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【獣医師監修】猫の聴力は人間の3倍!?テレビの音はどうすればいい?徹底解説

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はじめに

猫の好きな音嫌いな音1

猫の聴力は非常に高く、人間の耳より優れています。

また、猫は大きな音が嫌いなのは有名です。

そのため、テレビの音など猫にとって悪影響を及ぼさないか気になる方もいるかと思います。

一方で、飼育環境で鳴る音を全て制限するのも難しいはずです。

今回は、猫の聴力について詳しく紹介します。

猫が嫌いな音や耳がいい理由、音を使ったしつけ方についても詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

猫の聴覚は人間の3倍ある!?

猫の好きな音嫌いな音2

猫の聴覚は、人間の聴力よりも約3倍も高いと言われています。

なぜなら、猫の耳は微細な音や高周波の音を捉えることができるからです。

猫にとっては聴力は生きるために必要であり、狩りをする際や危険を感知する際にこの能力を活かしています。

そのため、飼い主は猫の聴覚に配慮した行動や環境づくりが必要です。

猫の聴覚の特性を理解することで、猫との良好な関係を築けます。

高い周波数を聞き取るのが得意

猫は高周波の音を聞くのが得意な動物です。

猫の耳は周囲の環境から微細な音をキャッチできる驚異的な構造を持っています。

人間の聞ける高い音が20,000ヘルツなのに対し、猫が聞ける音の高さは60,000ヘルツです。

特に高周波の音は、猫にとって非常に重要な情報源であり、獲物の動きや位置を高周波の音で感知しています。

例えば、狩りの時に聞き分けているのはネズミの鳴き声や虫の音、他の動物の鳴き声などです。

また、猫は高周波の音で周りを警戒しています。

猫が高周波の音が聞こえると興奮したり、興味を示したりするのはその警戒の表れです。

そのため、猫の飼い主は環境音や音の変化に敏感であることを理解し、猫の安全と快適な生活環境を整える必要があります。

帰宅すると猫が玄関にいるのも足音が聞こえている

自分が帰宅した時に玄関で待っていて驚いたという方は多いと思います。

猫は玄関でずっと待っているわけではなく、細かな音やパターンを感知しているのです。

そして、飼い主が外から帰ってくる足音や玄関の扉の開閉音のパターンを感知して飼い主の帰宅を待っています。

猫が玄関にいるのは飼い主が帰るのを楽しみに待っているからです。

飼い主に懐いていて、信頼関係ができていると帰りを待っていてくれます。

もし、猫が玄関で待ってくれた場合は思いっきり声をかけたり撫でてあげたりしましょう。

猫が聞き取れる音の範囲

猫の聴覚は非常に優れており、人間の聴力よりもはるかに広い音の範囲を聞き取ることができます。

一般的に人間が聞き取れるのが、20ヘルツから20,000ヘルツなのに対し、猫が聞き取れるのは25ヘルツから60,000ヘルツまでの周波数の音です。

低周波から高周波まで広がっており、周囲の様々な音を聞き取ることができます。

低周波の音は地響きや遠くからの音、動物の動きなどです。

一方で、高周波の音は小さな動物や虫の音、鳴き声などがあります。

猫は特に高周波の音を聞き取るのが得意であり、微細な音や距離の遠い音の感知も可能です。

猫の聴力は外部からの音や飼い主の声を聞き取ったり、コミュニケーションしたりするために重要な役割を果たしています。

猫の耳がいい理由

猫の好きな音嫌いな音3

次に、猫の耳がいい理由を紹介します。

猫は環境に適応するために聴力が優れています。

耳がいい理由を詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目が悪いため、聴力が発達した

猫の耳が優れている理由は、視力の低さを補うために聴力が発達しているからです。

具体的には、猫の視力は人間の10分の1程度であり、0.2ぐらいしかないといわれています。

物を正確に認識できる距離は約10m先までであり、遠くは霞んで見えにくいのです。

また、猫の目は低解像度であり、色をあまり認識できません。

ただ、猫は夜行性の動物であり、暗闇で獲物を捕獲する必要があります。

しかし、猫の視力では暗闇でなかなか獲物を見つけることができません。

そのため、視力の代わりに耳が発達しており、猫は暗闇でも耳を使って周囲の音を感知して獲物を狩っているのです。

視力が低いために進化の過程で耳を頼りにする必要があり、猫は非常に優れた聴覚を身につけ、コミュニケーションをとっています。

猫の耳は180度動かすことできる

2つ目の猫の耳が優れている理由は、猫が耳を180度まで動かせるからです。

猫の耳は非常に柔らかく、周囲の音を感知するために動かせます。

そして、猫は音がする方向に耳を傾けられて、音を正確に捉えられるのです。

猫の耳は180度まで自由に動かせるので、狩りをする際や危険を感知する際に役立ちます。

例えば、獲物の動きや位置を把握するために耳を動かし、素早く反応することができるのです。

さらに、耳の動きからは猫の感情や意思表示がわかります。

例えば、猫は興奮したり警戒したりするときに耳を立てたり倒したりするので、猫の気持ちを読み取ることができるのです。

猫は180度動かせる耳を使って音を聞き取ったり感情を表したりしていると理解しましょう。

猫の嫌いな音でしつけすることができる

猫の好きな音嫌いな音4

猫は嫌いな音を使ってしつけることができます。

猫は聴覚が優れていて特定の音に敏感なので、不快な音を発生させることで猫をしつけられるのです。

例えば、猫がテーブルの上に乗るのを防止したい場合、その近くにビニール袋やアルミホイルを置くと、歩くたびに音が出て猫が嫌がります。

行動すると不快な音が鳴ると猫に覚えさせることで、猫が行動を避けるようになるのです。

また、猫が家具を傷つける行為を繰り返す場合は、スプレータイプの嫌いな香りの物質を使用するのも効果的です。

不快な香りがすると、猫は嫌な体験と結びつけるので行動を改善させられます。

ただし、猫のしつけには個体差がありますので、必ずしも全ての猫に効果があるとは限りません。

また、音や香りは猫にストレスを与える可能性があるため、過度に猫を刺激しないようにしてください。

猫が嫌がるので、嫌いな音や香りを使用したしつけに気が進まない方もいると思います。

しかし、猫をしつけないといたずらが悪化してしまうため、愛情と忍耐を持って行うことが大切です。

注意点

猫を嫌いな音でしつける場合は、下記の2点に注意が必要です。

  • 飼い主が鳴らしていることに気付かれないようにする
  • いたずらをした瞬間にのみ音を出す

それぞれ注意するべき理由やポイントを詳しく解説するので参考にしてください。

飼い主が鳴らしていることに気付かれないようにする

猫を嫌いな音でしつける際の注意点は、飼い主が鳴らしているのに気付かれないようにすることです。

猫は非常に賢い生き物であり、嫌いな音を飼い主が鳴らしていると気づく場合があります。

しかし、猫からの信頼を失ってしまうので、音を鳴らしているのが飼い主だとバレてはいけません。

そのため、嫌いな音を使ってしつける場合は、猫が見えないところで音を鳴らすなど工夫が必要です。

例えば、音を発生させる装置を壁の後ろや家具の隙間に隠したり、リモコンやタイマーを使って遠隔操作したりすると、猫が音の発生源を特定しにくくなります。

また、長時間の音によるしつけは猫に過度なストレスを与える可能性があるので注意が必要です。

さらに、嫌いな音に過敏に反応する猫もいますので、猫の個性や性格を考慮しながらしつけを行ってください。

短時間で気付かれないように嫌いな音を鳴らし、猫が行動と音を結びつけて考えられるようにしつけましょう。

いたずらをした瞬間にのみ音を出す

次に、猫を嫌いな音でしつける際の注意点は、いたずらをした瞬間にのみ音を出すことです。

猫は行動したときに何かが起きると、因果関係を結びつけて考えられます。

そのため、問題行動を引き起こしたときにのみ音を鳴らすと猫をしつけられますが、いたずらしてから時間がたった後だと効果がないのです。

例えば、猫が家具を傷つける行動をして時間がたった後に嫌いな音を発生させても、猫は自分の行動と音を結びつけられません。

猫がいたずらをした瞬間にのみに音を出して、猫に問題行動を理解させましょう。

猫をリラックスさせる音楽もある

大きな音が嫌いな猫ですが、猫がリラックスする音楽もあります。

猫をリラックスさせる音楽は、飼い主にとっても猫にとっても心地よい環境を作るため重要です。

猫は聴覚が発達しており、嫌いな音だけでなく特定の音楽や音に反応します。

そのため、リラックス効果のある音楽は猫のストレスを軽減したり、猫に安心感を与えたりできるのです。

猫をリラックスさせる音楽は、穏やかでリズミカルな音楽や自然の音、特定の周波数を持つ音などが挙げられます。

他にも、猫のためのBGMをまとめた動画は、さまざまなシチュエーションに合わせたBGMの選択が可能です。

また、猫同士がコミュニケーションに使う周波数帯を分析し、猫が好む音を楽器で表現したCDアルバムが2017年にイギリスで制作されています。

さらに、鳥のさえずりや波の音なども猫をリラックスさせる音です。

環境の変化や異音に敏感な猫には、嫌いな音を使ってしつけるだけでなく、リラックスさせる音楽を聞かせて安心感を与えるのが重要です。

そして、音楽を使用すると猫とのコミュニケーションを深めることもできます。

猫が好む音楽を選んで一緒に聴くことで、猫との絆を強化し、共にリラックスした時間を過ごしましょう。

ただし、猫によってリラックスできる音楽は異なる可能性があるので、猫の反応を見ながら適切な音楽を選ぶことが重要です。

また、音楽を使う際は適度な音量と環境を整えることも忘れずに行いましょう。

音によるパニックを起こすこともある

猫の好きな音嫌いな音5

猫は音によるパニックを起こす可能性もある点は注意が必要です。

特に突然の大きな音や高周波の音、急激な音の変化などは猫の恐怖心やストレスを引き起こします。

さらに、多頭飼いをしている家庭では、1匹の猫がパニックになると他の猫も驚いてパニックになる場合があるのです。

猫は音でパニック状態になると、思いもよらない行動をすることがあります。

例えば、猫には危険を感じると逃げる習性があり、脱走には注意が必要です。

また、高い場所からの落下や、家具への衝突などによるケガにも注意しなければいけません。

そして、脱走対策をして猫が窓を開けたり、網戸を突き破ったりして外に出てしまうことのないようにしてください。

音により猫がパニックになっても大丈夫なように、飼い主は猫が逃げ込める場所を作りましょう。

具体的には、暗くて狭い場所が猫は安心できるので、タオルをかけて暗闇があるケージを作るのがおすすめです。

猫が音によるパニックを起こすことを理解し、環境を整えてあげましょう。

大きな音だと恐怖心が高まる

また、猫は特に大きな音に恐怖心を持ちます。

先述した通り、猫の聴覚は非常に優れているので突然の大きな音に敏感です。

そのため、雷や花火・掃除機などの大きな音がする状況だと、猫は恐怖やストレスを感じる可能性があります。

大きな音に反応する猫は、身を隠したり怯えたりします。

大きな音による恐怖心は猫の健康にも影響を与える可能性があり、長期間にわたって大きな音にさらされることでストレスが蓄積してしまうのです。

飼い主は、花火や雷など大きな音が予想される場合には、猫を安心させるために静かな場所を用意してください。

また、音を和らげるためにリラックスできる音楽を流すのが効果的です。

猫が大きな音に恐怖心を持っていることを理解し、環境を整えてあげましょう。

ちなみに室内のテレビ音は無視できる

猫は一般的に室内のテレビ音を無視できる傾向があります。

猫は聴覚が優れており、外部の刺激に反応しますが、テレビの音は日常的な音として認識されるので特に興味を示すことが少ないのです。

猫はテレビの音が自分の生活に直接関係がないとわかっているため無視しています。

そのため、テレビの音が飼い主や環境に対する警戒心を引き起こすような刺激でない限り、猫は無視する場合が多いのです。

ただし、特定の音楽や動物の鳴き声、水の流れる音など、猫が興味を持つ音が流れるときは、猫が警戒する場合があります。

また、テレビの音が非常に大きかったり、急激な音の変化があったりする場合には、猫が驚いたり興奮したりすることがあるため、状況によっては注意が必要です。

猫と共に快適な生活環境を築くためには、猫の個性や好みを考慮しながら、テレビ音などの環境音にも配慮しましょう。

パニックになった愛猫を落ち着かせる方法

猫の好きな音嫌いな音6

次に、パニックになった愛猫を落ち着かせる方法を紹介します。

猫がパニックになって飼い主まで焦ってしまうと、うまく愛猫を落ち着かせられないのでぜひ参考にしてください。

暗くて狭い場所に入れてあげる

愛猫を落ち着かせるためには、暗くて狭い場所に入れてあげるのがポイントです。

猫がパニックになったとき、暗くて狭い場所に入れてあげると不安を解消して落ち着かせられます。

猫は自然界では狩りをするために狭い空間を好む動物であり、そうした場所に身を隠すことで安心感を得る傾向があるからです。

例えば、衣装ケースやクローゼット、ベッドの下など、猫が自発的に隠れることができる場所を用意してあげると良いでしょう。

ただし、猫を暗くて狭い場所に入れる際には、無理やり押し込むことは避けてください。

飼い主が暗い場所に入れるのではなく、猫が自ら選んで入ることが重要です。

そして、猫のそばにいて、時間をかけて猫が安心するのを待ちましょう。

まとめ

猫の好きな音嫌いな音7

猫は聴覚が優れており人間の3倍とも言われています。

猫が聞き取れる音の高さは65,000ヘルツもあり、日常における細やかな音を聞き取って生活しているのです。

猫の耳は、夜行性である猫が危険を察知したり狩りをしたりするために、視力が悪い目を補って発達しています。

また、猫の耳は180度動き、さまざまな方向の音に耳を傾けられるので、広範囲の音を聞き取ることが可能です。

猫は音に敏感なので、音で嫌な行動をしつけることができます。

ただ、飼い主が鳴らしていないと気付かれないようにしたり、いたずらした瞬間に鳴らしたりするなど注意しましょう。

また、猫の嫌いな音が多すぎる環境だと猫がパニックを起こす可能性があります。

猫の聴力を理解し音に配慮した環境を作って、猫との生活を楽しみましょう。

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