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はじめに
クロアシネコは世界最小サイズのネコといわれている猫種です。
南アフリカ共和国や、ナミビア、ボツワナなどに生息している野生の猫で、現在は絶滅危惧種として認定されています。そのためペットとしての飼育は認められていません。
日本で見ることのできないクロアシネコはどのような猫なのでしょうか。そしてなぜ絶滅危惧種なのでしょうか。
本記事では、世界最小のクロアシネコの魅力や、その他の小さい猫について解説します。
クロアシネコの特徴とは?
世界最小といわれるクロアシネコは、足の裏側に黒い毛が生えていることからその名前がついたといわれています。
クロアシネコは名前の由来となっている足の裏側の毛以外にどのような特徴を持つ猫なのでしょうか。
特徴的な体のサイズ
飼い猫として多いイエネコのサイズは、成猫で平均体長70cm〜75cmほどが一般的です。
それに比べ世界最小サイズのクロアシネコは35cm〜50cmほどとされています。
成猫になってもイエネコより小さなクロアシネコは、子猫の頃は人間の手の中にスッと入るほど小さな可愛らしいサイズです。
体重もとても軽く、成猫のクロアシネコのメスは1.3kgほどで、オスも1.9kgほどとイエネコの平均体重に比べてとても軽いのが特徴です。
独特な毛色と模様
クロアシネコは名前の由来の通り、足の裏に黒い毛が生えている黒足猫です。
体は茶褐色の毛で覆われており、全体的に黒の斑点模様が入っていることから、見た目がヒョウの赤ちゃんのように見えるといわれています。
また冬になると毛色が淡くなるという特徴もあり、オスよりメスの方が斑点模様がはっきりしてきます。色でオスメスの判断がつくほどです。
愛らしい顔立ち
クロアシネコの顔立ちとして特徴的なのが、大きな目です。小さな体でぱっちりとした目は可愛さを強調させます。そのうえ小さなサイズ感なので小さな猫好きにはたまらない可愛さです。
クロアシネコの魅力ポイント
猫にはそれぞれ魅力的なポイントがあります。クロアシネコの場合ペットとしての飼育は不可能ですが、世界最小といわれる小ささがとても魅力的です。
小柄なサイズの可愛さ
イエネコは、1年ほどで成猫へと成長します。大きさも1年も経てば子猫といえないほどの大きさまで成長するなか、クロアシネコの場合は成猫になったとしても小柄です。
イエネコの大きさと比べると格段にサイズが違い、子猫の頃は手にスッと入るほどの小ささをしています。
活発でエネルギッシュな性格
イエネコとサイズ感しか変わらないように見えるクロアシネコですが、可愛らしい顔をして性格はとてもワイルドです。
もともと野生の動物ということもあり、運動量も食べる量も普通の猫より格段に多いとされています。
ワイルドな野生の性格を持っている反面、小心な一面もあり、すぐにびっくりして逃げていくこともあります。
しかし、身の危険を感じたら自分よりはるかに大きな動物にすら攻撃をしていくワイルドさはイエネコとの一番の違いです。
単独行動を基本としているクロアシネコは人に懐くことはほとんどないといわれています。そのため、絶滅危惧種でなくとも一般家庭で飼育することは難しいでしょう。
遊び好きで賢い
一般的に飼うことのできないクロアシネコですので、どのように遊んだりしているかはわかりません。しかし、自然界で生きていくためにワイルドさを持ち合わせ、過酷な環境で生きていくクロアシネコは自分の身を守るために必死で野生の中生活しているのでしょう。
クロアシネコの飼育方法
ペットとして飼育が不可能なクロアシネコはどのように生活しているのでしょうか。
適切な食事と栄養
イエネコはキャットフードを主食とすることが一般的です。
それに比べクロアシネコは、爬虫類、小鳥、ネズミ、蜘蛛などの昆虫類を主食とします。
クロアシネコ以外の小さい猫
世界最小といわれているのはクロアシネコですが、このほかにも小さな猫種はたくさんいます。どのような見た目や性格をしているのでしょうか。
スキフトイボブテイル
ロシア生まれの小さな猫で、家庭でペットとして飼われる猫としては世界最小といわれています。
成猫になってもメスは1.7kgほど、オスは2kgほどと成猫にしては極小サイズです。
一般的な小型猫の成猫は4kg前後とされているため、その半分程度と考えるととても小さいのがわかります。
スキフトイボブテイルは起源がシャム猫なので、外見はシャム猫にそっくりです。
体の小ささに比例して、しっぽも数cmと短いのを特徴としており、体型は丸く安定感があります。この短いしっぽには「ポンポンテイル」という可愛い名前までついているほどです。
警戒心があまりなく人懐っこい性格で愛情を注いでくれる飼い主にはたくさん愛情表現をしてくれます。常に猫とスキンシップを取りたい人にピッタリです。
シンガプーラ
シンガプーラは、小さな妖精と呼ばれ美しい毛並みとアイラインを引いたようなアーモンド形の大きな目が特徴的です。
成猫のシンガプーラの体重は2kg〜3.5kgほどで成猫になっても小ささが際立ちます。
好奇心も強く人が大好きなシンガプーラは、飼い主の行動をとても興味深く観察し、いつでも構って欲しいと邪魔をしてアピールしてくるほどです。
飼い主と遊ぶことが大好きで人間への警戒心も薄いシンガプーラですが、その反面慣れていない動物や場所には強く臆病な一面をみせます。
そのため多頭飼いや病院などへの外出には注意が必要です。
活発で好奇心旺盛な性格をしているため、色々な隙間にも入っていく危険があります。
危険な目に合わせないためにも、子猫の頃からしっかりしつけをすることと、部屋を整えておく配慮が必要でしょう。
マンチカン
足が短く歩く姿が可愛いと評判のマンチカンは、性格も社交的で初めて猫を飼う人にも飼いやすいといわれています。
成猫になってもオスで3〜4kgほどと小型サイズでメスはそれよりも小さめです。
可愛い見た目とは反対に意外と筋肉質でがっしりした体型をしています。運動が苦手そうにみえますが、実は筋肉の発達のおかげでジャンプ力は他の猫に劣ることはありません。
走ることも得意で、すばしっこく動けます。
活発すぎる部分もあるため、出かける時などは悪戯されそうなものは片付けておきましょう。
ミヌエット
ペルシャ猫とマンチカンから異種配合し誕生したミヌエットは、両方の性格を持ち合わせています。
飼い主以外の人にも懐く温厚な性格をしていますが、あまりしつこくされることは好きではないマイペースな一面もあります。
成猫のミヌエットは、オスで3kg〜4kgほど、メスで2.2kg〜3.4kgほどに成長し、マンチカンの血を強く引いているため、筋肉質で骨格もガッチリしている体型です。
飼い主とのコミュニケーションをとるのが好きな猫種なので、毎日の遊びやブラッシングなどで、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
デボンレックス
デボンレックスは大きな耳と印象的な目、細い体にウェーブした短い被毛を持つ猫種です。
細く筋肉質な体つきをしており、体重は2.5kg〜4kgほどに成長します。
好奇心旺盛な性格で、ゆったり座っていることはほとんどないといわれるほど活発です。
子犬のように人懐っこいデボンレックスは、スキンシップを好む猫種なので時間を作ってあげられる人に向いています。
毎日最低5分〜10分は遊んであげるようにしましょう。
また、デボンレックスは皮膚病にかかりやすい猫種です。ブラッシングをしながら皮膚に異変がないか注意してあげましょう。
ラムキン
ラムキンは子羊のようにフワッとした巻き毛が特徴的です。
誕生からまだ日が浅いため、世界的にも頭数が少なく希少な猫の一種といわれています。
明るく活発な性格で、子供とも仲良くでき多頭飼いにも向いている猫です。
特徴の巻き毛は、成長過程で変化をします。
子猫の頃カールしている巻き毛は、生後16週ごろになるとストレートになり抜けてきます。その後生後8ヶ月〜10ヶ月ごろを迎えるとまた巻き毛に戻っていくのです。
ゴワゴワそうに見える巻き毛は柔らかい毛質をしており、絡まりやすいことからお手入れを必要とします。力強くブラッシングしてしまうと巻き毛がなくなってしまうので、抜け毛や埃と取り除く程度に優しくおこないましょう。
体重は成猫のオスで2.5kg〜4kgほどで、メスの場合は2kg〜3.5kgくらいです。
体が小さいので、狭い隙間などに入り込まないよう飼い主が工夫し不要なものは片付けるようにしましょう。
キンカロー
マンチカンとアメリカンロールを掛け合わせたミックスのキンカローは日本ではマンチカールと呼ばれています。
愛嬌があり可愛い猫種でカールした耳が特徴的です。全ての個体の耳がカールしているのではなく、生後2週間くらいたつと徐々に丸まってくる個体と、立ち耳の個体に分かれます。
キンカローは、成猫で体重が3kg〜6kgほどに成長します。
小柄で短足なキンカローですが、とても活発で運動能力に優れておりとにかくよく動きます。
家の中でも上下運動ができるよう、キャットタワーを設置するなどして環境を整えてあげましょう。毎日の遊びも重要です。1回の遊びで10分〜20分くらいは相手をしてあげてください。
バンビーノ
しわしわの体に短い四肢が特徴的なバンビーノは、スフィンクスとマンチカンの特徴と性格を受け継ぐ猫種です。
マンチカンのように手足は短いですが、運動神経は抜群で飼い主と遊ぶことをとても好みます。
人間が大好きなスフィンクスと、穏やかで社交的なマンチカンの血を受け継いているバンビーノは両方に共通している賢さも受け継いでおり、とてもしつけがしやすいといわれています。
社交的で人懐っこく飼い主に対しても愛情深いバンビーノは、膝の上に乗ってはゴロゴロああえてくるとても甘えん坊な猫種です。たくさんスキンシップをとってあげてください。
バンビーノは一般的な猫種と違い被毛がありません。そのため、体から分泌した皮脂を吸収することができずわずかな産毛では皮膚を取り除くこともできないため、皮膚のお手入れを必要とします。
1日おきに暖かい蒸しタオルで全身を拭いてあげ、月に一回はお風呂で綺麗に洗ってあげましょう。
コーニッシュレックス
イングランドが原産のコーニッシュレックスは、シングルコートの個性的な巻き毛をしています。
性格は甘えん坊で愛らしく、とても無防備です。成猫になっても飼い主にベッタリしている個体も多く寂しがりやな性格をしています。
静かで落ち着いた場所を好むので、小さい子供のいる家庭や多頭飼いには向いていません。
好奇心が旺盛で、高いところに登ったり走り回ったりすることを好むコーニッシュレックスのために、上下運動ができるよう部屋を整えてあげましょう。
コミュニケーションをとることが好きなので、1日5分以上は一緒に遊んであげてください。
ジャパニーズボブテイル
招き猫のモデルになった猫として有名なジャパニーズボブテイルは、丸顔に整った鼻筋、短めの被毛と日本猫特有の外見をしています。
ポンポンのような丸い尻尾で、付け根から折れ曲がっています。
伸ばしても10cmもありません。
尻尾の長さは定義が決まっており、5cm〜7.5cmと定められています。
ジャパニーズボブテイルは、環境の変化にも対応できる傾向があるため、初めて猫を飼う人にもおすすめの猫種です。
しかし、初対面の人には少し警戒する傾向があります。いきなり近づいたり抱っこしたりは避けましょう。
ジャパニーズボブテイルは毎日の適度な運動が必要です。上下運動ができるよう部屋の環境を整えてあげましょう。
小さい猫は飼いやすいのか?
小さい猫は見ているだけでも癒され、そしてどんな家庭でも飼いやすいとされています。
特段広い飼育スペースも必要としません。
体の大きさが小さいので、生活のなかでの活動音も比較的小さめです。
そのため、アパートやマンションなどの集合住宅でも飼いやすいといえるでしょう。
小さい猫を飼う際の注意点は?
小さな猫は少しの隙間でも入ってしまうことがあります。
入られるといけない場所や、危険な場所は対策をしておきましょう。
また、小さい猫にとって人間はとても大きな存在です。
気づかず猫の上に座ってしまったり、一緒に寝ていて潰してしまったりしないようにいつも気をつけておく必要があります。
また、飼い主の後をついてまわる猫も少なくありません。
小さな猫の場合、飼い主が猫に気づかずドアを閉めてしまって挟まれるリスクが高くなります。
十分注意してください。
また、超小型種は手術のリスクが高い点も知っておくべきでしょう。
まとめ
世界一小さい猫のクロアシネコは、一見イエネコと見間違うほど可愛らしい見た目をしていますが野生動物です。
体が小さいにもかかわらず、エネルギー消費が激しいことから体重の1/6ほどのとても多くの食事量を必要とします。
しかし、生息している南アフリカなどは砂漠地帯が多く、餌になる生き物が少ないのが現状です。そのためクロアシネコの減少に繋がってくると考えられています。
現在クロアシネコは絶滅危惧種とされており、ペットとして飼育することもできません。
また、日本でも会える場所は存在しないのです。
そのため、クロアシネコに会いたいと思った場合はアメリカまでいく必要があります。
クロアシネコは、カンザスシティ動物園、フィラデルフィア動物園、ヘンリードーリー動物園の施設で観賞できます。
もし興味があるようなら足を運んでみるといいでしょう。