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初めに
愛猫家の皆様は、暮らしの中で猫がイカ耳になっているのを目撃したことはありますでしょうか。猫は顔だけでなく、耳やしっぽを使って感情を豊かに表現できる動物として知られています。
猫のイカ耳とは、猫が自分の耳を飛行機のように水平方向に倒し、イカのヒレのようになっていることです。どのような状態や気持ちになったときに、猫はイカ耳になるのでしょうか。
本記事では、「猫の耳の特徴」・「猫のイカ耳とは?」・「猫がイカ耳になるのはどんな時?」「耳に現れる猫の気持ち」・「猫の耳のお手入れ法」について解説します。猫の飼い主さんや愛猫家の人は自分のペットを想像しながら、ぜひ参考にしてください。
猫の耳の特徴
猫は五感の中でも特に聴力が高い動物です。もともと、狩りをして生活していたため、暗闇の中で音を聞きわけて身を守っていました。
聴力の高さは、進化の中で猫に備わった特徴の一つです。
人間や犬と比べて猫の聴力は優れており、低音は犬や人間と大差はないですが、高音は犬や人間と比べてみると猫の方が優れていて、超音波も聞き取ることができます。猫は人間の4倍以上の聴力があり、人間の1オクターブ半以上の高音を聞くことが可能です。
猫の耳で人間と大きく異なるのは耳介の部分となります。耳介とは耳の大きくひらひらとした部分です。
猫の耳介は筋肉が発達しており、左右片方ずつ、いろいろな方向に動かせます。耳介はアンテナの役割をしていて、耳から音などの情報を取り入れて危険の察知が可能です。
さらに、猫は内耳も発達していて、優れた平衡感覚の持ち主となっています。平衡感覚が優れているため、高いところからぴょんと飛び降りたり、高いところを歩くのが得意です。
猫の耳は音の聞き取りだけでなく、自分の気持ちを表せます。耳をピンと立てたり水平に寝かせたりして、感情の表現が豊かな動物です。
猫のイカ耳とは…?
特徴
猫のイカ耳とは「寝かせた耳を外側へと張った状態」の耳です。猫が自分の耳を飛行機のように水平方向に倒し、イカのヒレのようになることを指します。音や周囲の様子を耳で澄まして聞いている状況です。
海洋生物の「イカ」から由来していて、伏せた猫耳の形がイカのヒレに似ているところから「イカ耳」と呼ばれるようになりました。
猫のイカ耳は警戒心や不安がある時、集中しているときなどになりやすい傾向があります。イカ耳の時、耳を横にして音や周囲の様子から情報をキャッチしようとするでしょう。
たとえば来客の人が初めましての猫に触ろうとする場合は、猫側からすると初対面の人にいきなり頭や体を触られる状態なので、警戒の意味を込めてイカ耳にします。
他にも臆病な猫はインターホンや掃除機の音が聞こえた際にイカ耳になってしまいやすいです。
ただし、すべての猫がイカ耳になるというわけではなく、個性があるため猫の特徴や正確に合わせて判断してあげましょう。
イカ耳の際は敏感になっているため、触らないようにして静かに見守るのが良いです。
スコティッシュフォールドなどの折れ耳・たれ耳の猫は立ち耳の猫に比べるとイカ耳がわかりにくいです。猫の種類にかかわらず、動かしている筋肉は一緒なのでイカ耳になるかをよく観察してみてください。
イカ耳がわかりにくい際は、しっぽや顔の様子から気持ちを読み取れる場合もあります。
【イカ耳がわかりにくい猫の種類】
- スコティッシュフォールド
- ブリティッシュショートヘア
- アメリカンショートヘア
- スコマンチ
猫がイカ耳になるときはどんな時??
猫がイカ耳になるときは下記のような様子の時です。順番に説明していきます。
- 怒っている時
- おやつを食べている時
- 警戒している時
- 怖がっている時
- 興味を示している時
- 集中している時
①怒っている時
猫が相手を威嚇して、イカ耳になっている場合は怒っているときです。瞳孔がやや小さくなり、目を細めて口角を後ろに引き、歯をむき出しにしてひげを水平に引き寄せている様子が見られます。
例えば猫のテリトリーに相手の猫が入ってしまった時に、イカ耳になったりしやすいです。戦闘態勢に入った猫が興奮して攻撃される恐れがあるので、怒りが収まるまで静かに見守りましょう。
②おやつを食べている時
猫は食事やおやつを食べているときにもイカ耳になることがあります。おやつの時には、顔やあごに力が入るためにイカ耳になりやすいと言えるでしょう。
コッソリおやつを貰う孫猫
ちゅ〜るを食べる時はイカ耳になる孫猫
昨日あげた猫の日おやつ
なんでペロペロする時いっつもイカ耳&目の焦点おかしくなるんやろか…
長生きしてくれよ
実際に猫を飼っている家庭では、おやつをあげようとしたタイミングでイカ耳になるなどの声が少なくありません。
おやつの時は嬉しくて興奮もしているので、瞳孔が開き気味で耳は少し立ち、後ろに引かれたイカ耳状態となります。
③警戒している時
警戒しているときの猫は、自由自在に耳を動かしてからイカ耳になる場合があります。周囲を確認して、警戒が必要なときです。
イカ耳にすると、情報収集がしやすくなります。警戒しているときの猫は攻撃してくる場合があるので、触らないように注意しましょう。
④怖がっている時
怖がっている猫は、姿勢を低くして耳を横に伏せてイカ耳となります。初対面の動物や人に会った時になる場合が多いです。また、シャンプーをする際にも恐怖心からイカ耳になるときもあります。
この場合、瞳孔や目をしっかり開いて、相手を確認するでしょう。猫は恐怖心でいっぱいなので、そっとしておくか優しく接するのが良いです。
⑤興味を示している時
猫は興味を示しているときもイカ耳となります。耳をそばだてて、気になるものがなにかを特定するときに耳を水平にしている状態です。
瞳孔や目は開いていてやや興奮しているため、近づかないでそっとしておきましょう。
⑥集中している時
猫は集中して音を聞いているときにイカ耳となります。猫の耳は集音器として働くため、じっくり音を確認したい時にイカ耳にして聞くでしょう。
急に雨や工事の音がしてうるさいときにも、「なに?」とイカ耳で反応したりします。
猫の気持ちが耳で表現される例です。
集中して聞いているときは、敏感になっているので注意しましょう。
そもそも猫の気持ちは耳に現れやすい…?
猫は耳の形状で気持ちを読み取ることができます。耳を左右上下に動かして音を聞き、感情を表現するのが上手です。
耳だけでなく、しっぽからも気持ちを読み取ることができます。
猫は耳の形状がどのようなときにリラックスしているのでしょうか?
下記のような耳の形状のときの、猫の気持ちを説明します。
- 耳が前にピンと伸びている時
- 耳を横に寝かしている時
- 耳が動いていない時
- 耳が少々動いている時
- 耳を後ろへ寝かせる時
- 耳が後ろにピンと伸びている時
耳が前にピンと伸びている時
猫の耳が前方にピンと伸びているときは、ご機嫌な時や興味津々なときです。家の中で心地よい状態のときや、自分の好きなものがあるときに耳を伸ばして、すました顔をしています。
集中してじっと見つめたり、目を大きく開いたり、ひげをピクピクさせることもあるでしょう。猫が軽い興奮状態の場合も多いです。
ご機嫌なので、飼い主さんが何をしてくれるかと期待を込めて、ワクワクしている場合もあります。猫の気持ちをくみ取って、対処してあげましょう。
耳を横に寝かしている時
猫の耳が自然と横になっている時は、安心して落ち着いているときです。のんびりと日光に当たっている時や頭をなでてもらっている時、だらんと寝転んでいるときに耳が横になります。
猫はリラックスや安心している時なので、そっと見守って静かにしてあげましょう。
イカ耳と似ていますが、緊張などが無く自然と水平状態になっています。
耳が動いていない時
猫の耳が動いていない時は、何もない場合が多く暇なときです。リラックスしていて、今でも寝そうなときでも耳を動かしません。
寝ていないときには飼い主さんが遊んであげてもいいですが、耳が動いていないときの猫の気分はわかりづらいため、注意して見守ると良いでしょう。
耳が少々動いている時
耳が少々動いているときは、ピクピクさせながら周りの音や動きを確認しています。耳をすまして聞いている時です。
周りの様子を気にしているので、敏感になっています。猫に直接触れたり、話しかけたりしないほうが良いでしょう。
耳を後ろへ寝かせる時
耳を後ろへキュッと寝かせて引いている時は、激怒していたり恐怖があるときです。緊張して、体を丸くしたりこわばったりする様子が見られます。
猫は神経質になり、不安な気持ちになっているので、声をかけてなだめてあげると良いでしょう。急に触ると攻撃されてしまうこともあるので、避けた方が良いかもしれません。
ちなみに、後ろへ寝かせた耳を下におろすと、降参のポーズです。猫同士のけんかで見られる場合があります。
耳が後ろにピンと伸びている時
耳が後ろにピンと伸びている時は、猫はイライラしたり、ストレスを感じているときです。「あっちにいって」とか「私にかまわないで」と思っているでしょう。
不安を感じたり、眠くてイライラしたりしているため、猫に構わず触れないように気をつけたほうが良いです。そっとしてあげるのが良いでしょう。
猫の耳のお手入れ方法
猫は耳の機能が発達しているため、異変が起きたら大変です。日頃から、耳をチェックして病気を予防しましょう。
基本的には週1回チェックして、汚れていたら手の届く範囲で優しく拭いてあげます。耳は皮膚が薄く繊細なため、拭きすぎると傷がつくのでやりすぎないように注意が必要です。
猫の耳が汚れていないのに、耳掃除をするのはやめましょう。耳の中のチェックを定期的に行うと、異変があったときに気づきやすくなります。
下記のような症状が出たら、病気の可能性があるのですぐに動物病院を受診して、獣医師に相談しましょう。
- 耳垢が増える
- 耳をこする
- 耳から臭い匂いがする
- 耳の周囲が赤くなる
- 耳が腫れる
耳の汚れが多いときは…
猫は基本的には耳の汚れや耳垢が増えることは少ないです。耳の汚れが多いときは異常があるサインなので病院にかかると良いでしょう。
スコティッシュフォールドなど折れ耳の猫は汚れがたまりやすいので、こまめに耳のチェックが必要です。
獣医師に相談する
耳の汚れが多くなり、耳垢が増えると外耳炎など病気の可能性が高くなります。外耳炎は耳の外耳(耳の穴から鼓膜まで)に炎症を起こした状態です。すぐに動物病院にかかり、獣医師に相談しましょう。
耳にダニが寄生したり、耳がアレルギーで赤くなり、炎症を起こす場合もあります。
病院にかからず放置した場合、耳の治りが遅くなったり、さらに悪化する場合もあるのでなるべく早く受診するのが大切です。
耳の油分が多い場合は…
耳に油分が多い猫の場合、汚れが付きやすい体質なので頻繁に拭いてあげる必要があります。
コットンなどで拭いて対応
週1回程度で大丈夫ですが、良く絞ったコットンなどで優しく耳を拭いてあげましょう。
耳に液体が入るとダメージが大きいため、注意してください。
ペット用のイヤーローションもありますが、嫌がる猫もいるため、コットンで拭くのがおすすめです。
綿棒で激しくこすると猫が怖がったり、傷が付いたりしやすいのでやめましょう。
週1回の手入れで汚れが取れない場合や耳の皮膚に赤みがあるときは、病気の可能性があるので獣医師に相談してください。
かわいい猫の写真
白い掛け布団の下で眠る白猫。眠いのか、起きる気配は全くない様子。
白いフロントロード洗濯機の前の黒い猫。洗濯機からちょこんと顔を出し、飼い主さんに愛想を振りまいている。
窓の近くに横たわってひなたぼっこをしている 2 匹の茶色と黒の猫。外の様子が気になるのか、二匹揃って庭を眺めている。
シルバートラの子猫2匹が仲良く寄り添っている。信頼関係があるようで、お互いにくっついて飼い主さんを見つめている。
1点を見つめるオレンジ色の猫のフォーカス写真。興味津々で、動物の様子を観察している。
まとめ
猫のイカ耳について・猫の耳の特徴・猫の気持ちによる耳の変化・猫の耳のお手入れ法について解説しました。
猫のイカ耳は、下記の時になりやすいと言えるでしょう。
- 怒っている時
- おやつを食べている時
- 警戒している時
- 怖がっている時
- 興味を示している時
- 集中している時
猫の耳は聴覚に優れているので、耳が悪くならないように週に一度はチェックしてあげましょう。また、イカ耳になっているときは警戒したり、怒っていたりと敏感になっています。
おやつを食べているときなど、嬉しい時にもイカ耳になることもあるでしょう。イカ耳から猫の気持ちを読み取って、そっとしておいてあげると良いです。
猫の耳は仕草から下記のような気持ちを読み取れます。
- 耳が前にピンと伸びている時→ご機嫌・興味津々
- 耳を横に寝かしている時→リラックス
- 耳が動いていない時→暇な時
- 耳が少々動いている時→耳を澄ましている
- 耳を後ろへ寝かせる時→警戒・恐怖
- 耳が後ろにピンと伸びている時→イライラ・ストレス
猫の耳は皮膚が薄くて傷がつきやすいため、そっと触れるようにしましょう。
リラックスしているときには、思いっきり遊んであげるとストレスが発散できるのでおすすめです。
本記事を参考にイカ耳の時の猫にはそっとしておいてあげてくださいね。