暮らし

【獣医師監修】猫はこたつが大好き?こたつを使うときの注意点や対処法を詳しく解説

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

童謡にもあるように、猫はこたつが大好きなイメージがあると思います。

実際に猫を飼っている方で、猫がこたつから出てこないのを見かけた方も多いのではないのでしょうか。

こたつは猫にとって快適な場所である一方で、猫の健康のために注意が必要です。

今回は、猫がこたつを好きな理由について詳しく紹介します。こたつを使うときの注意点や対処法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

猫はこたつが大好き?

猫はこたつが大好きな動物であり、冬になると猫がこたつの中に入ってくつろぐ光景を目にする場合がよくあります。

しかし、猫がこたつを好む理由は単に暖かいだけではありません。まず、猫がこたつを好きな理由について詳しく見ていきます。

猫は居心地の良い場所を探すのが得意

はじめに、猫がこたつを大好きな理由は、こたつが猫にとって居心地の良い場所だからです。

猫は非常に敏感な動物であり、自分にとって快適な場所を見つけられます。

例えば、柔らかいクッションの上や温かい日だまり、そして冬になると暖かいこたつの中など、猫は自分にとって居心地の良い居場所を常に見つけてくつろいでいるのです。

猫は居心地の良い場所を見つけて、自分の体温を効率的に保っています。

じんわり暖かいこたつは冬を過ごすのにぴったり

こたつのじんわりとした暖かさは人間だけでなく猫にとって非常に魅力的です。

猫は寒さに弱く、冬場は特に暖かい場所を求めて動きます。そして、体温調整するための場所としてこたつをみつけ、中で過ごそうとするのです。

こたつの中は直接的な熱源ではなく、間接的にじんわり暖かさが広がるため、猫が長時間過ごすのに適しています。

ただし、長時間過ごすと危険な場合もあるので、後述する注意点を必ずチェックしましょう。

猫は暗くて狭い場所が好き

次に、猫がこたつを大好きなのは、猫は暗くて狭い場所を好む性質があるからです。

狭くて暗い場所は外敵から身を守るために安全な場所であり、猫は安心して休むことができます。

家猫であっても、こたつの中や押入れの中、家具の隙間など、暗くて狭い場所に入り込むのが好きです。

そして、猫はストレスを感じずにリラックスできる空間を確保しています。

野生の本能が残っているため

猫が暗くて狭い場所を好む理由には、野生時代の本能が深く関わっています。

野生の猫は、狩りをする際や休息する際に外敵から身を隠す必要がありました。狭くて暗い場所は、外敵から身を守るための安全な場所として機能し、猫は狭くて暗い場所で頻繁に過ごしていたのです。

そして、野生の本能は現代の家猫にも強く受け継がれています。家猫は外敵の危険性はありませんが、本能は変わらず残っていて、暗くて狭い場所を好んで入り込むのです。

また、暗くて狭い場所に身を置くと、外部の刺激から隔離されるため、猫は静かで穏やかな時間を過ごせます。

猫がこたつを使うときの注意点

次に、猫がこたつを使うときの注意点を紹介します。

  • 低温やけど
  • 脱水症状
  • 感電

それぞれ詳しく紹介するので、こたつで猫の健康状態が悪化しないように必ずチェックしてください。

低温やけど

まず、猫がこたつを使うときに注意が必要なのは低温やけどです。低温やけどが起こる仕組みや症状を確認しましょう。

低温の熱に長時間触れると低温やけどが起こる

猫がこたつの中で長時間過ごすと、じんわりとした低温の熱により低温やけどが起こる可能性があります。

低温やけどは、高温の熱による急激なやけどとは異なり、低温の熱源に長時間接触することで皮膚が徐々にダメージを受ける現象です。

こたつの温度設定が低くても、猫が同じ場所に長時間居続けると、皮膚の一部に継続的な熱が加わり、やけどを引き起こす恐れがあります。

特に毛が薄い部分や皮膚がデリケートな部分は注意が必要です。

水ぶくれや赤みなどの熱傷ができる

低温やけどが進行すると、猫の皮膚に水ぶくれや赤みなどの熱傷ができる恐れがあります。水ぶくれや熱傷などの症状は、皮膚のダメージが進行しているのを示しており、猫にとって非常に不快です。

具体的には、水ぶくれで皮膚の表面に液体がたまり、痛みやかゆみを引き起こします。また、進行した熱傷はさらに深刻で、皮膚の深部にまでダメージが及んで組織が壊死してしまうのです。

水ぶくれや熱傷を防ぐためには、こたつの温度管理をしっかり行いましょう。

こたつを使う際は温度を低く設定し、猫が直接ヒーターに触れないように布団を設置してください。

さらに、猫の皮膚の状態を日常的にチェックし、異常が見られた場合はすぐに動物病院で診てもらうことが必要です。

他にも、こたつの使用時間を制限しましょう。例えば、こたつの電源を一定時間ごとにオフにし、猫が自然にこたつの外で休む時間を作るのがおすすめです。

脱水症状

次に、猫がこたつを使うときに注意が必要なのは脱水症状です。猫の生態からなぜ脱水症状が起こりやすいか理解しましょう。

猫はもともと水を飲む量が少ない

猫はもともと水を飲む量が少ない動物です。猫の祖先は砂漠地帯で生活していており、水分を頻繁にのまなくても生活ができていました。

しかし、こたつなどの暖房器具を使用する環境では、通常以上に水分が失われるため、脱水症状が心配されます。特に冬場は乾燥しているため、こたつの中で過ごす猫は知らず知らずのうちに水分を失いやすくなるのです。

猫の健康を維持するためには、こたつの使用中でも十分な水分補給が欠かせません。水分をしっかり摂取すると、猫は体内の水分バランスを保つことができます。

こたつの近くに飲み水を置いておく

猫がこたつを長時間使用して脱水症状が疑われる場合、こたつの近くに常に新鮮な飲み水を置いておくことが重要です。

飲み水は、こたつの暖かさによって蒸発しやすいため、定期的に確認して新しい水に替えることを忘れないようにしましょう。

また、水を飲む量が減っていると感じた場合は、こたつから猫を誘導し、直接水を飲ませるように工夫することも大切です。

さらに、自動給水器などを利用するのも効果的であり、猫が興味を持ちやすいため多くの水を飲むようになります。

他にも、水飲み場の場所を工夫することも大切です。こたつの近くだけでなく、猫がよく通る場所に水を置き、猫が水を飲む頻度を増やしましょう。

脱水になっていないか確認する方法

猫が脱水になっていないかを確認するには、いくつかの方法があります。

まず、猫の皮膚の状態をチェックしましょう。背中の皮膚を軽くつまんで離したときに、すぐに元に戻らない場合は脱水症状のサインです。

また、口の中や鼻が乾燥している場合も脱水を疑うべきです。さらに、トイレの回数や尿の量が減っている場合も脱水症状が疑われるので注意してください。

皮膚や口、鼻に脱水の症状が見られた場合は、すぐに獣医師に相談し、適切な対処を行うことが必要です。

日常的に猫の状態を観察し、早期発見を心掛けましょう。また、猫が脱水状態に陥らないように、普段から適切な水分補給を促すことが重要です。

子猫や高齢の猫は体温調節が苦手なので特に注意

脱水症状で特に注意が必要なのは、子猫や高齢の猫です。子猫や高齢の猫は体温調節が苦手であり、環境の変化に対する適応能力が低いため、脱水症状のリスクが高まります。

具体的には、子猫は体が小さく、体温が急激に変化しやすいため、こたつの中で過ごす時間を適切に管理することが重要です。

また、高齢の猫は代謝が低下しているため、体温を維持するのが難しくなります。

子猫や高齢の猫がこたつを使用する際は、こまめに様子を確認し、必要に応じてこたつの外に誘導しましょう。

さらに、体調の変化を見逃さないように、日常的な観察を徹底してください。他にも、子猫や高齢の猫には、こたつ以外の暖かい場所を準備するのも大切です。

そして、定期的に獣医師の診察を受け、健康状態を確認することも大切です。

特に寒い季節には、健康チェックを欠かさず行い、異常が見られた場合は早めに対処しましょう。

感電

最後に、猫がこたつを使うときに注意したいのは感電です。感電の危険性や対策方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

使用中のコードを噛むと感電ややけどの危険

猫は好奇心旺盛な動物で、何でも噛んでみたがります。そして、こたつの使用中にコードを噛むと、感電ややけどの危険性があるのです。

電気コードは感電しないようにカバーで覆われていますが、噛まれるとカバーが破れ、電流で感電してしまいます。

感電は非常に危険であり、最悪の場合は命に関わる事態になるので注意が必要です。感電した場合、猫はしびれややけどの症状がみられるので、迅速な対応が求められます。

こたつを使用する際はコードを猫の手の届かない場所に配置することが基本です。家具の後ろやカーペットの下に隠すなどの工夫をしましょう。

また、コードカバーを使用して、猫が直接コードに触れられないようにすることも効果的です。

傷ついたコードをそのまま使用しない

傷ついたコードをそのまま使用することは、感電のリスクを高めるだけでなく、火災の原因にもなります。

猫がコードを噛んで傷つけた場合、コードはすぐに交換するか、修理しましょう。

内部の断線は見逃しがちですので、コードの状態を定期的にチェックすることが大切です。

また、コードに傷がつきやすい場所には保護カバーを装着するなどの対策を取ると良いでしょう。

さらに、こたつだけでなく定期的に家電製品のコード全体を点検し、古くなったり劣化したりしているコードは早めに交換するように心がけましょう。

特に、コードが折れ曲がりやすい場所や、頻繁に抜き差しする場所は要注意です。また、猫が頻繁にいる部屋には、耐久性の高いコードを用意すると良いでしょう。

コードを噛まないように工夫する

猫がコードを噛まないようにするためには、さまざまな工夫が必要です。

まず、コード自体を保護する方法として、電気コード専用のカバーやチューブを使用しましょう。カバーやチューブを使用すると、猫が直接コードに触れることを防げます。

また、コードを家具の後ろやカーペットの下など、猫が簡単にアクセスできない場所に配置しましょう。

さらに、噛むのを防ぐために、猫が噛むことを嫌がる匂いのスプレーをコードに吹きかけることも効果的です。

他にも、猫がコードを噛まないようにするためには、猫の興味を他のものに向けるよう、おもちゃや遊びを提供しましょう。

猫のストレスを軽減するために、適度な運動や遊び時間を確保し、噛む行動が起こりにくい環境の整備も求められます。

そして、おもちゃを使った遊びやキャットタワーなどを設置して、猫がストレスを発散できるようにすることが大切です。

加えて、噛むことが好きな猫には、噛んでも大丈夫な専用の場所を用意し、コードに対する興味を減らしましょう。

猫が長時間こたつに入っているときはどうしたらいい?

次に、猫が長時間こたつに入っているときの対処法を紹介します。

  • 布団をめくって猫の様子を確認する
  • こたつの電源を切っておく
  • 猫をこたつから出してあげる

こたつの危険性を減らすためにも、ぜひチェックして実践しましょう。

布団をめくって猫の様子を確認する

まず、猫がこたつの中で長時間過ごしている場合、布団をめくって猫の様子を確認しましょう。

こたつの中は暗くて暖かいため、猫にとっては居心地の良い場所です。しかし、長時間過ごすことで体温調節が難しくなり、脱水症状や低温やけどのリスクが高まります。

そのため、定期的に布団をめくり、猫の姿勢や動き、皮膚の状態をチェックしましょう。

特に、猫がじっとして動かない場合や、皮膚が赤くなっている、乾燥しているなどの異常が見られた場合は、すぐに対応が必要です。

また、布団をめくると、こたつ内部の温度や湿度の確認だけでなく、温度を低くできます。

猫が快適に過ごせるよう、こたつの温度設定を適切に調整し、必要に応じて布団の開閉で換気を行うことが大切です。

こたつの電源を切っておく

次に、猫が長時間こたつの中にいる場合、こたつの電源を切っておきましょう。

こたつの中は暖かくて快適ですが、長時間熱にさらされることで猫の体調に影響を与える可能性があります。

特に、低温やけどや脱水症状のリスクを減らすためには、適度にこたつの電源をオフにすることが効果的です。

電源を切ると、こたつ内部の温度が下がり、猫が低音やけどや脱水症状になるのを防げます。

また、こたつの電源を切るタイミングを工夫すると、猫が自然にこたつの外に出てくることを促すことも可能です。

例えば、夜間や外出時など、長時間猫の様子を確認できない場合は、電源をオフにしておくと安全を確保できます。

猫をこたつから出してあげる

最後に、猫が長時間こたつの中にいるときは、適切なタイミングで猫をこたつから出してあげることも大切です。

こたつの中は居心地が良く、猫はつい長時間過ごしてしまいがちですが、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、猫をこたつから出して新鮮な空気に触れさせ、体温を自然に調整させましょう。

また、こたつの外で遊んだり、休憩したりする時間を設けることで、猫の運動不足やストレスの解消にもつながります。

猫をこたつから出す際は、無理やり引っ張り出すのではなく、優しく誘導してください。

おもちゃやおやつを使って注意を引き、自然にこたつの外に出てくるように促すと良いです。

さらに、こたつ以外の暖かい場所や居心地の良い場所を提供すると、猫が自主的にこたつから出てくる機会を増やすことができます。

例えば、暖かいブランケットを用意したり、日当たりの良い窓辺にベッドを置いたりすると効果的です。

まとめ

猫は居心地の良い場所を探すのが得意な動物であり、冬場は暗くて狭く快適な温度のこたつで過ごすのを好みます。

しかし、こたつは長時間使用すると低温やけどや脱水症状、感電のリスクがあるので危険です。

そのため、飼い主は布団をめくって定期的に猫の様子を確認し、長時間使用している場合はこたつの電源を切っておきましょう。また、猫をこたつから出してあげるのも効果的です。

猫の健康リスクは減らしつつ、猫にとって快適なこたつで過ごさせてあげましょう。

RANKING
人気記事ランキング