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【獣医師監修】猫が無駄鳴きをするのはなぜ?原因や無駄鳴きをやめさせる方法を解説

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はじめに

無駄鳴きを繰り返してしまう愛猫に困っている飼い主の方は、かなりストレスが溜まっているはずです。

愛猫の要求に応えているはずなのにずっと無駄鳴きをしてしまうのは、構ってほしい・ストレス・発情期・体調不良など様々な理由が考えられます。

今回は猫が無駄鳴きをする原因や、それぞれの対処法を紹介するのでぜひ参考にしてください。

猫の無駄鳴きとは?

そもそも猫の無駄鳴きとは要求に応えているのにも関わらず鳴き続けていたり、鳴いていれば飼い主が要求に応えてくれるのがわかっているから叶うまで鳴き続けることです。

要求に応えてほしくて鳴いているなら応えれば良いと思われますが、適切な量の餌を与えているのに足りないと鳴かれたら与える訳にもいきません。

我慢させないといけないとはいえ、ずっと無駄鳴きされていると飼い主もストレスが溜まります。

また、体調不良を訴えている場合もあるので、無駄鳴きだからといって完全に無視することもできません。

飼い主は猫がなんのために無駄鳴きをしているのかを判断し、適切な対処をする必要があります。

そのため飼い主は無駄鳴きをするにはどんな理由があって、それぞれどんな対応をするべきなのか確認しておきましょう。

異変を感じた場合は、そのまま放置せずに動物病院に連れて行き専門の獣医に診察してもらうと安心です。

猫が無駄鳴きをする理由

猫が無駄鳴きをするのは飼い主に要求している場合・構ってほしい場合・ストレスが溜まっている場合・体調が悪い場合など、様々な理由が考えられます。

愛猫の様子を観察し、どんな理由に当てはまるのか確認しましょう。

お腹が空いている

猫はお腹が空くと飼い主に甘えるように「お腹が空いたよ」と鳴いてお知らせする事があります。

いつも決まった時間に餌をあげているなら時間が近づくと鳴いたり、餌を食べたにも関わらず足りないよと鳴く場合もあるので注意が必要です。

決まった時間を少し早めるくらいなら問題ないですが、適量の餌をあげているのに猫が欲しがるからと追加で与えてしまうと肥満の原因になります。

また、鳴けば餌がもらえると思うと無駄鳴きが増えてしまうので、お腹が空いて鳴いていると可哀想な気持ちになりますが、鳴く度に餌をあげるのはやめましょう。

猫はまとまった量を一度に食べない

猫は一度にまとまった量の餌を食べません。

自分のタイミングで少しずつ食べるため、こまめに確認しないと気付いた時には餌が空になっている可能性があります。

長時間餌が入っていないと「餌がなくなったよ」と知らせるために猫が鳴いて教えてくれるので、そんな時は声をかけながら餌の補充をしてあげてください。

最近は設定した時間に自動で餌をあげてくれる自動給餌器も販売されています。

頻繁に餌が入っているか確認するのが難しい方や留守番が多いご家庭はぜひ試してみてください。

構ってほしい

猫は飼い主に構ってほしい時にも無駄鳴きをする事があります。

コミュニケーション不足になっている可能性があるので、一度愛猫との時間がどれくらい取れているのか確認しましょう。

飼い主に遊んでもらいたい

猫は、一般的に1日最低20分は身体を動かして運動をした方が良いと言われています。

個体差によって多少違うので、遊び好きな子は30〜40分程度遊んであげるのが望ましいです。

一緒に遊ぶ時間が少ないと猫はストレスを感じて無駄鳴きが増え、最悪体調を崩したり体力が余って夜中に活発になってしまう可能性もあります。

忙しくて難しいこともあると思いますが、毎日最低でも20分程度は愛猫と遊んであげる時間を作ってあげてください。

寂しいので構ってほしい

お仕事などで毎日忙しい飼い主さんのご家庭で多いのが、寂しさからの無駄鳴きです。

猫は構ってほしいとちょっかいを出したり仕事の邪魔をすることもありますが、それでも遊んでもらえないと無駄鳴きをします。

相手をしてくれなくて寂しいよと伝えているので、少しコミュニケーションを取る時間を作ってあげると良いです。

まとめて遊ぶ時間が取れない場合は、数回に分けてもかまいません。

片手間ではなく、しっかり向き合って遊んであげると猫も欲求が満たされて満足するので数分だけでも良いので時間を作ってあげましょう。

ストレス

猫は、ストレス発散のために無駄鳴きをする事があります。

または、猫なりのSOSの場合もあるので、何かストレスを感じる変化があった時は早急に問題を解決してあげてください。

環境の変化があった時

引っ越しや家族が増えたなど、環境の変化が苦手な猫にとってはかなりのストレスになります。

ストレスの原因ストレスを与えないための対策
引っ越し
  • 使い慣れた食器・トイレ・ベッドをセットしてあげる
  • 行動できる範囲を狭くする
人間の家族が増える
  • 猫が慣れるまで無理に近づかず徐々に距離を縮める
  • 猫から歩み寄ってくるのを待つ
赤ちゃんが増える
  • 赤ちゃんを迎え入れる前から洋服や匂いがついた物を嗅がせておく
  • 泣き声を動画などで聞かせる
動物が増える
  • 怯えたり威嚇する場合は慣れるまで別部屋にする
  • 匂いのついたものを嗅がせる

引っ越しをする場合は、なるべく元々の環境を変えないように使い慣れた食器や家具をそのまま持っていきセットしてあげましょう。

動き回れる範囲が広くて落ち着かない時は、慣れるまで狭い範囲で過ごすと良いです。

慣れてきたら徐々に行動範囲を広げてあげましょう。

家族が増える場合は、人間でも動物でも知らない物が自分のテリトリーに入ってくる事を猫は嫌がります。

猫は縄張り意識が強いため、始めのうちはストレスも溜まりやすいです。

家族が増えると決まったら、迎え入れる前に匂いを嗅がせたり1時間程度一緒に過ごす時間を作り徐々に距離を縮めましょう。

慣れてから一緒に暮らせるように迎え入れる前から対策して、徐々に受け入れられる体制を作ってあげてください。

何か嫌なことを我慢している

とくに環境の変化があるわけではなく無駄鳴きをしている場合は、何か嫌な事を我慢している可能性があります。

猫が嫌がる事
  • 大きな音がする
  • トイレが汚い
  • 強いニオイがする
  • 身体やヒゲが濡れている

猫は近所の工事の音や雷の音など大きな音が嫌いです。

怖い時に鳴く事があるのでなるべく安心できるように抱っこしてあげたり、1人でお留守番をしなくて済むように配慮してあげてください。

また、猫は綺麗好きなのでトイレが汚れていたり強いニオイがする事を嫌がります。

トイレが汚いとおしっこやうんちを我慢してしまうこともあるので、常に清潔に保ってあげましょう。

身体の毛やヒゲが濡れているのも嫌いなので、シャンプーをした際はすぐにドライヤーで乾かしてください。

我慢をすることは猫にとってもかなりストレスになるので安心できるように配慮し、ストレスが溜まらない環境作りを心がけましょう。

発情期

猫は発情期になると無駄鳴きをします。

かなり大きな声になることもあり、近所迷惑になる可能性があるので注意が必要です。

発情期は無駄鳴きが多くなる傾向

猫の発情期は、昼間が長くなる春〜秋頃にピークを迎えます。

季節性多発情繁殖動物と呼ばれており年に2〜3回発情期が訪れ、メス猫は1回の繁殖期間に数回発情し、オス猫はそれに呼応するように発情します。

発情周期特徴期間
発情前期
  • 活動的になる
  • 飼い主に甘える
  • 擦り寄ってくる
  • トイレを失敗する
  • オスはまだ受け付けない
1日程度
発情期
  • 動作が活発になる
  • 特徴的な声で鳴く
  • 飼い主に身体を巻き付ける
  • 腰をくねらせる
  • 外に出たがる
  • オスを受け入れる
7〜10日程度
発情後期
  • 全く発情行動をしなくなる
  • 排卵が起こらなかった(この期間に卵巣で新たな卵胞が発育され発情前期に戻る)
7日間

(交尾をしなかった・排卵が起こらなかった場合)

発情休止期
  • 排卵をした
  • 妊娠した場合は約2ヶ月後に子猫が産まれる
40〜50日

(排卵をしたが受精しなかった場合、萎縮・退行していく)

メス猫は上記の表のように発情前期〜発情休止期で発情を繰り返しますが、オス猫には周期がなく発情したメス猫の声やフェロモンに触発され発情します。

猫には生理がなく閉経する事がないので発情周期がなくなることはありません。

発情期の無駄鳴きをさせないためには、避妊・去勢手術をする方法があります。

出産を望まないのであれば、なるべく早く避妊・去勢手術をしましょう。

メス猫の声は特に大きいため近所迷惑になる

猫は発情期になると無駄鳴きをする頻度が高くなりますが、特にメスの声はかなり大きくなるので注意が必要です。

雄叫びのような鳴き声で何度も鳴き続けるため、夜中や朝方に活動的になる猫は近所迷惑になる可能性があります。

大きな鳴き声の対策
  • 防音のカーテンをつける
  • 窓に防音シートを貼る
  • ケージの周りをダンボールで囲う
  • 昼間に運動させる

発情期の無駄鳴きは身体の自然な反応でもあるので、無理やり鳴かないように怒ったり注意するのではなく防音対策をしてあげましょう。

外に音が漏れないように防音のカーテンや窓シート、ケージの周りを段ボールや厚紙で囲うと音が軽減されるのでおすすめです。

また、昼間のうちにたくさん遊んであげて、夜に活動的にならないようにする事も無駄鳴き対策になります。

運動不足

室内飼いの猫に多いのが、運動不足が原因で起こる無駄鳴きです。

もっと動きたいとアピールしている可能性もあるので、室内でも動き回れるスペースを用意してあげましょう。

横の運動よりも縦の運動の方が体力を消耗しやすいので、キャットタワーやキャットステップがおすすめです。

また、猫じゃらしやボール遊びなど飼い主の方と一緒に身体を動かす遊びも体力消耗に繋がります。

鳴いて気持ちを発散していることも

猫は運動不足になるとストレスが溜まり、鳴いて気持ちを発散することがあります。

室内飼いの猫は限られたスペースでは運動不足になるため、体格や年齢にもよりますが1日に10〜20分程度の運動が必要です。

飼い主の方はまとまって時間を取る必要はないので、数回に分けて一緒に遊んであげてください。

どうしても時間を作るのが難しい場合は、猫が1人でも身体を動かして遊べるおもちゃを用意しましょう。

自動で動く猫じゃらしや、ボールなどがおすすめです。

体調不良

猫は体調不良の時にも訴えるように無駄鳴きをします。

異変や痛みを訴えている場合は、いち早く気付いて動物病院に連れて行ってあげましょう。

不調や異変を伝えようとしている

猫は体調が悪くなると異変を伝えるために、鳴く事があります。

基本的に猫は体調が悪いことを隠そうとするので、飼い主に不調を伝えようとして鳴く時はかなり辛い状況の時です。

ただ鳴いているなと放置せずに、なぜ鳴いているのか理由を探りましょう。

いつもより元気がなかったり、何かおかしいと感じた場合はすぐに動物病院に連れて行き専門の獣医の指示に従ってください。

痛みを和らげようとしている

人間と同じように痛みがある時、猫も声を上げて痛みを逃がそうと鳴きます。

「アオー」「オォー」など苦しそうに鳴く時はよっぽどなので、何かおかしいと感じたらしっかり猫の様子を観察しましょう。

猫の体調不良の確認ポイント
  • 怪我をしていないか
  • 血は出ていないか
  • 嘔吐下痢はしていないか
  • ぐったりしていないか
  • 食欲はあるか

上記の表の内容を確認し、もしも症状がある場合はなるべく早く動物病院に連れて行って治療を受けてください。

猫の無駄鳴きをやめさせる方法

猫が無駄鳴きをするには理由があるとはいえ、ずっと鳴いていると飼い主にとってもかなりのストレスになります。

無駄鳴きをしている原因を特定し、対処してあげましょう。

原因によって適切な対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

安心できる環境を整える

猫が無駄鳴きをするのは、ストレスが溜まっていたり嫌な事がある時です。

環境の変化や理由がわかっている時は、猫が安心できる環境を整えてあげましょう。

ストレスを溜めることは、猫の病気にも繋がります。

なるべく嫌なものが周りにない環境で生活ができるように、飼い主は不必要なものは排除するなど対処してあげてください。

鳴いていても反応しない

無駄鳴きをする猫の中には、飼い主に構ってもらうために鳴いている子がいます。

飼い主が鳴き声に反応してしまうと、鳴けば遊んでもらえる・飼い主が構ってくれると覚えてしまいます。

鳴いたから構うのではなく、1日に10〜20分程度を数回に分けてコミュニケーションを取る時間を作りましょう。

たくさん遊んでストレスを発散させてあげる

猫は運動不足だと夜中に活動的になったり、溜まっているものを発散させるために無駄鳴きをします。

毎日遊んであげてストレスを溜めさせない事が、無駄鳴きを改善させるためには重要です。

しっかり向き合ってたくさん遊んであげましょう。

猫じゃらしやボールなど、身体を動かせる遊びがおすすめです。

避妊・去勢手術を行う

猫の無駄鳴きが発情期のせいならば、避妊・去勢手術をすると落ち着く可能性が高いです。

出産させる予定がないのであれば、避妊・去勢手術をすれば発情期の症状が落ち着き穏やかに過ごせるようになります。

生殖器関連の疾患にもなりにくくなるので、無駄鳴きがひどい場合は避妊・去勢手術も考えてみてください。

あまりにも無駄鳴きがひどいときは?

発情期やストレス発散などで、猫の無駄鳴きがひどすぎてどうにもならない時は以下の方法を試してみてください。

できれば時間をかけて根本的な原因を排除する事が1番良いので、どうにもならない時の応急処置として使いましょう。

霧吹きで水をかける

猫は水で濡れることを好まないので、どうしても無駄鳴きをやめさせたい時は身体に霧吹きで水をかけましょう。

水をかけると驚いて鳴くのをやめるので、鳴く度に何度か繰り返すと無駄鳴きをすると水をかけられることを学びます。

あまり好ましい方法ではありませんが、世話もいき届いていて原因が思いつかない場合は試してみてください。

身体にかけるだけで十分猫にとって嫌な行為なので、目や耳に噴射しないように気を付けましょう。飼い主との信頼関係を損なうこともあるため、繰り返し水をかけることは止めましょう。

狭い所に入れて落ち着かせる

猫が無駄鳴きをやめない時は一度狭いところに入れるのも一つの方法です。

猫は狭い空間にいると気持ちが落ち着く傾向にあるので、鳴き止む可能性があります。

気持ちが落ち着いたら好きに出て来れるように、出口を開けてあげてください。

無理に強制するのではなく、猫がストレスを溜めずに動けるようにしましょう。

まとめ

今回は猫の無駄鳴きの原因や対処法を紹介しました。

猫は構ってほしい時や発情期にも無駄鳴きをしますが、ストレスや病気が原因の場合もあります。

飼い主が改善できる原因ならば早急に対処してあげて、体調が悪い場合は早期に動物病院へ連れて行きましょう。

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