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はじめに
猫には11種類の天敵がいます。
室内飼いをされている家庭では愛猫と野生動物が接触する可能性は低いですが、外出する子には注意が必要です。
この記事では、猫にとって天敵の動物と愛猫を危険な動物から守る方法を紹介します。
中には身近でよく見かける動物もいるので、要チェックです。
猫に天敵はいる?
天敵とは、特定の生き物を捕食したり駆逐する生き物や動物のことです。
猫には多くの天敵が存在しており、その中でも1番身近な存在であるカラスは猫のすぐそばで生活しています。
元々肉食獣の猫は狩りをする習性を持っており、ネズミなどの小動物から見ると天敵ですが、他の動物からみると捕食される側です。
室内飼いをされている場合は良いですが、野生で暮らしている子猫の生存率は特に低く、常に子猫を狙っている動物たちがいます。
成猫になれば鋭い爪と牙を持ち、運動神経も良くなるため子猫の時より危険は少なくなりますが、それでも3〜5㎏程度しかないので天敵から身を守るのは大変です。
ペットとして飼っていれば天敵と遭遇することはほとんど考えられませんが、可能性が0ではないため飼い主も存在を知っておく必要があります。
猫にとって天敵となる動物11選
今回は、猫にとって天敵と呼ばれている動物を11種類紹介します。
身近に存在する動物から普段見かけることのない動物もいますが、あらゆる可能性を考えてそれぞれの特徴や対処法を確認しておきましょう。
カラス
猫にも飼い主にとっても、最も身近な存在であり危険度も高いのがカラスです。
雑食のカラスはごみを漁って食べている印象を持っている方が多いと思いますが立派なハンターであることを忘れないでください。
非常に賢いので、獲物を見つけて狩れると思ったら一瞬で鋭い爪とくちばしを使って襲ってきます。
狙われやすいのが生後4か月未満の子猫であり、そのまま殺してその場で食べられてしまいます。
そのため、家の敷地内であるベランダや庭であってもかなり危険です。
もしも日光浴や遊びで外に出す場合は、すぐそばで常に目を離さないようにしてください。
目を離すときやその場から一瞬でも離れる場合はゲージに入れるなど、カラスから守ってあげられる対処を必ずしましょう。
成猫になればカラスに抵抗できる力が付くと言われていますが、ケガをする危険や上手く抵抗できない可能性もあるので、猫だけの外出は避けることがおすすめです。
今まで大丈夫でも体調が悪かったり老猫になって力が弱くなってしまうことも考えられるので、室内飼いに切り替えるなど検討してみてください。
蛇
猫にとって天敵である蛇は、祖先であるイエネコ・リビアヤマネコの時代からの因縁の相手です。
砂漠に住んでいた祖先の猫たちは蛇に遭遇することが多く、今でも目が合うと本能的に戦おうとします。
蛇が狙いを定めて襲い掛かってくることもありますが、猫からちょっかいをかけて蛇を追いかけることもあります。
しかし、蛇の中には毒を持っているものもいるので、一歩間違えたら取り返しのつかない状態になりかねません。
遊び相手として猫がちょっかいをかけていたら、必ずやめさせましょう。
猫は小型の蛇とはやり合える可能性がありますが、大型の蛇になると小さな子猫であれば丸呑みにされる可能性があるので話は変わってきます。
住宅街や人が多く暮らしている場所ではなかなか大型の蛇に出くわすことはありませんが、自然豊かな環境で暮らしている方は猫だけで外に出すのは危険です。
ハクビシン
ハクビシンは、最近都心の住宅街でも目撃されるようになり危険度の高い猫の天敵です。
雑食なので農作物に危害を加えるだけでなく、猫などの小動物に襲い掛かり捕食することもあります。
攻撃的な性格をしているので、猫が反撃をしてもひるむことなく攻撃してくるため子猫の場合は殺されて食べられてしまう事も多いです。
山奥から降りてくるイメージだったハクビシンですが、今では人間の家のすぐそばで巣を作ることも多く外出する猫にとってかなり危険な存在です。
自宅のベランダはもちろん、ベランダや柵にも飛び乗ってくるので、外で遊ばせる際も必ず目を離さないようにしてください。
タヌキ
タヌキも猫の天敵です。
昔話の印象から田舎の山奥に生息しているイメージのタヌキですが、エサを求めて人間の生活する場所にも最近は多く生息しています。
基本的に夜行性なので昼間の時間帯に見かける事は少ないですが、寝ている猫に襲い掛かかる危険があるので要注意です。
室内飼いの猫は夜に外で遊ばせることは少ないと思いますが、放し飼いの猫は夜にも危険があることを忘れないでください。
必要がない限り、夜に外に出すのは控えるようにしましょう。
また、タヌキは狂犬病などの病原菌を保有している可能性があるので、噛まれたり引っかかれたりしないように見かけたらすぐに離れてください。
アライグマ
可愛らしい見た目でアニメのキャラクターにも使われて話題になり、飼育されることもあったアライグマですが、実はかなり性格が狂暴で猫に襲い掛かることがあります。
飼育ブームの時代にアライグマを飼っていた人間が、あまりの凶暴さに飼育放棄をして無責任に放置した結果、野生化して家畜や猫などのペットも襲われることもありました。
今ではアライグマも特定外来種に指定されています。
現在見かけることは少なくなりましたが、野生に生息している可能性があるので注意は必要です。
アライグマは人間に感染する病原体を持っている場合も多く、人間にとってもむやみに近づいたり触るのは危険なので見つけたらその場から離れましょう。
犬
古くから猫の天敵と呼ばれる犬は、最近ではペットのイメージも付き野生の野良犬も少なくなりましたが、今でも猫にとっては天敵です。
最近では食料として猫に襲い掛かる犬は飼い犬でも野生でも滅多にいませんが、本能的には猫を襲うことが考えられます。
多頭飼いをしているご家庭では「犬も猫も仲良しです」という声を聞きますが、全ての犬と猫が仲良くできるわけではないことは頭に入れておきましょう。
猫と犬がはじめは仲良く遊んでいても、延長上で興奮してケンカになってしまうこともあります。
特に大型犬と猫では、力の差もあり本気で襲われたらケガだけでは済まない可能性もあるので十分注意しましょう。
野生の犬の場合は、本能的に襲ってくる可能性があるので近づけないようにしてください。
確かに仲の良い犬と猫がいるのも事実ですが、狩猟本能や闘争心が突然出てきて襲い掛かることもあるので、根本は天敵関係であることを理解して安全に過ごせるように配慮してあげましょう。
猛禽類
猛禽類は、獲物を捕食するために身体を進化させた鳥の仲間で、鷹や鷲、ハヤブサやフクロウのような鳥のことを言います。
都心では見かけることはほとんどありませんが、自然豊かな地域や農村部に住んでいる方は注意が必要です。
空から猛スピードで襲い掛かってくるため、成猫でもターゲットにされる可能性があります。
爪やくちばしも鋭く、身体の大きい猛禽類相手ならひとたまりもありません。
もしも、外にいる時に空を飛んでいる猛禽類の姿を確認したら、猫を抱き上げたり室内に避難させましょう。
キツネ
キツネは神聖なイメージがある動物ですが、れっきとした肉食獣です。
基本的にウサギや鳥、ネズミなどの小動物が狩りの対象ですが、その中に子猫が含まれる可能性は十分にあります。
縄張り争いやエサの取り合いで争うことも多いので、野生の猫が巻き込まれることも少なくありません。
キツネが生息している地域では、猫を放し飼いにすることはやめましょう。
また、室内飼いでも開けっ放しにしてしまった扉から侵入する可能性もあるので要注意です。
キツネも病原菌を持っている可能性が高いので、見つけてもむやみに近寄ったり触らないようにしてください。
イタチ
イタチは体重が2kg程度の小動物ですが、肉食獣なので猫に襲い掛かり捕食しようとします。
可愛らしい見た目とは裏腹に、攻撃性が高く特に子猫は襲われる危険が高いです。
狙う動物は、子猫の他にもネズミや鳥などを捕食対象にしているため人間が多いところにも現れます。
少し目を離している隙に襲ってくる可能性があるので、特に子猫の外遊びは絶対に目を離さないでください。
サル
サルは猫を捕食することはありませんが、攻撃対象なので天敵になります。
都心でもエサを求めたサルが出没して、人間が襲われてケガをしたり住宅が被害にあうニュースを見ますが、襲われる対象には猫も含まれているので注意が必要です。
縄張り意識が強いため、猫がうっかり縄張りに侵入してしまうと威嚇で狂暴化し攻撃してきます。
もちろん自然豊かな場所では多くのサルが存在しているため、外に出している猫や野生の猫は特に注意をしなければいけません。
サルを見かけたらむやみに近づかず、猫と一緒にその場から離れ家の中に入りましょう。
食べ物を与えると何度も家に訪れるようになる可能性があるので絶対にやめてください。
コヨーテ
北アメリカが生息地のコヨーテは日本にはいませんが、猫を良く捕食する天敵です。
コヨーテの食べたものの調査をしてみると4割が猫だったという調査結果があるほど、猫が襲われる可能性が高い動物になります。
日本にいないからと言って安心せずに、良く猫を食べてしまう存在がいることは頭に入れておきましょう。
猫を天敵から守るにはどうしたらいい?
猫を天敵から守りたいなら、絶対に目を離さないで安全な場所で飼育することです。
身近な場所にも猫のことを狙っている存在がいます。
守ってあげられるのは飼い主だけなので、今回の記事を参考にどうやって対処すればいいのか考えましょう。
身の回りには天敵となる動物がたくさんいる
まず大事なことは、身の回りに危険がたくさん隠れていることを理解することです。
カラスは一歩外に出てしまえば、すぐにでも出くわしてしまうほど私たちのそばに存在しています。
その他の天敵も一瞬の隙を狙って、すぐ近くに潜んでいる可能性が高いです。
気を抜いてしまうことが愛猫の命取りになってしまうので、飼い主は絶対に目を離してはいけません。
ベランダや庭にも侵入してくるので、外で遊ぶ場合は手や目の届くところで、何かあったらすぐに対応できる準備をしておいてください。
人間に対して攻撃的に襲ってくる天敵も多いので、自分自身もケガをしないように気を付けましょう。
天敵に襲われると命を取り留めても大きなけがを負う可能性
猫が天敵に襲われると、命を落とさなくても大きなケガをしてしまう可能性があるので注意してください。
天敵の中には捕食しようと思って襲ってくる相手と、縄張り争いで攻撃してくる相手がいますが、どちらに遭遇した場合もケガをする可能性があります。
ケガの種類 | 原因・注意点 | 対処法 |
噛み傷 | ケンカをして相手に噛まれる事が多い。 小さい傷に見えても筋肉まで達することがあるので注意が必要。 傷が塞がっていても皮膚の下で細菌感染を起こし、化膿する危険がある。 | 出血のない場合:ガーゼを当てて止血 出血がある場合:柔らかいもので圧迫して止血 出血がひどい場合や猫がぐったりしている時はすぐに動物病院へ連れて行く。 |
ひっかき傷 | ケンカをして相手にひっかかれることが多い。 軽傷な事が多いですが、目をひっかかれた場合は注意が必要。 目の角膜に穴が開いてしまう事があります。 | 出血のない場合:ガーゼを当てて止血 出血がある場合:柔らかいもので圧迫して止血 猫が目を負傷している時は、目を開かない場合が多いです。 なるべく早く動物病院へ連れて行きましょう。 |
ねんざ | 敵と戦ったり、追いかけられて転んだり、高いところから落ちた時に捻挫をすることがあります。
上記の症状が見られる場合は、捻挫をしている可能性が高いです。 | 捻挫をした場合は患部の炎症を抑える応急処置をします。
脱臼や骨折の可能性もあるため、早急に動物病院へ連れて行き診察を受けましょう。 |
脱臼 | 脱臼は骨が関節から外れてしまうことを言います。 転倒・交通事故・衝突・急な方向転換などが原因です。 良く脱臼が見られる場所は、股関節と尻尾。
上記の症状が見られる場合は脱臼している可能性が高いです。 | 動物病院に連れて行きましょう。 素人が外れた関節を処置するのは大変危険なのでやめてください。 |
骨折 | 骨折はケンカ・交通事故・高いところから落下などが原因としてあげられます。
上記の症状がみられる場合は骨折している可能性があります。 | 骨折が考えられる場合は患部を動かないように固定して早急に動物病院に連れて行きましょう。 板や硬い素材の物にタオルを巻いて、骨折部に当てて固定します。 血が止まるほど強く圧迫しないように気を付けてください。 |
小さな擦り傷や切り傷と違って、大きなケガをしてしまうと家まで帰れなかったり途中で他の天敵に襲われる可能性があります。
ほとんどの原因は、外出時に起こる可能性が高いものばかりです。
ケガが心配な方はなるべく室内で飼育し、どうしても外出させる時は目の届く場所で危険がないように配慮してください。
完全室内飼育をするのが安全
猫は成猫になっても3〜5kg程しかないので、一歩外に出れば自分より大きくて危険な天敵だらけです。
天敵に襲われてケガをしてしまったり、最悪の場合命を落としてしまうことが考えられるので、できれば完全室内飼育に切り替えるのがおすすめです。
猫が天敵に「シャー」するのはなぜ?
猫が天敵に「シャー」とするのは、拒絶や威嚇の気持ちの表れと言われています。
猫の威嚇には攻撃的な場合と防御的な場合があり、「シャー」は相手を遠ざけるための防御的な威嚇です。
猫の祖先は砂漠に住むリビアヤマネコ
猫の祖先とされるリビアヤマネコは砂漠に住んでいたので天敵の蛇が多く、襲われるたびに身を守る必要がありました。
何度も現れる蛇と1回1回ケンカをするのは大変なので、「シャー」と威嚇をして蛇を追い払うようになったと言われています。
猫には今だにその本能が残っているので、近づいてほしくない時や追い払いたい時に相手に向かって「シャー」と嫌なことをアピールして伝えているのです。
シャーは蛇の真似をしている?
猫が威嚇をする時に「シャー」と言うのは、蛇を真似していると言われています。
猫の祖先であるリビアヤマネコが蛇を追い払う時、ライオンのように大きな声で吠えることもできず、考えたのが相手の真似をすることでした。
蛇が威嚇する時にも「シャー」と言いますが、猫もこれなら自分も真似できると思ったのでしょう。
「シャー」を使う事によって、その他の蛇を嫌う動物たちも追い払う事ができ、猫にとって良いことばかりでした。
なので、今だに猫は威嚇する時に「シャー」を使っていると考えられています。
まとめ
今回は猫の天敵の存在について解説しました。
可愛らしい見た目の猫ですが、実は肉食獣でもあり自分がハンターになることもあれば、狩られることもあります。
周りにはたくさんの天敵がいるので、飼い主の方は愛猫をしっかり守ってあげてください。
特に4ヶ月未満の子猫の時期は、天敵から目をつけられる可能性がとても高いです。
外出する時や外で遊ぶ時も絶対に目を離さず、襲われても対処できるように対策を考えておきましょう。
できれば、完全室内飼いがおすすめなので検討してみてください。