豆知識

【獣医師監修】猫の知能は人間の2~3歳くらい?猫の優れた知能について詳しく解説

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はじめに

猫を飼っていると、お皿の前で待っていたり名前に反応したり賢いと思うタイミングがたびたびあります。

そのため、猫の知能はどのくらいあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

猫の知能は人間の2〜3歳ほどとも言われており、優れた知能を持った賢い動物です。

今回は、猫の知能について詳しく紹介します。

猫が優れた知能を発揮するタイミングや、人間の言葉がわかるかについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

猫の知能はどれくらい?

まず、猫の知能はどのくらいなのか紹介します。猫の知能レベルを理解して、日常生活に役立ててください。

人間の2~3歳くらいといわれている

一般的に猫の知能は人間の2〜3歳くらいとされる場合が多いです。

猫の脳は人間とほぼ同じ脳の構造をしており、脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質に分類できます。大脳辺縁系は感情を司る部分であり、大脳新皮質は理性を司る部分です。

人間は大脳新皮質が多くを占めている一方で、猫の場合は人間よりも大脳辺縁系が発達しています。

そのため、猫は筋道を立てて物事を考えるのが得意ではありません。

しかし、生きるために必要なことを記憶し行動できるので、人間の2〜3歳くらいといわれているのです。

猫の知能に関する研究はあまり進んでいない

猫の知能は人間の2〜3歳くらいといわれていますが、実は猫の知能に関する研究はあまり進んでいません。

人間の知能と猫の知能を同じ条件で比べるのは困難です。また、犬の知能も人間の2〜3歳ほどといわれますが、人間や猫との比較の基準があいまいではっきりしていません。

さらに、猫の知能を測定するための適切な方法も確立されていない状態です。

そのため、猫の知能が人間の2〜3歳くらいという基準は、あくまで目安で考えましょう。

猫より犬の方が賢い?

猫と犬はよく比較されるケースが多くあります。また、猫より犬の方が賢いと言われるケースは多いです。

次に、猫と犬の賢さについて詳しく説明しているので、ぜひチェックしてください。

犬と猫とでは優れた部分に大きな違いがある

犬と猫の知能を比較する際、どちらが賢いかを一概に決めるのは難しいです。

犬と猫はそれぞれ異なる特性と能力を持っており、優れた部分が異なっています。

例えば、犬は社会性が高く、人間とのコミュニケーション能力が高いです。犬は命令を理解して従う能力や、複雑な指示をこなす能力が発達しています。

犬は訓練により多くの技や指示を覚えられて、警察犬や盲導犬、救助犬としての活躍が可能です。

一方、猫は独立心が強く、自らの判断で行動する傾向があります。猫は狩猟本能が強く、獲物を捕まえるための鋭い観察力があって反応が素早いです。

そのため、猫と犬は一概にどちらが賢いかは決められません。

同じ実験ができないためどちらが賢いとはいえない

犬と猫の知能を正確に比較するのが難しいのは、同じ実験方法を適用できないのも理由にあります。

犬は人間の指示に従い、協力的な行動を示す場合が多いため、実験に参加させやすいです。

一方で、猫は自分の意志で行動するため、実験者の指示に従うのを嫌がる場合が多く、実験結果が一貫しません。

さらに、犬と猫は異なる方法で知能を発揮するため、同じ基準で評価できないのです。

そのため、どちらが賢いかを一概に決めるのではなく、それぞれの特性と長所を理解し、日常生活に活かしましょう。

猫は記憶力がいい

猫は人間と比べて短期記憶が優れていますが、長期的な記憶も得意です。

猫がどんな情報を記憶しているのか詳しく紹介するので、ぜひチェックしましょう。

体験を記憶して同じ行動を繰り返すようになる

猫は非常に優れた記憶力を持ち、一度経験した内容を長期間にわたって覚えることが可能です。

そのため、猫は一度経験した内容から、同じ行動を繰り返す傾向があります。特に顕著に現れるのが、食事や遊び、トイレの習慣などです。

例えば、飼い主が猫に餌を与える場所や時間を一度決めると、猫は習慣を覚えて時間になるとその場所に行くようになります。

また、猫は自分が遊んで楽しかった場所やおもちゃを記憶しており、おもちゃを持ってきて遊びたいと主張する場合が多いです。

さらに、猫は飼い主との関係においても記憶力を活用しています。例えば、飼い主が特定の行動を取った後にご褒美を与えると、猫はその行動を繰り返すようになるのです。

嫌な体験をするとずっと忘れない

猫は楽しい記憶や嬉しい記憶を覚えている一方で、嫌な体験や怖い思いをした場合はずっと忘れません。

嫌な経験を記憶することは、再び同じ危険や不快な状況に直面しないようにするための重要な生存戦略なのです。

例えば、猫が動物病院に連れて行かれて痛みを伴う治療を受けた場合、猫は次から動物病院に行くことを強く嫌がります。

また、猫が特定の場所や物体、音に対して恐怖を感じる場合も多いです。

具体的には、大きな音がする場所や突然現れた物体に対して恐怖を覚えた猫は、場所や物体を避けがちになります。

さらに、特定の人間や動物に対して嫌な経験をした場合、相手を避けるか警戒しやすいです。

猫が優れた知能を発揮するのはどんなとき?

次に、猫が優れた知能を発揮するのはどんなときか紹介します。

発揮する能力やタイミングを詳しく紹介していますので、愛猫への理解を深めましょう。

獲物が隠れても探し出せる

まず、猫が優れた知能を発揮するのは獲物を探す時です。

猫の狩猟本能は非常に強く、獲物が隠れていても探し出せます。

猫は視覚、聴覚、嗅覚を駆使して獲物の動きを察知し、見えない場所に隠れている獲物でも見つけ出せるのです。

例えば、猫は微細な音や振動を敏感に感じ取り、音の出所を正確に特定する能力があります。

また、猫の目は発達しているので暗闇でも物や小動物を見ることが可能です。さらに、猫は静かに獲物に近づいて捉えるための俊敏性も備えています。

他にも、猫の狩猟能力はおもちゃで遊ぶときに発揮され、おもちゃを追いかけたり隠されたおもちゃを探し出したりする能力が高いです。

生き残るために警戒心が強い

次に、猫は生き残るための警戒心が強く、優れた能力を発揮しています。

猫が発揮するタイミングを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

環境の変化に敏感

まず、猫の警戒心の強さは環境が変化した時に発揮されます。猫は環境の変化に敏感な動物であり、警戒心の強さは生き残るための重要な反応です。

猫は新しい環境や変化がストレスとなる場合が多く、警戒心を抱きます。

例えば、家具の配置が変わったり、新しいペットが家に来たりすると、猫は変化に対して警戒し、慎重な行動を取る場合が多いです。

そして、猫は観察して匂いを嗅いだり触れたりして、新しい状況を把握しようとします。

環境の変化に対する敏感さは、野生での生活で非常に有用です。自然環境では、天候の変化や新しい敵の存在など、さまざまな要因が生存に影響を与えます。

そのため、猫が環境の変化に迅速に対応できる能力は、危険を避け、安全な場所を見つけるために不可欠なのです。

違和感があるものは食べない

次に、猫の警戒心の強さが発揮されるのは食事の時です。猫は食べ物に対して非常に慎重で、違和感を感じるものは食べない傾向があります。

野生の環境では、食べ物の安全性の確保が非常に重要です。

毒性のある植物や腐った食べ物を避けるため、猫は食べ物の匂いや味、感触に敏感であり、少しでも違和感を感じると食べません。

例えば、新しい種類の食べ物を初めて与えた場合、猫は匂いを嗅ぎ、慎重に一口だけ食べます。

また、猫は自分が以前に体調を崩した食べ物や、見知らぬ食べ物に対して警戒心を抱くのです。

そのため、猫に新しい食べ物を与える際は、少量ずつ試してみましょう。

他にも、飼い主は猫が誤って有害なものを食べないように、家庭内の環境を整えることが大切です。

敵に勝てるか瞬時に判断できる

次に、猫は敵に勝てるか瞬時に判断できる優れた知能を持っています。

判断能力はいつ発揮されるか詳しく紹介しますので、ぜひチェックしてください。

負けると思うと即逃げる

猫が判断する能力を発揮するのは、敵に遭遇したときです。

猫は相手が自分よりも強いと感じた場合、即座に逃げる行動を取ります。猫は無駄な戦いを避け、自己の安全を確保するために本能的に反応するのです。

また、優れた判断力は、猫が自分の身体能力や経験に基づいて行います。

具体的には、猫が他の動物と遭遇した場合、相手の大きさ、動き、攻撃的な態度などを瞬時に観察し、自分にとって脅威であるかどうかを判断できるのです。

もし相手が自分よりも大きく、攻撃的であると判断した場合、猫は素早く逃げ道を探し、安全な場所に避難します。

例えば、以前に特定の犬に追いかけられた経験がある猫は、同じ犬を再び見かけた際に即座に逃げる場合が多いです。

このように、猫は一度経験した内容を記憶し、将来的な危険を避けるために記憶を活用します。

猫は人間の言葉がわかる?

猫を飼っていると人間の言葉がわかるのかが気になりますよね。

猫が人間の言葉をどのように理解しているのか詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

猫は自分の名前を聞き分けられる

猫は自分の名前を聞き分けられるとされています。猫が自分の名前を聞き分けるのに使用しているのは、聴覚と認知能力です。

猫は非常に鋭い聴覚を持ち、遠くからでも飼い主の声を聞き分けられます。また、猫は繰り返し聞く音や言葉を学習し、特定の音が自分に関連しているのを理解できるのです。

また、研究でも猫は自分の名前を聞き分けられることが示されています。

猫が反応する際は、耳を立てたり頭を向けたり、飼い主の元に駆け寄ったりする場合が多いです。

このように、猫が自分の名前を聞き分けられる能力は、優れた聴覚と認知能力に基づいています。

飼い主は猫の名前を頻繁に呼びかけて、猫に自分の名前を認識してもらいましょう。

猫は多くの単語を覚えられる

猫が人間の言葉を理解する能力は、単に自分の名前を聞き分けるだけではありません。猫は多くの単語を覚えることができ、単語に対応する行動や状況を理解できます。

例えば、「ごはん」「おやつ」「おもちゃ」といった言葉は、多くの猫が覚えている言葉です。

猫は「ごはん」と言われると、食事の時間が来たことを理解し、エサの場所に駆け寄ります。同様に、「おやつ」という言葉を聞くと、猫はおやつがもらえると期待するのです。

しかし、猫が覚えられる単語の数や理解の深さには個体差があります。

ある猫は多くの単語を覚え、複雑な命令に従うことができる一方で、別の猫は基本的な単語や命令しか覚えられない場合もあるのです。

音の強弱や抑揚で記憶していると推測される

猫が単語を覚える際、音の強弱や抑揚が重要な役割を果たしていると考えられています。

猫は非常に敏感な聴覚を持ち、人間の声の微細な変化を感じ取ることが可能です。

そのため、同じ単語でも、飼い主がどのように発音するかによって、猫の反応が変わる場合があります。

具体的には、「おやつ」という言葉を高い声で優しく言った場合と、低い声で威圧的に言った場合では、猫の反応が異なる可能性があるのです。

猫は優しい声に対しては興奮したり喜んだりしますが、威圧的な声に対しては警戒心を示したり、怖がったりするケースもあります。

このように、猫は音の抑揚や感情のトーンを感じ取って単語を覚えているのです。

同じ単語を他の人が言うと理解できないことも

猫が特定の単語を覚える際、発音する人の声の特徴やトーンも重要な要素となります。

そのため、同じ単語であっても、飼い主以外の人が言うと猫が言葉を理解できない場合も多いです。

猫は言葉そのものだけでなく、言葉を発する人の声の特徴や抑揚で判断しています。

例えば、飼い主が「ごはん」と言うと猫が反応するのに対し、他の家族や友人が同じ言葉を言っても猫が反応しない場合があるのです。

他の人が言う場合、微妙な声の違いを感じ取り、自分に関連する言葉だとは認識しない場合があります。

そのため、猫に新しい言葉や命令を覚えさせる際には、できるだけ一貫した発音とトーンを使うことが重要です。

複数の人が同じ言葉を教える場合も、できるだけ発音やトーンを統一することで、猫が混乱せずに言葉を覚えられます。

猫に言葉を覚えて欲しい時はどうする?

次に、猫に言葉を覚えて欲しい時はどうすべきか紹介します。

猫が言葉を覚えるとより深いコミュニケーションを取れるようになるので、猫を飼っている方はぜひ活用してみてください。

状況や経験と関連付けて覚えられるようにする

猫に言葉を覚えてもらうためには、言葉を特定の状況や経験と関連付けて教えることが効果的です。猫は単語そのものを理解するのではなく、単語が使用される状況や経験を通じて意味を学習します。

例えば、「ごはん」という言葉を教えたい場合、毎回食事を与える前に「ごはん」と声をかけましょう。声かけを繰り返すと、猫は「ごはん」という言葉が食事の時間と関連しているのを学習します。

やがて、猫は「ごはん」という言葉を聞くだけで食事の時間を理解し、反応するようになるのです。

同様に、「おもちゃ」という言葉を教える際には、おもちゃで遊ぶ前に毎回「おもちゃ」と言うようにします。猫は遊ぶ時間と「おもちゃ」という言葉を結びつけ、言葉を聞いたときに遊びの時間が始まると認識しやすいです。

さらに、猫が正しく反応したときには、褒めたりおやつを与えたりして、行動を強化しましょう。猫は認識した言葉にポジティブな経験を関連付け、より積極的に言葉に反応するようになります。

まとめ

猫の知能は人間の2〜3歳くらいと言われており優れています。ただ、知能に関する研究はあまり進んでいないため、あくまで目安として考えましょう。

猫は特に生き残るための能力が高く、警戒心の強さや俊敏な運動能力、敵の強さの判断力が優れています。

また、猫は記憶能力も高く、自分の名前を聞き分けたり多くの単語を覚えたりすることが可能です。

猫の知能の高さを理解し、猫に言葉を覚えさせたりして、日常生活に生かしましょう。

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