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【獣医師監修】日本で一番多い雑種の特徴とは!?種類や性格もご紹介

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はじめに

雑種猫の魅力1

日本において、家庭で飼われている猫の多くは「雑種」と呼ばれる猫たちです。

雑種猫とは、特定の品種に属していない猫のことを指し、個性と魅力がたくさんあります。

この記事では、日本で最も一般的な雑種猫の特徴や種類、性格や柄など、獣医師監修のもと詳しく解説していきます。

2種以上の異なる種類の遺伝子を持つ猫が雑種である

雑種という言葉を耳にすると、あなたはどのような猫を思い浮かべますか。

実は「雑種」とは、品種が入り混じることをいい、2種以上の異なる種類の遺伝子を持つ猫のことを指します。

ハーフ猫やハイブリッド猫と呼ぶこともある

2種類の違う純血種同士を交配させてできた品種の場合は「ハーフ猫」や「ハイブリッド猫」と呼ばれることもあります。

このような猫たちは、純血種の特徴を受け継ぎつつ、交配させる品種によって特徴が変わってきます。

日本で暮らす大半の猫が雑種である

日本で生活している猫の大半が雑種であるといわれています。

日本ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査の調べでは、調査に参加した1412人のうち、75.5%が雑種猫を飼育していました。

多くの猫が野良猫として生活してきた歴史があり、これらの猫が自由に繁殖する過程で、雑種の猫を増やしたと考えられます。

雑種の魅力

純血種の猫と雑種を比べた時どのような違いがあるのでしょうか。

雑種はいろいろな種類が存在するため、一言ではいいあらわせません。

唯一無二である

雑種猫の魅力の一つは唯一無二であることです。

純血種の猫が特定の特徴や性格を持っていることに対して、雑種猫はさまざまな種類の遺伝子が合わさることで生まれます。

遺伝的にいろいろな種類が存在するため、雑種猫一匹一匹の独自の外見や性格も違ってきます。

毛の色や模様、体の大きさ、顔の形といった外見の特徴はもちろんのこと、好奇心旺盛で社交的、または静かで独立心が強いなど、性格においてもバリエーション豊富です。

このように、雑種猫はそれぞれがオリジナリティをもち、飼い主にとっては世界に一匹だけの特別な存在となります。

体が丈夫である

雑種猫のもう一つの大きな魅力は、丈夫な体質であることです。

これは「遺伝的多様性」がポイントとなっており、純血種の猫の場合、品種を確立する上で遺伝的に近いもの同士を掛け合わせるため、遺伝的疾患があらわれることが多くありました。

これに対して、雑種猫はさまざまな種類の遺伝子が混ざり合うことで生まれるため、特定の遺伝的な疾患が少なくてすみ、病気にかかりにくくなります。

その結果、純血種と比べると、雑種猫は比較的長生きする傾向にあり、飼い主にとっては長期的にみて医療費の節約にもつながります。

雑種猫の丈夫な体質は、活発で健康的な生活を送ることが可能となり、より長い間飼い主との生活を楽しめます。

飼いやすい

雑種猫の魅力の一つに、飼いやすさが挙げられています。

上記に挙げている通り、純血種の猫と比べ、遺伝子的疾患が少なく丈夫な体であることも飼いやすさの一つの理由です。

また、基本的に雑種猫は短毛が多いため、長毛種と比べると抜け毛の量が少なく、毎日のお手入れが比較的簡単です。

雑種猫は一般的に柔軟な性格をしており、さまざまな環境に適応しやすいといわれることが多く、初めて猫を飼う家庭でも安心できます。

その中には非常に人懐っこい猫も少なくありません。また、丈夫な体質が健康面での心配を少なくし、日々のケアが比較的簡単なことも飼いやすさの理由です。

自分の好みの猫に出会える

雑種猫の魅力の一つに、自分の好みの猫に出会える可能性が高いという点が挙げられます。

雑種猫は遺伝的なことからいろいろな種類が存在しています。さまざまな色、模様、体型、性格を持っています。

この多様性が、飼い主それぞれの好みに合った、理想の猫と出会えるチャンスを広げてくれるでしょう。

また、純血種にはない独特の特徴を持つ猫も多く、予想もしなかった魅力に惹かれることもあるかもしれません。

雑種猫との出会いは、無限の可能性を秘めています。

雑種の柄の種類8選!

雑種猫の世界は、柄や色などさまざまな種類が存在し、無限の魅力を持っています。

ここでは、特に目を引く雑種の柄8種に焦点をあてて、それぞれの特徴や性格にも深く解説します。

キジトラ

雑種猫の魅力2

キジトラは、茶色に焦茶色の縞模様が入っている猫です。

日本で最も多く見かける雑種猫で、イエネコの祖先であるリビアヤマネコに最も近い存在といわれています。

特徴

キジトラ猫の特徴は、野生猫の保護色ともいわれるキジトラ柄です。

茶色を基調とした毛色に、黒や濃い茶色の縞模様が入ることで、野生の虎を想像できる見た目をしています。

メラニン色素が濃いため、肉球は黒色や濃い茶色の個体が多いようです。

毛質は短毛種が多く、手入れが比較的簡単にできます。

筋肉質でしなやかな体型をしており、力強い雑種です。

性格

キジトラ猫はヤマネコのように警戒心が強く野性味溢れている猫です。

その反面、非常に人懐っこく、愛情深いことでも知られています。この人は安心だと認識すると甘えてくるツンデレタイプです。

甘えん坊になる個体もいますが、基本的には警戒心が強い内気な個体が多いキジトラなので、無理やりコミュニケーションを取ろうとせず、猫から寄ってくるのを待ちましょう。

キジトラは活発な個体が多いため、たくさん運動できるよう部屋の中の環境を整えてあげる必要があります。

また、おもちゃで遊ぶこともとても好きです。猫用のおもちゃを買って、たくさん遊ぶ時間を作ってあげましょう。

サバトラ

雑種猫の魅力3

サバトラ猫は、シルバーに黒の縞模様が入った毛色をしています。

魚のサバを連想させる見た目です。雑種ですが、世界中で人気が高い傾向にあります。

特徴

サバトラ猫の特徴は、美しいシルバーの毛色に、くっきりとした黒い縞模様があることです。

この縞模様は、まるで魚のサバのような模様で、サバトラの名前の由来にもなっています。猫の目の色は大きく6つに分けられていますが、サバトラの目はヘーゼルです。

キジトラ猫と同様、メラニン色素を多く持っているため、肉球の色は、ブラックやチョコレートブラウンが多めです。

性格

サバトラ猫の性格は、2つにわかれる傾向にあります。

警戒心が強いか、人懐っこいかのどちらかです。

警戒心が強いサバトラ猫の場合、神経質で臆病な性格から、人見知りをしてしまいます。

しかし、慣れ親しんだ家族には忠実です。

その一方、人懐っこいサバトラ猫の場合は、誰とでもフレンドリーに接する甘えん坊です。

オスとメスでも違いがあり、オスは甘えん坊でメスはクールな個体が多いといわれています。

茶トラ

雑種猫の魅力4

茶トラ猫は、温かみのある茶色い毛色と愛らしい表情で、多くの人に愛されています。

特徴

茶トラ猫の特徴は、その名前の通り鮮やかな茶色い毛色に濃い茶色の縞模様が入っています。しっぽにも縞模様がありますが、先端の色が薄く淡い茶色や白になっています。

肉球はキジトラ猫やサバトラ猫とは違いピンク色をしていることが一般的です。

茶トラ猫は、毛色を決める遺伝子が性別を決める遺伝子に関わっているため、オスの方が多く存在します。

茶トラ猫の約8割はオスだといわれているほどです。

性格

茶トラ猫は非常に人懐っこく、温和で穏やかな性格をしています。そのため、多頭飼いにも向いている猫です。

性格には個体差もありますが、基本的にオス猫の方が甘えん坊でやんちゃな傾向があることから、オスの割合が多い茶トラ猫は人懐っこく甘えん坊と認識されることが多いのでしょう。

黒猫

雑種猫の魅力5

黒猫は人が飼っていたとされている日本最古の書物にも登場している、真っ黒でとても美しい毛並みをしています。

特徴

黒猫の特徴は、全身を覆う深く美しい黒色の毛です。

黒以外の遺伝子も持っていますが、それがあらわれにくいだけといわれています。

黒猫の毛質は、短毛種から長毛種までさまざまで、滑らかで光沢があることが多いです。

メラニン色素の多い黒猫は、目の色は黄色や緑色で、毛色とのコントラストがとても美しくみえます。

性格

黒猫は非常に親しみやすく、愛情深い傾向にあります。とても友好的で人懐っこく甘えん坊です。

性格には個体差もありますが、甘えん坊であればたくさんコミュニケーションの時間を作ってあげましょう。

部屋の中にキャットタワーや背の高い家具などをうまく配置して、上下運動ができるように環境を整えてあげましょう。

好奇心旺盛な面もあるため、大切なものは猫が触れない場所に片付けておくことが大切です。

白猫

雑種猫の魅力6

白猫は、日本では縁起の良い猫として親しまれています。

左右の目の色が異なるオッドアイの個体も多く存在しています。

特徴

白猫の特徴は、その純白の毛色です。

この白さは、人々の目を引きます。純白な白色は、さまざまな照明の下でも輝きを放ち、美しさを際立てます。

メラニン色素が薄いので、肉球や鼻の色はピンク色をしており、目の色はブルーやグリーン、イエローです。

また、日光に当たりすぎると日光皮膚炎になるおそれがあります。

猫は日向ぼっこが好きなのでやめさせることはストレスになりますが、窓にUVカットシールを貼るなどの対策をしてあげましょう。

性格

白猫はおおらかなイメージがありますが、野生の中では目立つため敵に襲われやすい色です。そのため白猫は、警戒心が強く神経質な性格をしています。

しかし、実際には気心しれている飼い主の前では甘えん坊でマイペースな性格になっている白猫も少なくありません。

猫のペースに合わせてスキンシップをとっていきましょう。

白黒(ハチワレ)

雑種猫の魅力7

白黒のハチワレ猫は、ユニークな顔の模様をしています。顔の中心から目にかけて八の字のように毛色がわかれているのがハチワレです。日本ではかなり多い種類です。

この特徴的な顔立ちは富士額と呼ぶこともあります。

特徴

白黒のハチワレ猫の特徴は、その名前の通り、顔の中央にある独特な模様です。

ハチワレ猫の中でも、黒白のハチワレ、茶トラのハチワレ、三毛猫のハチワレが存在しています。

その中でも黒白のハチワレは、生命力が強くて身体的にタフな印象があります。

性格

白黒のハチワレ猫は日本で2番目に多いハチワレ猫の種類です。

全体的に非常に社交的で人懐っこい性格の個体が多い中、白と黒の色の割合でも性格に差があるとされています。

黒の部分が多ければ温厚でフレンドリー、白の部分が多ければクールで賢い子が多いといわれています。

三毛猫

雑種猫の魅力8

三毛猫は、その独特の白、黒、茶色のパッチワーク模様で知られ、日本を始め世界中で幸福の象徴とされています。比較的飼いやすいといわれている猫です。

特徴

三毛猫の最大の特徴は、白、黒、茶色の3色が不規則に混じり合った毛色です。

この独特の柄は、一匹一匹が異なるパターンをもち、そのため、全ての三毛猫が唯一無二の外見をしています。

染色体の関係で、三毛猫にはオスがほとんど存在しません。

オスが生まれる確率は3万分の1といわれているほどです。

性格

三毛猫の性格はクールでマイペースです。

好き嫌いがはっきりしていて、心を許した相手には甘えたい時には自分から寄っていく甘えん坊になります。

マイペースな三毛猫なので、好きな時に自由に過ごせるよう、おもちゃやキャットタワーなど、部屋の中の環境を整えてあげることによって、自分で運動不足を解消します。

サビ猫

雑種猫の魅力9

サビ猫は独特な赤褐色と黒の混ざり合った毛色で知られ、まるで錆びた金属のような色をしています。とても鮮やかな毛色です。

特徴

サビ猫の特徴は、その名前の通り赤褐色と黒が混じり合った独特の毛色にあります。

個体によって、黒と茶色の割合や毛色の濃淡、柄などが違ってくるので色々なバリエーションが存在します。唯一無二とはこのことです。

毛色以外にも、サビ猫の肉球は毛柄と同じように黒色とピンク色のマダラ模様をしています。

性格

サビ猫の性格は、非常に活発で社交的な傾向があります。そしてとても優しいといわれています。

猫は一般的にオスの方が縄張り意識が強く攻撃性も強い印象がありますが、サビ猫のほとんどがメスのため、サビ猫は全体的に落ち着いており優しいといわれているのでしょう。

また、繊細な面も持ち合わせているサビ猫のために、家の中では安心してくつろげるスペースを用意してあげる必要があります。

マイペースな性格なので、自分からよってくるまでちょっかいは出さず、猫に合わせたコミュニケーションの取り方を心がけましょう。

他の毛色と比べるとあまり人気のないサビ猫ですが、とても落ち着きがあり賢い猫なので、初めて猫を飼う家庭でも安心して迎えられます。

まとめ

雑種猫の魅力10

この記事では、日本で最も一般的な雑種猫の特徴や性格、そして魅力について解説しました。

雑種猫はその多様性、丈夫さ、そして飼いやすさから多くの家庭で愛されています。

キジトラ、サバトラ、茶トラ、黒猫、白猫、ハチワレ、三毛猫、サバ猫などさまざまな柄が存在し、それぞれに魅力があることから、雑種猫はまさに唯一無二の存在です。

あまり人気のないサビ猫も、実は飼いやすい優しい性格をしています。

雑種猫は違う品種が掛け合わせて生まれた猫であり、それぞれの個性は実際に出会ってみないとわかりません。

ぜひ、あなたにぴったりな魅力的な雑種猫に出会えることを祈っています。

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