、猫にとってストレス解消やリラックス効果をもたらすのです。
猫がまたたびに興奮するのはなぜ?
次に猫がまたたびに興奮するのはなぜか紹介します。猫が興奮する際の体の仕組みや興奮した時の症状を詳しく見ていきましょう。
またたびの成分が神経系に作用して恍惚状態になる
猫がまたたびに興奮する主な理由は、またたびに含まれる成分が猫の神経系に作用して恍惚状態になるからです。
特に、アクチニジンとマタタビラクトンという化合物が恍惚状態を引き起こします。
アクチニジンとマタタビラクトンは猫の嗅覚器官を刺激し、脳に直接作用することで、猫は一時的に恍惚状態に陥るのです。
猫にまたたびを与えると、猫の脳内で快感や興奮を誘発し、独特の行動パターンを引き起こします。
またたびに対する猫の反応は、アルコールに対する人間の反応に似ていますが、依存性や長期的な害はありません。
恍惚状態になった時の猫の反応
またたびを摂取して恍惚状態になった時の猫の反応は、さまざまなものがあります。
- くねくねと転がる
- 頭や体をこすりつける
- よだれを垂らす
それぞれの行動は猫の個体差によって異なりますが、いくつかの共通点を紹介するのでぜひチェックしましょう。
くねくねと転がる
まず、またたびを与えた猫が恍惚状態になると、くねくねと転がり始めます。くねくねと転がるのは、猫が興奮している状態を示す典型的な行動です。
猫は背中を地面にこすりつけたり、体をひねったりして、あたかも何かに取り憑かれたかのように見える場合があります。
くねくるする行動は、またたびの成分が神経系に強く作用しているのです。
転がる行動は、猫がストレスを解消したり、遊びの一環として行っていたりする可能性もあります。
頭や体をこすりつける
次に、またたびを摂取した猫が恍惚状態になると、頭や体をこすりつけます。
頭や体をこすりつけているのも、猫が興奮していることを示す典型的な行動です。猫は顔や体の側面を床や家具、飼い主にこすりつけ、またたびの匂いを全身に広げようとします。
また、頭や体をこすりつける行動は、猫が特定の場所や物をマーキングし、自分の匂いをつけるための行動と近いです。
猫がこすりつける行動を見せるときは、猫が非常にリラックスしているか、または強い興奮を覚えています。
よだれを垂らす
最後に、またたびを摂取した猫が恍惚状態になると、よだれをたらします。
猫がよだれを垂らすのは、またたびの成分が猫の唾液腺を刺激しているからです。
猫がよだれを垂らす行動は異常に見えるかもしれませんが、一時的な反応であり通常は健康に害を及ぼすことはありません。
よだれを垂らす行動は、猫が非常にリラックスしているか、または非常に興奮している状態を示すものであり、またたびの効果を強く感じている証拠です。
よだれを垂らすこと自体は問題ありませんが、過剰によだれを垂らす場合は、与える量を調整しましょう。
一時的な反応なので心配ない
またたびを与えた後の猫の反応は、一時的なものであり、数分から十数分で収まるので心配ありません。
猫の体はまたたびの成分を速やかに代謝し、効果がなくなるため、持続的な問題を引き起こすことはないのです。
ただ、猫にまたたびを与える際は、適切な量を守りましょう。過剰な量を与えると、猫が異常な興奮状態に陥る可能性があります。
反応は個体差が大きい
猫がまたたびに対して示す反応には個体差が大きく見られます。なぜなら、猫の遺伝的背景や経験、健康状態などが影響しているからです。
一般的に、70%の猫がまたたびに対して強い反応を示すと言われていますが、全く反応しない猫もいます。
個体差は、またたびの効果をもたらす成分に対する感受性の違いによるものです。
また、猫の年齢も反応に影響を与えるケースがあります。例えば、若い猫や子猫は、まだ神経系が完全に発達していないため、またたびに対する反応が弱い場合が多いです。
猫にまたたびを与えるメリット
次に、猫にまたたびを与えるメリットを紹介します。
- ストレス解消ができる
- 食欲が増える
- 老化防止につながる可能性がある
それぞれ詳しく紹介するので、またたびでどんな効果が期待できるかチェックしましょう。
ストレス解消が期待できる
まず、猫にまたたびを与えるメリットは、ストレス解消が期待できる点です。
猫は環境の変化や新しい状況に敏感な動物であり、ストレスを感じやすい傾向があります。
新しい家具の配置、引っ越しなど、日常生活の中で猫はストレスを感じやすいです。
そんな時、またたびは猫にとってリラックス効果をもたらしてくれます。またたびを摂取すると、猫は一時的に興奮状態や恍惚状態になり、普段のストレスから解放されるのです。
またたびに含まれる成分が猫の神経系に作用し、普段の緊張や不安を忘れさせてくれます。
食欲が増える
次に、またたびを猫に与えるメリットは、食欲が増える点です。
猫が食欲不振に陥る理由は様々で、環境の変化やストレス、病気、老化などが原因になります。
食欲不振が続くと栄養不足になり、さらなる健康問題を引き起こすリスクが高いです。そんな時、またたびは食欲を刺激してくれます。
またたびに含まれる成分は猫の嗅覚を刺激し、脳内の報酬系を活性化させるので、食欲を増進させる効果があるのです。
猫はまたたびの香りを嗅ぐだけで、食べ物に対する興味が再び湧き、食事に対して前向きな態度を取るようになります。
老化防止につながる可能性がある
最後に、猫にまたたびを与えるメリットは、老化防止につながる可能性がある点です。
猫も年齢を重ねるにつれて、運動量が減り、体力や筋力が低下する場合があります。
しかし、老化現象に対してまたたびは猫の活動量を増やし、活力を保つ手助けが期待できるのです。
またたびを与えると、猫は一時的に興奮状態になり、積極的に遊びや運動をするようになります。
特に、高齢猫は運動不足による筋力低下や関節の硬化を防ぐために、適度な運動が必要です。またたびを利用して猫の運動量を増やし、健康的な体を保ちましょう。
大量に与えるのは危険?
猫にまたたびを与えるのは問題ないですが、大量に与えることは危険です。
- 中枢神経が異常麻痺を起こすことも
- 呼吸困難になる可能性
上記のポイントを詳しく紹介するので、猫にまたたびを与えすぎず、適量を守りましょう。
中枢神経が異常麻痺を起こすことも
またたびは適量を守れば猫にとって安全なものですが、過剰に与えると中枢神経に異常を引き起こす可能性があります。
猫の神経系は非常に繊細であり、またたびに含まれる成分が過剰に摂取されると、異常麻痺が起こるリスクがあるのです。
中枢神経が異常麻痺を起こすと、猫は正常な運動機能を失い、ふらつきや歩行困難といった症状が現れる場合があります。
猫がまたたびを摂取した後に、異常な興奮状態に陥った場合は、中枢神経に異常が起きている可能性があるため、速やかに獣医師に相談することが重要です。
呼吸困難になる可能性
またたびの過剰摂取は、呼吸困難を引き起こす可能性もあります。なぜなら、またたびに含まれる成分が猫の呼吸器系に影響を及ぼし、正常な呼吸機能を妨げるからです。
猫がまたたびを大量に摂取すると、神経系だけでなく、呼吸器系にも負担がかかり、呼吸困難を引き起こすリスクが高まります。
呼吸困難の症状としては、息切れや喘鳴、速い呼吸、口を開けての呼吸などです。
猫が呼吸困難の症状を示した場合は、直ちにまたたびの摂取を中止し、獣医師の診察を受けましょう。
またたびを与えないほうがよい猫は?
一般的には、またたびはストレス解消や老化防止の効果が期待できますが、またたびを与えないほうがよい猫もいます。
- 心臓疾患がある猫
- 神経疾患がある猫
- 腎臓疾患がある猫
- 高齢の猫
詳しい理由を紹介するので、愛猫が上記の条件に当てはまる場合は、猫にまたたびを与えるのはやめましょう。
心臓疾患がある猫
まず、またたびを与えないほうがよい猫は、心臓疾患がある猫です。
心臓疾患は猫の健康に大きな負担をかける病気であり、過剰な興奮やストレスが心臓に対して負担をかける可能性があります。
またたびには猫を興奮させる成分が含まれており、心拍数の上昇や血圧の変動を引き起こす場合があり、心臓疾患を持つ猫にとって危険です。
心臓疾患の猫にまたたびを与えた場合、興奮状態が心臓に過剰な負荷をかけ、心不全や急性の発作を引き起こすリスクがあります。
特に、肥大型心筋症などの病気を持つ猫は、心臓がすでに十分な機能を果たせない状態にあるため、またたびを与えるのはやめましょう。
神経疾患がある猫
次に、またたびを与えないほうがよい猫は、神経疾患がある猫です。
神経疾患は猫の行動や体調に深刻な影響を与える病気であり、またたびの成分が神経系に強く作用するため、症状を悪化させる可能性があります。
例えば、てんかんや神経障害を持つ猫は、神経系がすでに不安定な状態です。
そのため、またたびの摂取が神経系に余計な刺激を与え、発作や異常行動を誘発するリスクがあります。
またたびには猫の脳内で神経伝達を活性化しますが、神経疾患を持つ猫には過度の刺激なので、またたびを与えるのは避けましょう。
腎臓疾患がある猫
3つ目に、またたびを与えないほうがよい猫は、腎臓疾患がある猫です。
腎臓疾患は猫の体内の代謝プロセスに影響を与え、毒素の排出や電解質バランスを管理する能力を低下させます。
そして、猫がまたたびを摂取すると、またたびの成分が体内に蓄積しやすくなり、予期しない健康問題を引き起こす可能性があるのです。
腎臓疾患を持つ猫は、日常的に穏やかで安定した生活を送るために、またたびのような強い刺激は避けましょう。
高齢の猫
最後に、またたびを与えないほうがよい猫は、高齢の猫です。
高齢になると、猫の体力や免疫力は低下し、代謝機能も衰えてきます。そのため、またたびの成分が体内で適切に処理されない場合があり、健康リスクが高まるのです。
特に、高齢猫は体力が低下しているため、またたびによる興奮や運動が体に負担をかけやすいです。
高齢猫にまたたびを与えた場合、興奮状態が長引いたり、疲労が蓄積しやすくなったりする可能性があります。
心臓疾患や腎臓疾患、糖尿病などを持つ高齢猫は、またたびの摂取が病状を悪化させるリスクが高いため、使用は避けましょう。
猫にまたたびを与える際の注意点
次に、猫にまたたびを与える際の注意点を紹介します。
- 与える量に気をつける
- 日常的に与えると効きが悪くなる
- 特別なときだけ使うのがおすすめ
それぞれ詳しく紹介するので、猫にまたたびを与える前にチェックしておきましょう。
与える量に気をつける
まず、またたびを猫に与える際は、与える量に気をつけましょう。
過剰に与えると、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。市販のまたたび製品に記載されている使用量の目安にしたがって与えてください。
また、猫はまたたびに過剰に反応する恐れもあるので、最初はひとつまみ程度の少量から与えるのが重要です。
そして、少しずつ量を増やし適切な量を見つけましょう。猫に異常な興奮状態が見られた場合はすぐに与えるのをやめてください。
日常的に与えると効きが悪くなることも
次に、またたびを猫に与える際は日常的に与えると効きが悪くなる点に注意しましょう。
またたびは、猫にとって刺激的で楽しいものである反面、頻繁に与えると効果が薄れる場合があります。
なぜなら、頻繁に与えると猫の体がまたたびに対して耐性を持つようになるからです。
日常的にまたたびを与え続けると、猫は次第に刺激に慣れてしまい、初めてまたたびを摂取したときのような強い反応を示さなくなります。
耐性がつくと、猫が再び興奮するためにはより多くのまたたびが必要です。しかし、量を増やすと健康リスクが高まるため、過度に与えるのはやめましょう。
特別なときだけ使うのがおすすめ
最後に、猫にまたたびを与える際は、特別なときに使用しましょう。
例えば、猫がストレスを感じているときや、リラックスさせたい場面で使用すると、またたびの効果を最大限に引き出すことができます。
また、特別なご褒美として与えると、猫にとってまたたびが一層魅力的なものになりやすいです。さらに、猫はまたたびを新鮮で特別なものと感じ続けられます。
そのため、またたびは日常的な使用を避け、特別なときにだけ使用しましょう。
まとめ
猫はまたたびが大好きな動物であり、またたびの成分が猫の嗅覚を刺激するので、猫は興奮状態に陥ります。
猫にまたたびを与えると、くねくねと転がったり頭を擦り付けたりする場合が多いです。
またたびはストレス解消や食欲の促進、老化防止などの効果を期待できますが、大量に与えると異常麻痺や呼吸困難を起こす可能性があるので危険です。
飼い主は、特別なご褒美として適量のまたたびを与え、猫を楽しませてあげましょう。