豆知識

【獣医師監修】猫がニャオーンって鳴く時はどんな意味がある?その他の鳴き声の意味も詳しく解説!

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はじめに

猫を飼っていると、毎日色々な鳴き声を耳にすることがあります。

「ニャオーン」「ニャッ」など、多種多様な鳴き声がありますが、その鳴き声一つひとつに実は意味が込められています。しかし、猫の鳴き声の意味を理解することは、飼い主にとってなかなか難しいものです。

「猫がニャオーンって鳴く時、一体何を伝えようとしているのだろう」「この鳴き声は何を意味しているのかな」と疑問に感じたことはありませんか。この記事では獣医師監修のもと、猫が鳴く時の意味や鳴き声の違いについて詳しく解説していきます。

猫の鳴き声を理解することで、コミュニケーションがさらに深まり、愛猫との生活がより楽しいものになるでしょう。

猫はなんで鳴くの?

猫は飼い主に要求を伝えたり、意思疎通を図ったりするために鳴きます。

野生の猫は自分の居場所を敵に察知されるリスクを避けるため、無駄に鳴くことはありません。猫が鳴く状況や場面は「甘えている、要求を伝える」「不安・恐怖を感じている」「発情・威嚇している」の3つに分けられます。

一般的にオスはメスより多く鳴く傾向がありますが、鳴く回数や頻度には個体差があり、それぞれの猫の個性が反映されます。

よく鳴く猫は甘えたがり、あまり鳴かない猫の場合は、性格的に自立しているだけでなく、鳴き方がわからない場合や、単に鳴き声が小さいだけかもしれません。そのため、おとなしい猫の様子を注意深く観察することが大切です。

猫が鳴く声に飼い主が反応すると、猫は再びその声を出すようになります。子猫は母猫に甘えるときやご飯をおねだりするときによく鳴きますが、大人になると鳴き声を使ってのコニュニケーションは減少します。

猫が鳴く理由には親しい相手へのおねだりや、敵に対する威嚇などがあり、体調不良の場合にも鳴くことがあります。

猫は鳴き声でコミュニケーションする習慣があまりない

猫同士のコミュニケーションは主に体を使った表現が一般的です。

例えば、猫同士が鼻をくっつけたり、ゆっくりとまばたきをしたりすることで、敵意がないことを伝えます。外猫は特に、外敵から身を守るために、威嚇や発情時以外では鳴き声をほとんど使いません。野生下では、声を出すことで敵に居場所を知られるリスクが高まるため、鳴くことは避けられます。成長するにつれて、鳴き声をあげる頻度は減少し、成猫になると鳴かなくなることが多いです。

猫は感情を体で表現するのが得意

猫は感情を体で表現するのが得意です。鼻をくっつける、体をこすりつける、尻尾を立てるなど、さまざまな方法で感情を示します。

まばたきをゆっくりすることで、リラックスしていることや信頼の気持ちを伝えることもあります。こうした行動を通じて、猫は自分の感情を相手に伝えるのです。

鳴き声以外の身体的な動きなどを使い、他の猫や飼い主とのコミュニケーションを取ることが一般的です。

猫が鳴くときは何かを要求していることが多い

家で飼われている猫は、飼い主に何かを要求するために鳴くことが多いです。

「ごはんが欲しい」「遊んで欲しい」などの要求を鳴いて伝えてくるため、飼い主が猫の鳴き声に反応すると、猫はその声を再び出すようになります。

特定の家族に対してだけ、決まった鳴き声を出す猫もいるようです。

子猫は母猫に甘える時や、ごはんをおねだりするときによく鳴きますが、成長すると鳴く頻度は減少します。

猫がニャオーンって鳴くのはどんな時?

猫が「ニャオーン」と鳴くとき、その鳴き声にはどのような意味があるのでしょうか。愛猫が発するこの独特の鳴き声は、飼い主にとっては可愛らしく思えたり、不思議に感じたりすることがあるかもしれません。

実は「ニャオーン」という鳴き声には、発情期が関係していることが多いのです。わかりやすく解説します。

大きめの声でニャオーンと鳴いているときは発情期の可能性

猫が太く低い声で「ニャオーン」と激しく鳴くときは、発情期の可能性が高いです。オス猫は「どこにいるの」「交尾したい」といった気持ちを、このような鳴き声で表現します。メス猫も同様に、高い声で「ニャオーン」と鳴き、交尾相手を探します。

特に春や秋の発情期に多くみられる行動です。

発情期にみられる行動

発情期の猫は、通常とは異なる行動をとります。メス猫は腰を持ち上げたり、這いつくばる姿勢をとったりします。オス猫は落ち着きがなくなり、しきりにマーキングを行うことが多いです。

また、発情期の猫は夜中に大きな声で鳴き続けることが多く、人間の赤ちゃんが泣いているような声を出すことがあります。

発情期の鳴き声をやめさせる方法はない

発情期の鳴き声を完全にやめさせる方法はありません。この時期の猫は、本能的に鳴いているため、対策が難しいのです。ただし、昼間におもちゃで遊び体力を使わせて発散させることで、多少の改善が期待できます。

もしも高齢の猫が毎晩鳴き続ける場合は、認知症の可能性も考えられるため、動物病院に相談することをおすすめします。

避妊・去勢手術をすれば発情しなくなる

発情期の鳴き声を抑える方法として有効なのが、避妊や去勢手術をすることです。

手術を行うことで、発情期自体がなくなり、発情期特有の大きな鳴き声も聞かれなくなります。手術をすることで、発情期の鳴き声や行動に悩まされることが減少するでしょう。メス猫は早くて生後4ヶ月、通常では生後6〜10ヶ月程度で発情期を迎えるため、早めに手術を行うことがおすすめです。

ニャオーン以外の鳴き声にはどんな意味がある?

猫は「ニャオーン」以外にも、さまざまな鳴き声を使って飼い主や周囲にメッセージを伝えています。それぞれの鳴き声がどのような状況で使われるのか、どのような気持ちを表現しているのか、猫の鳴き声を理解することで、愛猫の気持ちをより深く理解し、適切に応えていきましょう。

「ニャッ」と短く鳴くのはあいさつ

猫が短い声で「ニャッ」と鳴くのは、あいさつの一つです。

朝の時間帯に「ニャッ、ニャッ」と鳴くときは「おはよう」と言っているようなものです。名前を呼ばれたり撫でられたりしたときに、この鳴き声で応えることもあります。これは飼い主に対する好意的な反応として捉えて良いでしょう。

しかし、同じ「ニャッ」でも声が強く大きい場合は、怒りや不満をあらわしていることがあります。撫でたりかまったりしすぎたときに強い口調で「ニャッ」と鳴く場合は、嫌がっている可能性があるため、猫の気持ちを尊重してすぐに触るのをやめましょう。

穏やかで落ち着いたトーンの「ニャッ」は、猫による軽い挨拶や返事のようなものです。飼い主が話しかけたりすれ違ったりしたときにこの鳴き声が聞こえたら、猫からの挨拶だと理解して、優しく対応してあげてください。

「ニャーオ」と訴えるように鳴くのは何か要求があるとき

猫が「ニャーオ」と訴えるように鳴くとき、それは何かを要求しているサインです。

ご飯の前で鳴くと「お腹が空いた」、ドアの近くで鳴くと「開けて欲しい」というアピールかもしれません。このほかにも、トイレのそばにいるときには「トイレを綺麗にして欲しい」という欲求の可能性があります。

甘えたい気持ちが強いほど声は高くなり、要求が強いほど声は大きく、長く鳴きます。

オス猫はメス猫よりも甘えん坊な傾向があり、より鳴くことが多いです。

強い調子で鳴くこともありますが、この場合は不機嫌さを伴い、触られたくないなどの気持ちを表現している可能性があるため、注意が必要です。

「ニャーン」「ニャオウ」と擦り寄ってくるときは愛情表現

猫が「ニャーン」「ニャオウ」と甘えた感じで鳴きながら擦り寄ってくるときは、愛情表現だと思いましょう。これは喜んでいる意思表示であり、甘えたい気持ちを伝えています。

特に美味しい食べ物をもらった時などに、このように鳴くことがあります。子猫が母猫を呼ぶときにも同じような声で鳴くため、基本的には信頼できる相手に向けた鳴き声です。

猫がこのように鳴きながら擦り寄ってきたら、かまってあげると良いでしょう。猫が安心し、飼い主との絆を深めていけます。

「ウー」と低くうなるように鳴くときは相手への警告

猫が口を閉じた状態で「ウー」と低くうなるように鳴くときは、相手に対して警告しているサインです。

これは「近寄らないでほしい」「嫌だ」「怖い」「やめてほしい」といった気持ちを表現しています。

このような声を出すのは、猫同士の喧嘩の際や、見知らぬ人や不審な物に対して警戒している時などにみられます。慣れている家族に対してはあまり出さない鳴き声です。猫は威嚇することで相手との距離を測り、相手を退けたいという気持ちを示しています。

このような状況では、猫を刺激しないようにし、落ち着くまで待つことが大切です。刺激するような行動は避け、猫が安心できる環境を整えてあげましょう。

「ニャゴゴニャゴ」「ウニャウニャ」と鳴くのは不満があるとき

猫が低く大きな声で繰り返し「ニャゴゴニャゴ」や「ウニャウニャ」と鳴くときは、不満や不機嫌のサインです。これは何らかに対して不満を感じていることを表現しています。

普段からこのような鳴き方がみられる場合は、猫の様子を確認し、少し距離をおいて、落ち着くまで見守りましょう。猫が自分のペースでリラックスできる環境を整えることが大切です。

「キューン」「クーン」と鳴くのは寂しいとき

犬が寂しいときに「キューン」「クーン」と鳴くのはよく知られていますが、猫も同じように寂しいときに「キューン」「クーン」と鳴くことがあります。特に子猫によくみられる鳴き方です。

猫がこのように鳴く時は、寂しさやかまって欲しい気持ちを表現しています。口をあまり開けず、鼻を通るような声で「クーン」と鳴くのが特徴です。このような鳴き方をした場合は、そばに行って優しく撫でてあげると良いでしょう。猫が安心できるようにしてあげてください。

「カカカ、ケケケ」と鳴くのはクラッキング

猫が「カカカ、ケケケ」と鳴くのはクラッキングと呼ばれる現象です。これは、猫の狩猟本能からくる興奮状態をあらわしています。

外の鳥や室内の虫に反応しているときに、このような音を出します。口を開けずに短い音を出すのが特徴で、窓の外に見える小鳥や虫を見つけて捕まえたいのに行けないもどかしさを表現しています。

クラッキングには、欲求不満や猿の鳴き声に擬態するという説もありますが、基本的には心配する必要はありません。ただし、鳥や虫がいないのにクラッキングを続ける場合は、欲求不満の可能性があるため、一緒に遊んでストレスを発散させてあげましょう。

「ギャーッ」と叫ぶように鳴くのは痛いとき

猫が「ギャーッ」と叫ぶように鳴くのは、強い痛みを感じているときです。誤って尻尾を踏んでしまったり、怪我をしている部分を触られたりしたときに、この鳴き声を発します。

また、食事中に炎症を起こしている部位に食べ物が当たることで、痛みから大声をあげることもあり、この場合、歯周病や口内炎が疑われます。

排泄中に唸るような悲鳴をあげる場合は、泌尿器系の病気かもしれません。尿道閉塞になると排尿されず、強い痛みを伴い異常な鳴き声をあげます。猫が普段とは異なる鳴き方をする場合、どこかに痛みがある可能性が高いと考えてください。

このような鳴き声が続く場合は、早めに動物病院を受診しましょう。猫が不快なときに出す鳴き声なので、原因を取り除いてあげることが重要です。

「シャーッ」「フーッ」と鳴く時は威嚇や怒り

猫が「シャーッ」や「フーッ」と低い唸り声を出すのは、威嚇や怒りのサインです。

身体の毛を逆立て、表情も険しくなるため、かなり興奮しているか何かに怯えている状態と捉えましょう。人見知りの猫が初めての人と対面するときや、爪切りなど嫌なことをされるとき、猫同士の喧嘩中などによくみられます。

この状態の猫に近づくと、攻撃される可能性があるので、そっとしておくことが大切です。特に耳を倒し、毛を逆立てて「シャーッ」と威嚇する時は、極度の興奮状態にあり、敵意を剥き出しにしています。

縄張り意識が強い猫は、自分の生活圏内に他者が入ってくるとこのような鳴き声をだします。もし、飼い猫が家族に対してこの鳴き方をする場合、自分が優位に立っていると思っている可能性が高いです。子猫でも「シャーッ」と威嚇することがあり、その姿はとても可愛らしく見えますが、猫にとっては真剣な防衛行動です。

また、強い痛みや恐怖を感じたときにも「シャーッ」や「フーッ」と鳴くことがあります。例えば、他の猫が近づいてきた時や、急に怖いことがあった時などです。

このような時は、無理にかまわず猫が落ち着くまで待つようにしましょう。

口を開けているのに鳴き声が出ていない?

猫が口を開けて「ニャー」と鳴いているようにみえるのに、声が出ていないことがあります。この行動はサイレントニャーと呼ばれ、実際には声が出ているのですが、人間には聞こえない高周波の音です。

高周波の鳴き声は人間には聞こえない

サイレントニャーは、猫が高周波で鳴くため、人間には聞こえません。これは飼い猫がリラックスし、飼い主に甘えているときによくみられます。子猫が母親に向かって行うことが多いですが、成猫でも信頼する飼い主に対して行うことがあります。

この鳴き声は猫が「大好きだよ」「甘えたいよ」と伝えているサインですので、心配する必要はありません。

のどを痛めている可能性もあるので注意

一方で、普段よく鳴く猫が突然声を出さなくなったり、かすれ声しか出なくなったりした場合は、喉を痛めている可能性があり、猫風邪や過剰鳴きによる声帯の炎症などが考えられます。

食事中に炎症を起こしている部位に食べ物が当たって痛がる場合や、排泄中に痛みで唸るような鳴き声をあげる場合もあります。

このような症状がみられたら、速やかに動物病院を受診しましょう。

まとめ

猫が鳴くとき、その声にはさまざまな意味が込められています。食事の催促や遊びの要求、甘えたい気持ち、不安や恐怖の表現など、猫の鳴き声は飼い主とのコミュニケーションの大切な手段です。

サイレントニャーのように、信頼関係が出来上がっていなければ、みられないものもあります。

鳴き声の意味を理解することで、愛猫との絆がさらに深くなっていきます。猫の気持ちを知り、適切に対応して、より良い関係を築いていきましょう。

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