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猫が好きな音って高い音?好き嫌いを徹底解説

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はじめに

猫は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の中でも聴覚が最も優れており、猫の聴覚は人間の3倍だといわれています。

猫の視力は0.2〜0.3程度なので、目がはっきりと見えなくても獲物の居場所が分かるように聴力が発達しました。

遠くの音を聞いて獲物との距離を測ることもできますし、天敵が近づいてきた時にはかすかな音でも聞き分けてすぐに逃げることができます。

室内で暮らす猫には、普段の人間の生活音はどのように聞こえているのでしょうか。

この記事では、猫の聴力について詳しく解説します。

猫の好きな音や嫌いな音、音を使ったコミュニケーションの方法などをご紹介しますので、猫と一緒に暮らしている方はどうぞ参考にしてください。

猫の聴力の特徴

猫の好きな音1

まず猫の聴力の特徴についてここから解説していきます。

「猫は聴力が優れているとは聞いたことあるけど、実際にはどんな風に聞こえているのだろう」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

  • 猫の聴力の感度
  • 好きな音の特徴
  • 嫌いな音の特徴

猫の聴力はどれほどすごいのか、猫の好きな音や嫌いな音にはどんな特徴があるのかをご紹介します。

猫の聴力の感度

猫は聴力が優れているため人間よりも音には敏感です。

聞き取ることができる音の範囲が広く、人間では聞こえないような周波数の音まで猫はしっかりと聞き取ることができます。

誰かが喋っていたりテレビの音が聞こえている部屋でも、外の音を聞くこともできますし、虫の羽音や外から帰ってくる飼い主の足音まで猫には聞こえています。

猫の大きな三角形の耳は集音器の役割を果たしており、音のする方向へ左右に180度動くことによって広範囲の音が拾えますし、その音との距離までわかるのです。

部屋で音楽を流したりテレビを見ている時に「猫は聴力が優れているからうるさく感じているのではないか?」と考えたことのある人もいるかもしれません。

猫は聞きたい音を聞き分けることができるので、その部屋でリラックスできている様子であればそれほど気にはなっていないはずです。

ただしあまりにも大きな音だと聴力の優れている猫にとってはストレスになりますので、音量には気をつけましょう。

好きな音の特徴

猫が好む音の特徴は、柔らかく優しい高音の音です。

猫は高い声が好きとか、男性の声よりも女性の声を好むという話を聞いたことがある方も多いでしょう。

それらの話は本当で、猫は高い音が好きです。

その理由は高音が猫にとって聞き取りやすい音で、最も安心できる音だからです。

好きな音を聞くと耳をピクピクっと動かしもっとよく聞こうとします。

嫌いな音の特徴

好きな音があればもちろん嫌いな音もあります。

猫が嫌いな音とは、低い音のことです。

高い音は聞き取るのが得意ですが、低い音は人間と比べると聞き取りにくいため苦手なのでしょう。

また低い音というのは、動物が威嚇するときに「ウー」と唸る時の音に近いため直感的に苦手だと感じてしまいます。

また猫は静かな環境を好むので、大きな音が嫌いです。

私たち人間は普段何気なく聞いている音でも、猫はストレスを感じていることもあるかもしれません。

猫の好きな音

猫の好きな音2

猫は高くて優しい音が好きだとお伝えしましたが、具体的にはどんな音なのでしょうか。

ここでは猫が好む高音の音を4つご紹介します。

  • 高い音と静かな音
  • 猫の鳴き声
  • 鳥の鳴き声
  • 飼い主の声

猫と一緒にリラックスしたいときは是非これらの音を取り入れてみてください。

高い音と静かな音

猫が1番聞き取りやすい音というのが、周波数8000Hz程度の高音域の音です。

人間だと、高音すぎて少し不快だなと感じる音でも猫には心地よく聞こえています。

しかし高い音だったらどんな音でも好きというわけではありません。

例えばトライアングルのような高音の楽器の音でも、静かに鳴らせば心地よく聞こえますが、力強く大きな音を出すと高音でも不快な音になってしまいます。

同じように小さな鈴の音を好む猫も多くおもちゃにもよく使われていますが、首輪に鈴をつけるのは苦手な猫もいます。

ずっと自分の近くで音が鳴るので、聴力の良い猫はストレスを感じてしまいます。

ピアノの高い音が好きな猫も多く、ピアノの音をたくさん使ったクラシック音楽を好むともいわれています。

以前行われた研究によると猫にクラシック音楽を聴かせた時が一番リラックス効果が高かったという結果も出ていますのでゆっくり猫と一緒に過ごしたい時にはクラシック音楽をお部屋で聴いてみるのも良いかもしれません。

猫の鳴き声

猫の鳴き声は私たち人間の声よりも高いため、猫にとっては安心できる音として認識されるので猫の鳴き声も猫の好きな音に含まれます。

特に子猫の鳴き声はとても高いため、子猫の声に反応する猫は多いです。

ただし全ての猫が他の猫の鳴き声を好きなわけではありませんし、猫の唸り声や発情期に鳴く声はストレスになる可能性もありますので注意しましょう。

鳥の鳴き声

猫の鳴き声と同様に、鳥のさえずりも高音のため猫にとっては心地の良い音です。

家の中に居ても鳥の鳴き声に反応するほど鳥の鳴き声が好きな猫もいます。

鳥の中でも特にシジュウカラ、セキレイ、メジロなどの鳴き声は高く、4000Hz以上なので猫が好む鳴き声をしているので猫が反応しやすいです。

スズメやウグイスはそれらの鳥よりもやや低く2000Hz程度、カラスやキジバトだと500〜1000Hz程度の低音になるので、鳥の中でも高音で鳴く鳥の方が心地よく聴こえているのかもしれません。

飼い主の声

猫は飼い主の声ももちろん大好きです。

猫にとって飼い主は安心できる存在で、話す言葉の意味が分からなくても話しかけられれば嬉しくなります。

女性の声を好む猫も多いですが、高い声でも大声で叫んだり金切り声をあげると猫はびっくりしてしまいますので優しく静かに話しかけてあげるようにしましょう。

猫は低い音や大きな音が苦手なので、低い大きな声で話す男性のことを怖がるかもしれません。

しかし毎日優しくお世話してくれる飼い主さんであれば、話す声から猫に愛情は伝わりますのでできるだけ静かに優しく話しかけてあげましょう。

猫は自分の名前や飼い主の声を認識できるといわれています。

名前を呼ぶと駆け寄ってくることもありますし、尻尾だけで反応する猫もいますが、基本的には飼い主に話しかけられることが大好きなので、たくさん名前を呼んだりお話してあげてください。

猫の嫌いな音

猫の好きな音3

ここからは猫が嫌いな音について解説していきます。

人間でも聞くと顔をしかめてしまうような嫌な音やびっくりしてしまう音が色々ありますが、猫は人間よりも様々な音が聞こえるので嫌いな音も多いです。

例えば、猫が嫌いな音にはこのようなものがあります。

  • 大きな音と突然の音
  • スプレーの音
  • ホイッスル音やベルの音

猫がストレスを感じないように、猫の嫌いな音はなるべく避けるようにしましょう。

大きな音や突然聞こえる音

猫は静かな環境を好みますので、大きな音は苦手です。

例えば大きなくしゃみやゴロゴロと鳴る雷、打ち上げ花火の音などにびっくりして飛び上がっている猫を見たことがある方もいるのではないでしょうか。

猫にとっては、これらの音は恐怖でしかありません。

飼い主にできる対策としては、くしゃみをするときはタオルで口元を押さえるなど、少しでも音が小さくなるようにすると良いでしょう。

安心して寝ている時やリラックスしている時に突然大きな音が聞こえれば、人間でもびっくりしてしまいますが猫にとっても同じです。

突然何かを床に落としてしまったり、飼い主が急に大きな声で話したりすると猫はストレスを感じてしまいますので普段でもなるべく大きな音は出さずに生活するように心がけましょう。

スプレーの音

猫がスプレーの音を嫌いな理由は、スプレーの「シュー」という音が猫の天敵である蛇の威嚇する時の音に近いからです。

ですのでスプレーの音を聞いた猫は本能的に身の危険を感じてしまいます。

猫にストレスを感じさせないためにも、スプレーを使う時は猫のいない部屋で使うなどの工夫をしましょう。

ホイッスル音やベルの音

ホイッスルや笛の「ピー」という音も猫は苦手です。

音が大きいということもありますし、聞き慣れない音は猫にとって不安の要素になります。

得体のしれない大きな音を聞いて逃げて行ってしまう猫もいますので、なるべく猫の近くでホイッスルは吹かない方が良いでしょう。

他にも、ベルの「チーン」という音も猫にとっては不快な音です。

テレビやSNSの動画で、ベルを鳴らして飼い主を呼んだりご飯の催促をする猫を見たことがある方もいるかもしれません。

その音を鳴らす=良いことがあると覚えた猫にとってはベルの音も不快な音ではなくなりますが、聞いたことのない猫にとっては大きくてびっくりしてしまう音ですので使い方には注意してください。

音を使った猫とのコミュニケーション

ここでは猫と飼い主が音を使ってコミュニケーションをとる方法についてご紹介します。

猫は聴力が良いので音を使ったコミュニケーションは効果的です。

  • 声のトーンを意識する
  • 音での呼びかけ
  • 音の鳴るおもちゃ

ここでは3つの方法をご紹介しますので、遊びの一環として楽しみながら試してみてください。

声のトーンを意識する

猫は高い音が好きなので、飼い主が男性でも女性でも普段の声のトーンよりも少し高めに話してみると猫も落ち着きやすいです。

猫は飼い主の話す言葉をしっかり聞いていて、20種類くらいの言葉を覚えられるといわれています。

毎日たくさん猫と話すことで、もっと猫のことを理解できますし猫にとっても大好きな飼い主との楽しいコミュニケーションの時間になります。

音での呼びかけ

猫を呼ぶとき、猫の名前を呼ぶと思いますが猫の気分によっては近くに来ないこともあるでしょう。

そんな時は猫の寄ってくる音を色々と試してみるのも良いかもしれません。

例えば、猫のごはんやおやつの袋を開ける音、ビニールの袋をカシャカシャと鳴らす音などは猫にとって良いことが起きると認識している音なので近くに来ることも多いです。

音を出して猫が寄ってきたときは一緒に遊んだりご褒美をあげるなどして、「その音=良いことがある」と覚えてもらいましょう。

他にも猫が好きそうな音を出してみて、うちの子はどんな音が好きなんだろうと色々遊びながら試してみるのも面白いかもしれません。

音の鳴るおもちゃ

猫はもともと狩りで獲物を捕まえていたので、狩猟本能は室内で生活している猫にも残っています。

ですので狩猟本を満たしてあげるような遊びは、運動不足やストレスの解消のためにも大切です。

例えば音の鳴るおもちゃを使って猫と遊ぶことで、猫の興味をひくことができますし、これを捕まえることで獲物を捕まえた時のハンティング気分を味わうことができます。

猫の聴力について知っておきたいこと

ここまで猫は聴力が優れているとお伝えしてきましたが、人間とは聞こえ方がどんな風に違うのか、年齢によって聴力は関係するのかも気になると思います。

最後に猫の聴力について飼い主が知っておきたいことを以下にまとめました。

  • 超音波の聴こえ方
  • 猫と人間の聴力比較
  • 年齢と聴力の関係

猫の聴力についてしっかり知ることで、これからもっと愛猫のことを理解しやすくなるでしょう。

超音波の聴こえ方

冒頭でもお伝えしましたが、猫は人間では聞こえないような周波数の音までしっかりと聞くことができます。

20000Hz以上の高周波音のことを超音波と呼びます。

なぜ猫は超音波が聴けるのかというと、猫の耳には房毛という毛が生えていますがこの房毛が20000Hz以上の高音の超音波に反応し、超高温の音や超音波を聴くことができるのです。

ネズミが仲間と会話する時の声が超音波と同程度の周波数であり、猫はネズミの発する音を聞き取れるためネズミを見つけることができました。

猫と人間の聴力比較

猫は人間の3倍の聴力があるとお伝えしましたが、正確には聞こえる周波数の範囲が人間よりも幅が広いということです。

人間が聞き取ることのできる音の範囲は20〜20000Hz前後ですが、猫は30〜65000Hz前後です。

ちなみに犬は65〜50000Hz前後なので、犬よりも猫の方が高い周波数の音まで聞こえていることが分かります。

猫が空中をじーっと見ている時はありませんか?

「何か見えているの?」と少し怖くなってしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、このような時はたいてい猫が人間には聴こえていない音に耳をすましている時です。

何か気になる音がする時には、耳を音のする方に向けてじーっと耳をすましているはずなので、猫の耳をよく観察してみましょう。

年齢と聴力の関係

人間も歳を取ると聴力が衰えていきますが、猫はどうなのでしょうか。

猫も人間と同じように年齢を重ねていくと徐々に聴力が低下していきます。

老化によってゆっくりと聴力が低下していくので、聴こえにくくなっていることに飼い主が気づかない場合もあります。

飼い主は定期的に耳垢が溜まっていないか、炎症を起こしていないかなど耳の中をチェックすることも大切です。

愛猫の名前を呼んでも反応しない、鳴き声が大きくなった、ごはんやおやつの袋をカシャカシャしても反応がないなど、今まで反応していた音に無関心になった場合は聴こえていない可能性があります。

気になることがある場合にはすぐ獣医師に相談することが大切です。

老化によって聴力が低下している猫を呼びたい時には、名前を呼ぶ+床を叩いて音と振動で呼んでみるなど、猫に伝わりやすいように呼び方を工夫しましょう。

聞こえづらくなって猫自身も不安な気持ちになっているかもしれませんので、優しく接してたくさんスキンシップを取るようにしてあげてください。

まとめ

今回の記事では、猫の聴力について解説しました。

猫は聴力が優れているので私たちが普段何気なく聞いている音にもストレスを感じているかもしれません。

猫が好きな音・嫌いな音を理解して、猫がストレスなく安心して生活できるようにしてあげましょう。

また大きな音にも敏感でびっくりしてしまいますので、人間も猫も一緒に心地よく過ごせるように毎日の生活の中で大きな音が出ないように工夫できるところはないか少し探してみてください。

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