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【獣医師監修】猫のジャンプ力は驚異的!ギネス記録やジャンプ力が高い理由を解説

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はじめに

猫は身体能力が優れており、ジャンプ力が高いです。

猫がジャンプするときに思ったより飛んでびっくりした方も多いと思います。

その驚異的なジャンプ力は身体機能の発達や柔軟性、バランス感覚からきているのです。

今回は、猫のジャンプ力が高い理由を詳しく紹介します。

ジャンプが苦手な猫の特徴や脱走対策はどのようにすべきかお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

猫はどれくらいジャンプできる?

まず、猫はどのくらいジャンプできるかを紹介します。

ジャンプ力の高いイメージのある猫ですが、実際に飛べる高さをチェックしましょう。

垂直ジャンプのギネス記録は約2.1m

猫の垂直ジャンプの最高記録はギネスによって認定されており、約2.1mです。

通常は、猫が飛べる高さは1.5mから1.8mほどですので、いかにこの記録が驚異的かわかります。

ただ、普通の猫でも、その柔軟性と筋肉の強さを活かして、家具や高い棚に軽々と飛び乗ることが可能です。

ギネス記録の約2.1mという高さは驚異的な数字ですが、どんな猫も驚異的なジャンプを披露してくれるでしょう。

体長の4~5倍飛べる猫が多い

多くの猫は、驚異的なジャンプ力を持っており、自分の体長の4〜5倍の高さまで飛べる猫が多いです。

猫の平均的な体長は約45cmとすると、猫は約1.8mから2.25mの高さまでジャンプできる計算になります。

ジャンプ力が低い猫でも、1.5mまでは飛べる場合が多いです。

人間のジャンプ力は0.6mから0.75mほどなのでこの時点でジャンプ力は負けています。

さらに、人間の身長である170cmに換算すると、猫は7mから8.5mほどジャンプできる計算なのです。

他の動物でみても、猫ほどのジャンプ力を持つ動物はなかなかいません。

猫科の他の動物もジャンプ力がすごい

ジャンプ力がすごいのは猫だけではありません。

猫科の他の動物も高いジャンプ力を持っているのです。

  • ピューマ
  • トラ
  • ライオン

それぞれ詳しく紹介するので、猫科の動物がいかに身体能力に優れているか理解しましょう。

ピューマ

まず、猫科の動物でジャンプ力がすごいのはピューマです。

ピューマは、アメリカ大陸に生息する大型の猫科動物で、優れたジャンプ力が狩りにおいて大きな役割を果たしています。

ピューマは、非常に強力な後ろ足としなやかな体を持っているので、ジャンプ力が非常に高いです。

具体的には、垂直方向に約7mもジャンプできます。

これはピューマの体長の4.5倍ほどの高さであり、一気に高い崖や障害物を越える能力を持っているのです。

ピューマは獲物に気づかれずに近づき、一気にジャンプして獲物を仕留めます。

また、ピューマは逃走の際にもこのジャンプ力が効果的です。

敵や危険から瞬時に距離を取ることができるため、うまく逃げ切れます。

トラ

次に、猫科の動物でジャンプ力がすごいのはトラです。

トラは大型の猫科動物であり、巨大な体にもかかわらず驚くべきジャンプ力を持っています。

トラのジャンプ力は、一般的に垂直方向で約4mです。

これは体長の約2倍の高さであり、ピューマほどではないですがジャンプ力が優れています。

このジャンプ力はトラが獲物に一気に近づき、短い距離から迅速に仕留めるために役立つのです。

トラは後ろ足の筋肉が非常に発達しており、瞬発力に優れています。

トラのジャンプ力は、密林や草原などの多様な生息環境で非常に便利です。

密林では高い木々や茂みを飛び越え、草原では広い距離を一気に移動できます。

ライオン

最後に、猫科の動物でジャンプ力がすごいのはライオンです。

ライオンは「百獣の王」として広く認識されており、優れたジャンプ力を持っています。

ライオンのジャンプ力は、一般的に垂直方向に約3mです。

ライオンの後ろ足の筋肉は非常に発達しているので、短距離で迅速に動いたり高い障害物を越えたりできます。

また、ライオンはバランス感覚も優れており、ジャンプ中や着地時の安定性が高いです。

ライオンは、通常群れで狩りを行い、協力して獲物を追い詰めます。

しかし、最終的な捕獲の瞬間には、個々のライオンのジャンプ力と俊敏性が必要です。

高いジャンプ力は、獲物に一気に飛びかかり、逃げ道を封じるために欠かせません。

猫のジャンプ力が高い理由は?

次に、猫のジャンプ力が高い理由を紹介します。

  • 後ろ足の筋肉が発達
  • 背骨や関節などの柔軟性
  • 優れたバランス感覚

それぞれ詳しく紹介しますので、なぜ猫が身体能力に優れジャンプ力が高いのか理解しましょう。

後ろ足の筋肉が発達

まず、猫のジャンプ力が高いのは後ろ足の筋肉が発達しているからです。

後ろ足の筋肉は、瞬発的に強い力を生み出す速筋で構成されています。

これらの筋肉は、バネの役割を果たし、猫が高くジャンプするための基盤となるのです。

特に、太ももの大腿四頭筋とふくらはぎの腓腹筋は、強力な力を発揮しています。

これらの筋肉が収縮することで、猫は瞬間的に地面から飛び上がれるのです。

猫は日常的な活動や遊びで、後ろ足の筋肉を鍛えています。

背骨や関節などの柔軟性

次に、猫のジャンプ力が優れているのは背骨や関節などに柔軟性があるからです。

猫の背骨は非常に柔らかく、多くの椎骨で構成されています。

ジャンプする際、猫は背中を丸め、後ろ足の力を最大限に利用して推進力を生み出します。

この動作によって、体全体のバネのような効果が得られ、高く飛び上がることができるのです。

また、猫の背骨は着地するときに衝撃を和らげる役割を果たしています。

さらに、猫は背骨と同様に関節も非常に柔らかいです。

特に肩関節や股関節は柔らかく、猫の動作範囲を広くしています。

柔軟な関節は、着地時の衝撃を吸収し、次のジャンプへのスムーズな動きを助けてくれるのです。

これにより、猫は連続してジャンプでき、狩猟や遊びにおいても高いジャンプ力を発揮しています。

優れたバランス感覚

最後に、猫のジャンプ力が高い理由はバランス感覚が優れているからです。

猫のバランス感覚は、その独特な体の構造によって支えられています。

まず、猫のしっぽはバランスを取るために非常に重要です。

ジャンプ中や着地時に、猫はしっぽを使って体の位置を微調整し、安定性を保っています。

しっぽは空中での姿勢をコントロールするための舵のような役割を果たし、猫が正確に狙った場所に着地できるようにしているのです。

また、猫は4本足でのバランス感覚が優れています。

猫はどんな体勢でジャンプしても4本足で着地できる能力を持っているのです。

さらに、猫の足には敏感な触覚が備わっており、猫は着地の瞬間に体重を分散して安定した姿勢を保つことができます。

ジャンプが苦手な猫もいる

ここまで猫のジャンプ力が高い理由を紹介しましたが、ジャンプが苦手な猫もいます。

  • 肥満による体重の増加
  • 怪我や病気
  • 老化による運動能力の衰え
  • 運動不足による筋肉量の低下
  • 過去に怪我をした経験からの恐怖

それぞれの理由を紹介するので、愛猫にジャンプ力がない場合はどれに当てはまるかチェックしましょう。

肥満による体重の増加

まず、ジャンプが苦手な猫もいる理由は、肥満により体重が増加しているからです。

肥満は猫の運動能力に大きな影響を及ぼし、特にジャンプ力が低くなります。

肥満になると猫の体重が増加し、ジャンプする際に必要な筋力とエネルギーが不足するのです。

通常、猫の後ろ足の筋肉は、体重を支えて高く飛ぶためのバネの役割を果たしています。

しかし、猫が肥満の場合、これらの筋肉に過剰な負担をかけるため、筋肉の効率が低下し、ジャンプ力が著しく減少するのです。

また、肥満は猫の関節にも負担をかけます。

体重増加により関節にかかる圧力が増し、関節炎やその他の関節障害を引き起こす場合もあるのです。

関節の痛みが生じると、猫は自由に動くことが難しくなり、ジャンプする意欲や能力が低下します。

特に、高い場所に飛び乗ることが困難になり、安全な着地も難しいです。

怪我や病気

次に、ジャンプが苦手な猫もいる理由は怪我や病気です。

猫は怪我や病気によって痛みや不快感が生じる場合、ジャンプを行うことが難しくなります。

例えば、関節の炎症や骨折、筋肉の損傷などが猫がジャンプしたがらない原因です。

関節の炎症や筋肉の損傷が起こると、ジャンプや着地時の衝撃を和らげるための動きができなくなります。

また、猫が患っている慢性的な病気や健康問題も、ジャンプ力に影響を与える原因です。

例えば、関節炎や心臓疾患などが該当します。

病気になると猫の体の機能が制限され、活発に動けなくなるのです。

さらに、猫は非常に敏感な動物なので、ストレスや不安がジャンプ力に影響を与える恐れもあります。

環境の変化や家族構成の変動、他のペットとの関係性などがストレスの原因です。

老化による運動能力の衰え

3つ目に、ジャンプが苦手な猫もいる理由は老化により運動能力が衰えるからです。

年をとると、猫は運動量が減少し、筋力が低下します。

特に後ろ足の筋肉はジャンプ力に重要な役割を果たしますが、老化によってこれらの筋肉が衰えて猫のジャンプ力も低下するのです。

また、老化で関節の柔軟性が低下し、うまくジャンプできなくなります。

さらに、猫は年をとると身体の位置を正確に感知する能力が低下し、ジャンプ中のバランスを取ることが難しくなるのです。

加えて、老化に伴う慢性的な疾患や健康問題も、猫の運動能力に影響を及ぼす場合があります。

運動不足による筋肉量の低下

4つ目に、ジャンプが苦手な猫もいる理由は運動不足による筋肉量の低下が起こるからです。

猫は本来活発な動物ですが、十分な運動を行わない猫は筋肉量が減少し、ジャンプ力が低下します。

運動不足によって筋肉量が低下すると、猫の後ろ足の力が弱まるのです。

ジャンプには後ろ足の筋肉が重要であり、十分な筋力がなければ高い場所に飛び移れません。

また、運動不足によって筋肉量が低下するだけでなく、柔軟性も低下します。

さらに、運動不足の猫は肥満になりやすいです。

お伝えしたとおり、肥満は関節や骨格に負担をかけるのでジャンプ力を低下させます。

他にも、運動不足は猫のストレスを増加させる場合もあり、さまざまな理由からジャンプ力を低下させてしまうのです。

過去に怪我をした経験からの恐怖心

最後に、ジャンプが苦手な猫もいる理由は、過去に怪我をした経験からの恐怖心があるからです。

猫は過去の傷やトラウマを覚え、同様の状況や行動を避ける傾向があります。

そのため、ジャンプ中に怪我をした経験がある猫は、以後ジャンプを避ける傾向が見られるのです。

また、怪我をした経験からの恐怖心は、なかなかなくなりません。

猫の行動に長期的な影響を与え、高い場所に登ることを避けたり、ジャンプを行う際に不安やストレスを感じたりする可能性があります。

そのため、飼い主は猫の安全を確保し、安心できる環境を作りましょう。

過去の怪我からの恐怖心を克服し、ジャンプ力を改善することが重要です。

高い場所から着地しても怪我をしないのはなぜ?

次に、猫が高い場所から着地しても怪我をしない理由を紹介します。

猫特有の体の構造が関係しているので、ぜひチェックしてください。

必ず4本足で着地できる能力がある

まず、猫が高い場所から飛び降りても怪我をしないのは、必ず4本足で着地できる能力があるからです。

猫は体をコンパクトにし、その柔軟な関節を活かして着地します。

高い場所から飛び降りるとき、猫は4本足の着地姿勢によって体重が分散され、着地時の衝撃を和らげられるのです。

さらに、猫の4本足は強靭で柔軟性があり、着地時の衝撃を吸収しやすくなっています。

また、4本足で猫はバランスを保ちながら着地し、怪我をするリスクを最小限に抑えることが可能です。

低いところから落ちた方が怪我しやすい?

一般的に、猫は低い場所から落ちた方が怪我しやすいと言われています。

なぜなら猫が低い場所から落ちるときに、着地するための体制を整えられないからです。

猫は低い場所からの落下で体を不自然な角度で着地させるので、怪我をする可能性が高まります。

また、低い場所からの落下では、猫の体が地面に接触するまでの時間が非常に短く、着地の衝撃を和らげるための十分な反応時間がありません。

そして、猫は落下時の衝撃を直接受け止めることになり、怪我をするリスクが高まるのです。

そのため、低い場所からの落下でも骨折の可能性もあるので、気になる場合は病院に連れて行きましょう。

脱走防止フェンスの高さはどれくらい必要?

次に、ジャンプ力が高い猫は脱走防止のフェンスが必要です。

  • 高さが2m以上あるもの
  • 窓の場合は窓全体を覆うもの

それぞれ必要な理由を紹介するので、条件に当てはまるフェンスを購入しましょう。

高さが2m以上あるもの

まず、猫の脱走防止のためのフェンスは2m以上の高さを確保しましょう。

この高さは、猫が飛び越えるのを防ぐために必要な高さです。

猫は優れた運動能力をもつので、一般的なフェンスや柵を簡単に飛び越えられてしまいます。

そのため、脱走防止の効果を確保するためには猫のジャンプ力の限界である約2m以上にフェンスの高さを設定する必要があるのです。

また、フェンスの上部に傾斜をつけるなどの工夫を加えることで、猫が登るのをより困難にできます。

脱走防止フェンスの設置は、猫の安全を確保するために重要です。

うちの猫はジャンプ力がないので大丈夫と安心せず、フェンスは高めのものを選びましょう。

窓の場合は窓全体を覆うもの

次に、窓の脱走防止のフェンスは窓全体を覆うような設計にしましょう。

これにより、猫が窓から外に出ようとする際に、フェンスで確実に阻止できるのです。

窓全体を覆っていないと猫は簡単にすり抜ける恐れがあります。

猫の脱走防止のフェンスは家の中で安全な環境を提供するのに重要です。

そのため、猫が脱走するあらゆる可能性を考え、窓全体を覆って猫が窓から外に出るリスクを防ぎましょう。

まとめ

猫は驚異的なジャンプ力をもち、体長の4〜5倍である約2mの高さまでジャンプできます。

猫のジャンプ力が高いのは、後ろ足の筋肉が発達し、背骨や関節などの柔軟性がバネの役割を果たしているからです。

一方で、肥満や怪我・病気・老化による運動能力の衰え・恐怖心からジャンプが苦手な猫もいます。

猫は優れたバランス感覚で高い場所からでも安定して着地できますが、低いところから落ちると怪我するリスクがあります。

飼い主は、猫のジャンプ力の高さを考慮し、2m以上あるフェンスや窓全体をおおえるフェンスを用意し脱走を防ぎましょう。

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