暮らし

【獣医師監修】生まれてから8ヶ月の猫の育て方|食事やしつけ方をご紹介

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

8ヶ月の猫は見た目が大人と変わらないくらい成長しています。しかし好奇心旺盛でやんちゃな時期です。子猫の頃とはまた違った適切な食事やしつけを必要とします。この記事では獣医師監修のもと、8ヶ月の猫の特徴とそれに合わせた最適な育て方、食事や生活面での注意点を詳しくご紹介します。

愛猫と充実した日々を過ごすための手助けとなると幸いです。

8ヶ月の猫の特徴

8ヶ月頃の猫は身体的、精神的に急激に成長し大人になっている時期です。この段階で基礎をしっかり作っておく必要があります。

人間に換算すると12歳ぐらい?

一般的な猫は1歳で成猫になります。8ヶ月の猫は、人間でいうと大体12歳前後の年齢です。

この年齢は人間の子供が思春期の初期に差し掛かる時期です。この時期の猫は、身体的にも精神的にも大きな変化があります。好奇心が高まり、社会性が作られる大切な時期です。

そして人との関係や環境に対する適応能力も高くなります。そのため、愛猫が健全に成長するためには、適切なケアが重要となってきます。

体重は生後3ヶ月と比べてどのくらい増える?

8ヶ月の猫の体重は、ペットショップなどで見られる子猫の頃の生後3ヶ月の時と比べ大幅に増加していることが一般的です。

生後3ヶ月の段階では猫はまだ子猫であり、その体重は1kg〜1.5kg程度が一般的です。8ヶ月になると、大体2.5kg〜3.5kgの範囲に達していることが多いでしょう。

体重増加は、猫が成長期であることをあらわしています。そのため適切な栄養を摂取することが大切になってきます。ただし体重は個体差や種類の差によって大きく異なります。

発情期は?

多くの猫が生後6ヶ月を過ぎると発情の兆候を見せ始めます。

発情期には、メス猫は普段聞いたことのないような大きな声で鳴いたり、背中を床につけて何度もくねくねしたりします。また、お尻を高く持ち上げる姿勢を取る行動をしたりします。

一方オス猫も、マーキング行動が増えたり、メス猫を探しに外に出たがったりという行動があらわれます。

この時期の適切な対応として、繁殖を望まないのであれば早めの去勢や避妊の手術を検討することです。これは不要な繁殖を防ぐだけでなく、将来の健康リスクを減らすために重要です。発情期の管理は、飼い主として愛猫の健康を守る大切な責任といえます。

8ヶ月の猫の食事

8ヶ月の猫の成長には、適切な栄養が欠かせません。しかし、子猫用の高いエネルギー量のフードのままでは肥満になる可能性があります。質と量を考えなくてはいけません。

猫が8ヶ月になったらフードの切替えを

8ヶ月になった猫の食事は、成長の段階に合わせたフードの切り替えが必要とされます。この時期、猫は急速な成長を遂げる子猫から徐々に成長が終了していく成猫に近づいているため、エネルギーや栄養素の必要量が変化します。

生後数ヶ月間は子猫用の高いエネルギー量、免疫力のサポート、消化吸収力のサポートなどが考えられたフードが最適です。

しかし8ヶ月になると、猫種や体のサイズの個体差が大きくなるため、少しずつ成猫用のフードに移行する時期になります。成猫用フードは、子猫用に比べてカロリーが控えめで、成猫の健康維持に必要な栄養バランスが考えられています。

切り替える際は、突然切り替えるのではなく、数週間かけて切り替えていきましょう。今食べているフードに少しずつ混ぜていき、割合を増やしていくことがポイントです。徐々に増やすことでスムーズに切り替えられます。

適切な食事量は?

8ヶ月の猫の食事量を決める際、体重や活動量、健康状態を総合的に考えることが重要となります。

一般的に8ヶ月の猫はこれ以上大きく成長することはありません。そのため、成猫用のフードへ切り替えを始めていい時期です。

肥満を防ぐためにも過剰なフードの量は避けなければいけません。

1日の食事量の目安は、猫の体重1kgに対して、約64kcal程度といわれています。

フードの種類によってカロリーが違うため、フードのパッケージに書かれてある推奨量を必ずチェックしましょう。

しかし、活動量が多い猫は多めに必要とすることもあります。基本的にはパッケージに書かれている量を食べ切りまだ欲しがっていても追加で与える必要はありませんが、食事量の調節は、猫の体重だけでなく体調も観察しながら行いましょう。

肥満に注意

8ヶ月の猫の食事管理で、特に注意が必要なことが肥満のリスクです。

子猫の頃は急速に成長しますが、この頃になると徐々に落ち着き始め、基本的にはこれ以上大きく成長することはありません。そのため過剰なエネルギー摂取は肥満の原因となってしまいます。

肥満は糖尿病や関節疾患、肝疾患などさまざまな健康問題をおこすリスクが高まります。適切な食事量を守り、高カロリーのおやつや人間の食べ物の与え過ぎに注意することが重要です。

日常的な運動は健康的な体重を維持することに役立ちます。猫の食事量に注意するだけでなく、日頃から猫が運動できる環境を整えてあげましょう。上下運動は猫にとってとてもいい運動です。キャットタワーやキャットウォークを設置したり、高さのある家具をうまく配置したりして普段から猫がたくさん動ける環境を作りましょう。

また、おもちゃを使って飼い主が運動を促してあげることも大切です。このような飼い主とのコミュニケーションの時間は、猫との強い絆を深めます。

8ヶ月の猫にはお留守番させても大丈夫?

8ヶ月の猫の特徴と育て方1

8ヶ月の猫にお留守番をさせても基本的に問題ありません。しかし、お留守番の間に猫が退屈しないようにしたり、トラブルが発生しないように部屋の環境を配慮したりする必要があります。

8ヶ月の猫のお留守番における安全対策や、留守中に快適に過ごせるためのポイントを詳しくみていきましょう。

大丈夫だが少しずつ時間を伸ばすようにする

8ヶ月の猫のお留守番は基本的に大丈夫ですが、突然長時間一人で留守番させるのではなく、少しずつ時間を伸ばして慣れさせる必要があります。

最初の数時間からのお留守番からはじめ、猫が安心して過ごせることを確認しながら、徐々に時間を延ばしていきましょう。そうすることで猫にかかるストレスを最小限に抑え、一人でいることに慣れていきます。

留守番中には十分な水と食事を用意し、猫がリラックスできるスペースも用意しておきましょう。また、猫が退屈しないよう、遊び道具の用意も必要です。

猫が安全にお留守番できるよう配慮することが大切となっています。

部屋の温度には気を遣う

8ヶ月の猫をお留守番させる際には、部屋の温度管理に細心の注意が必要です。

猫は体温調整ができる機能を持っていますが、それには限界があります。

汗をかく汗腺は肉球の部分しかなく、猫が体温を逃す場合は口から呼吸するパンティングをして体の中から熱を逃します。

このため高温多湿の環境では体温調節機能が追いつきません。

猫が暑さによって熱中症を起こすリスクがある夏場は、部屋の温度を適度に保つことが重要です。理想的な室温は25℃前後で、湿度は50%〜60%です。

そのため、猛暑ではエアコンを使用して室内の温度を適切に管理しておきましょう。

少し高めの設定に思えるかもしれませんが、設定している室内がそれよりも下がる可能性もあります。冷たい空気は足元に溜まり、暖かい空気は上にいくことから、床にいる猫にとって涼しさを感じやすくなるのも一つの理由です。

また、人のように汗を全身にかいて体温調節ができない猫は、グルーミングをしたり鼻や口から水分を蒸発させたりして体温調節を行います。湿度が高くなると、体から出た熱を水蒸気として発散しづらくなってしまうため、温度だけでなく湿度にも気を配る必要があります。

エアコンを使う際は、猫に直接風が当たらないようにしておきましょう。直接風が当たると体温の急激な低下や風邪のような症状を引き起こしてしまう可能性があります。

エアコンの風向きを調節するなどの工夫をしながら、適切な環境を整えて愛猫が快適に過ごせる部屋にしてあげましょう。

8ヶ月の猫のしつけ方

8ヶ月の猫の特徴と育て方2

8ヶ月の猫は成長期の頃と比べると行動が落ち着いてきます。しかし、手や足を噛んできたり引っ掻いてきたりする問題が出てきます。このようなことをした際に、どのようにしつけていけばいいかなどについてご紹介します。

引っ掻きぐせ

8ヶ月の猫にみられる引っ掻きぐせのような行動は、遊びに夢中なパワフルな猫にはよくあることです。

遊びに勢いがついて引っ掻いてしまう場合、一旦遊びを中断させましょう。

大きな声で叩いたり怒鳴ったりしても猫は理解ができないため、冷静にいけないことだと伝えることが大切です。

また、マーキング行為やストレス、気持ちを落ち着かせたりする時に本来はしてはいけない場所で爪研ぎをしてしまうこともあります。これらは飼い主としてはとても困る行動です。しかし、無理に止めてばかりでは猫にとってストレスでしかありません。猫の好みの場所に好みの爪研ぎをおくなどの対策を行い、気持ちよく爪研ぎができるようにしてあげましょう。

噛みぐせ

本来、猫同士で遊びながら噛む加減を学びますが、早い時期に兄弟と引き離された猫は、噛む力加減を学んでいないため、噛みついたり噛む力が強かったりします。そのため、飼い主は噛みぐせになる前に、噛んだら痛いことだと教える必要があります。

猫が人を噛んだ時には引っ掻いた時と同じように、静かに「ダメ」と注意し、その場を離れましょう。楽しくしていたのに急に飼い主がどこかに行ってしまい遊べなくなったと思わせる必要があります。猫は怒鳴ったり叩いたりして叱っても、なぜ叱られているか理解ができません。噛んだら遊んでもらえなくなったと覚えさせることが大切です。

もともとはハンターとして活動していた猫は、動くものに敏感に反応します。手を使って遊ぶと手がおもちゃだと判断してしまい、噛みついてしまうようになります。

遊ぶ時には決して手は使わず、おもちゃを使用しましょう。

発情期の対処法

8ヶ月の猫は発情することが可能な時期です。発情期の猫は、メス猫は鳴き声が大きくなりしっぽを持ち上げてお尻を擦り付けるような行動をみせます。オス猫は、マーキングとして尿を撒き散らしたり、メス猫を求めて外に出ようとしたりします。これらの行動は自然な生理現象といえますが、飼い主にとっては困る行動です。

発情期の対処法として、まずは他の猫との接触を避けなければいけません。完全室内飼いにしていたとしても、外にいる猫が見えれば発情してしまうものです。そのため、カーテンなどで外が見えないようにするほか、普段窓のそばに置いているキャットタワーを窓から離すなどの対策が必要です。

そのほか猫の注意をほかに向けさせるため、たくさん遊んであげることも効果的です。新しいおもちゃを与え、好奇心をくすぐりましょう。日中たくさん遊んで体力を使えば、夜鳴きも減らせます。

1歳になるまでにやっておきたいこと

8ヶ月の猫の特徴と育て方3

猫が1歳になるまでの期間は、その後の健康と幸せな生活を送るために基盤を築く大切な時期です。この成長段階で、去勢手術や肥満への対策、定期的な健康チェックを行うことが大切となってきます。これらをしておくことで、愛猫がより長く健康的な生活を送るための準備を整えられます。

去勢手術

繁殖期になると、猫は発情期に入り自然と異性を求める行動をみせます。この行動は人間にとっては問題行動と取れるものとなり、悩みの種となり得ます。

繁殖を望まない場合は、早めに去勢や避妊の手術を行いましょう。

手術の時期は、オス猫もメス猫も生後6ヵ月頃からが目安となっています。

手術を行うことで、発情期におけるストレスや、望まない妊娠、問題行動を防げます。手術は猫の病気にもいい影響を与えます。オス猫は精巣の病気、メス猫は子宮や乳腺の病気を予防できるメリットがあります。

手術をした猫は落ち着きが増し、家の中での生活をより満足してくれるようになります。

肥満対策

1歳になるまでの猫の成長期において、肥満への対策は非常に重要です。この時期に適切な食事管理と運動習慣を身につけることで、猫の生涯の健康を支えられるといっても間違いではありません。

まず猫に与える食事の量と質に注意し、推奨される量を守りましょう。おやつを食べる姿が可愛かったり、おやつを欲しがったりするからといって好きなだけあげることをしてはいけません。

基本は主食が猫の健康を維持するために必要な栄養素で、おやつは主食ではなくコミュニケーションの一環や、しつけに対する報酬です。

主食に加え、おやつまでたくさん摂取していたら過剰なカロリー摂取となります。

1日の総カロリー数は主食とおやつ両方を足したものです。おやつは総カロリーの5%〜10%程度に留めておきましょう。

動物病院で健康チェック

1歳になるまでに猫を動物病院で定期的に健康チェックすることは非常に重要です。予防接種が法的に義務付けられているわけではありませんが、早期の健康チェックによって隠れている健康問題を発見し、予防ができます。この時期に実施される健康チェックでは、一般的な身体検査の他、栄養や体重管理などのアドバイスももらえます。

獣医師による定期的な健康チェックは、猫が健康で長生きするためには大切なことです。

まとめ

8ヶ月の猫の特徴と育て方4

この記事では、生後8ヶ月の猫の育て方に焦点を当て、成長段階における特徴や適切な食事、しつけ方、留守番の対応などをまとめてきました。

この時期の猫は人間の子供同様、身体的にも精神的にも急速に成長しています。

そのため、成長に合わせた栄養バランスを提供することや、運動をさせること、留守番をうまくできるように環境を整えてあげることはとても大切なことです。

愛猫が健康で幸せな一生を送るためには、生後8ヶ月の段階でこれらのポイントを理解し、適切なケアが重要です。この記事を通して、成猫になるまでにどのようなサポートをすればいいか、今一度真剣に愛猫と向き合ってみることをおすすめします。

RANKING
人気記事ランキング