ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
猫の抜け毛は飼い主にとって悩みの一つです。
気が付いたら床やソファーに猫の毛束が落ちている…なんて日常的ではないでしょうか。
毎日掃除してもキリがなく、ひどい場合は掃除機に猫の毛が絡まり壊れてしまうことさえあります。
猫の抜け毛の量は個体差がありますが、「ダブルコート」の猫種は抜け毛の量が多いとされています。
猫の抜け毛の量は季節の変わり目で変化します。
抜ける量が適正であれば問題ありませんが、いつもより多めに抜ける時は病気やストレスのサインの場合があります。
今回は猫の抜け毛がひどくなる理由と対策を解説します。
また、抜け毛に悩む飼い主にとっての掃除テクもあわせて紹介していきます。
猫の抜け毛がひどくなる理由
ほとんどの猫は毛で覆われています。
見た目では同じ毛質の猫ですが毛の種類は様々あります。
毛の種類によって抜け毛が多い猫と少ない猫に分かれています。
猫はシングルコートとダブルコートの毛質に分類されます。
その中でもダブルコートの被毛をもつ猫は抜け毛が多いとされています。
ダブルコートの猫は皮膚の内部にあるアンダーコートというフワフワな毛が抜け毛として落ちます。
この章ではシングルコートとダブルコートについて詳しく解説し、抜け毛がひどくなる理由を紹介します。
猫種によって抜け毛の量は違う
猫の被毛のタイプは主に「シングルコート」と「ダブルコート」に分けられます。
シングルコートとは柔らかいアンダーコートと硬くて細長いオーバーコートのどちらかしか生えていないタイプです。
言い換えれば『シングルコート=アンダーコートもしくはオーバーコート』という考え方になります。
シングルコートの主な猫種は下記の種類です。
- シャム(サイアミーズ)
- シンガプーラ
- ベンガル
次にダブルコートとは、柔らかくてビッシリ生えているアンダーコートと、このアンダーコートを覆うように硬く細長いオーバーコートが生えているのが特徴です。
言い換えれば『アンダーコート+オーバーコート=ダブルコート』という考え方になります。
ダブルコートのおもな猫種は下記になります。
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ペルシャ
- アメリカンショートヘア
- 日本猫
猫の抜け毛の多くは柔らかいアンダーコートが抜ける事です。
そのためダブルコートの猫種は抜け毛が多い猫種と言えるでしょう。
生理的な抜け毛の周期
猫は1年で春と秋に換毛期が訪れ、毛の生え替わりがあります。
今までの被毛から次の季節にあった毛質に変化する時期です。
この換毛期にはフワフワで柔らかいアンダーコートが多く生え替わります。
アンダーコートをもつダブルコートの猫(日本猫やペルシャなど)は通常の10倍ほど抜けるとされています。
換毛期に多く毛が抜けることは生理的なものなので病気やストレスではありません。
環境やストレスの影響
猫は環境の変化に敏感な動物です。
「いつもとは違う」という雰囲気を敏感に感じ、不快に思う時にストレスを感じます。
必要以上に毛を舐めとったり、過剰な抜け毛が発生するのはストレスを受けているサインです。
猫がストレスに感じる要因は以下になります。
- 引越し
- 飼い主と一緒に遊ぶ時間が少なくなる
- 新しい家族(人や動物)が増える
- 自宅周りの工事などで発する騒音
環境や生活が原因のストレスで抜け毛が多くなった場合は対策をしましょう。
食事や健康状態の影響
猫は食事や健康状態によって抜け毛の量は変化します。
猫の抜け毛が食事や健康状態によって変化する事例を紹介します。
猫の抜け毛はタンパク質不足が原因かも?
猫はタンパク質を多く取る必要がある動物です。
タンパク質は被毛や皮膚の健康維持に必要な栄養素です。
食事から得たタンパク質の約20〜30%が被毛や皮膚に関連する養分になるとされています。
もしタンパク質が不足した場合は、毛の触り心地がパサパサになり、抜け毛が多くなります。
食事で気を付けるポイント
年齢によって食事の種類は変えましょう。
人間も年齢を重ねると脂っこい物が食べにくくなるように猫も年齢によって食事のとり方が変化します。
キャットフードに記載されている年齢に合わせたフード選びをしましょう。
猫にもアレルギーがある
猫の抜け毛は食物アレルギーが原因の場合もあります。
いつも食べていたご飯をアレルギーが原因で突然食べられなくなることは猫にもあります。
猫の食物アレルギーは人間よりも少なく発症率は低いですが、可能性はあるので注意しましょう。
主な猫の食物アレルギー源は下記になります。
- 穀物
- 卵
- 鶏や豚や牛などの肉類
- 魚類
食物アレルギーの他にも猫のアレルギーは存在します。
主な猫が発症するアレルギーは下記になります。
- ノミアレルギー
- ハウスダストや花粉
猫のノミアレルギーは、ノミが猫の皮膚を噛むことで発生します。
ノミが噛んだ唾液に猫がアレルギー反応をし、ノミアレルギー皮膚炎を引き起こします。
アレルギー反応はひどいかゆみと脱毛です。
対策としては獣医師によるノミの駆除とステロイド剤の投薬になります。
家庭での対策は掃除とブラッシングでノミをある程度減らすことができます。
ハウスダストや花粉が原因でアレルギーを発症する猫は遺伝的に皮膚のバリア機能が弱い傾向にあります。
アレルギー反応は皮膚炎によるかゆみと脱毛です。
動物病院で診断すると「アトピー性皮膚炎」や「過敏性皮膚炎」と診断される場合が多いです。
いずれも掃除で症状が抑えられるので、お部屋の掃除をこまめにおこないましょう。
猫の抜け毛対策1
猫の抜け毛は毎日の対策が必要です。
抜け毛対策はブラッシングと掃除が大切です。
猫にとってブラッシングはスキンシップの一環です。
またブラッシングをすることで皮膚の状態を把握することができます。
猫の抜け毛は放置すると毛球症という病気を発症する可能性を高めます。
また、猫の抜け毛は床に放置すると飼い主もアレルギー反応を起こす可能性があるので、こまめな掃除をオススメします。
ブラッシングの重要性
ひと昔前は猫は自分で舐めてグルーミングをするため、ブラッシングは必要ないとされていました。
現在は定期的なブラッシングは猫とのスキンシップも兼ねて、必要とされています。
基本的にブラッシングは1日1回が目安ですが、抜け毛が多い換毛期は1日2回以上ブラッシングする事をオススメします。
ブラシの選び方
ブラシは基本的に猫の毛の長さによって異なります。
短毛種の猫ならラバーブラシとコームの二刀流で抜け毛対策ができます。
ラバーブラシは名前の通り「ゴム製のブラシ」です。
やわらかい素材でできており、猫への刺激が少ないブラシです。
マッサージ効果もあるので、他のブラシは嫌がるけどラバーブラシは好きという猫も多いです。
コームとは人が使うコームと同じ形をした猫用のコームです。
顔まわりやブラシでは届かない細い部分に使います。
抜け毛でからまった部分はコームで簡単にキレイになります。
長毛種の猫ならピンブラシとコームとスリッカーブラシを利用しましょう。
ピンブラシは取っ手の先に平面のブラシがついている形をしています。
人間が使うブラシに似ており、広範囲で毛並みを整えるのに効果的です。
スリッカーブラシはくの字に曲がった特徴的なブラシです。
硬く細いピンがビッシリと敷き詰められており、毛玉を取り除くのに最適なブラシです。
ブラシが鋭いので、ブラッシングをやりすぎると皮膚を傷つけてしまうので注意しましょう。
適切なブラッシング方法
ブラッシングの基本は「毛の流れにそってブラシを通す」です。
ブラッシングに慣れない猫にはブラシを見せて「今からブラッシングをするよ」とアピールします。
ブラッシングは下記の手順で行いましょう。
- 背中側の頭から尻尾の順にブラッシング
- 側面は背中からお腹の順にブラッシング
- お腹は胸からお尻の順にブラッシング
- 顔は中心から外側の順にブラッシング
特にお腹や顔のブラッシングを嫌がる猫は無理せずスキンシップとしてブラッシングをしましょう。
適切な食事と栄養補給
皮膚の健康に必要な栄養素
タンパク質が豊富な食事を意識しましょう。
タンパク質は被毛や皮膚の健康に必要な栄養素です。
肉や魚類が豊富に含まれているキャットフードを日頃から与えましょう。
また、猫自身が行う「グルーミング」で腸に溜まった毛玉は、排便として出すことで毛球症対策になります。
そのために食物繊維も積極的に摂取することをオススメします。
食物繊維には排便を促す効果があり、定期的に排便をしやすくする栄養素です。
快適な環境の整備
猫はキレイ好きといわれています。
キレイな部屋で過ごすことは猫にとってストレスなく快適に暮らせる環境といえます。
抜け毛の原因であるストレスを減らすためにも部屋を快適に整備することは猫にとって重要なことになります。
毛布や粘着シートの使用
猫は冬になると暖かい場所で1日を過ごします。
特に毛布やフワフワのマットやこたつは猫にとって最高の場所になります。
そのため猫の抜け毛が一段と多くなる場所ともいえます。
抜け毛を取る方法の多くはコロコロと呼ばれる粘着カーペットクリーナーではないでしょうか。
コロコロは手軽に抜け毛が取れるし、使用後はシートをはがせば粘着力が復活する便利なおそうじ道具です。
おすすめお掃除テクニック
効率よく掃除をして、猫が快適に暮らして欲しいと思うのは飼い主なら1度は思う事です。
この章では猫の抜け毛が気になる人にオススメする掃除テクニックを紹介します。
掃除機の使い方
掃除といえば掃除機ですが、種類が豊富で何を選べばいいか迷いますよね。
特に猫の抜け毛を気にしている家庭は掃除機選びは重要です。
掃除機は大きなごみを吸い取ると故障の原因になります。
最初に大きめのゴミはほうきや手でとり、細かいゴミを掃除機を使ってキレイにしましょう。
掃除機をストレスに感じる猫もいるので、短時間でこまめに掃除をするのがオススメです。
ペット用のフィルターの利用
掃除機の中には直接ペットに掃除機を押し付けて掃除をする掃除機があります。
掃除機の先端にローラーブラシやスリッカーが取り付けができるので、ブラッシングをしつつ、体についている抜け毛を掃除機が吸い取ります。
抜け毛が部屋に落ちるより前に掃除ができるので、掃除をするのが楽になります。
衣服の毛取り方法
猫を抱っこするとどうしても衣類に抜け毛がついてしまいます。
猫の毛は手ではなかなか取れないですよね。
この章では服についた毛を簡単に取る方法を紹介します。
カーペットクリーナーの使用
「コロコロ」と呼ばれる粘着性カーペットクリーナーは衣類についた抜け毛を取り除くのにも最適な道具です。
猫を飼っている人は誰でも使っているほど有名な掃除道具です。
毛だらけになったシートをめくれば新しいシートが出るので掃除が楽になります。
シートやラバーグローブの活用
コロコロでは取りきれなかった抜け毛はラバーグローブを使ってキレイにしましょう。
ラバーグローブはラバーブラシを手袋状にしたブラシです。
猫のブラッシングとして活躍しますが、衣類についた猫の毛を取り除くのにも活躍します。
ゴム製なので、服の繊維を傷つける事なくキレイに毛が取れるのでオススメです。
家具やカーペットのお手入れ
除菌スプレーの活用
ソファーやカーペットの洗濯はハードルが高いです。
これらをきれいにするためには除菌スプレーを利用してみましょう。
掃除機とブラシの併用
家具やカーペットの掃除は掃除機とブラシの併用が効果的です。
掃除機で細かいゴミを吸い取り、ブラシでシミや汚れを拭き取る事で猫の抜け毛が簡単に取り除けます。
まとめ
猫の抜け毛対策1は毎日のブラッシングや掃除が効果的です。
また、猫の抜け毛は病気のサインの場合もあるので、健康チェックを兼ねてこまめに猫とスキンシップをとり、楽しい猫ライフを満喫しましょう。