豆知識

【獣医師監修】猫の防災グッズのリスト一覧!災害時に備えておきたい必需品を紹介

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はじめに

自然災害はいつ起こるかわかりません。近年では、地震だけでなく、大型の台風やそれにともなう大雨、冬の大雪など、以前よりも自然の脅威による大きな被害のニュースを耳にする機会も増えました。

あらゆる事態に備えて、防災グッズの準備や避難場所の確認をしている方も多いでしょう。

猫を飼っているご家庭ならば、家族だけでなく大切な猫の命も守らなければなりません。災害現場では、人命の救助が優先されるため、猫が被災してしまうと見つけ出すことも困難となってしまいます。

また、無事に避難できたとしても、人間の食料や生活用品を揃えることで手一杯となり、ペットの食事やペット用品を用意してもらえる可能性は低いと考えた方が良いでしょう。

災害に見舞われたときに、大切な猫を守ることができるのは、飼い主さんとそのご家族しかいません。

今回は、猫を飼っている方に向けて、猫の防災グッズや備えておきたい必需品などについてくわしく解説いたします。

災害時に備えておきたい猫の防災グッズ

災害時に備えておく防災グッズといっても、特別なものではなく、日頃から愛猫が生活するために必要なものを用意すれば問題ありません。

その中でも、絶対に欠かせないものから優先順位をつけておき、優先度の高いものはすぐに運び出せるようにしておくと安心です。

必要なものを1つにまとめて、安全を確保したうえで取り出せるような場所(駐車場や屋外など)をあらかじめ考えておくとよいでしょう。

猫の食事やケア用品

猫の食事やトイレ用品などをはじめとするケア用品は、猫の健康や命に関わるものが中心なので、災害の時にはすぐに持ち出せる場所に用意しておいてください。

あらかじめ用意しておかないと、無事に避難できても猫に与えるものが何もなく、トイレなどもなければ避難先で肩身の狭い思いをしなければならなくなります。

代表的なものをご紹介しますが、それぞれの生活習慣にあわせて必要なものは追加してください。

フード

まずは猫の食料を確保しなければなりません。避難所などに避難したとしても、猫のフードまでは手が回らず、おそらくしばらくは届くことはないと考えられます。

また、環境が一気に変わることで強いストレスを感じているなかで、食べ慣れないものを口にして体調を崩してしまう子や、まったく食事に口をつけない子も出てくる可能性があります。

ある程度はやむを得ない状況ですが、できるだけつらい思いをさせないためにも、いつも食べている食事を7日分は確保しておきたいところです。

普段、ドライフードを食べている猫には、ウェットフードを用意しておくこともおすすめします。環境の変化により、食欲が落ちた場合にも、嗜好性の高いウェットフードを少量混ぜることで改善が期待できます。

ほかにも、あまり水を飲まない猫のためにウェットフードを与えることで、水分補給の役割も果たしてくれます。

水は動物が生きていくうえで欠かせないものなので、ペットボトルなどで必ず用意しておきましょう。

猫の場合には硬水だとミネラルが多すぎて、たくさん摂取すると結石ができることもあるので、可能であれば軟水を用意しておいてください。

水は余っても人間も使うことができるので、持ち運べるならば多めに準備しておくのがおすすめです。

おやつ

住み慣れた家ではないところで過ごすことになった場合に、警戒心の強い猫はとても強いストレスを感じています。場合によっては周りの人を威嚇して、攻撃的になることもあるかもしれません。

気分転換もなかなかできない状況なので、定期的におやつをあげてコミュニケーションを取ることで猫を安心させて落ち着かせてあげましょう。

食器類

猫に食事を与える際に、フードだけ持って避難しても、猫に食べさせることができないため、避難用の荷物の中には食事用と水飲み用の食器は用意しておきたいところです。

いつも使い慣れている食器が良いのはもちろんですが、災害のときに落ち着いて持ち出すことはなかなか難しいため、あらかじめフードとセットで避難用のバッグなどに準備しておいてください。

その際に、陶器製のものは避け、割れにくい素材の食器にしてください。

トイレ用品

食事とともに、避難してすぐに必要になるのがトイレです。トイレを用意してあげないとトイレに行きたくても我慢をしてしまい、健康状態が悪化してしまうことがあります。

避難先では、まず安心して用を足せるようにトイレを設置してあげましょう。

その際には折りたたんで持ち運び可能なポータブルトイレがおすすめです。においや環境が異なると神経質な猫はトイレをしないこともあるので、いつも使っている猫砂とペットシーツを用意してください。

また、周りの方の迷惑にならないよう排泄物を捨てるための、防臭機能の付いた袋も必要です。

首輪・リード

日頃は自由に動いて生活している猫も、避難時には首輪やリードの装着が必要です。動物が苦手な方や、体調を崩している方など、いろいろな状況の人が共同で生活している場所なので猫が離れないように首輪やリードをつけるようにしてください。

また、一瞬のすきに脱走することもあるので、キャリーバッグから出す際にも、あらかじめリードにつないで出すようにしましょう。

猫用の毛布やタオル

猫が普段から使用しているタオルや、寒い時期でしたら毛布も用意しておくと何かと便利です。

避難場所では床で過ごすことも考えられるので、タオルや毛布があると、冬でも寒くありませんし、暖かい場所で落ち着いて過ごすことができるので、バスタオル程度の大きさのもので構いませんので1枚は用意しておきましょう。

キャリーケージ

猫を避難させるためには、キャリーケースは欠かせません。

避難所などでは、放し飼いにはできないので、キャリーケージをハウスとして過ごすことになります。

布製のものだと、強度が弱いのでハウスとしては使いにくく、万が一破けてしまうと脱走の原因になりかねません。そのため、プラスチック製のキャリーケージがおすすめです。

また、災害があっていきなりケースに入れても、猫にとってはかなりのストレスになってしまいます。

日頃から、キャリーケージをハウス代わりに使用するなどして、ケースの中は安全な場所だと猫に認識してもらえるようトレーニングをしておくことも大切です。

洗濯ネット

猫はとてもデリケートで不安を感じやすい動物です。慣れない場所や、恐怖を感じる場面では攻撃的になって威嚇をしたり、逃げ出してしまったりすることがあります。

そのようなときに洗濯ネットに猫を入れると落ち着く効果があります。

猫は不安を感じると身を隠したがる習性があり、狭いところへ隠れようとします。そのため洗濯ネットに入れると洗濯ネットが体に密着して、狭いところに隠れていると感じるようです。

洗濯ネットでしたら、窒息の可能性もないので、猫が落ち着かない様子でパニックになっていたらぜひ活用してみてください。

袋・ペットシート

集団で生活をするうえで、猫がいることで周りを汚してしまうと生活がしづらくなってしまいます。

周囲の人に迷惑をかけないためにも散らかさないことと、におい対策はしっかりとしておきましょう。

ゴミが出たらすぐに捨てられるよう、ビニール袋を多めに持っておけば安心です。

また、トイレのにおい対策のためにも、こまめなペットシートの交換も必要です。

できれば1週間分くらいのストックは用意しておいてください。

ペット用救急セット

災害では人間同様に猫もケガをすることが十分に考えられます。

そのまま放置するのは危険ですが、非常時にはなかなか動物病院へ連れていくこともできません。

もし愛猫がケガをしてしまったときに応急処置ができるように、ペット用の救急セットを用意しておくとよいでしょう。

包帯や、アルコール綿、綿棒など簡単な治療に使用できるものが揃っているので、備えておくと安心です。

おもちゃ

避難場所は自由に活動できないので、猫にとってはとてもストレスが溜まりやすく、運動不足にもなってしまいます。

そこで、自分で遊んでくれるようなおもちゃと、猫じゃらしのように飼い主と一緒に遊べるおもちゃがあると、ストレスの軽減や運動不足の解消になるので、いくつか用意してあげましょう。

猫と飼い主の情報

猫と飼い主の情報も可能な限り用意しておいてください。

万が一猫とはぐれてしまった際に、猫の情報がないと探すことができないため以下のものを防災グッズと一緒に準備しておきましょう。

飼い主の連絡先

猫とはぐれてしまった際に、飼い主さんの連絡先が記載されている迷子札のようなものがあれば、猫を見つけられる可能性がかなり高くなります。

できれば首輪に飼い主さんの連絡先を書いたものをつけておくことが望ましいですが、首輪を嫌がる子もいるため、日常的に慣れさせておくといざというときに役立ちます。

どうしても首輪が苦手な子でも、防災グッズの中に迷子札を入れておきましょう。

猫の写真

猫の写真を持っていると、猫とはぐれたときに探してもらいやすくなりますし、もし見つかった場合でも、自分が飼い主であることの証明にもなるので必ず持っておいてください。

写真は、現像したものでもスマートフォンでも構わないですが、探してもらうときに伝わりやすいように、猫の全身写真と特徴などを撮影しておいてください。

一緒に写っている写真などもあると、自分の猫であるという証明になりやすいのであわせて持っておいてください。

ワクチンの接種証明書や保険証

避難所ではほかのペットたちとも過ごさなくてはなりません。

そのため、病気に感染しないようきちんとワクチン接種を済ませ、接種証明書をいつでも見せることができるようにしましょう。

場合によっては、ワクチンを未接種の猫は、ほかのペットと同じ場所で生活できないといわれてしまう可能性もゼロではありません。

そうなってしまうと、飼い主さんも生活する場所を探さなければならなくなるかもしれません。

また、ペット保険に加入しているならば、保険証もまとめて用意しておきましょう。

飼い猫の健康に関する情報

持病を持っている猫や高齢の猫などは、環境の変化により体調を崩してしまう可能性があります。

特に、薬を服用している子に関しては、処方されている薬がわかる書類や、健康状態がわかるような健康診断の結果などがあると、かかりつけの動物病院に行けない場合でも、開いている動物病院で治療を受けることができます。

猫と安全に避難するために日頃から準備しておきたいこと

防災グッズに限らず、日々の生活のなかであらゆる準備をしておくことで、いざというときにも落ち着いた行動をとることができます。

災害や地震に備えて室内の安全対策を行う

災害や地震はいつ起こるかわかりません。猫のために防災グッズを揃えていても飼い主さんが仕事などで家を留守にしている際に発生することも十分に考えられます。

特に気を付けたいのが、家具類の転倒や落下物です。

家具が倒れて猫が下敷きになってしまわないよう、家具やテレビなどは転倒防止金具などでしっかりと固定しておくのが望ましいです。

また、食器棚などから陶器やガラス製品が滑りださないようにしておくことも大切です。

床に破片が散らばると、猫が怪我をするおそれがあるので可能な範囲で食器が飛び出さないよう対策をしておきましょう。

避難先を確認しておく

災害時には、携帯電話もつながりにくくなり、なかなか家族と合流できないケースがあります。

対策として、事前に避難先を決めておき、家族で共有しておけば、仮に連絡が取れなくても合流できる確率が高くなります。

全員が家を空けているご家庭ならば、誰が猫の様子を見に行くのか決めていくのもよいでしょう。

キャリーケージに慣れさせる

もしペットを受け入れてくれる所があったとしても、ほぼすべての避難所ではペットはキャリーケージの中で過ごすことになります。

ただし、災害時にいきなりキャリーケージに入れても猫もパニックになり抵抗します。大切なことはキャリーケージの中は安心できる場所だと猫に認識させることです。

そのためには、日頃からハウス代わりにキャリーケージを活用して、慣れさせるトレーニングをしておくことをおすすめします。

慣れてしまえば、見知らぬ人がたくさんいる避難所などでも安心できるキャリーケージの中で過ごすことで、ストレスの軽減にもつながります。

ハーネスやリードに慣れさせる

キャリーバック同様に、避難所ではほぼすべてのペットが自由に歩くことはできません。

いつもは自由気ままに生活している猫も例外ではなく、ハーネスやリードを付けて行動する必要があります。

脱走防止のためにもハーネスやリードは欠かせませんが、いきなり装着したところでかえって猫が抵抗してしまい、周囲にも迷惑をかけてしまいます。

ずっと付けている必要はありませんが、猫が嫌がることなくハーネスなどを装着させてくれるようになるまで毎日練習しておきましょう。

信頼できる預け先を探す

災害の復興には時間がかかります。場合によってはしばらくの間、猫と離れて暮らさなければならないこともあると思います。

しばらく愛猫と離れて暮らすのは、飼い主さんにとってとても心配でしょう。実際に被災してから預け先を探すことは難しいため、事前に信頼できる預け先を探しておくことをおすすめします。

別の場所に住む家族や、信頼できる知人などにも声をかけておくと安心です。

また、どうしても預け先が見つからない場合には、保護団体やボランティア団体でも一時預かりに応じてくれるところもあるので、お住まいの地域でそのような団体があるか調べておきましょう。

寄生虫の予防・ワクチンを忘れず接種する

災害時は、生活環境がこれまでとは異なり、同じように避難したほかのペットとも近い距離で生活することが考えられます。

よそのペットがどのような状況かまったくわからないため、寄生虫や病気に感染する可能性も否定できません。

対策としては、ノミ・マダニ・フィラリアなどの予防薬とワクチン接種を忘れずにおこなってください。

持病のある薬を服用している子の場合には、災害時にも薬がなくなることのないよう、かかりつけの病院に相談して、少し多めに持っておくと安心です。

災害に備えて避難方法をシミュレーションしておこう

災害時に大切なことは、落ち着いて行動することです。想定外のことが連続するとパニックになってしまい、冷静な対応ができなくなってしまいます。

想定外のことをできるだけ避けるためにも、避難方法をシミュレーションしておきましょう。

猫を留守番させているご家庭では、誰が様子を見に行くのか、どこで家族と合流するのか、家の中に危険な場所はないかなど、考えられることをご家族で話し合ってシミュレーションしておくことは災害時にも大いに役立ちます。

まとめ

猫を飼っている飼い主さんが、災害に備えて揃えておくもの、準備すべきことに付いて解説いたしました。

昨今の状況を踏まえると、いつ身近な場所で災害が起きても不思議ではありません。

少しでも被害を少なくし、大切な猫を災害から守るためには日頃の準備とシミュレーションがとても大切です。

防災グッズに関しても、猫が少しでも安心して過ごせるよう日常的に使用しているものが多いので、まずはご家庭にあるものを1つにまとめていつでも持ち出せるようにしておくことから始めましょう。

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