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はじめに
遊ぶ時間を取れていないと猫がストレスを感じているか悩む方がいると思います。
ただ、猫がストレスを感じるのは遊ぶ時間が少ない時だけではありません。
さまざまな場面で猫はストレスを感じていて、飼い主も気付かぬうちに猫にストレスを与えている可能性があるのです。
今回は、猫がストレスを感じる原因について紹介します。
猫がストレスを感じたときにとる行動やストレスを感じたときにとる行動・ストレス解消法も紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
猫がストレスを感じる原因は何?
まず、猫がストレスを感じる原因を紹介します。
- 生活環境によるストレス
- 苦手な臭いや大きな音によるストレス
- 人間とのコミュニケーションによるストレス
それぞれ詳しく紹介するので、自分が猫にストレスを与えていないかチェックしましょう。
生活環境によるストレス
1つ目に、猫がストレスを感じるのは生活環境が原因です。
例えば、新たな家に引っ越したり、家具の配置を変えたりなど環境に変化があった場合は猫はストレスを感じます。
また、季節の移り変わりなども猫にとって大きな変化です。
猫は汗をかかず、温度調節ができないのでストレスを感じます。
さらに、複数の猫や他のペットとの関係もストレスの原因です。
同居している動物が一緒に遊んだり仲良くできたりするなら問題ないですが、相性が悪いとストレスを感じて攻撃的になってしまいます。
そして、動物病院など慣れない環境に連れて行くのもストレスの原因です。
普段行かない場所は何が起こるかわからないので、猫は恐怖を感じます。
他にも、十分な食事を取れない・運動ができない・爪研ぎができないなど猫の本能的な活動ができない環境はストレスの原因です。
猫の生活環境におけるストレスを最小限に抑えるために、観察やケアを怠らずに気になることがあれば医師と定期的に相談をしましょう。
苦手な臭いや大きな音によるストレス
2つ目に、猫がストレスを感じるのは苦手な臭いや大きな音が原因です。
猫は非常に優れた嗅覚を持っており、特定の臭いや大きな音によってストレスを感じます。
例えば、猫が苦手な臭いは、強い香りのクリーナーや芳香剤・犬の匂いなどです。
そのため、飼い主はできる限り自然な香りの掃除用品や空間を選び、猫の快適な環境を維持する必要があります。
また、猫がストレスを感じる音は、雷や花火・工事・家庭内での突然の物音などの大きな音です。
大きな音でストレスを猫に与えないためには、騒音の発生時に猫を安全な場所に移動させて安心させてあげましょう。
さらに、穏やかな音楽や自然の音で猫はリラックスできるので、ストレスを和らげるのに効果的です。
猫のストレスを全てなくすのは難しいですが、ストレスの原因となる臭いや音を少しずつ取り除いてあげてください。
人間とのコミュニケーションによるストレス
3つ目に、猫がストレスを感じるのは人間とのコミュニケーションが原因です。
飼い主が猫とコミュニケーションをとる際に接し方が誤っていると、猫はストレスを感じます。
例えば、抱っこや過度な触れ合いは猫がストレスを感じる可能性が高いです。
猫は撫でて欲しいとき・遊んで欲しいときなどコミュニケーションを求めるときは自ら近づいてきます。
そのため、無理に抱っこして触ったり、お腹・手足・しっぽなど触られたくない部分を触られたりすると、猫にとってストレスなのです。
また、猫は自立心が強い動物なので、過剰な注目や追いかけられるのは好きではありません。
猫がプライベートなスペースで休んでいるときは、無理に関わらないようにしましょう。
他にも猫はお客さんと接するときにストレスを感じるので、会ったことがない人と会わせる頻度はなるべく減らしてください。
猫がストレスを感じた時に取る行動は?
次に、猫がストレスを感じた時に取る行動を紹介します。
- 体調の変化
- 食欲不振
- 若いのに寝てばかりいる
- 粗相が増える
- 攻撃的になった
- グルーミングの頻度が増える
- 隠れて出てこない
- 真空行動(急に走り回る)
それぞれの行動を詳しく紹介しますので、愛猫がストレスからの行動をとっていないか確認してください。
体調の変化
1つ目に、猫がストレスを感じる時に起こるのは体調の変化です。
例えば、猫がストレスを感じると体重が増減する場合があります。
ストレスによって食欲が低下したり、逆に食べすぎたりして体重が変動するのです。
そのため、定期的に猫の体重をチェックし、猫がストレスを抱えていないか確認する必要があります。
また、猫がストレスを感じる時に起こるのは、排泄パターンの変化です。
排泄の減少・下痢・排便回数の増加・排泄方法などに変化が現われる場合があります。
また、食べる物が変わると一時的に便が緩くなったり、色や匂いが変わったりするので、食事と排泄の変化を併せて確認しましょう。
食欲不振
2つ目に、猫がストレスを感じる時に起こるのは食欲不振です。
猫はストレスを感じると、ご飯やおやつを食べなかったり、水を飲まなかったりします。
ストレスが原因の胃腸障害は、食欲不振だけでなく嘔吐や下痢と同時に起こる場合も多いです。
猫がストレスで食欲不振になっている場合は、少しでも栄養をとってもらえるよう環境を整えましょう。
具体的には、食事を与える場所や時間を一定にすると、猫の食欲を促進できて効果的です。
また、食欲不振は猫の健康に直結する問題であり、早めに原因を特定して適切な対処をする必要があります。
病気が原因で食欲不振になる場合もあるので、症状が気になる方は早めに獣医師に相談しましょう。
若いのに寝てばかりいる
3つ目に、猫がストレスを感じると、若いのに寝てばかりになります。
猫はもともとよく寝る動物なので、普段と寝る時間が変わらなければ基本的に問題ありません。
しかし、ご飯やいつも遊んでいる時間に寝ている場合は、ストレスを感じている可能性が高いのです。
猫はストレスを感じると疲労が溜まるため、より多くの睡眠を必要として寝てばかりになってしまいます。
猫が若いのに寝てばかりな場合は、早急に猫のストレスの原因を特定して取り除いてあげましょう。
猫のストレスを軽減し、遊ぶ時間や食事などの健康的な生活リズムを促してください。
また、痛みや病気で寝てばかりの可能性もあるので、獣医師に相談するのも大切です。
粗相が増える
4つ目に、猫がストレスを感じると粗相が増えます。
猫は不安・緊張を感じると、今までトイレでできていたのに粗相が増えてしまうのです。
トイレの場所や砂の種類が変わったり、トイレを綺麗にしていなかったりすると、猫はストレスを感じて粗相をします。
同居猫が増えて自分のトイレの場所がわからなくなる場合も多いです。
猫の粗相が増える場合は、トイレの清潔さや場所を確保し、猫がストレスを感じない環境を整えましょう。
また、複数の猫が同じ空間で暮らす場合、縄張り争いや階層関係の変化がストレスを引き起こすので、猫ごとの適切なトイレ設備や遊びの場を用意するのが大切です。
尿路感染症や膀胱結石などの病気や痛みで猫が粗相する場合もあるので、健康に問題がある場合は早めに獣医師に相談しましょう。
攻撃的になった
5つ目に、猫がストレスを感じると起こるのは攻撃的な行動です。
猫は人間と同じでストレスが溜まるとイライラしやすくなります。
そして、不安や緊張から自分を守ろうとして攻撃的な行動を取るのです。
そのため、急に威嚇して噛んだり引っ掻いたりするときは、猫はストレスを感じていて触られたくない・構ってほしくないと考えていると理解しましょう。
猫がストレスで攻撃的になった場合は、叱らずに何が原因かを冷静に判断してください。
また、体調の変化や怪我・歯の問題などで攻撃的な行動を取る場合もあるので、思い当たる原因があれば獣医師に相談しましょう。
グルーミングの頻度が増える
6つ目に、猫がストレスを感じるとグルーミングの頻度が増えます。
グルーミングは猫がリラックスしたい時やストレスを軽減したい時の行動です。
猫は体の表面を舐めてグルーミングすると、リラックス感や安心感を得られます。
ただ、過度に体を舐めたり掻いたり噛んだりするのは注意が必要です。
過度なグルーミングはストレスによる自傷行為であり、脱毛や皮膚炎・出血などを引き起こしてしまいます。
猫のグルーミングの頻度が増える場合は、すぐに猫のストレスの原因を特定しましょう。
また、同じ場所を舐め続ける場合は、怪我や皮膚病の他、病気で痛みを感じている可能性もあるので、健康状態をチェックし獣医師に相談して治療を受けてください。
隠れて出てこない
7つ目に、猫がストレスを感じると隠れて出てこない場合があります。
猫が隠れて出てこないのは、ストレスが発生するものを避けるための防衛行動です。
ストレスを感じた猫は、安全な場所を求めてゲージなどに隠れます。
どのタイミングで隠れたかがわかるとストレス原因の特定が可能です。
例えば、猫が隠れて出てこない原因は騒音や混雑、他のペットや家族とのトラブルなどがあります。
猫が隠れて出てこない場合は、そのタイミングの状況を思い出して原因を特定し、環境によるストレスを取り除きましょう。
また、ケージなどの猫にとっての安心感を与える場所を用意するのが大切です。
ケージは布で周りを覆ってあげるなどして、暗くて静かな環境を用意しましょう。
また、時間とともに猫が自然に出てくるようになる場合もありますが、無理やり出さないように注意してください。
真空行動(急に走り回る)
8つ目に、猫はストレスを感じると真空行動を取る場合があります。
真空行動とは猫が急に家中を走り回る行動であり、若い猫に多くみられて夜中に起こる場合が多いです。
ストレスを溜め込んだ猫は家の中を走り回って一気にストレスを発散させます。
猫が真空行動を取る場合は、日中に遊ぶ時間が足りておらずストレスが溜まっている可能性が高いです。
そのため、1日20分ほど遊ぶ時間を確保して猫のストレスを取り除いてあげましょう。
また、猫の真空行動はストレスだけでなく、病気や不快感のサインとしても現れることがあります。
定期的に健康をチェックして、猫の病気が疑われる場合は病院の診察を受けてください。
猫がストレスを感じることによってかかりやすくなる病気
次に、猫がストレスを感じることでかかりやすくなる病気を紹介します。
- 心因性脱毛
- 皮膚炎(舐性皮膚炎)
- 特発性膀胱炎
それぞれの症状を詳しく紹介するので、猫が病気にかかっていないかチェックしてください。
心因性脱毛
まず、猫がストレスでかかりやすい病気は心因性脱毛です。
心因性脱毛とは、ストレスや不安などの心理的な要因によって引き起こされる脱毛症状であり、自傷行為で被毛を舐めたり引っ張ったりして発症します。
特にお腹や背中、尻尾の付け根などで脱毛の症状が現われるケースが多いです。
猫が心因性脱毛になった場合は、早急にストレスを感じる原因を特定し、ストレスを少しでも取り除きましょう。
また、適切な遊びやリラックスのためのスペースを与えることが大切です。
さらに、獣医師の診察を受けてストレス以外に病気や身体的な問題が原因であるかどうかを確認してください。
症状によっては抗菌薬やかゆみ、不安を和らげる薬を使用し、心因性脱毛の症状を改善しましょう。専門医による行動治療が必要となる場合もあります。
皮膚炎(舐性皮膚炎)
次に、猫がストレスでかかりやすい病気は皮膚炎(舐性皮膚炎)です。
猫がストレスで過度にグルーミングした際に皮膚炎を発症します。
通常のグルーミングであれば問題ないですが、ざらざらした猫の舌で過度に舐め続けると皮膚にダメージを与えてしまうのです。
猫が皮膚炎を発症すると、皮膚が赤くなって晴れたり、毛が抜けたり薄くなったりします。
皮膚炎の場合も、ストレスの特定とストレスを軽減するための環境の整備が重要です。
また、飲み薬や塗り薬・注射・シャンプー洗浄など適切な治療をして、皮膚炎の症状を和らげましょう。
特発性膀胱炎
最後に、猫がストレスでかかりやすい病気は特発性膀胱炎です。
猫がストレスや不安を感じると、環境の変化に適応しようとして、膀胱で炎症が起きる場合があります。
猫の突発性膀胱炎の症状は、排尿困難や頻尿・排尿時の痛み・不快感・血尿などです。
症状が見られた場合は、早めに獣医師に診察してもらいましょう。
猫の特発性膀胱炎を治療する場合は、抗菌薬や抗炎症薬・膀胱をリラックスさせる薬などが投与されます。
また、ストレスを軽減するための環境づくりも徹底しましょう。
さらに、特発性膀胱炎は再発する場合も多いので、治った後も定期的に異常はないかチェックしてください。
猫のストレス解消法は?
次に、猫のストレス解消法を詳しく紹介します。
猫にとってストレスがなく快適な環境を用意してあげたい方は、ぜひ参考にしてください。
生活環境の改善
猫のストレスを解消するには、生活環境の改善が必要です。
- 遊んだり運動できるスペース
- 登れる高い場所があるか
- 安心できる空間
- 室温や温度の管理
それぞれの改善方法を詳しく紹介しますので、ぜひ実践して猫のストレスを解消しましょう。
遊んだり運動できるスペース
まず、猫のストレスを解消するために、遊んだり運動したりできるスペースを用意してください。
猫は遊ぶことでストレスを解消しています。
猫は自然の中で狩りをしたり、魚を追いかけたりする本能を持っており、遊ぶことでその欲求を満たせるのです。
そのため、飼い主は猫が思い切り駆け回ったり、ジャンプしたり、おもちゃを追いかけたりできるスペースを確保しましょう。
また、キャットタワーやおもちゃなどを使って工夫し、猫を楽しませてあげてください。
そして、猫の狩猟本能を満たすために、最後はおもちゃを捕まえさせてあげましょう。
さらに、猫のストレスを解消するためには、定期的な遊びや運動を取り入れるのが大切です。
1日2回10分〜20分ほどの遊ぶ時間を取ってください。
登れる高い場所があるか
次に、猫のストレス解消には登れる高い場所が必要です。
猫は自然界で高い場所で外敵からの身の安全を確保したり、獲物を見つけて狩りを行ったりしています。
そのため、猫は高い場所に安心感を覚えるので、室内で猫が登れる高い場所を準備するのが大切なのです。
具体的には、キャットタワーやキャットウォーク・高い棚・本棚など、猫が自由に登れる場所を用意しましょう。
また、登れる高い場所は猫の運動や体力維持のために重要です。
高い場所での上り下りで猫の運動量が増え、猫が健康的な生活を送れるので、ストレス解消にも繋がります。
適切な高さや安全性を考慮しながら、猫が楽しみながらストレス解消できる環境を準備しましょう。
安心できる空間
3つ目に、猫のストレス解消のために安心できる空間を作りましょう。
猫は自然の中で安全な場所を求め、そこでリラックスしたり休息したりすることでストレスを解消します。
安心できる空間とは、猫が外部からの刺激やストレスが少なく、プライバシーを確保できる場所です。
例えば、猫が安心できる空間は隠れられる場所や狭い場所などが挙げられます。
先述した高い場所も猫が安心できる空間の1つです。
他にも、猫の安心感を促すためには、静かで落ち着いた空間を作りましょう。
外部からの騒音を少なくすると、猫が安心できてストレスを軽減できます。
さらに、猫の好みや性格に合わせて、適切な寝床や猫用の家具・キャットタワーなどを準備して、猫のストレスを解消しましょう。
室温や湿度の管理
最後に、猫のストレス解消には、室温や湿度の管理を徹底しましょう。
猫は気温や湿度の変化に敏感であり、暑さや寒さに弱いです。
汗をかいて体温調節ができないため、高温多湿な環境は熱中症や脱水症状を引き起こすリスクがあります。
また、乾燥した空気は皮膚や毛に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。
そのため、適切な気温や湿度を維持できると、猫のストレスを軽減できるのです。
具体的には、エアコンや加湿器、除湿器を適切に利用し、猫の健康を守りましょう。
また、自分が適切な環境を作れているか気になる方は、獣医師に相談して気温や湿度が適切な状態か確認してください。
まとめ
猫は生活環境や苦手な臭い・大きな音・人間とのコミュニケーションでストレスを感じます。
そして、実際に猫がストレスを感じる時に取るのは下記の行動です。
- 体調の変化
- 食欲不振
- 若いのに寝てばかりいる
- 粗相が増える
- 攻撃的になった
- グルーミングの頻度が増える
- 隠れて出てこない
- 真空行動(急に走り回る)
また、猫がストレスを感じると、グルーミングによる心因性脱毛や皮膚炎・特発性膀胱炎の発症の恐れがあります。
飼い主は愛猫のストレスを解消するために運動できるスペースの確保や安心できる空間作り・室温や温度の管理を徹底しましょう。
猫のストレスを解消して、猫にとって快適な環境を用意してあげてください。