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【獣医師監修】猫も寝言を言うの?寝言の種類や注意が必要な寝言について詳しく解説

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はじめに

猫が寝ている時に何か喋っているのを見かけた方もいるのではないでしょうか。

実は、猫は人間と同じように寝言をいいます。ただ、猫の寝言が病気を示している可能性もあるので飼い主は注意が必要です。

今回は、猫の寝言について詳しく紹介します。

寝言の種類や注意が必要な寝言について詳しく解説するので、ぜひチェックしてください。

猫も寝言を言うの?

猫は人間と同じように、寝言を言う場合があります。

猫の寝言は、多くの場合「ニャー」や「フーン」といった比較的軽い声から、「シャー」や「クックッ」といった変わった音まで様々です。

猫が寝言を言う時は、猫が夢の中で狩りをしていたり、他の猫と遊んでいたりする状況が考えられます。

また、寝ている間に外の音や振動などに反応して寝言を言う場合も多いです。

猫の寝言は一般的に心配する必要はありませんが、健康状態に異常がないかどうか定期的にチェックしましょう。

猫の睡眠リズム

次に、猫の睡眠リズムについて紹介します。猫の睡眠リズムがどのように寝言に影響しているかチェックしましょう。

レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返される

猫の睡眠は、人間同様にレム睡眠とノンレム睡眠の2つの段階が交互に繰り返されています。

眠りの深いノンレム睡眠は短い時間で、眠りの浅いレム睡眠が長いです。

猫は1日に平均して12〜16時間ほど睡眠をとりますが、睡眠時間は断続的であり、一度に長時間寝続けるわけではありません。

猫は狩猟本能が強く、野生の環境では常に警戒しながら過ごしていたため、すぐに目を覚ます能力が発達しています。

そのため、家庭猫でも短い周期で睡眠と目覚めを繰り返すことが一般的です。

夢を見るのはレム睡眠の時が多い

猫が夢を見るのは主にレム睡眠の状態です。レム睡眠中、猫の脳は非常に活発であり、人間が夢を見るのと同様に、猫も夢を見ていると考えられています。

レム睡眠中の猫は、時折体がピクピクと動く場合があり、夢の中での何らかの行動を示している可能性が高いです。

例えば、猫が夢の中で狩りをしている、遊んでいる、あるいは他の猫と交流している場合があります。

猫の夢の内容は、当日の経験や記憶に基づいているケースが多いとされ、特に興奮したり、ストレスを感じたりした日には、より活発な夢を見るのです。

猫が寝言を言うのはどんなとき?

次に、猫が寝言を言うのはどんなときか紹介します。

  • 夢を見ているとき
  • 外の音や振動などに反応しているとき
  • 体調が悪いとき

それぞれの特徴を詳しく紹介するので、猫がなぜ寝言を言っているか判断できるようになりましょう。

夢を見ているとき

まず、猫が寝言を言うのは、夢を見ているときです。

レム睡眠中は猫の脳が非常に活発で夢を見ている場合が多く、夢の内容に反応して寝言を発します。

例えば、夢の中で狩りをしていたり、遊んでいたり、あるいは他の猫や飼い主と交流していたりする状況だと、猫は「ニャー」と声を発する場合が多いです。

夢の中での行動で、実際に猫の体が反応する場合もあり、足を動かしたり、しっぽを振ったり、口を動かしたりします。

猫の夢は、当日の出来事や感情に深く結びついているため、夢を見ているときの寝言や行動は、猫の心の状態を反映していると考えましょう。

外の音や振動などに反応しているとき

次に、猫が寝言を言うのは外の音や振動などに反応しているときです。猫は非常に敏感な生き物であり、微細な音や振動に対しても反応を示す場合があります。

例えば、車の音や風の音、他の動物の鳴き声、人間の話し声など、さまざまな外部の刺激が猫の睡眠中に影響を及ぼす場合が多いです。

そして、外部の刺激に反応して、猫が「ニャー」や「フーン」などの寝言を発するケースがあります。

外部の音や振動に対する反応は、猫の自然な警戒心や防御本能が理由です。

野生の猫は常に周囲の環境に注意を払う必要があり、危険を察知するために鋭い感覚を持っています。

家猫でも本能が残っており、外部の刺激に対して敏感に反応するのです。

体調が悪いとき

最後に、猫が寝言を言うのは体調が悪いときです。

一般的な猫の寝言は軽いもので、夢を見ているか、外部の音や振動に反応しています。

しかし、体調が悪い猫は、より深刻な寝言や異常な行動を示す場合があるのです。

例えば、寝言を言いながら体が痙攣している、苦しそうな声を発している、あるいは頻繁に吐き気をもよおすような音を立てる場合は、何らかの病気の可能性があります。

飼い主は、猫の健康状態を常に観察し、異常な寝言や行動が見られた場合は、速やかに獣医師に相談することが重要です。

猫の寝言にはどんな種類がある?

次に、猫の寝言にはどんな種類があるか紹介します。

  • ニャー
  • フーン
  • シャー
  • クックッ
  • ウニャウニャ
  • カカカッ

それぞれの違いを詳しく解説するので、猫の寝言の種類に応じて状況を判断できるようになりましょう。

ニャー

まず、猫の寝言の中で最も一般的なのが「ニャー」という声です。

猫が普段からコミュニケーションの手段として使う鳴き声であり、寝ているときに発せられる場合も少なくありません。

「ニャー」という寝言は、猫が夢の中で飼い主や他の猫と交流している場面を反映しているケースが多いです。

例えば、夢の中で遊んでいる、甘えている、もしくは何かを要求している状況が考えられます。

「ニャー」という寝言は、猫がリラックスしている状態で発せられるケースが多いため、飼い主はそれほど心配する必要はありません。

フーン

次に、「フーン」という寝言は、猫が寝ている間に発する柔らかい音です。猫が深い眠りに入っている時や、夢の中で何かを考えている状況が考えられます。

猫が穏やかな気持ちでいる状態を示しているため、飼い主は特に心配しなくて大丈夫です。

また「フーン」という音は、猫が完全に安心していて、ストレスがない状態を示しています。

そのため、猫が「フーン」という寝言を行っている場合、猫が良い睡眠をとっていると考えて良いでしょう。

シャー

3つ目に、「シャー」という寝言は、猫が警戒心を示すときに発する音です。

通常、猫が起きているときに出す「シャー」という音は、攻撃的な態度や自分の領域を守るための威嚇を示しています。

そのため、寝ている間に発する場合、猫が夢の中で何らかの脅威や不快な状況に直面している可能性が高いです。

例えば、夢の中で他の動物に追われている、争っている、あるいは何か怖い体験をしている状況が考えられます。

「シャー」という寝言は、猫がストレスや不安を感じている可能性があるため、飼い主は注意が必要です。

クックッ

4つ目に、「クックッ」という寝音は、猫が獲物を発見した時に発する音です。

そのため、猫が寝言で「クックッ」と言う場合、猫が夢の中で興奮し、狩りを楽しんでいる可能性があります。

猫が楽しんでいる状態、もしくはポジティブな感情と考えられるので心配する必要はありません。

猫が「クックッ」という音を発する場合、夢の中で良い経験をしているので、起こすのはやめてあげましょう。

ウニャウニャ

5つ目に、猫が発する「ウニャウニャ」という寝言は、猫が寝ている間に発する柔らかい、連続した音です。

猫は夢の中で何かを話している、あるいはコミュニケーションを取っているような状況が考えられます。

例えば、夢の中で他の猫と遊んでいる、飼い主と一緒に過ごしている、あるいは何かを探索している場合が多いです。

「ウニャウニャ」という音は、猫が安心している状態を示しており、穏やかな気持ちで楽しんでいる状態を意味します。

カカカッ

最後に、「カカカッ」という音は、猫が寝ている間に発する独特の音で、通常は興奮状態や強い感情を示す時に聞かれる場合が多いです。

猫が夢の中で何かを追いかけている、狩りをしている、あるいは捕まえようとしている状況が考えられます。

例えば、夢の中で鳥や小動物を捕まえようとしている際、狩猟本能から「カカカッ」という音が発せられる場合が多いです。

ただの寝言じゃない?注意が必要な寝言

一般的に、猫が寝言を言っても心配はありませんが、注意が必要な寝言もあります。

注意すべき寝言と対応方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

病気の可能性がある寝言は?

まず、病気の可能性がある寝言を紹介します。

  • 寝言をいいながら痙攣している
  • いびきをかいている
  • 吐きたそうにしている
  • 苦しそうに寝言を行っている

それぞれ詳しく紹介しているので、猫が寝言を言う場合は病気の兆候がないかチェックしましょう。

寝言を言いながら痙攣している

まず、猫の寝言で病気の可能性があるのは、寝言をいいながら痙攣しているときです。

一般的に、猫がレム睡眠中に軽く体をピクピクさせることは珍しくありません。

しかし、痙攣が激しくなるのは異常であり、てんかんなどの深刻な健康問題が考えられます。

痙攣は筋肉が無意識に収縮と弛緩を繰り返す状態で、猫にとって非常に苦しいです。また、猫がてんかんを引き起こす時は、口からよだれを垂らしたり、泡を吹いたりします。

痙攣の症状が見られる場合、直ちに獣医師に相談しましょう。痙攣が続くと、猫の体に大きな負担がかかり、呼吸困難などの症状も引き起こす可能性があります。

いびきをかいている

次に、猫の寝言で病気の可能性があるのはいびきをかいているときです。

いびきは通常、気道が狭くなっている状態を示しており、一般的に肥満による気道の圧迫が考えられます。

肥満の猫は脂肪が気道周囲に溜まって空気の流れが妨げられ、いびきの回数が増えるのです。

また、いびきは猫風邪のサインである場合もあります。猫風邪になると、猫の気道が炎症を起こし、鼻水や咳の症状が出る場合が多いです。

そして、鼻が詰まって猫が寝ている間にいびきが増え、場合によっては呼吸困難を引き起こす恐れもあります。

大きないびきをかくようになったり、いびきの頻度が多くなったりした場合は、獣医師に相談してみましょう。

吐きたそうにしている

3つ目に、猫の寝言で病気の可能性があるのは吐きたそうにしているときです。

一般的に猫が吐くのは珍しくなく、毛玉を吐き出すために自然に行います。

しかし、寝ている間に吐きたそうな様子を見せる場合、毛玉をうまく吐き出せていない可能性があるのです。

うまく排出できなかった毛玉が体内に蓄積されると、毛玉症などの病気を発症するリスクが高まります。

毛玉症になると、嘔吐や食欲不振、お腹が膨らみなどの症状がみられる場合が多いです。猫が寝言を言いながら吐きたそうにしているのを見たら、すぐに獣医師に相談しましょう。

苦しそうに寝言を言っている

最後に、猫の寝言で病気の可能性があるのは苦しそうに寝言を言っているときです。

通常、猫の寝言は穏やかで軽いものであるため、苦しそうな声を発する場合は病気の可能性が考えられます。

例えば、内臓の病気や怪我、または慢性的な痛みなどです。猫が苦しそうに寝言を言う場合、猫の全体的な行動や健康状態を観察しましょう。

日中の行動に変化がないか、食欲や水分摂取に異常がないかを確認することが大切です。他にも異常が見られる場合は、速やかに獣医師に相談してください。

様子がおかしい時は早めに受診

猫が寝言を言うこと自体は一般的であり、多くの場合は健康的な状態です。

しかし、寝言の様子がおかしいと感じた場合、早めに動物病院を受診しましょう。

特に、寝言が通常の穏やかな音から変化し、苦しそうな声や異常な動作が見られる際は、病気のサインの場合があります。

寝言が異常な場合、内臓の病気や神経系の異常の可能性が高いです。例えば、てんかん発作、腎臓病、心臓病などが考えられます。

また、慢性的な痛みを伴う関節炎や内臓の腫瘍なども考えられる原因の1つです。

放置すると、猫の健康がさらに悪化し、治療が遅れて回復が難しくなる恐れがあります。

そのため、猫の健康を守るためには、早期の発見と対応が不可欠です。異常な寝言を見逃さずに早めに受診して、猫の健康を守りましょう。

寝ているときに手足をピクピクするのはなぜ?

最後に、寝ている時に猫が手足をピクピクする理由を紹介します。

  • レム睡眠中は脳が体が動かないように制御しているため
  • 外部からの刺激を受けて脳が反応している場合も

それぞれ詳しく解説するので、猫の脳の仕組みを理解しましょう。

レム睡眠中は脳が体が動かないように制御しているため

猫が寝ているときに手足をピクピク動かすのは、レム睡眠中に脳が体を動かないように制御しているためです。

レム睡眠は、猫の脳が非常に活発に働いていますが、脳からの信号によって筋肉の動きが抑制されています。

しかし、脳による制御は完全ではなく、微細な筋肉の収縮が発生する場合があるのです。そして、筋肉の収縮が手足のピクピクとした動きとして現れます。

特に、狩りをする夢や遊ぶ夢を見ている場合、微細な動きだけが見られる場合が多いです。

レム睡眠中の手足のピクピクは正常な現象であり、心配する必要はありません。

外部からの刺激を受けて脳が反応している場合も

猫が寝ているときに手足をピクピク動かすのは、外部からの刺激に対して脳が反応している場合もあります。

猫は非常に敏感で、寝ている間でも周囲の環境からの音や振動、匂いなどに対して反応するのです。

例えば、家の中で誰かが歩く音やドアが閉まる音、または外から聞こえる鳥の鳴き声などが、猫の脳に微細な刺激を与えます。

猫が外部の刺激に反応するのは、猫の防衛本能の一部です。野生の猫は、敵から身を守るために常に周囲の環境に注意を払っています。

寝ている間でも警戒心が完全に消えることはなく、微細な音や振動に対して反応して危険を回避しようとしているのです。

猫が寝ているときに手足をピクピク動かすのは、外部の刺激への反応の場合もあるので、猫が快適に過ごせるような静かで安全な環境を提供しましょう。

まとめ

猫も人間と同じように寝言を言う場合があり、レム睡眠時に夢の内容や外部からの刺激に応じて寝言を発します。

猫の寝言の種類は「ニャー」「フーン」「シャー」「クックッ」「ウニャウニャ」「カカカッ」などです。

猫の寝言は一般的には問題ありませんが、痙攣やいびき、吐き気、苦しそうな表情が見られる場合は病気の可能性があります。

猫が寝言を言う場合は状況を詳しく観察して猫が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

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