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【獣医師監修】猫が飼い主に慣れたサインを徹底解説してみた!

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はじめに

猫が慣れたサイン1

猫は独立心が強い動物のイメージが大きく、自由気ままでマイペースな動物と耳にしたことが多いのではないでしょうか。

しかし、徐々に飼い主に心を開き甘えてくるツンデレさは猫好きには格別なものです。

では、猫が飼い主に慣れ、信頼するまでにはどのような過程があるのでしょうか。

この記事では、猫が人間に懐かない理由から、飼い主のもとで安心して過ごす「慣れた」のサインまで、獣医師監修のもと、徹底解説していきます。

あなたの愛猫がどのようなステップを踏みつつ心を開いていくのか一緒に探っていきましょう。

猫が人間になつかない理由は?

猫が慣れたサイン2

猫が人間に懐かない理由は一つではありません。環境の変化、過去の経験、個体それぞれの性格など、色々なことが絡み合っています。

今、家庭であなたと愛猫の関係はどのようなものですか。あなたの無意識のうちにしている行動が愛猫にとって、とても嫌なものになっている可能性があります。

猫が人間に心を開かない理由を理解するために、まずは猫の心理を探っていきましょう。

飼い始めたばかりのため

猫を新しく家族に迎えたばかりの時期は、猫にとっても飼い主にとってもお互いを知るための大切な時期といえます。

この時期の猫が人間に懐かない理由は、環境の変化への不安が原因です。

猫はとても縄張り意識が強い動物で、新しい環境におかれると場所や匂いが変わってしまうため、安心できません。そのため必要以上に警戒心が強くなってしまいます。

新しい環境に慣れるまでの間は、見えないところに隠れてしまったり、人に近づいて来なくなったりしてしまう猫もいるほどです。

愛情を持って時間をかけて接すれば、猫も少しずつ新しい環境と飼い主に慣れ、心を開いてくれるでしょう。

まずは今いる家が怖くない場所で、飼い主も危害を加えない人だと認識してもらう必要があります。

リラックスできる場所が無い

猫にとって、隠れる場所や高い位置から部屋を見渡せる場所は安全を感じられる大切な空間です。

猫は新しい環境にとても敏感で、安心してリラックスできる場所がないと感じると徐々にストレスが溜まっていきます。

新しい家に引っ越したばかりの猫は、まだその安心できる自分の場所を認識できていないため、不安を感じやすく落ち着きがありません。

猫が飼い主に心を開く前に、まずは猫が安心してのんびりしたり隠れたりできるスペースを確保してあげましょう。

猫が新しい環境に慣れ、それから人間に懐いてくれるというステップを踏むことが大切です。

過去に人に嫌なことをされてことがある

野良猫や保護猫などの場合、人間に懐かない理由の一つとして、過去に人間から受けた嫌なことが原因の可能性があげられます。

例えば過去に虐待されていた猫は、新しい飼い主に対しても警戒心を強く持ってしまうことは仕方のないことです。

猫は犬と比べすぐ忘れると言われることもありますが、一度トラウマを抱えるとそれが不信感につながります。

一度捨てられたことのある猫は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になっている可能性があり、餌を与えようとしただけでも引っ掻かれたりすることもあり、簡単には克服できない病気です。

このようにトラウマが原因で懐かない場合、時間と根気が必要となります。

焦らず猫が自分のペースで慣れていくことを待つことが大切です。状況が改善されないようならば、一度獣医師に相談してみるのもいいでしょう。

信頼を築くために、まずは安心できる環境を作り、この場所と飼い主が危害を加えることをしない安全なものだと認識してもらうことが大切です。

猫が人に慣れた証拠は?

猫が慣れたサイン3

猫が人に慣れた証拠は、行動や態度にあらわれてきます。

安心して信頼を寄せてくれているかのサインを、飼い主は見逃さず受け取っていきましょう。

触らせてくれる

猫が人に慣れた大きな証拠は、自分から寄ってきて触らせてくれることです。

猫は本能的に警戒心が強く、自分が安全だと感じない限り簡単には触らせてくれません。

そもそも、警戒している場合や人には近寄ろうともしないため、猫に触れられません。

猫があなたを自分から求めてくる行動は、あなたへの信頼のあらわれです。

まずは猫の撫でられるのが好きな場所を優しく撫でてあげましょう。様子をみながら、少しでも嫌がるようなそぶりを見せた時には、すぐに撫でることをやめましょう。

撫でられることを楽しんだり、あなたの膝の上でリラックスしたりする姿は、飼い主としてはとても嬉しくて癒される時間となります。猫に主導権を持たせることにより、徐々に触らせてくれる時間も長くなっていきます。

傍にいる機会が増える

猫が人に慣れた大きな証拠は、傍にいる機会が明らかに増えた時です。

猫は警戒心が強いため、安心できない相手には触らせないし自ら傍によってきません。ですが、あなたの周りに頻繁に現れるようになったり、リラックスしてあなたの足元や隣にじっと座ったりしている時間が増えたなら、あなたを信頼して安心している証拠といえます。

特にあなたが読書をしている時など静かに過ごしている時に寄ってくる行動は、猫からの愛情表現です。

猫が自分から積極的に傍にいる時間を増やすことができるのは、あなたとの強い絆が出来上がってきた証拠といえます。

自分から寄ってくる

猫が人間に慣れた大きな証拠の一つは、自分から寄ってくる行動をみせることです。

独立心が強く、自分の世界を持つ猫は自分のタイミングで動きます。

そのため、信頼と愛情を感じる相手には自分から積極的に距離を縮めていきます。この行動は、撫でてほしい時や遊んでほしい時、あなたの傍にいたいと感じたときにみられる行動です。

例えば、家に帰った時に足元にすりすりと体を擦り付けてきたり、ソファに座っている時に膝の上に乗ってきたり、仕事をしている時にパソコンのキーボードの上に乗ってきたりする行動すべては心を開いている明確なサインといえます。

しかし、最初のうちの近寄ってくる行動は完全に警戒を解いたとはハッキリわかりません。そのため、最初はあまりちょっかいを出さず、警戒されないよう猫が思うように動くのを観察しておきましょう。

急所を見せてくる

特に強い信頼を得られた証拠は、急所を見せてきた時です。

猫にとってお腹やおしりは急所のため、その急所をみせる行動は信頼している相手にしか見せません。

つまり、あなたの前で猫が何の抵抗もなく、おしりを向けてきたり、仰向けになってお腹を上にしてリラックスしたりする姿は、あなたを信頼しているというメッセージです。

急所を見せてくれるということは、安全と判断してくれたことになります。

しかしこの姿勢を見せてくれたからと言って、お腹を触られることを嫌う猫もたくさんいます。個体差があるので、無理にお腹を触ることは控えましょう。

側で寝る

猫が人に懐いた証拠の一つに側で寝るという行動があります。

猫はとても警戒心が強い動物で、安全だと感じない場所ではリラックスして眠れません。

しかし、あなたの側で眠ることを選ぶということは、あなたを信頼して安心している証拠です。特に、あなたのベットに潜り込んできたり、ソファであなたの隣や膝の上で眠りについたりする場合は、子猫のように甘えたい気分の時が多いでしょう。

甘えたい気分でなくても、あなたのそばで寝るという行為は強い信頼を持っている証拠といえそうです。

猫は1日のほとんどを寝て過ごします。

そのため、一緒に寝る場合でないときにも猫が安心して眠れる環境を整えてあげましょう。

スリスリしてくる

猫が人に慣れてくるとスリスリしてくる行動にでます。

スリスリしてくる行動は、猫が飼い主や信頼する人に対して、愛情や信頼を示す特別なサインです。

猫は自分の体を人の手、顔などにこすりつけることで自分の匂いをつけます。

これは「自分の大切な人」という印をつけ、所有権を主張している意味があります。

この行動は猫が安心してリラックスしている状態をあらわし、その場所と人が「安全な場所」と認識している証拠です。

スリスリする行動は、単なる愛情表現だけでなく、猫と人との間に強い絆があることの証明でもあります。このように猫が自分から近づいてきてスリスリしてくるときは、慣れてきていて好きという気持ちの表現といえるでしょう。

この時に猫の様子を見ながらなでなでしてあげるなどのコミュニケーションを撮ることによって、より関係性が深まることにつながります。

見てる前でご飯を食べる

猫が人に慣れている証拠の一つに、人の前でご飯を食べるという行動をするときです。猫は本能的に食事中はもっとも警戒するべきときだと考えています。

そのため、少しでも心配事があると猫は決してご飯を口にしません。

安全だと感じられない環境や、信頼していない相手の前では食事をしないため、見られている状況でご飯を食べるようになったら慣れてきたと考えて問題ありません。

しかし、これは個体差にもよるので慣れていなくても最初からご飯をバクバク食べる猫もいます。

初めのうちは、ご飯を用意したら、その場から離れて様子をみましょう。

ご飯を置いてすぐに食べ始めるようになったら安心しても問題ないとあなたは判断されたことになります。

手からご飯を食べる

猫が人に慣れている大きな証拠の一つは、飼い主の手から直接ご飯を食べる行動です。

猫は警戒心が強く、知らない人や信頼していない人が見ている前でご飯は食べません。直接手から食べ物をもらうことはもってのほかです。

そのため飼い主を完全に信頼し警戒心が解けていれば、手から直接食べ物を食べることに抵抗を感じなくなります。

手からご飯を直接食べるようになったときは、かなり慣れてきたと思って問題ないでしょう。

しかし、慣れてきても断固として手から食べることを嫌う猫もいます。

個体差があるものなので、食べてくれないからといって心配する必要はないでしょう。

猫と仲良くなるコツ

猫と心を通わせるには、猫の気持ちを理解して信頼を築くことが大切となってきます。

猫と信頼関係を築き、関係を深めるために適切な対応をしてそのコツを掴んでいきましょう。

追いかけない

猫と仲良くなるための大切なコツの一つに「追いかけない」というものがあります。

猫と仲良くなるためには、絶対にやってはいけません。

猫は本能的に追いかけられるとストレスを感じてしまい、警戒心が強まります。人間も急に追いかけられると驚いて逃げてしまうのでそのあたりは同じです。

そのため、あなたが猫を追いかけると、猫はあなたを怖いものと感じ信頼関係を築くことが難しくなる可能性がでてきます。

仲良くなりたいからといって積極的に追いかけるのではなく、猫が自分から近づいてくることを待つことが重要です。

この追いかけるという行為は子供に多いパターンで、子供は楽しく追いかけっこをしているつもりですが、猫にとっては恐怖を感じています。

仲良くなりたいのであれば、待つことを子供にも覚えてもらいましょう。そうすれば、猫が自分から寄ってきてくれるようになり、徐々に信頼関係を築けていけます。

無理やり捕まえない

猫と仲良くするためには無理やり捕まえないことが一番です。

猫は自由な動物で、強制されることを嫌います。無理やり抱っこされたり、隠れているところを無理やり捕まえられたりする行動は、猫にとってストレスや恐怖を感じさせる原因です。

隠れていたり、傍によって来ないのには猫なりの理由があります。

猫が安心して自分から近づいて来られる環境を整えてあげましょう。

急に奇声を出さない

猫と仲良くなるためには、急に奇声を出さないことが大切です。

猫はとても聴覚が敏感で、突然の大きな音や予期せぬ奇声に対して敏感に反応します。

こうした音は、猫にとって恐怖の対象となり、驚きを感じてしまいます。

何度も同じようなことがあると、猫は相手を恐怖の対象として見るようになってしまい、距離をとるようになるかもしれません。

信頼関係を築くためには、猫が安心してリラックスできるよう普段から心がけることが大切です。

おやつをあげる

猫におやつをあげることも仲良くなるコツの一つです。この方法はとても効果的といえます。

おやつは猫にとってのご褒美で、美味しいものをもらえるという期待感からあなたに対する好感度は上がっていきます。

大好きなおやつとあなたの関係を結びつけ、あなたの傍にいるといいことや楽しいことがあるかもしれないと感じるようになってくれます。

特に手から直接おやつをあげることによって、あなた自身にも慣れさせる効果もあるでしょう。

おやつの与えすぎは肥満の原因となるため、適量を守り猫の健康に配慮しながら与えることが大切です。

普段からおやつをあげたり撫でたりしてスキンシップをとることによって、猫と早く仲良くなり、猫の健康管理もしっかりみられます。

まとめ

猫が慣れたサイン4

猫が飼い主に慣れたサインは、触らせてくれることから始まり、傍にいる機会が増え自分から寄ってくるなど色々な形であらわれていました。

これらのサインを理解し、猫との信頼関係を築くためには、追いかけたり無理やり捕まえたりするなどの猫の嫌がることをしないことへの配慮が必要です。

また、適切な量のおやつを直接与えることは、猫との絆を深める方法で、すぐに実践できます。

この記事を通じて、猫とのより良い関係を作るための方法を理解し、まずは猫のペースに合わせることを一番に考えていきましょう。仲良くなるコツを上手に取り入れて早く猫と仲が深まるよう祈っています。

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