【獣医師監修】猫にホタテを与えても大丈夫?与えて良い量や与える際の注意点を解説

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はじめに

ホタテは、タウリンやビタミンB12など重要な栄養素が豊富に含まれており、猫に好まれる食材の1つです。

しかし与え方によっては健康に悪影響を及ぼす可能性があり、適切な量を守らなければ消化不良やアレルギーを引き起こす危険性もあります。

当記事では、猫にホタテを与えても大丈夫かどうかについて安全性を考察し、ホタテの栄養成分とその効果について詳しくまとめました。

さらに獣医師の監修のもと、猫にホタテを与える際の適切な量や注意点について詳しく解説し、具体的な与え方や注意すべき点について解説しています。

猫にホタテを与えても大丈夫?

猫にホタテを与える際の注意点1

猫は大切な家族の一員であり、その健康と幸せを維持することは飼い主さんにとって最も重要な責務の1つです。

猫に多様な食事を提供したいと考える飼い主さんも多いでしょう。

人間にとって美味しく栄養価の高い食材であるホタテは、猫にとっても魅力的な香りと味わいを持っています。

しかし猫の食事に人間の食べ物を取り入れる際には、その安全性と適切な与え方を十分に理解しておくことが大切です。

猫は、健全に成長するために肉を食べなければならない真性肉食動物であり、その進化の過程で肉食に特化した特徴を発達させてきました。

獲物を捕らえて肉を引き裂くのに適している鋭い犬歯と切歯を持ち、消化にかかわる臓器系統は、魚や肉を効率的に処理するように適応しています。

一方で人間の食べ物の中には猫にとって有害なものが存在するため、新しい食材を与えるときには慎重な検討が必要です。

この章では、多くの飼い主さんが疑問に思う「猫にホタテを与えても大丈夫なのか」という問いに対して、次の2点の観点から考察しています。

  • ホタテは5つの部位に分けられる
  • 猫が食べても良いのは貝柱のみ

次の項目で、それぞれに関して注意事項などを交えながら、ホタテの5つの部位について詳しく言及し、猫に与えても良い部位「貝柱」について簡潔にまとめました。

ホタテは5つの部位に分けられる

ホタテは栄養価が高く美味しい食材ですが、猫にとって安全な食材ではありません。

一般的に、「貝柱(閉殻筋/へいかくきん)」「貝ひも(外套膜/がいとうまく)」「生殖巣」「えら(鰓)」「ウロ(中腸腺/ちゅうちょうせん)」の5つの部位に分けられますが、猫に与えても問題のない部位は「貝柱」のみです。

貝柱(閉殻筋)は、ホタテの中心部に位置しており、白色で円柱状の形をしています。

人間にとっては最も一般的に食べられる部分で、様々な料理に使用されます。

猫にとっても、他の部位と比べて消化しやすく栄養需要に適していますが、あくまでも補助食品として捉え、主食として与えることは避けましょう。

貝ひも(外套膜)は、貝柱の周りにあるひらひらとした部分のことで、食感がコリコリしており、独特の歯ごたえがあります。

人間にとっては食用として利用可能な部位ですが、猫に与えることは推奨されません。

雌の生殖巣(卵巣に相当する部分)はオレンジ色または赤ピンク色、雄の生殖巣(精巣に相当する部分)は白黄色またはクリーム色です。

人間にとっては食用として利用可能な部位ですが、猫に与えることは推奨されません。

えら(鰓)は、貝柱の横辺りに存在し、茶褐色または茶色の色合いを帯びて、折り重なったようなひだ状の構造が特徴的です。

人間にとっては食用として利用可能な部位ですが、猫に与えることは推奨されません。

ホタテのウロ(中腸腺)は、貝柱の近くにある黒または灰色の内臓のことで、肝臓と膵臓の機能を併せ持ち、解毒作用と消化・吸収作用の両方の機能を担っている器官です。

貝毒と呼ばれる有毒物質が蓄積されやすい部位であるため、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があり、重症の場合は死に至ることもあります。

にがみとえぐみのある成分が含まれており、加熱しても除去することが難しいため、食用には適しません。

猫にとっても有害で、貝毒による中毒症状を起こしたり、消化不良を引き起こしたりする可能性があります。

猫が食べても良いのは貝柱のみ

猫に与えても安全な部位は「貝柱」のみです。

他の部位は消化不良を起こしやすく、アレルギーの原因となる可能性のある物質が含まれているため、食用としては避ける必要があります。

貝柱は、猫にとって必須アミノ酸であるタウリンや、ビタミンB12、鉄分などが豊富に含まれており、栄養価が高い食材です。

ただし生のホタテには、猫にとって有害な菌が含まれている可能性があるので、必ず加熱してから与えましょう。

ホタテに含まれる栄養素

猫にホタテを与える際の注意点2

猫に与えても安心とされているホタテの貝柱には、以下の主要な栄養素が含まれています。

  • たんぱく質
  • タウリン
  • 亜鉛
  • 葉酸
  • ビタミン

これらの栄養素は、ホタテを「焼く」「炒める」「揚げる」などの調理方法で効果的に摂取できます。

ただし、猫に与える際には以下の点に注意が必要です。

生のホタテにはビタミンB1を分解する酵素が含まれ、欠乏症を引き起こす恐れがあるので、必ず火を通してください。

塩分が高い調味料や香辛料は猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、味付けをすることは避けましょう。

ホタテは低カロリーでたんぱく質が豊富ですが、猫の体重を考えて適量を与えることが大切です。

たんぱく質

たんぱく質は、猫の筋肉や臓器を構成するために必要不可欠な栄養素で、健康維持に様々な重要な役割を果たします。

筋肉、臓器、皮膚、被毛など、あらゆる体組織を構成する主要な栄養素で、猫にとって重要なエネルギー源の1つです。

体の成長や維持、免疫力の維持に欠かせない重要な栄養素で、バランスの取れた食事からたんぱく質を十分に摂取することで、体内の様々な構成成分となり、消化や代謝など、生命活動に必要不可欠な機能を調節します。

体内では、炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素がエネルギー源として利用され、通常エネルギー源として優先的に使われるのは、炭水化物や脂質です。

炭水化物や脂質が不足している場合には、やむを得ずたんぱく質もエネルギー源として消費されることがあります。

しかしたんぱく質を過剰にエネルギー源として使うと、筋肉量の低下などの悪影響が出るため、3大栄養素のバランスを適切に保つことが、健康的な体づくりには重要です。

また免疫グロブリンの一種である抗体は、体内に侵入した病原体や異物を認識して、排除する役割を持ちます。

たんぱく質は、その基本構造を構成するための重要な要素であり、抗体産生に不可欠です。

免疫細胞には、T細胞、B細胞、マクロファージなどがあり、それぞれの免疫細胞が互いに連携して、体内の異物や感染を防御する重要な役割を果たしています。

たんぱく質は、これらの免疫細胞の生成や機能発揮に必要です。

体の様々な機能を調節する役割を持つホルモンや、消化や代謝などの化学反応を促進する役割を果たす酵素の生成にも関わっています。

たんぱく質は、猫の免疫システムの重要な構成要素であり、様々な役割を果たすことで、体を守ります。

良質なたんぱく質を十分に摂取することは、猫の免疫機能を維持し、感染症や病原体から身を守るために重要です。

タウリン

猫にとって、必須アミノ酸の中でも特に重要なのがタウリンで、不足すると猫の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、必須栄養素をバランスよく摂取できるキャットフードを選ぶことが重要です。

必須アミノ酸は、猫の体内で合成することが不可能なため、食事から摂取する必要があります。

タウリンは、厳密に言うとアミノ酸ではなく「含硫アミノ酸様化合物」とされていますが、猫の体内では他の動物と比べてタウリンを合成する酵素が少ないため、食事からの摂取が不可欠です。

タウリンは、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫機能の調節などに関与していることが明らかになっており、猫の体内で様々な重要な役割を果たしています。

タウリンが不足すると、網膜変性や失明などの症状が現れることがあります。

網膜の光受容細胞の構成要素であり、視力の維持に不可欠です。

タウリンが不足すると、拡張型心筋症などの心臓病を引き起こす可能性があります。

心筋細胞の膜を安定させ、心臓の収縮機能を維持するのに不可欠です。

胆汁の生成を促進し、脂肪の消化吸収を助ける役割を果たすことも知られています。

肝臓細胞の膜を安定させ、肝機能を維持する役割として不可欠です。

また、脳の成長や発達にも関与していると考えられており、神経細胞の膜を安定させて、神経伝達物質の働きを助ける役割を果たします。

タウリンは、猫にとって必須の栄養素であり、健康維持に様々な重要な役割を果たします。

タウリンが不足すると、網膜変性症により失明したり、生殖機能に障害が出たり、免疫機能が低下したり、深刻な健康トラブルを引き起こす可能性があるため、猫に十分なタウリンを摂取させることが重要です。

亜鉛

亜鉛は、猫にとって必須ミネラルであり、健康維持に様々な重要な役割を果たします。

必須ミネラルは、猫の体内で合成することが不可能なため、食事から摂取する必要がある栄養素です。

亜鉛は、皮膚細胞の成長や再生を促進し、皮膚のバリア機能を維持する役割を果たします。

亜鉛が不足すると、皮膚炎、脱毛、フケなどの症状が現れることがあるため、被毛の健康を維持するためにも必要不可欠です。

コラーゲンの生成を促進して傷の治癒を促進する役割を果たすことで、免疫機能を強化して、感染症に対する抵抗力も高めます。

亜鉛は、骨の形成に関与する酵素の構成成分となり、酵素の働きを助けることで、骨の成長を促進します。

細胞分裂を正常に行い、発育や新陳代謝を助けることで、骨の成長と発達に寄与し、骨密度を維持するために必要不可欠なミネラルです。

味覚を感じる細胞や、肝臓、腎臓、インスリンを作る膵臓、精子を作っている睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官でも必須のミネラルで、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分でもあります。

亜鉛が不足すると免疫力が低下し、感染症に弱くなるなど様々な健康トラブルを引き起こす可能性があるため、猫に十分な亜鉛を摂取させることが重要です。

葉酸

葉酸は、ビタミンB群の一種であり、猫にとって様々な重要な役割を果たします。

血球の生成に不可欠なビタミンです。

葉酸が不足すると、貧血などの症状が現れることがあります。

DNAの合成に必要不可欠なビタミンです。

DNAは、細胞の遺伝情報を保存する物質であり、葉酸が不足すると、細胞の成長や分裂が阻害される可能性があります。

妊娠中の猫は、十分な葉酸を摂取する必要があり、胎児の神経管閉鎖不全などの先天性障害を防ぐために重要です。

葉酸は、猫の体内で合成することが不可能なため、食事から摂取する必要があります。

葉酸は、猫にとって重要なビタミンであり、様々な健康維持に役立ちます。

葉酸が不足すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、猫に十分な葉酸を摂取させることが重要です。

ビタミン

ホタテには、ビタミンB群(ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6など)、ビタミンC、ビタミンEが含まれています。

ビタミンB12は、赤血球の形成、神経細胞の維持、DNA合成などに不可欠です。

ナイアシンは、エネルギー代謝、皮膚や粘膜の健康維持、ホルモンの産生などに役立ちます。

パントテン酸は、エネルギー代謝、脂質代謝、ホルモン産生などに不可欠です。

ビタミンB6は、アミノ酸の代謝、神経伝達物質の生成、赤血球の形成などに役立ちます。

ビタミンCは、免疫機能の強化、抗酸化作用、コラーゲンの生成などに不可欠です。

ビタミンEは、抗酸化作用、細胞膜の保護、免疫機能の強化などに不可欠です。

ホタテは、良質なたんぱく質やミネラルだけでなく、ビタミンも豊富に含まれているため、猫にとって栄養価の高い食材です。

ホタテに含まれるビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEは、猫の健康維持に不可欠な役割を果たします。

猫に与えて良いホタテの量は?

猫にホタテを与える際の注意点3

初めてホタテを与える場合は、様子を見ながらティースプーン1杯程度の少量から始めて、24時間ほど様子を見て問題がなければ少しずつ量を増やしていきましょう。

アレルギー反応がないか注意深く観察し、「嘔吐」「下痢」「皮膚の痒み」「呼吸困難」などの症状が現れたら、すぐにホタテを与えることをやめて、獣医師に相談しましょう。

何度もホタテを与えたことがあり、猫がアレルギー反応を示していない場合は、取り立てて少量であることを厳守しなくても大丈夫ですが、毎回与える際は反応がないかチェックしましょう。

1日の最適カロリー量の10%以内

猫に与えて良いホタテの量は、個体差によって適切な量は異なりますが、あくまでも目安としては、1日の最適カロリー量の10%以内が推奨されています。

猫の1日の最適カロリー量は、RERを基に求めることが可能です。

RERとは、「Resting Energy Requirement」の略で、正常な動物が常温環境で安静にしているときの1日に必要なエネルギー要求量のことを指します。

RERは、体重、年齢、性別、活動レベルなどの要素を考慮せずに算出される基礎代謝量とほぼ同じ意味で使われます。

簡易的な推定値は、以下の計算式で求めることが可能です。

RER = 体重 × 30 + 70

例えば、体重5kgの猫のRER (安静時のエネルギー要求量)は、220kcalであると推定できます。

RER = 5 × 30 + 70 = 220 kcal

ホタテ貝柱1個あたり30gのカロリーは、ホタテの貝柱の大きさや種類などによって異なりますが、一般的には20kcal〜25kcal程度です。

体重5kgの猫に対して、1日に与えて良いホタテの量は、1個〜1個半程度が目安となります。

猫の食事としてホタテの貝柱を与えるときは、まずは少量から始めて、様子を見ながら量を増やしていきましょう。

猫の体重や活動レベル、健康状態などを考慮して、獣医師に相談しながら適切な量を与えることを推奨します。

猫にホタテを与える時の注意点

猫にホタテを与える際の注意点4

猫にホタテを与える場合、以下の点に注意する必要があります。

  • 必ず加熱してから与える
  • 生のホタテにはチアミナーゼが含まれる
  • ビタミンB1欠乏症を発症する可能性
  • 味付けはせずに、そのまま茹でる
  • エラやウロには毒性がたまりやすいのでしっかり取り除く
  • ホタテの干物は塩分が高いため与えない

これらの注意点を守ることで、ホタテを猫に与える際の安全性が大幅に向上します。

ただし個体差もあるので、猫の健康状態や食物アレルギーの有無によっては、ホタテが適さない場合もあります。

ホタテを与えるときは、少量から始めるようにして、猫の反応を注意深く観察することが大切です。

猫にホタテを与えた後は、異変が生じていないか様子をよく観察し、何らかの不調が見られた場合には、すぐに獣医師に相談してください。

またホタテはあくまでおやつとして与え、主食としては栄養バランスの取れた総合栄養食のキャットフードを与えましょう。

必ず加熱してから与える

生のホタテにはチアミナーゼという酵素が含まれており、これがビタミンB1を分解してしまう可能性があります。

猫はビタミンB1が不足すると、チアミン欠乏症を発症する可能性があり、症状としては、食欲不振、嘔吐、下痢、神経症状などが現れるでしょう。

チアミナーゼは熱に対して非常に敏感な性質を持っているため、十分な加熱により酵素の立体構造が崩壊し、その機能を失わせることで無害化できます。

猫にホタテを与える場合は、ビタミンB1欠乏症を防ぐために、必ず加熱してから与えましょう。

生のホタテにはチアミナーゼが含まれる

チアミナーゼは、ビタミンB1(チアミン)を分解する酵素です。

この酵素は、ホタテだけでなく、エビやカニなどの甲殻類、イワシやアジなどの青魚、サザエやアワビなどの貝類、タコやイカなどの軟体動物にも含まれています。

ビタミンB1を分解する性質があるため、その影響によって体内のビタミンB1が不足する可能性があるので、与え方には注意が必要です。

ビタミンB1が欠乏症すると、「食欲低下」「よだれ」「ふらつき」「痙攣」「眼振」など様々な健康トラブルを引き起こす可能性があります。

これらの問題を防ぐために、ホタテを猫に与えるときは、必ず加熱調理することが重要です。

加熱することによって、チアミナーゼの働きを無効化することで、安全に摂取できるようになります。

ビタミンB1欠乏症を発症する可能性

生のホタテを猫に与えた場合、ビタミンB1欠乏症を発症する可能性があるので注意が必要です。

生のホタテにはチアミナーゼという酵素が含まれており、この酵素にはビタミンB1(チアミン)を分解する作用があります。

ビタミンB1は猫の体内で合成できないので、食事から摂取する必要がある重要な栄養素です。

生のホタテを与えることで、ビタミンB1欠乏症のリスクが高まり、これは猫の健康に深刻な影響を与える可能性があります。

ホタテを猫に与える場合は、必ず加熱した貝柱のみを与えるようにして、ビタミンB1が不足する問題を解決しましょう。

味付けはせずにそのまま茹でる

猫にホタテを与えるときは、味付けはせずに、そのまま茹でるのが正解です。

猫の体は人間と異なり、猫にとって有害な可能性のある調味料や香辛料に敏感なため、味付けをしないことで、不必要な塩分や添加物の摂取を避けましょう。

シンプルに茹でるだけの調理法は、調味料や油を使用しないことにより内臓に余計な負担をかけず、塩分や脂肪分の過剰摂取を防げます。

茹でることによりホタテの肉質が柔らかくなるので、内臓への負担が軽減されるだけでなく、加熱によりタンパク質が変性することで、消化酵素の作用を受けやすくなるでしょう。

加熱処理することにより、一部の細菌や寄生虫のリスクが軽減され、また生のホタテに含まれるチアミナーゼなどの有害酵素を不活性化して、無害化することが可能になります。

ホタテには猫にとって有益な栄養素が含まれており、味付けをせずに茹でることで、ホタテ本来の栄養価が大きく損なわれません。

味付けせずに茹でることで、ホタテ本来の良質なタンパク質や必須アミノ酸を効率的に摂取でき、これらの栄養素を最大限に保つことにより、猫にとって比較的安全で栄養価の高い食材となります。

エラやウロには毒性がたまりやすいのでしっかり取り除く

ホタテを猫に与える場合は、貝毒が含まれるリスクがあるエラやウロを必ず取り除きましょう。

これらの有害物質を猫が摂取した場合、健康被害を引き起こす可能性があり、その中毒の症状は、軽度の消化不良から重度の神経症状まで様々です。

またエラやウロは猫にとって消化が難しく、「嘔吐」「下痢」「腹痛」「消化不良」など、健康上のリスクがあります。

猫に与えても良い安全な部位は、ホタテの貝柱だけです。

鮮度の落ちた貝柱は、食中毒の原因となる可能性があるため、必ず新鮮な貝柱を用意しましょう。

また生で与えると、寄生虫による食中毒のリスクがあるので、必ず十分に加熱調理してから与えてください。

ホタテの干物は塩分が高いため与えない

ホタテの干物は、調味料が加えられているため、塩分濃度が非常に高い食材です。

塩分過多により猫の腎臓や心臓に負担をかけ、様々な健康トラブルを引き起こす可能性があります。

ホタテ自体は、猫にとって有益な栄養素を含んでいますが、干物や加工品は避け、適切に調理された新鮮なホタテを適量与えることが大切です。

猫は他の貝も食べられる?

猫にホタテを与える際の注意点5

ホタテ以外にも食べられる貝類はありますが、与える際は注意が必要です。

ホタテは、加熱したものであれば、少量であれば問題ありません。

ただし、塩分が高いため、与えすぎには注意が必要です。

アサリは、加熱したものであれば、少量であれば問題ありません。

ハマグリは、加熱したものであれば、少量であれば問題ありません。

ただし、与えすぎると消化不良を起こす可能性があるので注意が必要です。

カキは、基本的に与えることは推奨されていません。

生食用の場合であっても、ノロウィルスなどの食中毒の原因となる菌が含まれている可能性があるため注意が必要です。

またアレルギーを引き起こす可能性のあるアレルゲンが含まれているため、猫によっては、「痒み」「発疹」「腫れ」などのアレルギー症状が現れることがあります。

クロアワビ、エゾアワビ、メガイ、トコブシ、トリガイ、サザエなどの貝類には、光過敏症を引き起こすピロフェオホルバイドaという成分が含まれています。

光過敏症になると、皮膚に炎症や痒みの症状が現れ、場合によっては壊死を起こす可能性があるので、これらの貝類は絶対に与えてはなりません。

猫はもともと貝の消化が得意ではない

猫は噛む力が弱く、貝を十分に噛み砕かずに丸呑みしてしまうことがあります。

猫はもともと貝類の消化が得意ではありません。

貝の硬い組織をうまく消化できず、下痢や嘔吐などの症状が現れる可能性があります。

猫の健康を第一に考えて、ホタテを消化する能力の限界を考慮し、適切な調理と量の管理が必要です。

ホタテを与える際は、エラやウロなどの部位は取り除き、貝柱のみを与えてください。

必ず十分に加熱して柔らかくし、初めて与えるときは少量から始め、猫の反応を慎重に観察することが大切です。

主食は栄養バランスの取れた総合栄養食のキャットフードを与え、ホタテはおやつ程度に抑えましょう。

毒性のある成分が含まれる貝もあるため注意

毒性のある貝類、例えばクロアワビ、エゾアワビ、メガイ、トコブシ、トリガイ、サザエなどに注意しましょう。

これらの貝には、光過敏症を引き起こす可能性があるピロフェオホルバイドaという成分が含まれています。

光過敏症になると、皮膚に炎症や痒みが出たり、場合によっては壊死を起こしたりする可能性があり危険です。

症状は、猫が日光に当たった数時間後に現れ、数日から数週間続きます。

猫がこれらの貝類を食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。

まとめ

当記事では、獣医師の監修のもと、猫にホタテを与えることの安全性と適切な与え方について詳しく考察しています。

結論として、ホタテは適切な量と調理法を守れば、猫にとって安全で、かつ栄養価が高いおやつとなり得ることが分かりました。

ただし猫の健康状態や食事制限によっては適さない場合もあるため、与える前に必ずかかりつけの獣医師に相談することをお勧めします。

猫の食生活の多様性を広げつつ、安全性を確保することは、飼い主の重要な責務です。

当記事を通して、猫にホタテを与える際の正しい知識を理解し、猫の健康的な食生活の一助として、ぜひお役立てください。

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