【獣医師監修】猫はローズマリーを食べても大丈夫?与え方や精油の危険性について解説

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はじめに

ハーブ系の香りがするローズマリーは猫にとって問題ないか気になる方もいると思います。

ローズマリーには、猫に良い成分が含まれていて与えるのは問題ありません。ただ、アロマオイルを使用したり与えすぎたりするのには注意が必要です。

今回は、猫へのローズマリーの与え方を紹介します。

与え方や精油の危険性について解説するので、ローズマリーを与えるか検討している方はぜひチェックしてください。

猫はローズマリーを食べても大丈夫?

猫はローズマリーを食べても大丈夫と言われています。ローズマリーの特徴や食べても大丈夫な理由を詳しく見ていきましょう。

猫にとって毒になる成分は含まれていない

ローズマリーは一般的に猫にとって毒になる成分は含まれていません。そのため、少量であれば猫が摂取しても問題ないとされています。

ただし、ローズマリーを与える際は新鮮なものであること、無農薬で育てられたものであることを確認するのが重要です。

市販のハーブや調味料には、保存料や防腐剤、その他の添加物が含まれている場合があります。

また、ローズマリーは猫の消化器系に負担をかける可能性があるため、初めて与える際には少量から始めることがおすすめです。

猫に良い効果を与えてくれる成分が含まれている

ローズマリーには、猫に良い効果をもたらす成分が含まれています。例えば、ローズマリーには抗酸化作用のある成分が豊富に含まれており、猫の健康をサポートできるのです。

さらに、ローズマリーには抗菌作用や抗炎症作用もあります。そのため、猫の体内で炎症が発生した場合に炎症を抑える手助けをすることが可能です。

また、ローズマリーの成分は猫の皮膚の健康を維持し、皮膚炎やかゆみを軽減するのに役立ちます。

さらに、ローズマリーに含まれる成分の中には、猫の消化を助けるものもあり、猫が消化不良を起こすリスクを減少させ、腸内環境を整えることが可能です。

キャットフードの酸化防止剤として使われることもある

ローズマリーは、自然な抗酸化作用と抗菌作用があるため、キャットフードの酸化防止剤として使われることもあります。

多くの市販キャットフードには、品質を維持するために人工の防腐剤が使用されていますが、ローズマリーは天然の酸化防止剤として人気です。

ローズマリーの抗酸化作用は、キャットフード内の油脂が酸化するのを防ぐ働きがあります。油脂が酸化すると、フードの品質が低下し風味が悪くなる可能性が高いです。

しかし、ローズマリーを加えると、キャットフードの酸化を防ぎ、鮮度を保つことができます。また、抗菌作用により、キャットフード内で細菌やカビの繁殖の抑制が可能です。

猫に良いローズマリーの栄養成分

ローズマリーは猫に良い下記の栄養成分が含まれています。

  • ロスマリン酸
  • ビタミンE

それぞれ詳しく紹介するので、愛猫に必要な栄養成分の場合は、与えることを検討してみてください。

ロスマリン酸

まず、猫に良いローズマリーの栄養成分はロスマリン酸です。ロスマリン酸の特徴や効果について詳しく見ていきましょう。

ポリフェノールの一種で抗酸化作用がある

ロスマリン酸は、ローズマリーに含まれる主要な成分の1つであり、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。

抗酸化作用とは、体内で生成されるフリーラジカルを中和し、細胞や組織の酸化ダメージを防ぐ働きを指します。

フリーラジカルは正常な細胞機能を妨げ、老化や病気の原因になりますが、抗酸化物質は有害な分子を無害化できるのです。

また、ロスマリン酸は抗酸化作用により、猫の細胞を酸化ストレスから守ることができ、細胞の劣化の抑制が期待できます。

特に、老化に伴う疾患や慢性疾患のリスクを低減するためには、抗酸化物質の摂取が大切です。さらに、ロスマリン酸は炎症を抑える作用も持っています。

アレルギー症状を抑える作用もある

ロスマリン酸は、抗酸化作用だけでなく、アレルギー症状を抑える作用も期待できます。アレルギーは、体の免疫システムが特定の物質に対して過剰反応を示す状態です。

猫のアレルギー症状は、皮膚のかゆみや発疹、くしゃみ、目のかゆみ、消化不良など多岐にわたります。

ロスマリン酸は、アレルギー反応の一部を抑制することが可能です。具体的には、炎症を引き起こす物質の生成を抑え、アレルギー反応を軽減する効果が期待されています。

また、ロスマリン酸は免疫系の過剰反応を緩和し、免疫バランスを整えることも可能です。そのため、アレルギー症状の過剰な免疫反応を抑え、猫の体を落ち着かせられます。

ビタミンE

次に、猫に良いローズマリーの栄養成分はビタミンEです。ビタミンEの特徴や効果について詳しく見ていきましょう。

抗酸化作用がある

ビタミンEも、強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンであり、猫の健康において非常に重要な役割を果たします。

ビタミンEの抗酸化作用により、猫の細胞膜が保護され、細胞の劣化を防ぐことが可能です。

細胞膜は細胞を外部の環境から守る重要なバリアであり、損傷を受けると細胞の機能が低下し、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

ビタミンEは、特に細胞膜の脂質部分に対して効果的に働き、酸化ストレスから細胞を守るのです。

また、ビタミンEは免疫システムの健康維持にも関係しています。そのため、ローズマリーを摂取すると猫の免疫力が強化され、感染症や病気への抵抗力の向上が可能です。

活性酸素や過酸化物に対抗する働きがある

ビタミンEは、活性酸素や過酸化物に対抗する働きがあるため、猫の健康にとって非常に重要な栄養素です。

活性酸素や過酸化物は、体内で自然に生成される有害な分子であり、細胞や組織にダメージを与える恐れがあります。

有害分子は、酸化ストレスを引き起こし、老化や病気の原因となる場合が多いです。ビタミンEは、酸化ストレスを軽減するために不可欠な役割を果たします。

具体的には、ビタミンEは脂質の酸化を防ぐのに効果的です。細胞膜の脂質が酸化すると細胞膜が損傷を受け、細胞の機能が低下する可能性があります。

ビタミンEは、脂質の酸化を止めて細胞膜を保護するので、細胞の健康を維持できるのです。

ローズマリーの与え方は?

次に、ローズマリーの与え方を紹介します。

  • ごはんのトッピングとして少量かける
  • 細かく刻むかドライタイプのものを使う
  • 与えすぎないように注意

それぞれ詳しく紹介するので、誤った与え方をしないように注意しましょう。

ごはんのトッピングとして少量かける

まず、猫にローズマリーを与える際はごはんのトッピングとして少量かけましょう。猫の体は非常に繊細であり、過剰な摂取は消化不良や健康問題を引き起こす可能性があります。

例えば、乾燥ローズマリーの場合、1日につき小さじ1/4程度を目安にすると良いでしょう。新鮮なローズマリーの場合は、ほんの数枚の葉を刻んで使用する程度で十分です。

また、ローズマリーをトッピングする頻度にも注意してください。毎日の食事にローズマリーを使用することは避け、週に1〜2回程度にとどめると良いでしょう。

頻度や適量を守ると、猫の消化器官に過度な負担をかけず、健康を維持できます。猫の健康状態や食事の反応を観察しながら、適切な量と頻度を調整していくことが大切です。

細かく刻むかドライタイプのものを使う

次に、猫にローズマリーを与える際は、細かく刻むかドライタイプのものを使いましょう。

ローズマリーの葉や茎は硬く、鋭い部分もあるため、そのままの形で与えると猫の消化器官を傷つける可能性があります。

細かく刻んだり、ドライタイプのものを使ったりすると、猫が安全に摂取できるようになるのです。

まず、新鮮なローズマリーを使用する場合は、しっかりと洗浄し、細かく刻みましょう。細かく刻むと、猫が食べやすくなり、消化もしやすくなります。

また、香りや風味が均一に広がるため、食事のトッピングとしても効果的です。

ドライタイプのローズマリーは保存性が高く、長期間使用できます。ドライローズマリーは細かく砕いてから使用しましょう。

与え過ぎないように注意

最後に、ローズマリーを猫に与える際には、与え過ぎないように注意しましょう。ローズマリーは健康効果が期待できますが、過剰な摂取は逆効果になる可能性があります。

ローズマリーの過剰摂取は消化器官への負担がかかる可能性が高いです。

そのため、初めてローズマリーを与える場合は、少量から始めて猫の反応を観察しましょう。

ローズマリーのアロマオイルは危険!

ドライタイプや新鮮なローズマリーを与えるのは問題ないですが、ローズマリーのアロマオイルは危険なので、猫がいる場合は避けるべきです。

ローズマリーのアロマオイルが危険な理由を詳しく見ていきましょう。

ローズマリーの精油には有害な成分が含まれる

ローズマリーの精油は、香りが強く、リラクゼーションやアロマセラピーに利用されるケースが多いですが、猫にとっては危険な成分を含んでいます。

具体的には、ローズマリーにはケトン類という成分が含まれており、猫に対して有害です。ケトン類は、嘔吐や下痢、 神経障害、昏睡の症状を引き起こす可能性があります。

また、ローズマリー精油は強い香りから、猫の呼吸器系にも悪影響を与えやすいです。猫は非常に鋭い嗅覚を持っており、強い香りに対して敏感に反応します。

そのため、ローズマリーの精油の香りが猫の鼻や喉に刺激を与え、呼吸困難やくしゃみ、鼻水などの症状を引き起こす恐れがあるのです。

ローズマリー以外にも有害な精油が多い

ローズマリー以外にも多くの精油は猫にとって有害であることが知られています。

そのため、アロマセラピーや家庭での香りづけに使用される精油は、猫に深刻な健康リスクをもたらす成分が含まれているものが多いです。

具体的には、猫の肝臓や腎臓に負担をかけ、中毒症状を引き起こす可能性があります。猫は精油を直接摂取しなくても、空気中に漂う微量の成分だけで危険となる場合もあるのです。

そのため、猫の健康を守るために、精油の使用はなるべく避けましょう。

猫がいる場合はアロマオイルの使用は避ける

猫がいる家庭では、アロマオイルの使用を避けましょう。

アロマオイルは、香りとリラクゼーション効果から多くの人々に愛用されていますが、猫にとっては有害な成分を含んでいることが少なくありません。

猫の健康と安全を最優先に考えるならば、アロマオイルの使用は避けてください。

猫の生理機能は、人間や他の動物とは異なります。特に、肝臓の代謝機能が異なり、アロマオイルに含まれる多くの成分を適切に分解・排出できません。

そのため、アロマオイルを吸入したり皮膚に触れたりすると、中毒症状を引き起こすリスクが高いのです。

猫はローズマリーが嫌い?

ここまでローズマリーの与え方について紹介しましたが、実は猫はローズマリーが苦手と言われています。猫がローズマリーが苦手な理由を詳しく見ていきましょう。

猫はローズマリーの香りが苦手

猫は非常に敏感な嗅覚を持っており、特定の香りに対して強い反応を示します。ローズマリーの香りは、猫にとって特に不快と感じられる場合が多いです。

ローズマリーは強いハーブの香りを持ち、人間には爽やかで心地よいと感じるかもしれませんが、猫にとっては不快感を引き起こします。

ローズマリーの強い香りは、猫にとっては過剰な刺激となり、避けたいと感じる原因になるのです。

特に、ローズマリーのエッセンシャルオイルや乾燥させた葉は、香りが濃縮されているため、猫にとって不快なものとなります。

猫は匂いの強いものは避けることが多い

猫は匂いに対して非常に敏感な動物であり、特に強い匂いに対しては避ける傾向があります。

なぜなら、強い匂いが潜在的な危険や異常を示す可能性があるからです。具体的には、柑橘系の果物や、香辛料、特定のハーブなどが挙げられます。

ローズマリーのような強いハーブの香りは猫にとって刺激的であり、不快感を与えるケースが多いです。

また、強い匂いは猫のストレスや不安を引き起こします。特に、新しい環境や見知らぬ場所では、猫は安全な場所を確保するために、匂いを重要な手がかりとする場合が多いです。

強い匂いが漂う場所は猫にとって予測できない要素が多く、不安に感じるので、猫はその場所を避けようとします。

ローズマリーは猫よけにも使える

ローズマリーは、強い香りを利用して猫よけとして効果的に使用できます。

猫は強い匂いを嫌う傾向があり、ローズマリーの独特の香りは猫にとって不快感を与えるため、特定の場所に近づかないようにできるのです。

具体的には方法を紹介するので、ぜひ活用してみてください。

野良猫などが入ってくる庭に置く

まず、ローズマリーは野良猫が入ってくる庭に置くと、効果的な猫よけとして機能します。

野良猫は庭に侵入して植物を荒らしたり排泄したりするケースがあり、庭を手入れしている人々にとっては厄介な存在です。

ローズマリーの強い香りを利用すると、野良猫が庭に近づかないようにできます。

ローズマリーを庭に配置する方法はいくつかあり、庭の周囲にローズマリーの鉢植えを置くと効果的です。

鉢植えにすると、ローズマリーの位置を簡単に調整でき、猫が特定のエリアに入らないようにコントロールできます。

また、庭の花壇や歩道の周りにローズマリーを植えると、猫がその場所に近づかないようにすることも可能です。

勝手に排泄されてしまう場所などに置く

次に、ローズマリーは猫が勝手に排泄してしまう場所に置くと、効果を期待できます。

猫は特定の場所で排泄する習性があり、同じ場所で繰り返し排泄する場合が多いです。

ただ同じ場所で排泄を続けると、不衛生になり臭いが残りやすくなります。ローズマリーの強い香りを利用すると、猫がその場所に近づかないようにすることが可能です。

まず、猫が排泄する場所に新鮮なローズマリーの枝や乾燥させたローズマリーを配置しましょう。ローズマリーの香りは強く、猫が排泄することを避けるようになります。

さらに、ローズマリーを細かく刻んで、問題のあるエリアに撒くと、香りが広がり、猫よけの効果を高めることが可能です。

まとめ

今回は、猫へのローズマリーの与え方を紹介しました。

ローズマリーはロスマリン酸やビタミンEなど猫にとって良い栄養成分を含んでいますが、与えすぎには注意が必要です。

与えすぎると消化不良を引き起こす恐れがあるので、ご飯のトッピングとして少量のローズマリーを与えましょう。

また、ローズマリーは香りが強いので猫よけとしても活用できます。ローズマリーの特徴を理解して、うまく猫との生活に取り入れてみてください。

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