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【獣医師監修】猫が口呼吸をしていたら危険?口呼吸をする原因や早急に病院に連れて行くべき症状

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はじめに

通常、猫は鼻呼吸をする動物であり、口を開いて呼吸をしている場合は、身体に悪影響を及ぼすような何らかの疾患を抱えていることを示唆しています。

元気な猫であれば、基本的に鼻で呼吸をすることが常であり、口を使って呼吸することはほとんどありません。

口を開いて呼吸をしているときは、猫の体調が非常に悪い状態にあることを示す重要な危険信号の可能性があります。

この記事では、猫が口呼吸をする原因や早急に動物診療施設に連れて行くべき症状などについて、詳しくまとめました。

猫が口呼吸をしていたら要注意!

猫が口呼吸をしていたら要注意1

猫が口を開いて呼吸をしている場合、飼い主さんは注意を払う必要があります。

通常、猫は鼻呼吸をする動物であり、口呼吸は異常な状態を示す重要な危険信号です。

口呼吸が見られる場合、心臓や肺の病気、精神的な緊張や不安、極度の興奮、運動後の疲労、重度の鼻詰まり、熱中症などが原因として考えられます。

また呼吸数の増加、肩呼吸、くしゃみや鼻水、食欲低下、活動性の低下などの症状がある場合にも注意が必要です。

口呼吸が継続する場合や、他の異常な症状を伴う場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。

とくにリラックスしている状態で口呼吸が見られる場合は、呼吸困難の前兆であることが考えられ、緊急性が高い可能性があります。

口呼吸は猫の体調に関する注意すべき赤信号であり、身体に悪影響を及ぼす疾患などのトラブルを早期に発見して適切に対処することが重要です。

猫は通常は口呼吸をあまりしない

猫は基本的に鼻で呼吸を行う動物のため、正常な状態であれば胸部をゆっくりと規則正しく動かして鼻で呼吸することが多く、通常は口で呼吸をすることはほぼありません。

猫の呼吸が荒くなったり、口を開けて呼吸をする様子が見られたりする場合は、何らかの疾患を抱えていることが考えられ、異常な状態を示している可能性があります。

猫が口を開いて呼吸するときは、健康上の深刻な問題を示す危険な兆候である場合が多いですが、一時的な口呼吸であれば必ずしも気にする必要はないでしょう。

たとえば、激しい運動後、過度に興奮した状態にあるとき、精神的な緊張や不安を感じているときなどにおいて、一時的に口を開いて呼吸をする様子が見られるときがありますが、短時間であれば問題ありません。

一方で、以下のような状況では深刻な状態を示している可能性が高いため、注意が必要です。

安静時にも口を開いて呼吸をしている、軽い運動をしただけなのに長時間にわたり口呼吸を持続している、口呼吸に加えて他の異常な症状が見られるといった場合には、深刻な疾患や重大な病気が潜んでいる可能性があります。

猫が口を開いて呼吸をしているときは、その状況や持続時間、他の症状の有無などを慎重に観察することが重要です。

口で呼吸する状態が継続する場合や他の異常な症状を伴う場合は、早急に獣医師に相談して適切な治療を受けることが推奨されます。

重大な異変が起きている可能性も

口を開いて呼吸をしている場合、肥大型心筋症などの心臓の病気や気管支炎などの呼吸器系疾患が考えられ、深刻な病気を抱えているトラブルを示唆していることが疑われます。

口で呼吸をする様子が見られた場合、とくに安静時や軽い運動後でも続くときは、早急に動物診療施設で診察を受けることが重要です。

猫の呼吸が普段と比べて早い場合や、息苦しそうにしている場合は、命に関わる重大な病気の可能性があるため、迅速な対応が求められます。

また猫が口を開いて呼吸をする原因として、鼻孔、気管の入り口付近、食道、胃、腸などに異物が詰まっているケースも考えられるでしょう。

鼻孔に異物が詰まっている場合や炎症や腫瘍が原因で物理的に鼻孔を塞いでいる場合には、鼻呼吸が困難になることから、口を開いて呼吸をするようになります。

気管の入り口付近に異物が詰まると、空気の通り道が塞がれてしまうことで十分な呼吸ができなくなり、食道に異物が詰まった場合でも、隣接する気管を圧迫して呼吸困難を引き起こす可能性があるでしょう。

口を開いて呼吸するだけでなく、咽喉を掻くような動作を見せるときは緊急性が高い状態なので、即座に動物診療施設で診察を受けることが重要です。

胃や腸に異物が詰まった場合は、直接的に呼吸困難を引き起こすことはめったにありませんが、消化器官のトラブルが原因で猫がストレスを感じて、呼吸が乱れることがあります。

いずれの場合も、口で呼吸する場合は異常な状態を示していることが考えられるため、早急に動物診療施設で診察を受けることが重要です。

呼吸困難や持続的な口呼吸が見られる場合は、命に関わる重大な病気の可能性があるため、迅速な対応が求められます。

猫が口呼吸をする原因は?

猫が口呼吸をしていたら要注意2

猫が口を開いて呼吸をする主な原因には以下のようなものがあります。

  • 運動後の一時的な口呼吸
  • ストレスや緊張で敏感になっている
  • 過度に興奮している
  • 鼻が詰まっている
  • 病気にかかっている

口呼吸は猫にとって異常な状態であり、とくに安静時や軽い運動後でも続く場合には、何らかの疾患を抱えているトラブルが疑われます。

猫が口を開いて呼吸をしているときは、深刻な状態を示唆している可能性があるため、早急に動物診療施設で診察を受けることが重要です。

運動後の一時的な口呼吸

猫の呼吸に関しては、運動後に口を開いて一時的に呼吸をする程度であれば、さほど問題はありません。

運動によって体温が上昇すると、運動中に消費した酸素を補給し、体内で発生した熱を効率的に放出するため、体温調節の一環として口を開いて呼吸をします。

主に激しい運動の後に発生することがあり、とくに子猫は活発であることから、遊びや探索などを通じて激しく動き回ることで、急速に体温が上昇しやすいでしょう。

運動後に口で呼吸することがあっても、それは一時的なもので、休息することで体温が正常範囲に戻ると自然に収まります。

ただし過度に息を切らしている場合や、長時間にわたり口で呼吸する状態が続く場合には注意が必要です。

口で呼吸する速度が激しいときや持続するときには、何らかの疾患を抱えているトラブルが疑われる可能性を考慮し、獣医師に相談することを推奨します。

ストレスや緊張で敏感になっている

精神的な緊張や不安を感じると、体内の酸素供給を増やそうとして心拍数や呼吸数が増加し、通常の鼻呼吸では十分な酸素を取り込めないと感じた場合に、猫は口を開いて呼吸をすることがあります。

また口を開けていれば呼吸の異常に気づきやすいかもしれませんが、口を閉じている場合であっても、呼吸回数が早いときや苦しそうに肩で呼吸をしているときは、開口呼吸の一歩手前の段階です。

ストレスの具体的な状況としては、「動物診療施設への来院」「車での移動」「引っ越しなど環境の変化」「新しいペットの導入」などが、要因の1つとして考えられます。

動物診療施設は猫にとって未知の環境であり、不慣れな場所での診察や治療の過程で強い不安や緊張を感じることから、強いストレスを受ける結果として口呼吸を引き起こす可能性があるでしょう。

車での移動も、タイヤの振動は不快な感覚を引き起こし、エンジン音が大きなストレス源となり、さらにキャリーケースの中で動きが制限されることも不安を引き起こす要因となることから、口呼吸を誘発することがあります。

猫は非常に敏感な動物なので、引っ越しなど環境の変化に対して精神的な緊張や不安を強く感じることがあり、新しい環境に適応する過程で視覚的な変化による心理的負担が大きいことから、口呼吸を引き起こすことがあるでしょう。

新しいペットの導入も大きなストレスの原因で、猫は縄張り意識が強いため互いに慣れるまでの間に緊張状態が続くことがあり、新しいペットとの関係性を築く過程で精神的な緊張や不安を強く感じることで、口呼吸を誘発することがあります。

このように心理的な状態が呼吸に影響を与えることがあるため、猫が口を開けて呼吸をしている場合は非常に苦しい症状であるという認識を持ち、早急に対処することが重要です。

適切な環境を整え、必要に応じて獣医師に相談することで、猫の健やかさと快適性を確保することを心がけましょう。

過度に興奮している

猫の正常な呼吸は鼻呼吸であり、通常は口を開いた状態で呼吸をすることはありませんが、過度に興奮している場合には、一時的に口呼吸をする様子が見られることがあります。

ただし一時的なものであれば問題ありませんが、口を開いて呼吸をしている状態が長時間続く場合や、以下のような症状が見られる場合は獣医師の診察が必要です。

呼吸の回数が多い、肩を大きく動かしながら息をしている、鼻の穴を大きく開いて呼吸をしている、口を開けて呼吸をしている、これらの症状が見られる場合は、心臓の病気や呼吸器系疾患など何らかのトラブルが疑われます。

猫の正常な呼吸数は、安静時で毎分20回から40回程度、睡眠時は15回から25回程度で、この範囲内であれば通常は問題ありません。

ただし正常な回数を超えて呼吸をしている場合、安静時や睡眠時に呼吸が早い場合、一時的なものでなく口を開いた状態で呼吸を持続している場合は、動物診療施設で診察を受けたほうがよいでしょう。

日頃から通常の呼吸数を把握して、過度の興奮などにより口で呼吸する状態が続く場合は静かな場所で休ませ、症状が改善しない場合は早急に獣医師に相談することをお勧めします。

鼻が詰まっている

鼻が詰まると十分な酸素を取り込めなくなり、通常の鼻呼吸が困難になった場合の代替手段として、口を開けて呼吸することで酸素を補おうとします。

鼻詰まりの原因としては、上気道感染症、アレルギー性鼻炎、鼻腔内の腫瘍、鼻ポリープ、異物の詰まりなどが考えられるでしょう。

猫の場合、とくに猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなどのウイルス性上気道感染症が多く見られ、これらのウイルスは鼻腔や咽頭の粘膜に感染して、炎症により鼻腔の粘膜が腫れ上がって鼻腔が狭くなることにより、鼻詰まりなどの症状を引き起こします。

アレルギー性鼻炎には、ハウスダストやダニなどが原因で1年中症状が出る「通年性アレルギー性鼻炎」と、花粉が原因で特定の季節に症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」があり、いずれも鼻の粘膜が腫れ上がり空気の通り道が狭くなることで、鼻詰まりなどの症状を引き起こします。

鼻腔内の腫瘍は細胞の異常増殖によって生じる組織の塊のことで、鼻ポリープは鼻の粘膜が浮腫状に膨れて水ぶくれのこぶ状になった状態のことで、いずれも呼吸を妨げる症状があり、鼻腔の通路を塞ぐ鼻詰まりは主要な症状の1つです。

猫の鼻腔に綿埃や抜け毛などの小さな異物が入り込むことで、鼻が詰まってしまうことで呼吸がしづらくなり、くしゃみをしたり鼻をこすったり、場合によっては口を開いて呼吸する行動を見せることがあります。

口を開いて呼吸する状態が長時間続く場合や、他の異常な症状が見られる場合は、早急に動物診療施設で診察を受けることが重要です。

猫の体調を整えて健やかさを保つためにも、異常な呼吸が見られた場合において、迅速な対応が求められます。

病気にかかっている

猫が口呼吸をしていたら要注意3

猫が口を開いて呼吸しているときは、多くの場合「病気にかかっている」ことが原因である可能性が高く、主な原因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 呼吸器系の病気
  • 心臓の病気
  • 熱中症
  • 血栓塞栓症
  • 横隔膜ヘルニア
  • 貧血
  • アレルギー症状

次の項目で、それぞれに関して注意事項などを交えながら、症状や原因について簡潔にまとめました。

呼吸器系の病気

猫が口を開いて呼吸をしている場合、呼吸器系の病気が原因であることが多く、たとえば「気管支炎」「肺炎」「肺水腫」「肺がん」「鼻腔内の腫瘍や異物」などが挙げられます。

気管支炎の原因には「ウイルスや細菌感染、アレルギー反応、環境内の刺激物(煙、化学物質など)」が考えられ、症状には「咳、呼吸困難、口呼吸、多呼吸(呼吸回数の増加)」などが見られます。

個人で行える対処法としては、空気清浄機の使用や喫煙の禁止など環境の改善も効果的ですが、症状を放置すると慢性化して治療が難しくなることがあるため、早期の診断と治療が重要です。

肺炎の原因には「細菌、ウイルス、真菌感染、吸引性肺炎(異物や液体の誤嚥)」などが考えられ、症状には「咳、発熱、呼吸困難、口呼吸、食欲不振」などが見られます。

個人で行える対処法はなく、重症の場合には入院治療が必要になることがあるため、早期の治療が必要です。

肺水腫の原因には「心臓病(心不全)、中毒、外傷」などが考えられ、症状には「呼吸困難、口呼吸、咳、チアノーゼ(唇や舌が青紫色になる症状)」などが見られます。

個人で行える対処法はなく、緊急性が高い状態のため即座に獣医師の診察を受けることが重要で、原因となる心臓病の治療も並行して行うことが必要です。

肺がんの原因には「遺伝的要因」や「環境的要因」が考えられ、症状には「咳、呼吸困難、体重減少、口呼吸」などが見られます。

個人で行える対処法はなく、早期発見が難しいため定期的な健康チェックが重要で、外科手術、放射線治療、化学療法などの治療が必要です。

鼻腔内の腫瘍や異物の原因には「腫瘍(良性または悪性)」や「異物(草の種、ほこりなど)」が考えられ、症状には「くしゃみ、鼻水、鼻血、口呼吸」などが見られます。

個人で行える対処法はなく、腫瘍の場合は早期の診断と治療が重要で、異物が原因の場合は早急に取り除くことが必要です。

心臓の病気

猫が口を開いて呼吸をする要因となる心臓の病気には、たとえば「肥大型心筋症」「拡張型心筋症」「心不全」「血栓塞栓症」などが挙げられます。

肥大型心筋症の原因には「遺伝的要因、高血圧、甲状腺機能亢進症」などが考えられ、症状には「呼吸困難、口呼吸、食欲不振、活動量の低下、突然の後ろ足の麻痺」などが見られます。

初期症状が軽微なため早期発見が難しく、定期的な心臓検査(心エコー検査など)が重要です。

突然死のリスクがあるため、症状が見られたら即座に獣医師の診察を受けてください。

拡張型心筋症の原因には「タウリン欠乏」や「遺伝的要因」が考えられ、症状には「呼吸困難、口呼吸、咳、腹水や胸水の貯留」などが見られます。

この病気は基本的に進行性で完治することはありませんが、早期発見と適切な治療により症状をコントロールすることで、猫の生活の質を維持することが可能です。

心不全の原因には「心筋症が進行した状態、弁膜症、先天性心疾患」などが考えられ、症状には「重度の呼吸困難、持続的な口呼吸、チアノーゼ(唇や舌が青紫色になる症状)、極度の疲労」などが見られます。

緊急性が高い状態のため即座に獣医師の診察を受けることが重要で、状態によっては酸素療法や利尿剤投与などの集中治療が必要です。

血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)とは血管内で生じた血栓が血管の細い部位を塞いでしまうもので、症状には「突然の後ろ足の麻痺、激しい痛み、口呼吸、呼吸困難」などが見られます。

緊急性が非常に高い状態で、予後が不良な場合も多いため、即座に獣医師の診察が必要となります。

熱中症

高温多湿の環境に長時間さらされると、体温調節が困難になり熱中症を発症する可能性があり、熱中症の症状の1つとして口を開いた状態で呼吸をすることがあります。

猫の熱中症は、「高温多湿の環境」「換気の悪い場所」「運動後の休憩不足」「水分の補給不足などが主な原因です。

また長毛種の猫や肥満の猫は、体熱を逃がしにくい性質があるため、夏場の高温多湿の環境下では熱中症になりやすい傾向にあります。

したがって、長毛種や肥満の猫を飼っている飼い主さんは、とくに夏場の高温多湿の環境下では、「涼しい場所で過ごさせる」「定期的に水分補給をさせる」「運動後は休憩を取らせる」「長毛種の場合は毛を短く刈る」などの予防対策が重要です。

熱中症の主な症状には、「口呼吸、多呼吸、唇や舌が赤く見える、体温上昇、嘔吐、下痢、意識障害」などが見られます。

口を開けてハァハァと呼吸する「パンティング」は、猫が暑さの影響で体温を下げようとしている兆候です。

このような症状が見られた場合は、直ちに涼しい場所に移動させ、水分補給と体の冷却を促しましょう。

普段から快適に過ごせる環境を整えて、猫の健やかな体調を維持するための対策を講じ、異常な呼吸や意識障害などの症状が見られたら、即座に獣医師に相談することが大切です。

横隔膜ヘルニア

横隔膜ヘルニアは、横隔膜に穴や裂け目ができて腹腔内の臓器が胸腔内に脱出する病気で、口で呼吸をする原因の1つとなる可能性があります。

先天性のものは胎生期の発達過程で横隔膜が完全に閉鎖しないことが原因で、後天性のものは外傷や圧迫による横隔膜の損傷が原因です。

主な症状には「呼吸困難、口呼吸、運動不耐性、消化器官の通過障害による嘔吐、元気消失、活動低下」などが見られます。

これらの症状は、脱出した臓器が肺を圧迫することで呼吸が苦しくなるため引き起こされ、とくに運動後や興奮時に症状が悪化しやすいでしょう。

治療は外科的に横隔膜の欠損部を修復する手術が一般的で、手術を行わない場合は、脱出した臓器の血流障害や呼吸不全により、命に関わる可能性があります。

病気の早期発見と適切な治療に努め、呼吸困難や運動不耐性などの症状が見られたら、迷わず獣医師に相談しましょう。

貧血

貧血とは赤血球や血色素の量が不足している状態のことで、貧血が進行すると体内の酸素供給が不足し、呼吸困難により口を開いて呼吸をすることがあります。

貧血の症状には「口呼吸、運動時の息切れ、疲労感、食欲不振、毛並みの悪化」などが見られ、口を開いて呼吸をする症状は、酸素不足を補おうとする代償反応の一つと言えるでしょう。

貧血の主な原因には「出血性貧血、外傷による出血、消化管出血、尿路出血、溶血性貧血、自己免疫疾患、赤血球の破壊亢進、再生不良性貧血、骨髄の造血機能低下、鉄欠乏性貧血、食事からの鉄分摂取不足、吸収障害」などが考えられます。

予防としては、高品質な食事を与えることで鉄分の摂取を心がけ、定期的な健康診断を受けることで貧血の早期発見に努めて、出血の原因となる疾患の予防と早期治療を行うことが大切です。

重度の貧血では輸血が必要になることもあり、貧血が長期化すると心臓への負担が大きくなって心不全を引き起こす可能性もあります。

口で呼吸をする様子が見られた場合は看過せず、必ず獣医師に相談して適切な検査を受け、鉄剤の投与や出血の原因となる疾患に関する適切な治療を受けることが大切です。

アレルギー症状

猫がアレルギー反応を起こすと、気道が炎症を起こして呼吸が苦しくなることから、呼吸器症状として口を開いて呼吸をする状態を引き起こす可能性があります。

アレルギーの主な原因には、特定の食材に対して反応して引き起こされる「食物アレルギー」、ダニやカビおよび花粉などのアレルゲンに反応して引き起こされる「吸入アレルギー」、薬剤や化学物質などに触れることで引き起こされる「接触アレルギー」などが考えられます。

アレルギー症状に対しては、原因の特定と除去、適切な薬物療法、必要に応じた外科的処置など、総合的なアプローチを行うことが大切です。

症状の緩和のために、気道の炎症を抑えることで呼吸困難を改善するステロイド薬や、アレルギー反応による症状を和らげる抗ヒスタミン薬の投与が必要な場合があります。

また重症の場合には、酸素投与や気管切開術が必要になることもあります。

アレルギー反応は急激に悪化する可能性があるため、異常な呼吸が見られた場合は即座に動物診療施設に連れて行き、獣医師と相談しながら最善の治療を受けることが大切です。

猫の呼吸困難の見分け方

猫が口呼吸をしていたら要注意4

猫の呼吸困難を見分けるポイントは、「呼吸回数のチェック」「呼吸音のチェック」「呼吸時の様子」「運動後に回復する様子」などで見分けることができます。

猫の正常な呼吸数は、安静時で毎分20回から40回程度、睡眠時は15回から25回程度であり、呼吸回数が通常の範囲を超えている場合は呼吸困難の可能性があります。

開口呼吸(口を開けて呼吸をしている)、肩呼吸(肩を大きく動かしながら息をしている)、鼻翼呼吸(鼻の穴を大きく開いて呼吸をしている)、これらの呼吸パターンは猫にとって異常であり、呼吸困難の兆候です。

呼吸時に「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴音がする場合は、上気道の狭窄を示唆する重要な徴候で、鼻が詰まっているような音は上気道の閉塞を示しており、いずれも呼吸困難の危険性が高いと考えられます。

運動後しばらくすると呼吸が落ち着いてくるのが普通ですが、運動後も呼吸が早いままで苦しそうな様子が続くときは、何らかの呼吸器系の問題や心疾患が隠れている可能性があります。

呼吸困難は命に関わる重大な症状の可能性があるため、異常を感じたら迅速に対応しましょう。

日頃から猫の呼吸の様子に注意して、異変があれば早めに獣医師に相談することが大切です。

1分間の呼吸数が60回以上

猫の正常な呼吸数は、安静時で毎分20回から40回程度、睡眠時は15回から25回程度で、この範囲内であれば通常は問題ありません。

1分間の呼吸数が60回以上の場合は、明らかに正常範囲を超えていることから何らかの呼吸器系の問題が考えられ、「呼吸困難」と判断したほうがよいでしょう。

呼吸困難は猫にとって非常に危険な状態であり、酸素不足によって臓器障害や死に至る可能性があります。

早期発見と適切な治療が予後を大きく左右するため、1分間の呼吸数が60回以上の場合には、即座に獣医師の診察を受けるべきです。

ただし運動後や興奮時に呼吸数が一時的に上昇することがあるため、その場合は落ち着いて休ませると呼吸数は正常に戻るので、いったん様子を見ましょう。

安静時に1分間の呼吸数が60回以上の呼吸数が持続し、猫が苦しそうにしている場合は、迷わず獣医師に相談することを推奨します。

呼吸困難は命に関わる重大な症状の可能性があるため、早めの対応が大切です。

一方で1分間の呼吸数が40回から60回の場合は、必ずしも「呼吸困難」とは言えませんが、正常な呼吸数よりは明らかに回数が多いため、何らかの異常が隠れている可能性があります。

したがって1分間の呼吸数が40回から60回の場合も、呼吸困難に陥っている可能性を考慮し、獣医師に相談することを推奨します。

呼吸の異常は命に関わる重大な問題につながる可能性があるため、日頃から猫の呼吸状態に注意を払い、異常を感じたら早急に動物診療施設に連れて行くことが大切です。

肩を上下に動かすような呼吸

肩を上下に動かすようにしながら大きく呼吸をしている場合は、呼吸困難の可能性が高いと考えられます。

猫の正常な呼吸は、ほとんどが鼻呼吸で、胸郭が上下に動くだけです。

しかし呼吸困難になると、胸郭だけでは十分な空気を取り入れられなくなるため、肩の筋肉を使って呼吸するようになります。

肩呼吸は、呼吸を楽にするための代償的な呼吸パターンの1つで、肺や気道に何らかの問題があり呼吸が苦しくなると、より多くの筋肉を使って呼吸するようになります。

呼吸時に鼻の穴が大きく広がっている

猫が呼吸困難に陥っているときは、呼吸時に鼻の穴が大きく広がっていることがあります。

これは、より多くの空気を取り入れて呼吸を楽にしようとする猫の代償的な反応であり、呼吸困難の重要な徴候です。

呼吸は生命維持に直結する重要な機能であり、呼吸困難は命に関わる危険な状態につながる可能性があります。

呼吸困難が疑われる場合は、すぐに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

猫が口呼吸しているときの対処法

猫が口呼吸をしていたら要注意5

口を開いて呼吸しているときは、猫にとって非常に危険な症状を示唆している可能性があるため、早期発見と適切な対応が重要です。

重症の場合は、酸素投与と外科的治療が必要になることもあるため、呼吸に異常を感じたら、迷わず獣医師に相談しましょう。

口で呼吸をする主な原因としては、「上気道の閉塞」「下気道の疾患」「胸腔内の異常」「心疾患」などが考えられ、重症の場合は酸素投与や外科的治療が必要になることがあります。

したがって呼吸の異常(口呼吸、呼吸速迫、喘鳴音など)が見られた場合は、獣医師の診断と指示に従い、早期発見と適切な治療を受けることが大切です。

呼吸の異常は見過ごせない重大な症状なため、異常を感じたら躊躇せずに獣医師に相談しましょう。

すぐに鼻呼吸に戻るなら様子を見る

猫がリラックスした状態で一時的に口を開いて呼吸をしている場合は、すぐに鼻呼吸に戻ることがあり、この場合は異常ではないと考えられます。

すぐに鼻呼吸に戻るなら問題ありませんが、呼吸数の変化や呼吸の様子を注意深く観察し、体温の変化や、その他の症状の有無などもチェックしましょう。

猫の呼吸の異常は、命に関わる重大な症状の可能性があるため、様子を注意深く観察し、改善が見られない場合は獣医師に相談することが大切です。

口を開いて呼吸をする状態が一時的な場合であっても、体調が急変しないか様子を見守り、状況に応じて適切に対応することが求められます。

口呼吸が続く場合や頻繁に口呼吸を繰り返す場合は病院へ

口を開いて呼吸をする状態が持続する場合や、頻繁に繰り返される場合には、何らかの疾患を抱えていることが考えられ、異常な状態を示している可能性があります。

何らかの疾患を抱えている場合は、原因を特定して適切な治療を行うことが必要であり、動物診療施設に連れて行き獣医師の診察を受けることが重要です。

呼吸困難は命に関わる重大な症状の可能性があるため、口で呼吸する状態が持続する場合は迷わず獣医師に相談しましょう。

一時的な反応なのか、深刻な状態を示しているのかを見極めるためには、猫の呼吸の様子を注意深く観察し、必要に応じて獣医師に相談することが大切です。

まとめ

通常、猫は鼻呼吸をする動物であり、口を開いて呼吸をすることは、通常の健康状態では見られない危険な徴候を示す警告信号です。

口で呼吸をする原因としては、心臓や肺の病気、ストレス、運動後の疲労、鼻詰まりなどが考えられます。

飼い主さんがこれらの兆候を早期に発見し、動物診療施設で診察を受けて適切な対応を取ることが重要です。

呼吸困難は命に関わる重大な症状の可能性があるため、口で呼吸する状態が持続する場合は、迷わず獣医師に相談しましょう。

当記事の情報を通して適切な知識と対応について理解を深め、猫の健康を守るための指針として、ぜひお役立てください。

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