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【獣医師監修】猫が腕にしがみついてくるのはなぜ?猫の気持ちや対処法を詳しく解説

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はじめに

愛猫が腕にしがみついてくれるのは、非常に嬉しいものですよね。猫が腕にしがみつくのは単に甘えているからだけではありません。

猫はさまざまな理由で飼い主とコミュニケーションを取ろうとして、腕にしがみついているのです。

今回は、猫が腕にしがみつく理由を紹介します。猫の気持ちや対処法を詳しく解説するので、適切な対応方法を選んで猫との信頼関係を深めましょう。

猫が腕にしがみつく仕草はかわいい

猫が腕にしがみつく仕草はとても可愛らしいです。小さな体が人の腕にしがみつく様子は、まるで子供が母親に甘えるかのようで、見る人の心を温かくします。

猫の腕にしがみつく行動は、猫が信頼や安心感を抱いている証拠です。

猫は本来、孤独を好む動物とされていますが、飼い主との間に強い絆がある場合、甘える仕草を見せてくれます。

特に、子猫の頃に母親や兄弟と過ごした時間が短い猫や、社会性を形成する過程で人間との関わりが強かった猫に見られることが多いです。

猫が腕にしがみつく仕草は愛情の表現であり、猫との生活をより豊かで幸せなものにしてくれます。

猫が腕にしがみつく理由

猫が腕にしがみつく行動には、さまざまな理由が考えられます。それぞれ詳しく紹介するので、飼い主は腕にしがみつく理由を状況から判断できるようになりましょう。

甘えている

まず、猫が腕にしがみつく理由は甘えたいという気持ちの表れです。

猫は基本的に自立心が強い動物ですが、飼い主との間に強い信頼関係が築かれている場合、甘える仕草を見せてくれます。

猫が甘えている時は、飼い主が優しく撫でたり抱きしめたりして、欲求を満たしてあげることが大切です。

猫は触れ合いを通じて、安心感を得たりリラックスしたりしています。また、猫が甘える時に見せる表情や仕草は、飼い主にとっても癒しのひとときです。

甘えている猫は、リラックスした表情をしており、ゴロゴロと喉を鳴らす場合が多くあります。

密着することで安心する

次に、猫が腕にしがみつく理由は密着することで安心するからです。猫は本来、警戒心が強く、危険を避けるために孤独を好む傾向があります。

しかし、信頼できる飼い主のそばにいると、猫は安心感から心を開き、体を密着させてくるのです。密着してくる行動は、猫が飼い主を安全で守られた存在と認識している証拠です。

猫は、特にストレスを感じている時や、不安を抱えている時に密着する行動をとる場合が多くあります。

例えば、大きな音がした時や、家の中で変化があった時、あるいは見知らぬ人が訪れた時などに、猫が飼い主の腕にしがみついてくるケースが多いです。

猫は飼い主の体温や心拍を感じることで安心し、落ち着きを取り戻そうとしています。飼い主は猫が感じている不安を理解し、できるだけ静かで穏やかな環境を提供してあげることが大切です。

あたたかくて心地よい

3つ目に、猫が腕にしがみつく理由はあたたかくて心地よいからです。猫は体温が高く、温かい場所を好む性質があります。

そのため、寒い季節や夜間など、冷え込む時間帯には特に人間の体温が心地よく感じられることが多いです。

飼い主の腕や膝に寄り添い、ぬくもりを感じることで、猫は快適さと安心感を得ています。

暖かさを求めてしがみつくのは猫の自然な行動パターンの一部です。猫は野生の環境では、温かい場所を探して体温を保つため、暖かい岩や日当たりの良い場所を好んで過ごします。

家庭内では、代わりに飼い主の体がその役割を果たしているのです。特に、布団やソファの上で飼い主にぴったりと寄り添う猫が多く見られます。

じゃれて遊んでいる

4つ目に、猫が腕にしがみつく理由はじゃれて遊んでいるからです。特に若い猫や、エネルギーが有り余っている猫は、じゃれ合いを通じてストレスを発散しようとします。

猫は甘噛みや軽い引っ掻きをして、遊びの一環で腕にしがみつくのです。多くの場合、猫は遊びたい気持ちが強く、興奮しています。

猫がじゃれてくる時には、仕草や表情が明るく、目が輝いていることが多いです。また、尻尾を立てたり、耳をピンと立てたりする場合もあります。

尻尾や耳を立てているのは、猫が楽しんでいて飼い主に対して遊びに誘っているサインです。飼い主は猫と一緒に遊ぶと、猫のエネルギーを発散させ、満足感を与えられます。

構ってほしくてアピールしている

5つ目に、猫が腕にしがみつくのは構ってほしくてアピールしているからです。猫は基本的に独立した性格を持っているものの、飼い主とのふれあいを求める場合があります。

特に、長時間一人で過ごした後や、飼い主が忙しくて猫に注意を払っていない時などに、猫は飼い主の注意を引こうとするのです。

構ってほしくて腕にしがみつくのは、猫が飼い主との絆を確認し、安心感を得たいという心理的な欲求から来ています。

猫は飼い主とのふれあいを通じて、愛情を感じ、精神的な満足感を得ることが可能です。

そのため、猫が腕にしがみついてくる時は、飼い主が猫の気持ちを理解し、適切に応えてあげましょう。

恐怖を感じている

6つ目に、猫が腕にしがみつく理由は恐怖を感じているからです。

猫は非常に敏感な動物であり、環境の変化や突然の大きな音、見知らぬ人や動物の出現など、さまざまな要因によって恐怖を感じます。

そして、猫は自分を守るために信頼できる存在である飼い主にしがみつくのです。

恐怖を感じている猫は、しがみつく力が強くなり、爪を立てる場合もあります。猫は安全な場所にいたいと考えており、飼い主の腕は猫にとって安全な避難場所です。

猫が恐怖でしがみつく時は、無理に引き離すのではなく、安心できるように優しく抱きしめてあげましょう。

また、見知らぬ人や動物が原因の場合は、時間をかけて徐々に慣らしていくことが大切です。

不安なことがある

7つ目に、猫が腕にしがみつく理由は不安を感じているからです。猫は繊細な動物であり、日常のちょっとした変化でも不安を感じる場合があります。

具体的には、家のレイアウトが変わったり、飼い主が新しい仕事やスケジュールで忙しくなったりした時、猫は変化に対応しきれず、不安を感じるケースがあるのです。

猫は信頼できる存在である飼い主にしがみついて、安心感を得ようとします。

不安を感じている猫は、普段よりも甘えてきて、飼い主のそばにぴったりとくっついて離れないケースが多いです。

また、不安が強い場合は、しがみつく力が強くなります。そのため、猫が感じている不安を理解し、できるだけその原因を取り除くように努めましょう。

具体的には、猫が安心して過ごせるベッドや隠れ家を作ってあげると、不安な時でも避難してリラックスできます。

嫌なことをされて怒っている

8つ目に、猫が腕にしがみつく理由は、嫌なことをされて怒っているからです。怒っている時は、猫はしがみつくというよりも、攻撃的な態度を示します。

具体的には、無理に抱っこされたり、嫌がることをされたりした時に、猫は反射的にしがみついて反抗するのです。

猫は自分の意に反することをされると強い抵抗を示します。怒っている猫は、しがみつく力が強く、爪を立てたり、噛みついたりする場合が多いです。

嫌がっている時は、猫は自分を守るために必死になっているので、無理に引き離そうとするとさらに状況が悪化することがあります。

自分のにおいをつけたい

最後に、猫が腕にしがみつく理由は自分のにおいをつけたいからです。猫は、自分のテリトリーを示すためににおいをつける習性を持っています。

においをつける行動は、他の猫や動物に対して「ここは私の領域だ」というメッセージを送るためのものです。

猫は飼い主にしがみついて自分のにおいをつけ、飼い主が自分のものであることを確認し、安心感を得ています。

特に複数のペットがいる家庭や、外出から帰ってきた飼い主に対してよく見られる場合が多いです。

猫は飼い主が他の動物や新しい環境のにおいを持っていると、それを消そうとして自分のにおいをつけようとします。

猫が腕にしがみついてきた時はどう対応する?

次に、猫が腕にしがみついてきた時の対処法について紹介します。

  • 甘えている時や不安になっている時の対処法
  • 構ってほしい時の対処法
  • 嫌なことをされて怒っているときの対処法
  • じゃれてくるときの対処法

それぞれ詳しく紹介するので、パターンに応じて適切に対処できるようになりましょう。

甘えている時や不安になっている時の対処法

まず、甘えている時や不安になっている時の対処法を紹介するので詳しく見ていきましょう。

気が済むまで付き合ってあげる

猫が甘えている時や不安を感じている時は、気持ちに寄り添い、できる限り猫の要望に応えてあげることが大切です。

特に、猫が飼い主の腕にしがみついて離れない時は、猫が強い愛情や安心感を求めています。

猫が甘えている時は、気が済むまでしっかりと付き合ってあげることが、猫との信頼関係を深めるために重要です。

猫はとても感受性が豊かで、飼い主の反応を敏感に感じ取ります。そのため、猫が甘えている時に無理に離そうとしたり無視したりすると、猫は寂しさや不安を感じるのです。

猫が甘えている時には、優しく撫でたり、猫が好きなように寄り添ってあげましょう。また、穏やかな声で話しかけると猫は安心感を感じやすくなります。

構ってほしい時の対処法

次に、構ってほしい時の対処法を紹介するので詳しく見ていきましょう。

できるだけ一緒に遊んであげる

猫が飼い主に構ってほしいとアピールしてくる時は、できる限り応えてあげることが大切です。

猫は非常に活動的で、遊びを通じたエネルギーの発散を必要としています。

特に、室内飼いの猫は外の世界での刺激が限られているため、飼い主との遊びが重要なストレス解消手段です。

猫が遊びたがっている時は、できるだけ一緒に遊んであげると、猫の心身の健康を保つことができます。

猫が遊びを求めている時には、興味を引き出すおもちゃを使うのが効果的です。猫は狩猟本能を持つ動物なので、動くものや音が出るものに対して強い関心を示します。

例えば、羽根のついた釣り竿タイプのおもちゃや、ボール、ネズミ型のぬいぐるみなどを使って、猫が追いかけたり捕まえたりできるような遊びを提供すると良いでしょう。

嫌なことをされて怒っているときの対処法

3つ目に、嫌なことをされて怒っているときの対処法を紹介するので詳しく見ていきましょう。

嫌がっていることはすぐにやめる

猫が嫌がっていることをしてしまった場合、行動を直ちにやめましょう。猫は非常に敏感な生き物であり、自分の意に反することをされると強い不快感やストレスを感じます。

無理に抱っこしたり、触られたくない場所を触ったりすると、猫はすぐに嫌悪感を示す場合が多いです。飼い主が嫌がる行為を続けると、猫との信頼関係が壊れる恐れがあります。

嫌がっていることをすぐにやめると、猫に「自分の意思が尊重されている」という安心感を与えられるのです。

猫が嫌がる行動をやめた後は、猫に対して優しく声をかけたり、少し距離を置いて猫が落ち着くのを待ちましょう。

イカ耳になっていたり目を大きく開いたりしていることが多い

猫がイカ耳になったり目を大きく開いたりしている時、猫が強い不安や恐怖、あるいは怒りを感じているサインです。

イカ耳とは、猫の耳が後ろに平たく倒れている状態のことで、猫は自分を防御しようとしていると考えられます。

また、目を大きく見開いている場合は、周囲の状況に対して非常に警戒しているサインです。

目を開いている場合は、猫が「これ以上の接触は望んでいない」という明確なメッセージを送っています。

猫がイカ耳になっていたり目を大きく開いてたりしていると感じたら、その場から少し離れるか、猫がリラックスできるように環境を整えてあげましょう。

じゃれてくるときの対処法

最後に、じゃれてくるときの対処法を紹介するので詳しく見ていきましょう。

腕や足など体をじゃれあいの道具に使わせないように注意

猫がじゃれてくる際は、腕や足をじゃれあいの道具に使わせないように注意することが常に重要です。

猫が飼い主の腕や足にじゃれてくるのは、遊びの一環として自然な行動ですが、将来的に問題行動につながる可能性があります。

特に、子猫の頃から習慣がつくと、結果的に飼い主が怪我をするリスクが高いです。猫が腕や足にじゃれつく時は、すぐにその行動を止めさせましょう。

噛み付くなどの行動に発展する可能性がある

じゃれあいの中で猫が興奮しすぎると、遊びがエスカレートし、飼い主に対して噛み付く行動が見られる場合があります。

猫の噛む力は成猫になるとかなり強く、思わぬ怪我につながる恐れがあるため、習慣化しないように早い段階で対処することが必要です。

猫がじゃれあいの中で噛み付こうとする時、まずは遊びの一環であるか、攻撃性が含まれているかを見極めましょう。

遊びの中での軽い噛み付きであっても、許してしまうと猫はエスカレートする可能性があります。

そのため、猫が噛み付こうとした時にはすぐに遊びを中断することが重要です。

おもちゃなどで気をそらすと効果的

猫は飼い主に興奮してじゃれついてくる場合があるので、猫の注意をおもちゃなどでそらしましょう。

猫は本能的に動くものに反応する習性があるため、飼い主の手や足ではなく、おもちゃに興味を持たせると、じゃれあいの対象を安全なものにシフトさせられます。

おもちゃは、猫が追いかけたり、飛びかかって捕まえたりすることができるタイプのものが特に効果的です。

例えば、羽根がついた釣り竿タイプのおもちゃや、音が鳴るボール、ネズミ型のぬいぐるみなどが適しています。

おもちゃを使って猫を遊びに誘導すると、猫のエネルギーを安全に発散させることができ、飼い主へのじゃれつき行動を減らせます。

攻撃されたらはっきりと叱るか構うのをやめる

猫がじゃれている最中に攻撃的な行動を取る場合、はっきりとした態度で対応することが重要です。

例えば、噛み付かれたり引っ掻かれたりした場合、許されないことを猫に伝える必要があります。猫は社交的で遊び好きな動物ですが、興奮しすぎると攻撃性が表れやすいです。

そのため、飼い主としては、攻撃的な行動があった場合には、すぐにその行動を中断させましょう。

猫が攻撃的になった時には、まず声を出して痛みを伝えたり手を引いて距離を取ったりして、メッセージを伝えます。

大切なのは、猫を物理的に罰するのではなく、言葉や態度で不適切な行動を伝えることです。

まとめ

今回は、猫がしがみついてくる理由について紹介しました。

猫は構ってほしさくて甘えたり、恐怖や不安を感じたりした時に飼い主の腕にしがみつきます。また、自分のにおいをつける目的や嫌な行動に対する反発の場合も多いです。

飼い主は、構ってほしい時や甘えたい時はできるだけ一緒にいてあげましょう。

また、嫌がっている時はすぐに行動をやめ、じゃれてくる時は自分が怪我をしないように対処することが重要です。

猫がしがみつく理由に応じて適切に対応できるようになりましょう。

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