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【獣医師監修】三毛猫はペットショップで購入できる?三毛猫を手に入れる方法と三毛猫の特徴を解説

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はじめに

三毛猫といえば一般的に、3色の毛色を持つ猫、ということがイメージできると思います。

しかし、それ以外の事はあまり知られていないのではないでしょうか。

これから三毛猫を飼いたいとお考えの方のなかには、いろいろわからないことが多いと思います。

「三毛猫が欲しいけれど、ペットショップで購入できるの?」

「三毛猫っていう猫の種類がいるの?」

当記事を読んでいただければこのような疑問が解決します。

また、あまり知られていない三毛猫の特徴についてもくわしく解説していきます。

三毛猫とはどんな猫?

三毛猫は猫の種類を指すものではなく、日本猫の一般的な雑種です。

三毛猫の特徴は、その名のとおり3色の被毛をしている点です。

一般的な毛色は、白・黒・オレンジがかった茶色ですが、色の濃淡や模様によって個体差があり、印象がだいぶ変わります。

身体的な特徴としては丸顔で、目はそれほど大きくなく、手足は短めのどちらかというとずんぐりむっくりな体型をしています。

大きさも標準的な猫の大きさをしており、標準体重は3〜4.5kgとなります。

性格はとても賢く、環境への順応性も高いことから飼育環境問わず、飼いやすい猫といえるでしょう。

猫といえば気まぐれでマイペースな性格のイメージもありますが、三毛猫はまさにイメージ通りの性格をしています。

プライドが高く、マイペースで、人間との距離を保っていながら、甘えたいときには自らすり寄ってくる一面も持ちあわせています。

また、洞察力にも優れており、猫同士の相性、好き嫌いがはっきりとしているのも三毛猫の性格の特徴です。

日本では広く親しまれている三毛猫ですが、海外ではあまり見かけることがないため、愛猫家の間では希少な存在として「キャリコ」「ミケ」などと呼ばれて人気が高くなっています。

また、遺伝子の関係で、大半の三毛猫がメスであり、オスの三毛猫はほとんど見かけることがありません。

三毛猫は3色の被毛を持っていることが特徴ですが、そのなかにも模様などでいくつかの種類があり、呼び方が異なります。

三色の毛色を持つ猫

三毛猫は白をベースカラーとして、黒や茶色(オレンジがかったものもある)のまだら模様が特徴となります。

三毛猫のなかでも、色の濃淡や柄によって種類が異なり縞三毛、飛三毛、キジ三毛(薄三毛)と呼ばれています。

種類により性格も異なるともいわれている三毛猫の特徴について解説いたします。

縞三毛

縞三毛は白、黒、茶の3色の被毛で構成されており、黒と茶色の両方、もしくは黒の部分だけが縞模様になっているものを指します。

縞三毛の特徴として、黒や茶のコントラストがはっきりしていること、白がおもにお腹周辺にあらわれることなどがあります。

縞模様であることからトラ猫に似ているといわれることもあるようです。

性格的には、マイペースで気まぐれな部分を持ちつつ、他の三毛猫に比べると物静かで落ち着いた性格をしている傾向があります。

飛三毛

飛三毛の特徴は、ほかの三毛猫に比べ、白の割合が大部分を占めており所々に黒や茶色のぶち模様がみられます。

飛び飛びで不規則に模様が入っているために飛三毛と呼ばれるようになりました。

飛三毛の性格は、マイペースで気まぐれな三毛猫の特徴を持ちつつ、音やにおいに敏感な少し神経質な一面があるとされています。

白は自然界では目立ってしまうため、白い猫には神経質な個体が多いといわれているところからきており、三毛猫のなかでも大半が白である飛び三毛もこのような性格を持っているのでしょう。

キジ三毛

キジ三毛は薄三毛とも呼ばれ、名前の通り全体的に淡い色合いをしているのが特徴です。

縞三毛のような白・黒・茶のはっきりとしたカラーとは違い、全体的に色合いが薄く、黒い部分はグレー、茶色部分は淡い黄色をしています。

また、シルバーの遺伝子が入ってくると、根元だけが白くなることでより淡く見えるため、とてもやわらかい印象になります。

性格的には、警戒心が強く、三毛猫のなかでは、人や環境に適応するまでに少し時間がかかる子が多いといわれています。

日本独特の日本猫

三毛猫は日本ではよく見かけることがあるため、ごく一般的な猫と思われがちですが、実は日本猫であり、海外ではとても珍しい猫として扱われています。

招き猫などのイメージが幸運をイメージさせるようで、海外でも注目度が高まっています。

そのため三毛猫は海外の猫好きには「ミケ」で通じることも多いそうです。

現在では外来の猫との交配が進み、純血の日本猫自体が少なくなっていますが、日本の三毛猫を飼いたいと実際に取り寄せて飼っている海外の愛猫家も増えているようです。

三毛猫はペットショップで購入できる?

日本のみならず、海外で人気が高まっている三毛猫ですが、実際に購入するとなるとどのようなルートで手に入れるのでしょうか。

猫を購入するもっとも一般的な方法として、ペットショップでの購入を考える方が多いのではないでしょうか。

しかし、実際にはペットショップで三毛猫を購入している人はほとんどいません。

なぜならば、三毛猫は一般的にペットショップで販売されている猫とは違う理由があるからです。

三毛猫を、ペットショップで購入するのが難しい理由についてみていきましょう。

三毛猫には血統書がないため値段がつかない

ペットショップに行くと、ショーケースにはさまざまな猫種の名前が表示されており、お目当ての猫を探すことができるようになっています。

しかし、そのなかに「三毛猫」という表示を見たことがある方はほとんどいらっしゃらないと思います。

それもそのはず、「三毛猫」とは品種の名前ではなく、三色の被毛を持つ猫の総称であり、品種として血統書に登録ができません。

三毛猫は雑種に該当し、血統書もなく価格もつけられないため、ペットショップで見かけることはほとんどないのです。

ペットショップで出会える可能性はほぼない

三毛猫とはあくまで総称であり、猫種ではありません。

三毛猫は雑種であり、ペットショップで雑種の猫が販売されていることはほとんどないため、三毛猫を迎え入れるために探しても、ペットショップで出会える可能性はほぼないといってよいでしょう。

三毛猫を手に入れるにはどうしたらいい?

三毛猫は、よく見かけることがありますが、実際に迎え入れようとすると簡単にペットショップで購入できないことが難点です。

しかし、別の方法で三毛猫を迎え入れることは十分に可能なので、ご紹介いたします。

里親募集サイトで探す

三毛猫を迎え入れたいと思ったときには里親募集サイトで探してみるという方法があります。

具体的にどのような子がよいのか何も決まっていなくても、サイトにはたくさんの三毛猫が掲載されています。

募集先の地域や猫の年齢、性別など絞り込んで検索できるため、じっくりと考えながら検討できます。

さまざまな人が里親募集サイトを利用して、里親を探しているため、譲渡のための条件はそれぞれ異なることが多くなっています。

たくさんの選択肢の中からお気に入りの三毛猫を選べる反面、条件を満たさなければ譲渡してもらえない可能性があります。

基本的な条件として、完全室内飼いで、病院への受診など含めて最後まで責任をもって面倒がみられる方などがあり、ほかに単身者や高齢者の応募が不可になっているケースもあります。

また、里親募集なのでペットショップと違い購入費用がかかることはありませんが、里親募集者が負担したワクチンや去勢・避妊手術にかかった費用は負担することが多く、目安として2~6万円ほど必要となることがあります。

保護猫のため、無責任な繁殖を防ぐ意味でも保護された段階で年齢を満たしたほとんどの猫が去勢・避妊手術を済ませています。

サイトで見ただけでは不安な方も多いと思いますが、条件の中には実際に会うことが含まれていることが多いため、お互いの相性なども確認できます。

三毛猫を迎え入れようか悩んでいる方には、サイト上でいろいろな三毛猫が見られることは大いにメリットがありますので、三毛猫を飼うことを検討するならば里親募集サイトがおすすめです。

保護猫を譲り受ける

里親募集サイトと基本的な構造は変わりませんが、保護猫の譲渡会などに直接出かけ、ご自身の目で確認して譲り受ける方法もあります。

何らかの理由で保護された猫を、預かり先の動物保護団体が主催する譲渡会に参加して譲り受ける形になります。

方法としては、里親募集サイトと同じように、譲り受けたい猫に出会えたら、実際の飼育環境などの確認後にトライアルを経て譲渡という形になることがほとんどです。

保護猫を譲り受ける場合も、そのあいだにかかった医療費や団体運営のための寄付金などを譲渡の際に支払う必要があります。

団体によって譲り受ける際の条件が異なる

里親募集サイトでも、個人の募集者の条件があるように、譲渡会を主催する団体にも決められたルールが存在します。

基本的には、責任をもって最後まで飼えることや適切な医療を受けられることなどがありますが、団体によって決められている条件は異なります。

譲渡会に参加して譲り受けたい猫に出会った場合には、あとでトラブルになることがないようしっかりと確認しておきましょう。

三毛猫はほぼメスしか生まれない?

日本ではそれほど珍しくなく、馴染み深い三毛猫ですが、そのほとんどがメスだということをご存知でしょうか。

オスが生まれてくることはとても珍しいため、一般的によく見かける三毛猫はほとんどがメスといってもよいでしょう。

なぜこのようなことが起きるのかというと、その理由は遺伝子の中の染色体が大きく関わっているといわれています。

毛色を決める遺伝子と性染色体の仕組みによる

生物の性別を決めるのは、染色体のなかの「性染色体」と呼ばれるもので、オスの染色体は「XY」でメスの染色体は「XX」となります。

そして、猫の毛色を決めるのにも、このXとYの性染色体が関係してきます。

毛色のなかで白は性染色体に関係なく、オス、メスともに持っているのですが、黒と茶に関しては染色体のなかの「X」にしか存在しません。

X染色体1つにつき毛色が1色となるため、XYの性染色体を持つオスは黒か茶のどちらかの色にしかなりません。

その反対にメスはXXの性染色体のため、Xを2つ持っていることでそれぞれの性染色体が異なる色をしていれば、黒、茶、そして白を合わせて3色となり、メスの三毛猫になります。

以上のような理由で三毛猫はほとんどがメスとして生まれてくるのです。

オスが生まれる確率は3万分の1

三毛猫のほとんどがメスであることは間違いありませんが、オスが絶対に生まれないわけではなく、ごくまれにオスが誕生することがあります。

通常の遺伝子では、オスの三毛猫は生まれてきませんが、「クラインフェルター症候群」と呼ばれる染色体異常により、本来のオスの性染色体である「XY」よりもXが多い「XXY」という染色体を持った遺伝子が発生します。

この遺伝子の場合、Xが1つ多いので黒と茶の毛色を持つことができ、その結果オスの三毛猫が生まれてきます。

とはいえ、三毛猫でオスが生まれてくる確率は大変低く、確率としては3万分の1ともいわれています。

そのため、確率的にいってみなさんがよく目にする三毛猫はまずメスと考えてよいでしょう。

ちなみに、オスの三毛猫をメスの三毛猫と交配させても、遺伝子異常が起きなければオスが生まれてくる確率に変わりはないそうです。

三毛猫以外の三色の毛色を持つ猫も人気

日本猫の雑種である三毛猫以外に、純血種の猫のなかにも3色の被毛をもつ猫はいます。

「キャリコ」と呼ばれる三色の被毛をもった代表的な猫種をご紹介していきます。

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドは、丸みを帯びたフォルムに垂れた耳やおとなしい性格でとても人気の高い猫種です。

毛色には、レッドや、クリーム、ブラウンなど単色や2色のものなどさまざま毛色がありますが、そのなかに日本でいう三毛猫である「キャリコ」や淡い色の「ダイリュートキャリコ」がいます。

ノルウェージャンフォレストキャット

フワフワの長い被毛と、大型猫らしいがっしりとした体型が特徴のノルウェージャンフォレストキャットの毛色にもキャリコがあります。

日本の三毛猫のなかには黒や茶色のはっきりとした子がいますが、ノルウェージャンフォレストキャットの場合、淡い色のキャリコが多いので、全体的にやわらかい印象があります。

メインクーン

大型猫を代表するメインクーンですが、ワイルドな見た目とは裏腹にとても人懐っこく飼いやすい猫といわれています。

毛色は、ブラウンやレッドなどが人気ですが、キャリコも人気が高い毛色となっており、シルバーやブルーのようなバリエーションも存在します。

日本の三毛猫に比べると、長毛でサイズも大きいことが特徴になります。

マンチカン

愛らしい表情と短い足でとても人気の高いマンチカンですが、じつは短足なマンチカン以外にも足の長いマンチカンがいることはあまり知られていません。

犬のような性格と例えられるくらいに人懐っこく、人間との相性もとても良いため、人気の猫種となっています。

マンチカンの毛色は、レッドやブラウンなどの単色から、タビーと呼ばれる縞模様の入った2色のものや、三毛であるキャリコなどバリエーションが豊富です。

まとめ

三毛猫はわれわれにとってとても一般的で身近な猫という印象でしたが、ほとんどがメスでオスは大変珍しいことなど意外と知られていないこともあったのではないでしょうか。

購入に関しても、雑種であり三毛猫という猫種は存在しないため、ペットショップでの購入が難しいこともおわかりいただけたかと思います。

それでも三毛猫と一緒に暮らしたいとお考えの方は里親募集サイトや譲渡会などに参加することで、三毛猫を迎え入れることができます。

ただし、里親として迎え入れる場合には、里親募集サイトや、動物保護団体によって決められた条件があるので、あらかじめ確認したうえで検討することをおすすめします。

三毛猫はマイペースで気まぐれな部分など、とても猫らしい性格をしており、賢く飼いやすい猫といわれています。

三毛猫をお探しの方にも、まだ何を飼うのか決まっていないけれど、これから猫を飼おうとお考えの方にも当記事が参考になれば幸いです。

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