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【獣医師監修】猫が一緒に寝たがるのはどうして?猫の気持ちと一緒に寝るときの注意点

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はじめに

猫が一緒に寝たがる姿は、飼い主にとってとても愛おしいものです。暖かくて柔らかい毛並みに触れながら猫と一緒に寝る時間は、日々の疲れを癒してくれる大切な時間となります。しかし、なぜ猫は飼い主と一緒に寝たがるのでしょうか。一緒に寝るという行動にはどのような気持ちや理由が隠されているのでしょうか。

この記事では、猫が一緒に寝たがる理由について詳しく解説するとともに、一緒に寝る際に注意すべきポイントも合わせてご紹介します。

猫の気持ちを理解し、より良い関係を築くために、ぜひ最後までご覧ください。

猫が一緒に寝たがるのはどうして?

猫が一緒に寝たがる理由には、さまざまなものがあります。飼い主との絆や安心感、温かさを求める気持ちなど、どれも猫にとって重要なものです。この章では、猫が一緒に寝たがる理由を詳しくみていきます。

飼い主のことを信頼しているから

猫が一緒に寝たがる大きな理由の一つは、飼い主に対する深い信頼感があるからです。

猫は本来、群れを作らず単独で暮らし、縄張り意識が高く、警戒心の強い動物です。そのため「寝る」という行為は、無防備になり敵に襲われる危険性があるため、とても慎重になります。

猫が飼い主と一緒に寝るのは、飼い主を信頼し、守ってくれる存在だと認識しているからです。猫は、寝ている間に守って欲しいという気持ちから、安心できる飼い主のそばで眠るようになります。このように、無防備な姿勢である「寝る」行為を行う場所として飼い主を選ぶことは、猫にとって飼い主が安心で信頼できる証拠なのです。

ただし、猫にも個体差があり、寝る場所の好みもあります。無理に距離を縮めようとせず、自然な形で信頼関係を築くことが大切です。

飼い主に甘えたいから

猫が一緒に寝たがるもう一つの理由は、飼い主に甘えたい気持ちがあるからです。

子猫の頃、母親に寄り添って甘えていた経験から、成長しても飼い主を母猫のように思い、一緒に寝ることがあります。母猫に守られて安心して寝る感覚を、飼い主にも求めているのでしょう。

また、飼い主の膝やお腹の上に乗ったり、クッションをふみふみしたり、ゴロゴロと喉を鳴らしたりする仕草も、甘えたい気持ちのあらわれです。避妊や去勢をした猫は、一生子どもっぽく甘えん坊な性格になることもあります。

猫が体を擦り付けてきたり、飼い主のそばに寄ってきたりするのは、愛情のサインです。なでなでしてもらいたい、守ってもらいたいという気持ちが、一緒に寝る行動につながっています。

一緒に寝ると温かいから

猫が一緒に寝たがる理由の一つは、温かい環境を求めているからです。

基本的に寒がりな猫にとって、飼い主の体温で温められた布団はとても心地良く、魅力的な場所です。特に寒い季節には、猫は温かい場所を探し落ち着くことが多く、飼い主の布団やベッドの中は最適な温度環境となります。

冬になると、猫は飼い主の近くで暖をとるため、一緒に寝ることが増えます。中には布団の中に潜り込んで温まろうとする猫もいるほどです。飼い主と一緒に寝ることで、猫は安心して温かく過ごせます。

逆に夏場は涼しい場所を選びがちなので、一緒に寝ることが少なくなるでしょう。

寝具の肌触りが良いから

寝具の肌触りが良いことも、猫が一緒に寝たがる理由の一つです。

猫は寝る前に居心地の良い場所を探す中で、柔らかくてフカフカのベッドや布団を好みます。飼い主の布団は、肌触りが良く、フカフカとした質感が猫にとって非常に心地良いものです。

また、飼い主の匂いが付いていることで、猫はさらに落ち着きを感じます。そして、布団や毛布の柔らかさと安心感が合わさり、猫にとって理想的な寝床となるのです。そのため、飼い主がいるかどうかに関係なく、猫はこの快適な場所を選んで寝ることがあります。

猫が寝具を気に入っていることは、飼い主と一緒に寝る大きな要因です。

猫と一緒に寝るメリットは?

猫と一緒に寝ることは、飼い主にとってたくさんのメリットがあります。この章では、猫と一緒に寝ることの具体的なメリットについて詳しく解説します。ぜひ参考にして、愛猫との時間をもっと楽しんでください。

猫と仲良くなれる

猫と一緒に寝ることで、飼い主との親密度が上がり、より仲良くなれる可能性があります。

警戒心の強い猫が一緒に寝てくれるのは、飼い主を信頼している証拠です。毎晩一緒に寝ることで、猫はさらに安心感を覚えます。その結果、飼い主との信頼関係がより深まり、愛情表現を示す頻度も増えることがあります。

猫と一緒に寝ることは、お互いの絆を強める大切な時間となるのです。

幸せな気持ちになれる

猫と一緒に寝ることで、リラックス効果が高まり、気持ちが落ち着くことが多いです。

猫とのスキンシップやコミュニケーションの時間が増え、飼い主にとっても猫にとっても幸せな時間となります。

一緒に寝ることで、幸せを感じる飼い主が多く、夜のふれあいが心を豊かにしてくれます。

ストレスを軽減できる

猫と一緒に寝ることは、ストレス軽減にも効果があり、猫が喉をゴロゴロ鳴らす音は、聞く人の心拍数を低下させ、ストレスを軽減する効果があると、筑波大学の研究で明らかになっています。

愛猫と触れ合うことで、精神的な癒しだけでなく、身体的にも良い変化をもたらすことがわかっているのです。

たとえ睡眠を邪魔されることがあっても、幸福感が生まれるという研究結果もあり、一緒に寝ることは、総合的に飼い主の健康にも良い影響を与えます。

猫は体温が高いため温かい

猫と一緒に寝ると、猫の体温が人よりも高いため、非常に温かく感じます。特に冬場の寒い時期には、猫と寄り添って寝ることで布団の中が温まり、気持ち良く寝られるものです。

猫の温もりによって、寒さで寝付けない夜や、夜中に目が覚めてしまうことも少なくなり、朝までぐっすりと眠れるでしょう。

猫の体温が、飼い主にとって心地よい睡眠環境を提供してくれます。

一緒に寝ることで安心できる

猫と一緒に寝ることで、飼い主は安心感を得られます。

猫の存在が心に安らぎを与え、リラックス効果をもたらしてくれ、特に子供は、ペットと一緒に寝ることで安心して眠れるのです。

一緒に寝ることで心地よい睡眠が得られ、質の良い睡眠を促進します。

猫と一緒に寝ることで安心感が高まり、より良い睡眠が得られるという研究結果も出ているほどです。

猫と一緒に寝る時の注意しておきたいこと

猫と一緒に寝ることは、幸せで癒される時間ですが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。安全面や健康面での配慮が必要で、無理なく快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

愛猫との時間をもっと安心して楽しむために、ぜひ参考にしてみてください。

睡眠不足になってしまう可能性がある

猫と一緒に寝ることで、睡眠不足になってしまう可能性があります。

猫は夜行性です。夜中に起きてベッドから出ていくことがあり、その動きや音に敏感な人は眠りが浅くなることがあります。猫がベッドに飛び乗る振動が気になる場合は、猫用ステップをベッドに取り付けると、振動を抑えられるためおすすめです。

そのほか、猫は夜中に毛づくろいや、スキンシップを行うことがあり、自分の要求を伝えるために飼い主を起こしてくることもあります。

猫を潰さないように気を遣ったり、猫の動きに敏感になって途中何度も目が覚めてしまったりと、睡眠の質が低下します。

このような日々が続くと、心は満たされても睡眠不足になり、体調不良やストレスの原因になってしまうため、猫と一緒に寝る際には、睡眠不足に注意することが重要です。

シーツはこまめに洗濯して清潔に保つ

猫と一緒に寝る際には、ベッドシーツの衛生状態に注意が必要です。

外へお散歩に出かける猫や、室内飼いの猫でも、ノミやダニが体に付いている可能性があるため、シーツはこまめに交換して清潔に保ちましょう。

猫の毛や粗相で、ベッドシーツが汚れることもあり、特に羽毛布団は粗相しやすいと言われているため、避けた方が良いです。

外に出る猫の場合、外から汚れを持ち帰ってしまうこともあるため、洗濯は頻繁に行いましょう。シーツをこまめに洗濯することで、清潔な環境を保ち、猫と一緒に安心して眠れます。

猫を押し潰したりベッドから落ちたりする危険がある

猫と一緒に寝る際には、飼い主の寝返りによる事故に注意が必要です。

実際、約3割の飼い主が猫を押し潰したり、ベッドから落としてしまったりするアクシデントを経験しています。

特に子猫やシニア猫は体が小さく、飼い主の寝返りで大怪我をするリスクが高いです。飼い主の寝相が悪い場合や、無意識に体を動かすことがある場合は、特に注意が必要です。

このような事故を防ぐために、愛猫が普段使用しているクッションや座布団を寝室に置いたり、布団を柔らかいものにしたりするなどの工夫が必要となってきます。

特に子猫は体重が軽く、押しつぶされても気づきにくいため、より一層注意が必要です。また、狭いベッドでは猫が落下するリスクも高まるため、十分に気をつけましょう。

ノミダニや細菌などの感染症のリスクに注意する

猫と一緒に寝る際には、ノミやダニ、細菌などの感染症のリスクに注意が必要です。

猫にノミやダニが寄生している場合、飼い主も刺されてかゆみや湿疹、アレルギーを引き起こす可能性があります。これらの虫は感染症を媒介することもあります。

シーツはこまめに洗濯し、猫のブラッシングを欠かさないようにしましょう。また、必要に応じて猫の体についたノミやダニを駆除する外用薬を併用することをお勧めします。特に室内は暖かいため、年中ノミやダニの感染リスクがあります。猫のノミ・ダニ予防は一年を通して行うことが重要です。また、猫に目立った症状がなくても、皮膚糸状菌に感染している場合があり、この菌は飼い主やその家族に広がることもあります。

体調不良の時は別々に寝る

猫と一緒に寝ることで、人と猫の間でうつる可能性のある病気が存在します。

人獣共通感染症(ズーノーシス)といわれるこれらの病気は、日本で約50種類確認されているため、特に抵抗力が弱い乳幼児や、高齢者、体調不良の時には別々に寝るようにすることが大切です。

寝る時の位置で猫の気持ちがわかる?

猫がどこで寝るかは、その時の気持ちや飼い主との関係をあらわしていることがあります。

愛猫がどこに寄り添って寝るのかによって、猫の心理や感情を理解できるでしょう。この章では、寝る時の位置からわかる猫の気持ちについて、詳しく解説します。

顔の近くで寝るとき

猫が飼い主の顔の近くで寝るときは、強い信頼と愛情を示しています。

顔から離れるほど信頼度が薄れるといわれる中、顔の近くは猫が一番安心している場所です。顔の前で寝ることは、飼い主を守りたいという気持ちのあらわれでもあります。

また、猫は鼻をくっつけることで安心し、甘えたい気持ちを示します。顔の近くで鼻をくっつけて寝る猫は、飼い主に甘えたい気持ちが強いことを示します。

猫にとって顔の近くは愛情表現の位置であり「大好き」や「一緒に居たい」という気持ちを伝えているのです。

足元で寝るとき

猫が飼い主の足元で寝る時は、甘えたい気持ちがありつつも、適度な距離を保ちたいというツンデレな一面を示しています。

足元で寝る理由には、猫の警戒心や自己防衛反応が働いています。飼い主を信頼していないわけではなく、猫が安心して過ごせるベストな距離感を保っていると考えて良いでしょう。

「他の場所に行ける距離を保ちたい」という気持ちや、飼い主との信頼関係を感じながらも「静かに寝たい」「あまり構って欲しくない」という気持ちもあります。

さらに、布団の端や足元で寝ることは、何か興味のあるものを見つけたときにすぐに動けるようにするためでもあります。

足元で寝る猫は、信頼と安心を感じつつ、自分のペースを保ちたいと思っているのでしょう。

布団の中に入ってくるとき

猫が飼い主の布団の中に入ってきて、一緒に寝る一番の理由は、布団の中が温かくて気持ち良いからです。

猫は飼い主の体温で暖をとりながら甘えることで、至福の時間を過ごしています。特に警戒心が少なく、おおらかな性格の猫は、布団の中で寄り添うことが多く、飼い主の股の間で暖を取ることもあります。すべて飼い主を信頼している証拠です。

このほかに布団の肌触りも猫にとって魅力的で、安心して眠れるという理由もあります。

布団の上で寝るとき

猫が飼い主の布団の上で一緒に寝る理由は、飼い主への信頼と愛情のあらわれです。

普段から膝の上で甘えるのが好きな猫は、布団の上も同様に心地良い場所として感じています。柔らかい布団の上は、猫がくつろげる場所で、安心して過ごせます。

安定感があまりよくない布団の上でも、飼い主と一緒に寝るという行動は、飼い主との信頼関係が築けている証拠です。また、猫は布団の上が温かくて柔らかい場所だと知っており、そこにいることで飼い主を守りたいという気持ちもあらわしています。

猫が飼い主との強い絆を持ち、愛情を感じている証といえるでしょう。

まとめ

猫が一緒に寝たがる理由は、飼い主への信頼や愛情、温かさを求める気持ち、適度な距離感を保ちたい心理など、さまざまです。

顔の近くで寝る猫は、飼い主を最も信頼し、愛情を示している証拠です。一方足元で寝る猫は甘えつつも、自立した距離感を大切にしています。

一緒に寝ることで、飼い主も猫もリラックスでき幸福感を得られますが、ノミやダニの予防や事故防止にも注意が必要です。

愛猫との信頼関係を深めつつ、安全で快適な環境を整えることで、さらに幸せな時間を過ごせるでしょう。この記事が、猫と一緒に寝る魅力と注意点を理解し、より良い関係を築く手助けになれば幸いです。

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