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はじめに
普段意識して見ることは多くありませんが、猫の座り方には様々な種類があります。
実は、猫の座り方で気持ちがわかる場合があるのです。猫の座り方は病気のサインの場合もあり、猫の健康を維持するためには見逃せません。
今回は、猫の座り方を詳しく紹介します。
病気の可能性がある座り方や考えられる病気も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
猫は座り方で感情がわかる?
猫は座り方で感情がわかると言われています。まずは、猫の座り方と感情の関連性について詳しくみていきましょう。
猫の気持ちやリラックス度合いがわかる
猫の座り方を観察すると、猫の気持ちやリラックス度合いをある程度把握できます。
猫は非常に感情豊かな動物であり、感情がボディランゲージに現れる場合が多いです。
特に座り方は、猫がどれだけリラックスしているか、あるいは警戒しているかを示しています。
リラックスしている猫は、体をコンパクトにまとめた座り方をする場合が多いです。
体をまとめた座り方は、猫が安心している証拠であり、猫が周囲に対して全く警戒心を持っていません。
一方で、猫が緊張している場合や警戒している場合は足を出したりお腹を浮かせたりします。
猫の座り方のチェックポイント
猫の座り方をチェックする場合は、下記のポイントをチェックしましょう。
- 前足
- 後ろ足
- お腹やお尻
- しっぽ
それぞれ詳しくリラックスしている場合と緊張している場合を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
前足
まず、猫の座り方を見るとき、前足の位置や姿勢に注目することが重要です。
リラックスしている猫は、前足を体の下に収納する座り方をする場合が多いです。
一方、前足が体から離れている場合や、片方の前足だけを前に伸ばしている場合は、猫が警戒しているか、何かに注意を払っています。
また、前足を頻繁に動かしている場合は、猫が不安を感じている可能性が高いです。
後ろ足
次に、猫の座り方を見るときは、猫の後ろ足の位置や姿勢も観察しましょう。
猫がリラックスしている場合は、後ろ足は体の下に隠されている場合が多いです。
逆に、後ろ足を体の外側に広げたり、片方の後ろ足だけを横に伸ばしている場合は、猫が警戒しているか、何かに注意を払っています。
また、後ろ足を頻繁に動かしている場合や、座る位置を変え続けている場合は、猫が不安を感じている可能性が高いです。
お腹やお尻
3つ目に、猫の座り方を見る際には、お腹やお尻の位置にも注目しましょう。
リラックスしている猫は、お腹を床に密着させて座る場合が多いです。お腹を密着させた姿勢は、猫が安心している証拠です。
しかし、お腹を浮かせて座っている場合や、お尻を持ち上げて座っている場合は、猫が緊張しているか、不快感を感じている可能性があります。
また、座った時にお腹やお尻に異常が見られる場合は、病気の兆候である可能性もあるため、注意が必要です。
しっぽ
最後に、猫の座り方を見る際は、しっぽの動きや位置もチェックしましょう。
リラックスしている猫は、しっぽを体に巻き付けたり、軽く振ったりします。
一方で、しっぽを立てて緊張させている場合や、激しく振っている場合は、猫が警戒しているか、不安を感じている可能性が高いです。
また、しっぽを頻繁に動かしている場合は、猫が何かに興奮している可能性があります。
猫の座り方の種類と座り方からわかる猫の気持ち
次に、猫の座り方の種類と座り方からわかる猫の気持ちを紹介します。
- 香箱座り
- 横座り
- エジプト座り
- スコ座り
- スフィンクス座り
- しっぽ巻き座り
それぞれ詳しく紹介するので、座り方の違いを理解できるようになりましょう。
香箱座り
まず、猫の気持ちがわかる座り方は香箱座りです。
香箱座りは、猫が前足を体の下に折りたたんで座る姿勢であり、後ろ足も体の下に隠しています。
香箱座りは、猫が非常にリラックスしていることを示すサインです。
香箱座りをしている猫は、周囲に対して完全に警戒心を解いている状態であり、安心感を持っています。
香箱座りは猫が信頼している場所や人物のそばでよく見られ、特に家族や飼い主と一緒にいるときにみられるケースが多いです。
横座り
次に、猫の気持ちがわかる座り方は横座りです。
横座りは、猫が片方の後ろ足を横に伸ばして座る姿勢であり、猫がリラックスしているものの、完全に警戒を解いているわけではない状態を示しています。
横座りをしている猫は、周囲の環境に対して注意を払っており、新しい場所や状況に置かれたときに見られる場合が多いです。
猫が横座りをする時は、すぐに立ち上がる準備ができている状態でもあります。
また、横座りをしている猫が周囲を頻繁に見回している場合、警戒心が強い可能性が高いです。
エジプト座り
3つ目に、猫の気持ちがわかる座り方はエジプト座りです。
エジプト座りでは、猫が前足をまっすぐ前に伸ばし、後ろ足を体の下に折りたたんで座っています。
エジプト座りは、エジプト神話に登場する女神に似ていることから名付けられました。
エジプト座りをする猫は、リラックスしている一方で、周囲の状況に対して一定の警戒心を持っている状態を示しています。
エジプト座りは、猫がいつでも素早く動けるように準備している状態です。また、周囲をじっと観察し、何か異常がないかを確認しています。
さらに、ご飯や遊びを要求する際にエジプト座りをする猫も多いです。
スコ座り
4つ目に、猫の気持ちがわかる座り方はスコ座りです。
スコ座りは、猫が後ろ足を前に伸ばし、体を後ろに傾けて座る姿勢であり、スコティッシュフォールドによく見られることから「スコ座り」と呼ばれています。
スコ座りをしている猫は、非常にリラックスしている状態です。
スコ座りは、猫が完全に安心している場所でのみ見られる場合が多く、飼い主や家族との信頼関係が深いのがわかります。
ただ、猫は関節や体の一部が痛くていつも通りの座り方ができずにスコ座りをしている場合もあるので注意が必要です。
スフィンクス座り
5つ目に、猫の気持ちがわかる座り方はスフィンクス座りです。
スフィンクス座りは、猫が前足をまっすぐ前に伸ばし、後ろ足を体の下に隠して座る姿勢であり、エジプトのスフィンクス像に似ていることから名付けられました。
スフィンクス座りをしている猫は、周囲の状況に対して一定の警戒心を持っており、いつでも素早く動ける状態です。
スフィンクス座りをしている猫は、周囲をじっと観察し、何か異常がないかを確認しています。
自分の周りを慎重に見渡すことができるポジションでもあり、周囲の変化に敏感に反応できるのです。
しっぽ巻き座り
最後に、猫の気持ちがわかる座り方はしっぽ巻き座りです。
しっぽ巻き座りは、猫がしっぽを体に巻き付けて座る姿勢であり、何かに対して警戒心を持っています。
また、しっぽを体に巻き付けて、猫は温かさを保ちつつ、自分の領域を守っているのです。
さらに、しっぽを巻き付けて座る姿勢は、猫が自分の体を小さくまとめているため、外部からの刺激に対して敏感であることも示しています。
しっぽ巻き座りの猫がひげを広げ、小さな音も聞き逃すまいとイカ耳になっていたら警戒中のサインです。
一方で、周囲の環境が寒かったり、汚れからしっぽを守ったりするためにしっぽ巻き座りをしている場合もあります。
座り方がいつもと違う時は病気の可能性も
猫は様々な座り方をしますが、いつもと違う場合は病気の可能性があります。可能性がある病気や座り方を紹介するので必ず確認してください。
座り方がおかしい場合に考えられる病気
まず、座り方がおかしい場合に考えられる病気を紹介します。
- 椎間板ヘルニア
- 変形性関節症
- 膝蓋骨脱臼
- 骨軟骨形成異常
- 猫カリシウィルス感染症
それぞれ詳しく紹介するので、座り方が異なる場合は病気を疑いましょう。
椎間板ヘルニア
まず、猫の座り方がおかしい場合に考えられる病気は椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板が変形し、周囲の神経に圧迫をかけることで起こります。
猫が椎間板ヘルニアになると、健康な猫にみられる、後ろ足を体に近づけて軽く曲げる動作が制限されます。
症状の初期段階では、猫が座る際に後ろ足を体に引き寄せることが難しくなり、座り方が不自然になる場合が多いです。
例えば、片足を伸ばしたまま座る姿勢をとる場合があります。
さらに、神経の圧迫が進行すると、痛みや不快感が強まるので、猫は座りたくてもできない状態です。
そして、猫は座るのを避け、常に立っているかまたは寝転んでいる場合が多くなります。
変形性関節症
次に、猫の座り方がおかしい場合に考えられる病気は変形性関節症です。
変形性関節症は、骨と骨との間の関節軟骨が摩耗し、関節表面が変形することで引き起こされます。
中高年や高齢期の猫に多くみられ、症状は歩行異常や関節の腫れなどです。
そして、猫が変形性関節症になると、関節をかばっていつもと違う座り方をする場合が多くなります。
また、変形性関節症の進行により、関節の痛みや不快感が強まると、猫は座りたがらなくなるのです。
そのため、変形性関節症が疑われる場合はすぐに病院に連れて行きましょう。
膝蓋骨脱臼
3つ目に、猫の座り方がおかしい場合に考えられる病気は、膝蓋骨脱臼です。
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が正常な位置から脱臼し、関節の正常な機能が損なわれる状態を指します。
猫が膝蓋骨脱臼になると、足を挙げて歩いていたりします。
そのため、猫が膝蓋骨脱臼の場合は、座るときに片足を体に引き寄せることが難しくなり、座り方が不自然です。
また、片足を伸ばしたまま座る、片足を使わずに体を支えるような姿勢をとる場合もあります。
膝蓋骨脱臼が進行すると、猫は座ることがますます困難になり、立っているか寝転がっている場合が多いです。
膝蓋骨脱臼は自然に治るケースもありますが、症状が疑われる場合はすぐに病院に連れて行きましょう。
骨軟骨形成異常
4つ目に、猫の座り方がおかしい時に考えられる病気は骨軟骨形成異常です。
骨軟骨形成異常は骨や軟骨、関節の成長が正常でなく、異常な形成が生じます。アメリカンカールやヒマラヤン、マンチカンなどが発症するケースが多いです。
猫が骨軟骨形成異常にかかると足を引きずる場合があり、座るときに片足を体に引き寄せることが難しくなります。
また、骨軟骨形成異常が進行すると関節に痛みや不快感を引き起こし、猫は座り方を変える場合が多いです。
骨軟骨形成異常は残念ながら根本的な治療法はありません。
飼い主は骨軟骨形成異常が疑われる場合はすぐに病院に連れて行き、早期発見と適切な管理を行いましょう。
猫カリシウイルス感染症
最後に、猫の座り方がおかしい時に考えられる病気は猫カリシウィルス感染症です。
猫カリシウイルス感染症は、深刻な呼吸器疾患を引き起こすウイルス感染症であり、ウイルスが体内に侵入し、呼吸器系に影響を与えることで発症します。
猫がカリシウイルスに感染すると、のどの炎症や鼻水、目やに、発熱などが一般的にみられますが、関節炎が発症する場合もあるのです。
そして、関節炎により猫はいつも通りに座るのが難しくなり異常が現れます。
例えば、体を小さくまとめて座る回数が増える、座っている時間が短くなる、または座る姿勢を頻繁に変えるなどです。
猫カリシウイルス感染症が疑われる場合は、獣医師による診断を受け、抗ウイルス薬の使用など適切な治療を受けましょう。
病気の可能性がある座り方の例
次に、猫に病気の可能性がある座り方の例を紹介します。
- お腹を床におしつけている
- 座り方を頻繁に変える
- 暗いところでずっと座っている
それぞれ詳しく紹介しますので、愛猫に病気の兆候はないかチェックしましょう。
お腹を床におしつけている
まず、猫に病気の可能性がある座り方は、床にお腹をおしつけている状況です。
健康な猫は通常、座る際に体を支えるために足を使い、体を安定させます。
しかし、お腹を床におしつけて座ることは、猫が腹部に不快感や痛みを感じている可能性があるのです。
消化器系の問題、内臓の炎症、あるいは腫瘍などの存在などが考えられます。
猫がお腹を床におしつけて座っている場合、動物病院に連れて行くことが重要です。
早期の診断と適切な治療が必要であり、病気が進行する前に問題を発見し、治療に取り組みましょう。
座り方を頻繁に変える
次に、猫に病気の可能性があるのは、座り方を頻繁に変える状況です。
健康な猫は特定の姿勢を好み、座るときに安定感を求める傾向がありますが、座り方を頻繁に変える場合は、身体的な不快感や痛みを感じている可能性があります。
特定の関節や筋肉に問題がある場合、猫は座るときにその部位を避けるような姿勢をとろうとするのです。
例えば、片足を体に引き寄せずに座ったり、一定の角度で体重を支えるような座り方をしたりするケースがあります。
また、猫が座り方を頻繁に変える理由の1つは、内臓の問題や不調です。
例えば、消化器系の問題や尿路系のトラブルがある場合、猫は不快感を和らげるために座り方を変えるケースがあります。
暗いところでずっと座っている
最後に、猫に病気の可能性があるのは、猫が暗いところでずっと座っている状況です。
健康な猫は日光のあたる場所でくつろぎ、活動的な生活を送る傾向があります。しかし、猫が長時間暗い場所で座っている姿を見せる場合、健康問題が悪化している可能性があるのです。
まず考えられるのは精神的な問題であり、猫はストレスや不安を感じると、安全を求めて隠れる場合があります。
また、身体的な問題も考慮が必要です。例えば、痛みや不快感を感じている場合、猫は静かで暗い場所で過ごすことを好む傾向があります。
暗い場所で座っている姿勢が見られる場合、飼い主は猫の行動パターンを注意深く観察し、獣医師に相談しましょう。
まとめ
猫は座り方でリラックスしているか、緊張しているかがわかります。猫の気持ちが現れるのは、前足や後ろ足、お腹やお尻、しっぽなどです。
具体的には、足を完全にしまう香箱座りやお腹を出すスコ座りはリラックスしています。
一方で、足を出す横座り・エジプト座り・スフィンクス座り・尻尾巻き座りはリラックスしつつ警戒している状態です。
飼い主は、猫の座り方がおかしい場合は病気を疑い、すぐに病院に連れて行きましょう。