ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
ペットの売れ残りの猫はどうなるのか気になる方は多いと思います。
残念ながら、殺処分になってしまう猫も少なくありません。
ただ、すぐに殺処分になるわけではなく私たちでもできることがあるのです。
今回はペットショップで売れ残りの猫がどうなるか詳しく紹介します。
猫を守るためにできることも解説するので、今後猫を飼うのを検討されている方はぜひ参考にしてください。
ペットショップで売れ残った猫はどうなる?
まず、ペットショップで売れ残った猫はどうなるのか紹介します。
- よく売れる年齢を過ぎたら値下げする
- 繁殖のためにブリーダーの元へ帰る
- ペットショップ主催の譲渡会で譲渡する
- 業者に引き取られる
それぞれ詳しく紹介しますので、売れ残った猫がどうなるのか理解しましょう。
よく売れる年齢を過ぎたら値下げする
まず、ペットショップで売れ残った猫は、よく売れる年齢を過ぎたら値下げされます。
一般的に、猫がペットショップで最もよく売れる年齢は生後2〜3ヶ月頃です。
しかし、この時期を過ぎると次第に売れ残る可能性が高まります。
年齢が上がるとともに、新たに入荷する若い子猫たちに目が向けられるため、売れ残りの猫に対する関心が薄れてしまうのです。
ペットショップは、値下げで購入のハードルを下げようとします。値下げの幅は、猫の年齢や健康状態、性格などによって異なる場合が多いです。
例えば、すでに生後半年を過ぎた猫の場合、通常の販売価格から大幅に割引されるケースもあります。
繁殖のためにブリーダーの元へ帰る
次に、ペットショップで売れ残った猫がブリーダーの元へ帰るケースがあります。
ペットショップは、ブリーダーと契約して猫を仕入れる場合が多いです。そして、契約に基づいて売れ残った猫をブリーダーに返す場合があります。
ブリーダーは、帰ってきた猫を繁殖させるために育てる場合が多いです。
受け入れられる猫の数は限られる
ペットショップで売れ残った猫がブリーダーの元に戻るケースがある一方で、受け入れには限界があります。
ブリーダーは、全ての猫を抱えられるわけではありません。猫を適切に飼育するためには、十分なスペース、食料、医療ケアが必要です。
そして、リソースが限られているため、多くの猫を一度に受け入れられない場合もあります。
さらに、ブリーダーは繁殖計画に基づいて猫を飼育している場合が多いです。
売れ残りの猫を大量に受け入れると、計画が狂い繁殖プログラムに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、適性がないと判断された猫や繁殖計画に合わない猫は、受け入れが難しくなるのです。
純血を保つために限られた猫種しか引き取れない
ブリーダーは純血種を保つために限られた猫種しか引き取らない傾向にあります。
ブリーダーにとって重要なのは、猫種の特性や外見をもった純血種を維持することです。
純血種の維持には、遺伝的な健康管理や系統の管理が不可欠であり、厳格な繁殖計画を進める必要があります。
繁殖計画に合致しない猫を引き取ってしまうと、混血が進んでしまう恐れがあるのです。
そのため、ブリーダーが受け入れる売れ残り猫の種類は、主にブリーダーが専門とする猫種に限られます。
ペットショップ主催の譲渡会で譲渡する
3つ目に、ペットショップで売れ残った猫はペットショップ主催の譲渡会で譲渡する場合があります。
ペットショップ主催の譲渡会は、売れ残った猫たちが新しい家庭を見つけるための手段です。
譲渡会では、ペットショップが売れ残りの猫を紹介し、新しい飼い主を探そうとします。
譲渡会は、猫と飼い主候補が直接触れ合えるのがメリットです。実際に猫と触れ合うと、性格や相性を確認でき、新しい飼い主が安心して受け入れられます。
また、譲渡会では、猫の健康状態や性格について詳しい説明が行われるため、飼い主が安心して猫を迎え入れられるのです。
今までにかかった費用を請求されることが多い
譲渡会で猫を迎え入れる際には、今までにかかった費用を請求される場合も多いです。
譲渡会で請求される費用には、飼育費や生活用品費や食費など様々な要素が含まれます。
ペットショップはこれらの費用を回収するために、新しい飼い主に請求する場合があるのです。
無料の方が受け入れてもらえるのではと考える方がいるかもしれません。
しかし、無料で譲渡する場合、猫が簡単に捨てられるリスクが高くなります。
また、新しい飼い主に猫の命の重みを理解し、大切に育ててもらうための意識を促す狙いもあるのです。
さらに、適切な費用を請求すると、本当に猫を飼う意志と準備がある人だけが猫を迎え入れられます。
ペットショップがそのまま引き取る
4つ目に、ペットショップで売れ残った猫はペットショップがそのまま受け取る場合があります。
ペットショップでは主に下記の方法をとる場合が多いです。
- 独自で運営する保護施設で引き取る
- 社員を対象に里親を募る
それぞれ詳しくまとめているので、売れ残った猫がペットショップでどのように扱われるかチェックしてください。
独自で運営する保護施設で引き取る
ペットショップでそのまま引き取る場合、ペットショップ独自で運営する保護施設で引き取るケースが多いです。
保護施設では、十分な食事と清潔な環境が整えられており、猫たちがストレスなく過ごせるよう工夫されています。
ただ、ペットショップが保護施設を運営するには、十分なリソースが必要です。
施設の維持管理費用、スタッフの人件費、猫の飼育にかかる日常的な費用がかかります。
多くのペットショップは、費用をカバーするために、寄付やクラウドファンディング、地域社会からの支援を募る場合も多いです。
社員を対象に里親を募ることも
また、ペットショップでそのまま引き取る場合、ペットショップ社員を対象に里親を募るケースもあります。
ペットショップの社員は、日々猫たちの世話をし、猫の性格や健康状態をよく理解している場合が多いです。
そのため、ペットショップで育った猫は、社員に対して既に信頼関係を築いており、新しい家庭に適応する際のストレスが少なくなります。
また、社員は猫の飼育に必要な知識や経験を持っているため、適切なケアを提供できる可能性が高いのです。
業者に引き取られる
5つ目に、ペットショップで売れ残った猫は業者に引き取られる場合があります。
年齢や健康上の問題、人気のない品種などが影響し、一般の里親に引き取られるのが難しい猫も多いです。
そのような状況下では、業者に引き取ってもらうことで、猫たちの生活を安定させられます。
そして、業者に猫を引き取ってもらうと、ペットショップは新たな猫を受け入れられるので、より多くの猫を販売できます。
また、業者は引き取った猫の適切なケアをしたり、里親を探したりしてくれます。
里親探しを行っている団体
猫たちを引き取る業者には、里親探しを専門とする団体が存在します。
これらの団体では、ペットショップやブリーダーから猫を引き取り、新しい里親を見つけるための活動を行っているのです。
猫たちが愛情を受け、安心して暮らせる新しい家庭を見つけるためにはこれらの団体は欠かせません。
里親探しの団体は、猫のプロフィールや写真を公開し、里親を希望する人々とマッチングさせ、最適な里親を見つける手助けをするのです。
また、里親になる人々に対して、猫の世話や飼育に関するアドバイスやサポートも提供しています。
問題のある業者も存在する
業者はペットショップで売れ残った猫の引き取り先になる一方で、問題のある業者も存在します。
例えば、猫を商業的な目的で悪用したり、適切なケアを怠ったりするのです。
他にも、猫を無理やり繁殖の対象として利用したり、食事や水も与えず劣悪な環境で育てたりします。
最悪の場合、引き取って金を受け取り独自に殺処分するケースもあるのです。
動物愛護団体や地域の保護団体は、業者の取り扱いを監視し、猫が適切なケアを受けられるように取り組みを行っています。
ペットビジネスの問題点は?
ペットビジネスは、かわいい猫と飼い主を結びつけてくれますが、問題点も多いです。
例えば、一部のペットショップやブリーダーは、利益追求のために適切なケアを怠り、動物たちが不適切な環境で飼育されたり、悪質な繁殖施設で生産されています。
また、ペットの需要が高まると、動物虐待や放棄の問題も増加する傾向が強いです。
さらに、適切なケアやトレーニングを受けずに販売されるペットは、飼い主との関係や社会化に問題を抱える場合があります。
そして、一部の業者は繁殖施設や取引の背後にある実態を隠蔽し、飼い主に対して情報を提供しない場合も多いです。
そのため、飼い主は動物の背景や健康状態について正確な情報を得るのが難しくなり、問題を抱えたペットを購入してしまうリスクが高まります。
ペットショップに対する規制
ペットビジネスには様々な問題点があるため、ペットショップに対する規制が強まっています。
次に、現在ペットショップでおきている規制内容を紹介するので参考にしてください。
海外では店頭販売を規制している国が多い
現在、海外ではペットショップで猫の販売を規制している国が多いです。
ペットショップに対する規制は、動物の福祉や倫理的な取り扱いを促進するために行われています。
店頭販売の規制はペットの衝動買いを防ぎ、飼い主がペットを慎重に選ぶ機会を提供するために重要です。
今までは、店頭販売されるペットの健康状態が不明瞭な場合があり、病気や問題を抱えたペットが販売されるケースもありました。
しかし、店頭販売が規制されると、動物の販売が責任ある状況で行われるようになったのです。
また、里親制度の推進により、多くのペットが新しい家庭に迎えられ始めています。
動物愛護法の改正
近年、日本では動物愛護法の改正により、ペットショップに対する規制が強化されています。
動物愛護法の改正は、ペットの福祉を保護し、適切な環境で飼育されることを促進するための重要な取り組みです。
具体的には、2012年に動物愛護法が改正され、行政が違法と判断した場合には業者の引き取りを拒否できるようになりました。
また、2019年にも動物愛護法は改正され、8週齢以下の犬猫の販売規制やマイクロチップ登録の義務化が採用されています。
動物愛護法の改正により、ペットショップにおける販売業者の取り扱いが改善され、ペットの福祉が向上することが期待されているのです。
しかし、実際の運用においては抜け穴も多く、法の遵守や取り締まりの強化が課題となっています。
ペットショップの廃止運動も
近年、ペットショップ廃止運動も世界各地で盛り上がっています。
この運動は、ペットショップにおける動物の商業的な取り扱いの問題性を提唱しているのです。
ペットショップ廃止運動は、動物の福祉を守ることを目的としています。
多くのペットショップでは、商業的な目的のために大量生産された動物が、適切なケアを受けられません。
このような状況に対して、動物愛護団体や個人が声を上げ、ペットショップの廃止を求めています。
ペットショップ廃止運動が代替手段として推進しているのは里親制度です。
里親制度では、保護施設や動物愛護団体を通じて保護された動物が、新しい家庭に迎えられます。
里親制度により、捨てられた動物や不幸な境遇にある動物たちに幸せな飼育環境を与えられるのです。
猫を守るためにできることは?
次に、猫を守るためにできることを紹介します。
- 譲渡会や独自の保護施設があるペットショップを利用する
- 返品による売れ残りをなくすために覚悟を持って購入する
- 売れ残った猫を引き取る
それぞれ詳しく紹介しますので、できることから始めていきましょう。
譲渡会や独自の保護施設があるペットショップを利用する
まず、猫を守るために譲渡会や独自の保護施設があるペットショップを利用するのが重要です。
譲渡会や独自の保護施設があるペットショップでは、捨てられた猫や保護された猫が新しい家庭に迎えられる機会が提供されています。
そのため、不幸な境遇にある猫たちから飼う猫を選べるので、売れ残り問題の解消に貢献できるのです。
また、譲渡会や保護施設で提供される猫は、適切な医療ケアを受けているので健康な猫を家族に迎えられます。
さらに、保護施設では猫の性格や特性に合わせて猫が選ばれるため、飼い主との相性も考慮されやすいです。
他にも、飼い主に対して定期的なフォローアップやサポートが提供される場合もあります。
返品による売れ残りをなくすために覚悟を持って購入する
次に、返品による売れ残りをなくすために覚悟を持って購入するのが重要です。
猫は感情をもった生き物であり、猫を飼うことは大きな責任がともなう決断です。
猫を迎え入れる際には生涯にわたるケアを覚悟し、簡単に返品できると考えてはいけません。
返品による売れ残りをなくすためには、購入前に自分の生活や環境をよく考え、長期的な飼育計画を立てることが重要です。
また、猫の性格や特性、健康状態などをよく理解し、飼い主との相性を確認しましょう。
さらに、猫にとって安全で快適な居場所や遊び場を提供し、ストレスを軽減して猫の健康を維持してください。
売れ残った猫を引き取る
最後に、猫を守るために売れ残った猫を引き取ることも検討しましょう。
売れ残った猫を引き取るのは猫にとって救済になります。
猫は長期間、適切なケアや愛情を受けられずにシェルターやペットショップで過ごす場合があるのです。
新しい家族に引き取られると、猫の安全を確保できます。売れ残った猫を引き取る場合は下記の点に注意しましょう。
- 譲渡会や里親募集を行っている団体に申し込みする
- トライアル飼養してから引き取る
それぞれ詳しく紹介しますので、ぜひチェックしてください。
譲渡会や里親募集を行っている団体に申し込みをする
まず、売れ残った猫を引き取る場合は、譲渡会や里親募集を行っている団体に申し込みをしましょう。
最初に、地域の譲渡会や里親募集を行っている団体を探します。
動物保護団体や里親団体、保護施設などが該当するので、インターネットや地元のコミュニティセンターなどで情報を収集してください。
次に、適切な団体を見つけたら、団体のウェブサイトから申し込みをしましょう。
団体から申し込みが受理されると、飼育環境や責任感を確認する審査や面接が行われます。
審査や面接に合格した場合、複数の猫を見学したり触れ合ったりできるので、自分にとって最適な猫を選びましょう。
最後に、団体からの手続きや必要な書類の提出を行い、猫を新しい家族として迎え入れてください。
トライアル飼養をしてから引き取る
売れ残った猫を引き取る際は、トライアル飼養をしてから引き取ることが重要です。
トライアル飼養とは、一定期間猫を自宅で飼育し、相性を確認する方法です。
猫が新しい環境に適応し、飼い主との絆を築けるかどうかを注意深く観察してください。
また、猫の健康や行動に異常がないかを確認するのも重要です。
トライアル飼養期間が終了し、猫との相性や飼育環境が問題ないと判断された場合、引き取り手続きを完了させます。
引き取り手続きが完了したら、猫を新しい家族として迎え入れましょう。
まとめ
ペットショップで売れ残った猫は値下げされる場合が多いです。
それでも売れ残った場合はブリーダーの元に帰ったり、業者に引き取られたり、ペットショップがそのまま引き取ったりします。
ただ、ペットビジネスは劣悪な飼育環境や動物虐待、情報の不透明性などが問題になっています。
動物愛護法の改正などでペットショップの規制は強まっていますが、抜け穴も多く、法の遵守や取り締まりの強化が課題です。
猫を守るためには、譲渡会や独自の保護施設があるペットショップを利用しましょう。
また、返品にならないよう、自分の飼育条件にあっている猫を選ぶことが大切です。
そして、譲渡会や里親募集から売れ残った猫を引き取るのも検討してください。
猫のために、できることから1つずつ始めていきましょう。