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- はじめに
- 猫が寄ってきて頭をこすりつけるのはなぜ?
- 猫は飼い主の行動で学習している?
- 頭をこすりつけたら遊んでくれた
- 頭をこすりつけている時に急に噛みつくのはなぜ?
- 猫が顔をこすりつけるのが好きな理由
- こすりつけ方で違う猫の気持ち
- 猫のマーキングがひどくなったらどうする?
- まとめ
はじめに
猫を飼っている方なら、猫が頭や顔を擦り付けるところを見たことがあるのではないでしょうか。
頭突きをしているようにも見えるため、威嚇をしてる?怒っているの?と思われそうですが、実は愛情表現やあいさつをしています。
その他にも頭を擦り付ける時は、猫が飼い主に対して何らかの感情表現をしていることが多いです。
今回は、猫が頭を擦り付ける時の感情や理由について詳しく解説します。
スリスリしている時の愛猫の気持ちが知りたいという方は、ぜひ最後まで見てみてください。
猫が寄ってきて頭をこすりつけるのはなぜ?
猫が寄ってきて頭を擦り付けるのは、愛情表現やあいさつをしている可能性が高いです。
タイミングによってはマーキングやおねだりをしていることもあるので、場面によって解説していきます。
愛猫がどんな時に擦り付ける行動をしているのか、思い出しながら見てみてください。
帰宅後ならマーキング
飼い主が帰宅してすぐに擦り付けてくるなら、マーキングをしている可能性が高いです。
他の匂いがすると落ち着かないので、帰宅後は特にカバンや持ち物、飼い主本人まで自分の匂いをつけて安心できる場所を確保しようとします。
猫の顔には臭腺といって匂いの出る腺がいくつもあり、お気に入りの対象には自分の顔を擦り付けて匂いをつけるのです。
飼い主のことが大好きな証拠なので、危険がない限り好きにさせてあげましょう。
甘えている
飼い主に対して顔を擦り付けてくるのは、猫が甘えている時の仕草の1つです。
子猫の時に母猫に顔の食べかすを綺麗にしてもらったり、擦り付けて愛情表現をされたことのある猫なら母猫の温もりを思い出していることもあるでしょう。
愛猫が自分から顔を擦り付けてきたら、撫でてあげたり抱っこしてあげるなど、たくさん甘やかしてあげてください。
やってほしいことがある
猫はおねだりをする時にも顔を擦り付けてきます。
擦り付けながらニャーと鳴いてみたり、構ってほしいアピールをしている時は、お願い事がある可能性が高いです。
おやつやご飯がほしい
お腹が空いてくる時間に顔を擦り付けてきたら、おやつやご飯がほしいサインです。
好きな時に好きなだけあげてしまうのは健康上良くないですが、与えても良いタイミングの時は応えてあげましょう。
遊んでほしい
おもちゃを持ってきて顔を擦り付けてきたり、暇そうな時にかまってアピールをしてきたら遊んでほしい時です。
忙しい時はごめんね忙しいのと伝えてあげて、時間があるなら十分に遊んであげましょう。
おもちゃ遊びは、愛猫と飼い主がコミュニケーション取れる方法の1つなので、かまって欲しそうな時はなるべく遊んであげてください。
寂しくなった
お留守番の時間が長かった時や構ってあげられる時間が少なかった時に、猫が頭を擦り付けてくるのは寂しかったというアピールです。
いつも以上に甘えたそうに擦り寄ってきた時は、たくさん構ってあげて心を満たしてあげましょう。
不安を感じている
猫が頻繁に頭を擦り付けてくるなら、ストレスや不安を感じていることが考えられます。
何か不満を感じるようなことはなかったか?ストレスになっていることはないか?を確認しましょう。
猫は環境の変化があまり好きではないので、もしもストレスになる原因があるなら、解消できるように対応してあげてください。
猫は飼い主の行動で学習している?
猫がおねだり目的で擦り付けてくるのは、前回同じ行動をした時に飼い主が叶えてくれたことを覚えている可能性があります。
賢い猫は、どうしたら自分の願いを叶えてくれるのかを考えて日々学習しているのです。
特に飼い主と毎日規則正しく生活している猫は、体内時計が正確になりご飯の時間も把握できています。
頭をこすりつけたらごはんがもらえた
ご飯の時間が近づいてきたり、お腹が空いてくる頃に頭を擦り付ける猫の姿をよく見かけます。
以前に飼い主に頭を擦り付けた時に、ご飯がもらえたという記憶があるための行動の可能性が高いです。
頭を擦り付ければ好きな時にご飯がもらえると覚えさせるのは良くないので、時間やタイミングを見て対応しましょう。
あげる時あげない時のメリハリをつけないと、わがままになったり肥満の原因になることもあります。
とても可愛い行動で何でもしてあげたくなりますが、愛猫の健康のためにも決めた時間やルール内で対応してください。
頭をこすりつけたら遊んでくれた
おもちゃを持ってきて頭を擦り付けてくる時は、遊んでほしいアピールをしています。
こちらの行動も以前に頭を擦り付けた時に遊んでくれた記憶が残っているからです。
忙しい時に対応する必要はありませんが、無視せずごめんねあとで遊ぼうねなど声かけをし、遊べる時は思う存分遊んであげてください。
また、強い力で擦り付けてくる場合や何度もしつこくしてくる場合は、いけない行為という事を伝えて怪我には十分に気をつけましょう。
頭をこすりつけている時に急に噛みつくのはなぜ?
猫が頭を擦り付けながら噛み付いてくる時は、気持ちが高ぶってしまった場合と本能的に真剣なモードに入ってしまった場合が考えられます。
どちらの場合にしろ、噛み付くという行為は怪我をする危険がありクセになってしまうと困るので、早めに対処しましょう。
気持ちが高ぶってしまった
猫がマーキングや甘えたい時に頭を擦り付けてくる時、気持ちが高ぶって甘噛みをすることがあります。
しかし、甘噛みで済めば良いですが、エスカレートしてだんだん強い力で噛んでしまうことも考えられるので注意が必要です。
猫同士の兄弟間や親子間でよく見られる行為なので、猫に悪気があるわけではないのですが、クセになってしまうと他の家族や遊びに来てくれたお友達などにも噛み付く可能性があります。
怪我をさせてしまったら可愛いだけでは済まされないので、早いうちに辞めさせましょう。
動きに反応して獲物を捕まえるスイッチが入ってしまった
猫は、本能的なところで狩猟の部分が残っている動物です。
飼い主の動きに反応して獲物を捕まえたいという気持ちのスイッチが入ってしまい、ヒートアップすると噛み付いてしまうことがあります。
一緒に遊んでいる時に狩猟のスイッチが入ると、飼い主の手や足にじゃれるように甘噛みをするので注意が必要です。
そのまま遊んでしまうと、手に噛み付いても良いものだと認識してしまうため、遊びの延長だとしても噛み付く行為は禁止にしてください。
咬んできたら静かに猫から離れる
どんな理由であれ、猫が噛み付いてきた場合は遊んだり甘やかすのを辞めてその場から離れてください。
猫は噛み付いたらおねだりを叶えてもらえない、飼い主が構ってくれないということを理解します。
甘噛みをしている姿は確かに可愛いのですが、今後のお互いの関係やしつけのためには心を鬼にして構わないということも大事です。
噛み付いたらダメだということが理解できるまで、何度も繰り返していけばクセになる前に治すことができるので試してみてください。
猫が顔をこすりつけるのが好きな理由
猫が顔を擦り付けてくるのは、本能的な理由と自分にとって気持ち良い場所という2つの理由があります。
フェロモンの分泌腺が発達している部分だから
猫の顔や身体には、フェロモンの分泌腺があります。
顔は特に分泌腺が発達している部分なので、擦り付ければ自分の匂いが効率よく付けられることがわかっているのです。
猫は縄張り意識が強い動物なので、自分の匂いで満たそうと家具や身の回りのものにも匂いをつけます。
飼い主にスリスリするのは、帰宅して違う匂いがしたり、お風呂上がりに石鹸の匂いがする時で、顔を擦り付けて自分の匂いを付け直すための行動です。
基本的には信頼している相手や自分が好きな相手にする行為ですが、人懐っこい猫は来客相手にもスリスリすることがあります。
こすると気持ちいい場所だから
猫が顔を擦り付けるのはマーキングの意味もありますが、単純にこすると気持ちがいい場所ということが理由になります。
私たちが顔をマッサージすると気持ち良いのと同じです。
逆に愛猫とのコミュニケーションをとる時は、頬や耳周りをスリスリしてあげると喜びます。
猫が擦り付けてくる場所は、気持ちの良い場所なので、撫でてあげる時に意識してあげると気持ちよく目を瞑ったり可愛い表情が見られるので試してみてください。
こすりつけ方で違う猫の気持ち
猫が頭や体を擦り付けてくるということは、相手に対してかなりの信頼と愛情があるのは確かです。
擦り付け方で猫が何を伝えたいのか、どんな感情なのかがわかります。
こすりつけながら舐めてくる時
かなりの愛情表現をしている時に、擦り付けながら舐めてきます。
猫同士で毛づくろいをするような感覚で舐めてくるので、飼い主に対して絶対的な信頼と愛情があるという証拠です。
困ることがない限り、好きなだけ舐めさせてあげましょう。
全身をこすりつけてくる時
甘えたい時や、自分の匂いをつけたい時に全身を擦り付けてくることが多いです。
相手に対して自分の安心する場所にしたい場合や、自分のものだという主張をしている可能性もあります。
忙しい時などを除き、スリスリしたがる時は好きなようにさせてあげてください。
頭突きをしてくる時
頭突きをしてくる時は、何かお願い事がある可能性が高いです。
頭を擦り付けて食事やおやつをもらったことがある猫は覚えていて、またもらえるかもしれないとおねだりしています。
力が強い時は注意が必要ですが、タイミングが合えば要求に応えてあげてコミュニケーションをとるのもおすすめです。
猫のマーキングがひどくなったらどうする?
頭を擦り付けるなどの適度なマーキング行為なら、好きなようにさせてあげても良いですが、度が過ぎる場合は注意が必要です。
実害が出てしまう例と対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
頭をこすりつける以外のマーキング
頭を擦り付ける以外のマーキングで、飼い主が困ったと感じたらそれは問題行動になります。
どんなに可愛い愛猫でも、問題行動が続けば飼い主のストレスになりますし、猫側も何か不安を感じている可能性もあるのでなるべく早い段階で対処しましょう。
爪研ぎ
猫が爪研ぎをするのは、爪のケアをしている事もありますがマーキングや飼い主へのアピールの可能性が高いです。
猫の足の裏には臭腺と呼ばれる強い匂いを発する分泌腺があります。
壁などで爪研ぎをする時は自分の匂いをつけて、ここは自分の縄張りだとアピールしているのです。
多頭飼いをしていたり、他の猫が同じ場所に匂いをつけている時に高い位置につけたがる場合は、自分の方が大きくて強いのだというメッセージがあります。
他にもストレス解消や気分転換、飼い主に構ってほしい時のアピールの可能性もあるので、愛猫に不満がないか観察してあげましょう。
スプレー
スプレー行為は、排泄目的ではなく自分の匂いをつける目的でします。
排泄の失敗や不適切な排泄とは様子が違うので比較して確認しましょう。
比較対象 | スプレー行為 | 排泄の失敗(不適切な排泄) |
姿勢 | 基本は立ったまま (たまに座ることもある) | 座った姿勢 |
場所 | 壁やカーテンなど | 好みの場所 |
量 | 少量 | 多量 |
トイレの使い方 | ウンチや多量のおしっこはトイレを使う | トイレでうんちもおしっこもしない |
見比べてみると、明らかにトイレを失敗している時と様子が違うのがわかると思います。
スプレー行為は、壁やカーテンなどに立ったままひっかけて、自分の匂いをつけてアピールしていることが多く、去勢手術をしていないオスによく見られる行動です。
多頭飼いをしていたり、窓から他の猫が見えた際に縄張りを守るためにスプレー行為が激しくなることもあります。
他にも、家具を変えたり引越しをした際の環境の変化や、飼い主の不在時間が長いなどの情緒不安定になった時にもスプレー行為をします。
自分を守りたい、落ち着きたいという気持ちでする行為なので、安心できる環境を作ってあげましょう。
実害がない場合はそのままやらせてあげる
爪研ぎもスプレー行為も害がない場合は本能的な行動なのでそのままやらせてあげましょう。
しつけだからと言って、あまり叱りすぎると猫もストレスを感じてしまいます。
ある程度、許容範囲なら見守って危険がないかだけ気を付けてあげてください。
困ったらマーキングしやすい場所を増やす
どうしてもマーキング行為をやめてくれない時は、思う存分やらせてあげる場所を作ると良いです。
爪研ぎなら、爪研ぎグッズを用意しましょう。
爪研ぎグッズ | 猫が爪を研ぐためのグッズ。木材や麻素材でできていて、様々な形状や大きさのものが販売されています。 |
爪研ぎ保護シート | ツルツルとした素材のシート。ひっかいても爪研ぎができないので自然とやらなくなります。 |
匂いを出すスプレー | 猫は柑橘系や酸っぱい匂いが嫌いです。ソファーや壁など爪研ぎをされたくない場所に猫の苦手な匂いのスプレーをかけましょう。あまり広範囲にかけると猫にとってのストレスが多くなってしまうので、注意が必要です。 |
ネイルキャップ | 猫の爪につけるカバーです。爪研ぎ防止には最適ですが、猫にとってはかなりの負担になるのでメリットデメリットを考えた上で使ってみてください。 |
爪研ぎのしつけが難しい場合は、防止グッズを使うのも一つの手です。
爪研ぎをしてはいけない場所でしようとしたら、抱き上げてここなら好きにやっていいという場所に連れて行ってあげましょう。
猫は大きな音を嫌がるので、もし失敗してしまっても大きな声は上げずに、冷静に対処してあげてください。
また、スプレー行為をやめさせたい時は、自分の縄張りの中が安全ということを理解できる環境を作ってあげましょう。
失敗しても怒ったり罰を与えると更に悪化させる可能性があります。
スプレー行為をした場所は徹底的に掃除し食べ物を置いたり、脅威になっている事があるなら取り除いてあげてください。
また、去勢・避妊手術も効果的です。
90%のオスとメスのマーキング行動が収まっているので、どうしてもやめられない場合は手術を検討してみてください。
まとめ
今回は猫が頭や顔を擦り付ける行為について解説しました。
猫は、甘えたい時や自分のものだとアピールしたい時にスリスリします。
とても可愛らしい行為ですが、行き過ぎるとお互いにとってストレスになってしまう事もあるので、応えられる範囲で対応してあげてダメなところはしっかりしつけましょう。
マーキング目的で擦り付けているなら何か不安や不満がある可能性が高いので、コミュニケーションをとってストレスのない生活を送ってください。