豆知識

【獣医師監修】猫の指の数は何本?指の数が多い猫や肉球についても詳しく解説

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はじめに

猫の足には可愛らしい肉球がありますが、日常生活においては足の指も非常に重要です。

猫の指について知っている方は少ないと思いますが、指の数は人間と同じではありません。また、指の数が多い猫もおり非常に興味深いのです。

今回は、猫の指について詳しく紹介します。

指の数が多い猫や肉球についても詳しく解説するので、猫の足についての理解を深めましょう。

猫の指と肉球の数はどれくらい?

猫の指は、前足に5本、後ろ足に4本あります。そして、それぞれの足に肉球がついており、猫が歩いたり、ジャンプしたりする際のクッションの役割を果たしているのです。

猫の前足には、掌球(しょうきゅう)や指球(しきゅう)、手根球(しゅこんきゅう)と呼ばれる肉球があります。

一方、後ろ足には足底球(そくていきゅう)と趾球(しきゅう)と呼ばれる肉球があり、猫の後ろ足のバランスと動きをサポートしているのです。

猫の肉球は感覚が非常に敏感であり、熱や冷たさ、痛みを感じることができます。そのため、猫は肉球を通じて環境を感じ取り、危険を避けることが可能です。

猫の指と肉球の構造について理解することは、猫の健康管理や行動理解に役立ちます。

猫の指の数

次に、猫の指について詳しく紹介します。前足と後ろ足にわけて紹介するので、詳しく見ていきましょう。

猫の指は基本的に全部で18本

猫の指の数は基本的に全部で18本であり、前足に各5本、後ろ足に各4本の指を持っています。

猫の18本の指は、猫の運動能力にとって非常に重要です。猫が素早く走ったり、高い場所から飛び降りたりする際には、指の数と配置が重要な役割を果たしています。

特に、指の配置とその間の距離は、猫が俊敏に動くために必要です。また、各指には肉球がついており、肉球はクッションの役割を果たしています。

肉球は柔らかく衝撃を吸収するため、猫が静かに歩いたり、高所から飛び降りた際の衝撃を和らげたりすることが可能です。

そのため、猫は静かに獲物に近づくことができ、狩りの成功率を高められます。

さらに、指には鋭い爪があり、引っ込めることが可能です。爪は猫が木に登ったり、獲物を捕まえたりする際に便利です。

前足の指は左右5本ずつ

猫の前足には左右それぞれ5本の指があり、合計で10本の指を持っています。

前足の指は、猫が獲物を捕らえるために重要であり、各指にある鋭い爪は狩猟時に非常に便利です。

前足の指には、それぞれに肉球がついており、肉球は猫が静かに歩いたり、高所から飛び降りた際の衝撃を吸収したりする役割を果たしています。

特に、前足の指球(しきゅう)と掌球(しょうきゅう)は、猫が歩行時に地面に接触する部分であり、猫がバランスを取るのに重要です。

また、前足の内側には狼爪(ろうそう)があり、獲物を捕らえる際に使用されます。

後ろ足の指は左右4本ずつ

猫の後ろ足には左右それぞれ4本の指があり、合計で8本の指を持っています。後ろ足の指の数と配置は、猫の走行能力やバランス感覚にとって重要です。

後ろ足の指は、猫が高い場所から飛び降りたり、急な方向転換をしたりする際に重要な役割を果たしています。

後ろ足の指には、足底球(そくていきゅう)と趾球(しきゅう)という肉球がついており、猫が歩行時に地面に接触する部分です。

足底球は大きな中央の肉球で、猫が体重を支えるのに役立ちます。趾球は各指の先端に位置し、猫が走ったり、ジャンプしたりする際のグリップ力を向上させます。

そのため、猫は滑らずに安定した動きを保つことが可能です。後ろ足の指は、猫が加速したり、急停止したりする際に重要な役割を果たしています。

指の数が多い猫がいる?

一般的に、猫の指は全部で18本ですが、猫によっては指の数が多い猫も存在します。指の数が多い猫の特徴について詳しく見ていきましょう。

指の数が多い猫は多指猫といわれる

多指猫とは、通常の18本の指に加えて、追加の指を持つ猫です。指の数が多い状態は多指症と呼ばれ、遺伝的な変異によって引き起こされます。

漁師たちは、多指猫を船に乗せると幸運がもたらされると信じており、多指猫は船乗り猫として非常に人気でした。

また、多指猫の追加の指は、物をつかんだり、木に登ったりする際に非常に便利です。

特に、前足の指が多い場合、猫は物を握る能力が向上し、狩りの成功率も高まると言われています。

前足の指だけ左右6本ずつの猫が多い

多指猫は、前足の指が左右6本ずつになるケースが最も一般的です。多くの場合は、前足の5本の指に加えて、内側にもう1本の指が増えています。

増えた指は、通常の親指の位置にあり、地面に触れることは少ないですが、猫の生活において非常に重要です。

追加の指は、猫が物をつかんだり、木に登ったりする際のグリップ力を向上できます。前足の指が左右6本ずつの多指猫は、特に北アメリカやカナダで見られる場合が多いです。

また、多指猫は指の多さから、他の猫よりも器用であるとされています。

例えば、前足に追加の指があると、猫はおもちゃで遊んだり、ドアを開けたりする際に他の猫よりも巧妙に動くことが可能です。

後ろ足だけや全部の指が多い猫は珍しい

後ろ足だけや、全ての足の指が多い猫はあまりいません。多指猫の多くは前足の指が多い場合がほとんどで、後ろ足や全ての足に追加の指がある猫は珍しいです。

後ろ足に追加の指がある猫は、通常よりも安定したバランスを保つことができ、高所からのジャンプや急な方向転換の際に役立ちます。

追加の指は、地面にしっかりとグリップするため、猫が滑らずに安定した動きを保つのに効果的です。

特に、狩りをする際には、後ろ足の指が多い猫は、より強力な蹴りを繰り出すことができ、獲物を捕らえる成功率が高まります。

しかし、後ろ足だけや全ての足の指が多い猫は、遺伝的な要因が複雑であるため、繁殖においても特別な注意が必要です。

多指猫は他の猫より手先が器用といわれている

多指猫は、追加の指によって他の猫よりも手先が器用であるとされています。

特に前足に追加の指がある場合、猫は物をつかむ能力や狩りの際の巧みさが顕著です。

そのため、多指猫はおもちゃで遊んだり、ドアを開けたりする際に他の猫よりも器用に動けます。

多指猫の追加の指は、特に前足の場合、通常の親指の位置に現れる場合が多いです。

追加の指は、地面に触れることは少ないですが、猫が物をつかんだり、獲物を捕らえたりする際に非常に役立ちます。

また、追加の指は、猫が木に登ったり、高所から飛び降りたりする際のバランスを取るのにも効果的です。多指猫は、遺伝的な特徴から特別なケアが必要な場合もあります。

ヘミングウェイ・キャットは多指猫のこと

ヘミングウェイ・キャットとは多指猫の一種で、アメリカの著名な作家アーネスト・ヘミングウェイの邸宅で飼われていた猫たちを指します。

ヘミングウェイは自身の邸宅で船乗りから譲り受けた多くの多指猫を飼っていました。ヘミングウェイは多指猫のユニークな外見と器用さに魅了され、可愛がっていたのです。

現在、邸宅の場所はヘミングウェイ博物館になっていて、子孫である多指猫が多く住んでおり、観光名所となっています。

観光客は、ヘミングウェイの邸宅を訪れる際に、多指猫たちとのふれあいを楽しむことが可能です。

そのため、ヘミングウェイの家は「ヘミングウェイ・キャット」として知られるようになりました。

ギネス記録は指の数が合計28本の猫

指の数が多い猫は稀に見られますが、指の数のギネス記録はなんと28本の猫です。この猫の記録について詳しく見ていきましょう。

カナダのジェイクという猫

カナダのジェイクという猫は、ギネス世界記録に認定された特別な猫として広く知られています。

ジェイクは、すべての足に追加の指を持つ多指猫であり、指の数の多さから世界中で注目を集めました。

ジェイクはカナダのオンタリオ州ボンフィールドに住むオレンジタビーの猫です。

ジェイクの記録は、猫の多指症の中でも特に珍しいケースであるため、多くのメディアで取り上げられました。

全部の足の指が7本ずつで合計28本の指があった

ジェイクは、すべての足に7本ずつの指を持つ特異な猫であり、合計28本の指はギネス世界記録に認定されました。通常の猫の18本の指と比べて、28本は圧倒的に多い数です。

ジェイクの指の数の多さは、遺伝的な突然変異によるものであり、遺伝的特徴がどのように発現するかは、依然として研究の対象となっています。

ジェイクの前足と後ろ足の指の数が均等に7本ずつであることは、非常に珍しいケースです。

多指症の猫の中には、前足のみ、または後ろ足のみで追加の指が見られる場合が多いですが、すべての足で均等に指が多い猫はほとんどいません。

他にも、アメリカの多指症の猫であるポーズが、28本も指を持つ猫としてギネス世界記録で認められています。

猫の肉球の種類と名前は?

次に、猫の肉球の種類と名前を紹介します。猫の前足にある肉球と後ろ足にある肉球を分けて紹介するので、肉球の違いを理解しましょう。

猫の前足にある肉球

まず、猫の前足にある肉球を紹介します。

  • 掌球(しょうきゅう)
  • 指球(しきゅう)
  • 手根球(しゅこんきゅう)

それぞれの肉球が位置する場所や役割について、詳しく見ていきましょう。

掌球(しょうきゅう)

はじめに、猫の前足にある肉球は掌球(しょうきゅう)です。掌球は、猫の足の中央部分に位置し、地面に接触する主要な部分となっています。

掌球は、猫が歩く際に体重を支え、バランスを取るために非常に重要です。掌球は柔らかく弾力があり、猫が滑らずにスムーズに移動できるようになっています。

掌球の表面は滑らかで、細かい凹凸があり、摩擦を生み出すため、猫が滑りやすい表面でもしっかりと歩くことが可能です。

また、掌球は衝撃を吸収するクッションの役割も果たし、猫が高い場所から飛び降りた際にも衝撃を和らげる効果があります。

そのため、猫は非常に高い跳躍力を持ちながらも、怪我をすることなく着地することが可能です。

指球(しきゅう)

次に、猫の前足にある肉球は指球(しきゅう)です。指球は、猫の前足にある小さな肉球で、各指の先端部分に位置しています。

そのため、猫の前足には5本の指があり、それぞれに対応する5つの指球があるのです。

指球は、猫が歩く際に重要な役割を果たしており、特に猫が物をつかんだり、獲物を捕らえたりする際に非常に役立ちます。

指球の主な機能は、地面との接触面を増やし、グリップ力を高めることです。指球により、猫は滑りやすい表面でも安定して歩くことができ、迅速に方向転換する際にも役立ちます。

また、指球は掌球と同様に衝撃を吸収する役割も持っており、高い場所から飛び降りる際の衝撃の緩和が可能です。

そのため、猫は高いジャンプをしたり、急な着地をしたりできます。

なお前足の最も内側にある爪を狼爪(ろうそう)と呼びます。

手根球(しゅこんきゅう)

最後に、猫の前足にある肉球は手根球(しゅこんきゅう)です。手根球は、猫の前足の内側に位置する小さな肉球で、狼爪のすぐ下にあります。

手根球は、通常の歩行時には地面に触れることはありませんが、特定の状況下では非常に重要です。

手根球は、猫が急な方向転換をする際や、ジャンプから着地する際に機能しています。手根球は、猫が滑りやすい表面を歩く際に特に便利です。

例えば、滑りやすい床やつるつるした表面で歩くとき、手根球が地面に接触すると、猫の足が滑るのを防ぎます。

猫は手根球で安定した歩行を維持し、転倒するリスクの軽減が可能です。

また、手根球はジャンプからの着地時に衝撃を吸収し、猫の足にかかる負担を軽減する役割も果たしています。

猫の後ろ足にある肉球

次に、猫の後ろ足にある肉球を紹介します。

  • 足底球(そくていきゅう)
  • 趾球(しきゅう)

後ろ足の肉球もそれぞれ役割が異なるので、詳しく見ていきましょう。

足底球(そくていきゅう)

はじめに、猫の後ろ足にある肉球は足底球(そくていきゅう)です。足底球は、猫の後ろ足に位置する大きな肉球で、前足の掌球と同様に重要な役割を果たしています。

足底球は、猫が歩く際に体重を支え、バランスを保つために不可欠な部分です。足底球は柔らかく弾力があり、猫が滑らずにスムーズに移動できるように設計されています。

足底球の主な機能は、地面との接触面を増やし、グリップ力を高めることです。

足底球により、猫は滑りやすい表面でも安定して歩くことができ、迅速に方向転換する際にも役立ちます。

また、足底球は衝撃を吸収するクッションの役割も果たし、猫が高い場所から飛び降りた際にも衝撃を和らげることが可能です。

趾球(しきゅう)

次に、猫の後ろ足にある肉球は趾球(しきゅう)です。趾球は、猫の後ろ足にある小さな肉球で、各指の先端部分に位置しています。

そのため、猫の後ろ足には4本の指があり、それぞれに対応する4つの趾球があるのです。

趾球は猫が歩く際に重要な役割を果たしており、特に猫が物をつかんだり、獲物を捕らえたりする際に非常に役立ちます。

趾球の主な機能も、地面との接触面を増やし、グリップ力を高めることです。趾球により、猫は滑りやすい表面でも安定して歩くことができ、迅速に方向転換する際にも役立ちます。

また、趾球は足底球と同様に衝撃を吸収する役割も持っており、高い場所から飛び降りる際の衝撃の緩和が可能です。

まとめ

今回は、猫の指の数について紹介しました。

猫は前足が5本、後ろ足が4本の合計18本の場合が多いですが、猫によっては指の数が多い場合があります。

具体的には、前足の指だけ左右6本ずつの猫が多く、ギネスで認定されている猫の指の数の最大は28本です。

猫には指に応じて前足と後ろ足に肉球があり、物を掴んだり安定して歩いたりするために役立ちます。猫の肉球と指の役割を理解して、ぜひ日常生活に活かしてください。

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