豆知識

【獣医師監修】猫の最高齢は何歳?猫種による寿命の違いや長生きしてもらうための秘訣

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はじめに

猫を飼っていると、何歳ぐらいまで生きてくれるか気になりますよね。なるべくなら猫に長生きして欲しいと思うはずです。

猫の健康状態によって寿命は異なりますが、長生きしてもらうためには適切な環境づくりが欠かせません。

今回は猫の寿命について詳しく紹介します。

猫種による寿命の違いや長生きしてもらうための秘訣も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

猫の平均寿命

まず、猫の平均寿命を詳しく紹介します。室内飼いの猫の場合と野良猫の場合によっても異なるのでぜひチェックしてください。

室内飼いの猫の場合

室内飼いの猫の平均寿命は一般的に13〜16歳とされています。

室内飼い野猫の寿命が長いのは、外部の危険や病気から守られた環境で生活できるのが大きな要因です。

室内では交通事故や外敵の脅威がないため、猫は安全に暮らせます。また、飼い主が定期的に健康診断を受けさせるので、早期に病気を発見し、治療ができます。

さらに、食事も適切な栄養バランスを考慮したものを与えることができるため、健康を維持しやすいのです。

他にも、室内飼いの猫はストレスの少ない環境で生活できます。外部の音や他の動物との遭遇によるストレスが少ないため、心身ともに安定した状態を保つことが可能です。

一方で、室内飼いの猫は運動不足になりがちで、適切な運動や遊びの時間を作らないと肥満になる恐れがあります。

また、飼い主が十分に注意を払わない場合、ストレスや退屈さを感じる場合もあるため注意が必要です。

野良猫の場合

次に、野良猫の平均寿命は非常に短く、3〜5歳程度とされています。

野良猫の寿命が短い原因は、過酷な環境での生活です。野良猫は毎日食料を探し、寒さや暑さに耐え、他の動物や人間とのトラブルを避けながら生きています。

外での生活はストレスが多く、健康を損なうリスクが高いです。また、病気や怪我をした場合、適切な治療を受けられないため、命を落とすケースが多くなっています。

さらに、野良猫は交通事故に遭うリスクも高く、他の動物による攻撃が命に関わる危険性も高いです。

加えて、野良猫は感染症にかかりやすく、適切なワクチンや医療を受けられません。特に猫エイズや猫白血病などの伝染病は致命的な結果を招く恐れがあります。

他にも、野良猫の生活環境は非常に厳しく、寒さや暑さ、雨風から身を守るための適切な住処を見つけるのが難しいです。

また、十分な栄養を摂ることができず、慢性的な栄養不足に陥る場合も少なくありません。

猫の最高齢は何歳?

次に、猫の最高齢は何歳か紹介します。13歳〜16歳が猫の平均寿命ですが、2倍以上生きている猫もいるので、ぜひチェックしてください。

ギネス登録されている最高齢の猫

ギネスブックに登録されている最高齢の猫は、クリームパフという名前の猫です。

クリームパフは、1967年8月3日に生まれ、2005年8月6日に38歳3日で亡くなりました。

驚異的な長寿記録は、猫の平均寿命をはるかに超えており、ギネス世界記録に公式に認定されています。

クリームパフの長寿の秘訣として、飼い主のペリー氏が与えていたエサが理由の1つとして考えられています。

ペリー氏が与えるエサは、ベーコン&エッグやアスパラガス、ブロッコリーそしてクリームたっぷりのコーヒーなどでした。

ペリーが飼っていた猫で他にも34歳まで生きた猫もおり、環境要因が考えられるのです。

生存している猫の中での最高齢の猫

生存している猫の中で最高齢の猫として知られているのは、フロッシーという名前の猫です。フロッシーは1995年12月29日に誕生した猫であり、2024年6月現在は28歳です。

フロッシーは、2022年11月24日にギネス記録で猫の世界最高齢と認定されました。フロッシーはイギリスで暮らすメス猫であり、人間にたとえると120歳以上です。

現在は、目はあまりよく見えず、耳も聞こえない状態ですが、健康状態は良好だと言われています。

好奇心旺盛で新しい環境にも適応できるフロッシーは、おいしい食事を出せば、拒否せず食べることも可能です。

栄養をしっかりと摂取し続け、好奇心旺盛に動く性格が長寿の秘訣と考えられます。

猫の年齢を人の年齢に換算すると?

次に、猫の年齢を人の年齢に換算するとどのくらいなのかを紹介します。

猫の年齢を換算の方法

生まれてすぐは成長スピードが非常に早いので、猫の年齢の換算方法は単純ではありません。それぞれのタイミングの年齢を紹介しているので、ぜひチェックしてください。

生後1か月で1歳

まず、生後1か月の猫は、人間の1歳に相当します。生後1か月の猫は母親に依存しており、非常に幼いです。

生後数週間で目が開き、耳も聞こえるようになりますが、視力や聴覚はまだ完全に発達していません。

そのため、周囲の環境に対しては敏感ですが、まだ遠くのものはぼやけて見え、騒音もまだ聞き取れない場合があります。

生後1ヶ月の猫はほとんどの時間を寝て過ごす場合が多いです。睡眠は成長に不可欠であり、生後1か月の頃の睡眠は体の成長と発達に重要な役割を果たします。

また、体の機能が成熟していき、母猫の乳から得る栄養で、急速な体重の増加が顕著です。

さらに、兄弟猫との遊びが活発になり、キックしたり噛み合ったりするようになります。

生後6か月で10歳

生後6か月になると、猫は人間の10歳に相当します。生後6ヶ月の猫は、成長の段階で重要な時期です。

身体的には、ほとんどの猫が成猫のサイズに近づき、成長が急速に進みます。特に体重が増加し、筋肉の発達や身体能力が向上するのが特徴的です。

また、生後6ヶ月になると性的成熟も始まり、避妊・去勢手術が推奨されます。

さらに、生後6ヶ月は乳歯から永久歯への生え変わりの時期です。猫は乳歯を飲み込む場合が多いですが、床に落ちている場合もあります。

他にも、生後6ヶ月の猫は長時間のお留守番ができる場合が多いです。

ただ、好奇心旺盛な時期ですので、お留守番の時は引き続きケージの中で過ごしてもらう方が良いでしょう。

1歳で18歳

猫が1歳になると、人間の18歳に相当します。猫の1歳は成熟期を迎えている時期です。

身体的には、ほとんどの猫が大人のサイズに達し、筋肉が発達して力強くなります。

成猫としての外見や体格がほぼ完成して体重の増加は緩やかになりますが、体力や運動能力はピークの状態です。

遊びの中で狩りの本能を発揮し、獲物を追いかけたり捕まえたりして、狩りの技術を磨きます。

ただ、1歳の猫は依然として非常に活発で遊び好きですが、少しずつ落ち着き始める場合が多いです。

そして、社会的スキルも持つようになり、家族や他の猫との関係を深められます。

食事面では、1歳の猫は成長に伴って高エネルギーの食事が必要です。

栄養バランスが重要であり、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルが豊富な食事で健康を維持しましょう。

それ以降は1年ごとに4歳プラスする

1歳以降の猫の年齢を人間に換算する場合は、1年ごとに4歳を加える計算を行いましょう。

例えば、2歳の猫は人間で22歳に相当します。2歳の猫は成長期を終え、身体的にはほぼ成熟した状態です。

活動量はまだ高く、遊びや狩りの本能が強まっていますが、食事や運動のバランスに気をつけましょう。

また、健康診断を定期的に受け、潜在的な健康問題を早期に発見して治療することが大切です。

その後も年齢の換算は変わらないので、1年ごとに4歳を加えて、飼っている猫が人間の年齢でどのくらいかチェックしましょう。

11歳は人の60歳で高齢期に入る

猫は11歳になると人間の60歳に相当するとされています。11歳の猫は老齢期の状態であり、身体的な変化や健康の問題が現れる場合が多いです。

例えば、関節炎や関節の痛みが現れ、活動量や運動能力の低下がみられます。

また、毛並みの質感や色合いにも変化が現れやすいです。そのため、個体によって異なりますが、定期的な健康チェックや適切な管理を行いましょう。

さらに、11歳の猫は精神的な耐性が低下し、日常的にストレスを感じやすいです。

そのため、ストレスを最小限に抑える工夫をし、年齢による認知機能の変化も考慮してください。

他にも、11歳の猫は食事管理も重要です。11歳の猫は消化機能や代謝が変化し、特に肥満や栄養不足になりやすくなるので、適切な栄養バランスを考慮した食事管理を徹底しましょう。

20歳は人の96歳で長生きといわれる

最後に、猫が20歳になると人間の96歳と言われ、長生きの状態です。

20歳の猫は、様々な健康問題がある可能性が高いですが、適切なケアと管理があれば、健康で快適な生活を送ることができます。

また、20歳の猫は穏やかで落ち着いた性格を持つ場合が多く、日常の変化やストレスに対する耐性が高まっています。

家族や飼い主との絆が深まり、互いに信頼しあう関係が築かれている場合が多いです。

他にも、高齢になると消化機能や代謝が変化し、栄養の吸収が低下します。

そのため、適切な栄養バランスを考慮した食事管理が、体重管理や健康維持に不可欠です。

さらに、定期的な健康診断で問題の早期発見に努めましょう。

猫の種類による寿命の違い

次に、猫の種類による寿命の違いを紹介します。猫の寿命は環境だけでなく、種類によっても異なるのでチェックしましょう。

代表的な猫種の平均寿命

今回は、代表的な猫種の平均寿命を紹介します。

例えば、折れ耳が特徴のスコティッシュフォールドの平均寿命は13.4歳です。スコティッシュフォールドは予防しにくい遺伝性の病気にかかりやすいので注意してください。

また、好奇心旺盛で可愛らしいアメリカン・ショートヘアの平均寿命は13.5歳となっています。

さらに、短い足が可愛らしいマンチカンの平均寿命は11.2歳です。

代表的な猫種の平均寿命は、13歳〜16歳に収まる場合が多いです。

ただ、猫によっては平均寿命より低い場合もあるので、猫と一緒に過ごす時間をなるべく増やしたい方は、平均寿命が長い猫を選びましょう。

猫に長生きしてもらうための秘訣は?

次に、猫に長生きしてもらうための秘訣を紹介します。

  • 良質な食事を与える
  • 完全室内飼いにする
  • 健康診断を受けて病気の早期発見に努める

それぞれ詳しく紹介するので、猫の健康を維持するためにぜひ実践してください。

良質な食事を与える

まず、猫に長生きしてもらうためには、良質な食事を与えましょう。

猫は肉食動物であり、肉から得られるタンパク質や必須アミノ酸が健康維持に不可欠です。

良質な食事は猫の体の成長、維持、修復に必要な栄養素をバランスよく提供し、免疫機能の強化や病気への抵抗力を高めます。

適切なキャットフードを選ぶ際には、AAFCO(米国飼料検査官協会)の規格を満たす製品を選びましょう。

基準を満たしているフードは、猫が必要とするビタミン、ミネラル、脂肪酸、および他の栄養素がバランスよく含まれています。

特に、タウリンやビタミンAなどの栄養素は、猫にとって不可欠です。

また、猫の年齢や健康状態に応じて、適切なタイプのフードを選びましょう。

子猫や成長期の猫には成長をサポートするためのフードが適しており、シニア猫には関節ケアや消化サポートを考慮したフードが適しています。

さらに、適切な食事管理も重要なポイントです。エサのスケジュールと適切な食事量を管理して、猫の体重と健康を維持してください。

完全室内飼いにする

次に、猫に長生きしてもらうためには完全室内飼いにしましょう。

  • 野外は病気や怪我のリスクがある
  • 室内飼いは肥満にならないように注意

上記のポイントを押さえて、室内飼いにすべきか判断してください。

野外は病気やケガのリスクがある

野外での自由な行動は、病気やケガに注意が必要です。

例えば、猫が屋外で生活すると、野生動物から伝染性の病気が移る可能性があります。

野鳥からの感染性の病気や、野生動物との接触による寄生虫感染も問題です。また、交通事故や他の動物との喧嘩による怪我も少なくありません。

そのため、飼い主は室内で適切な環境を提供することが重要です。完全室内飼いにすると、ペットの健康を管理しやすくなります。

具体的には、定期的な健康チェックや予防接種を通じて、病気の早期発見と治療が可能です。

室内飼いは肥満にならないように注意

室内飼いは猫の病気や怪我のリスクを軽減できる一方で、完全室内飼いには肥満のリスクがあります。

特に、閉じた空間での生活は運動量が制限される場合が多く、日常的な運動不足が生じやすいです。

そして、代謝が低下し、肥満や関連する健康問題が引き起こされる可能性があります。

また、エサの与えすぎも猫が肥満になる原因です。

問題を解決するためには、定期的な運動とバランスの取れた食事を与えましょう。

適切な運動を確保するためには、遊び道具や運動のためのスペースを用意し、定期的に遊びに誘うことが大切です。

また、食事量を管理し、過剰なおやつや高カロリーの食品を避けてください。

健康診断を受けて病気の早期発見に努める

最後に、猫に長生きしてもらうためには、定期的な健康診断を受けましょう。

猫の平均寿命は長くなっていますが、年齢とともにさまざまな健康リスクが増加します。

定期的な健康診断を受けると、獣医師が猫の健康状態をチェックするので、早期に潜在的な病気を発見することが可能です。

健康診断では、体重や体調のチェックに加えて、血液検査や尿検査などが行われます。

例えば、腎臓病や糖尿病などの慢性疾患は、早期発見が治療成功のために重要です。

定期的な健康診断を受けて、猫の健康状態を維持し、病気を予防しましょう。

まとめ

猫の平均寿命は室内飼いの猫が13〜16歳で、野良猫は3歳〜5歳です。

ギネスに記録されている最高齢の猫は38歳であり、食事や健康管理が長寿に関連しています。

猫は、1歳で人間の18歳と同じと言われており、その後は緩やかに年を重ねていきます。

猫を飼っている方は、良質な食事を与えたり完全室内飼いにしたりして猫が長生きできる環境を作りましょう。

また、定期的な健康診断で病気の早期発見に努め、猫の健康を維持してください。

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